「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

ヒメチャマダラセセリ

2006-05-30 21:54:09 | 日高の山々
予期せぬ出会いがある。ヒメチャマダラセセリ。

アポイ岳固有の小さな蝶だ。登山前日の
20日にビジターセンターで、その存在を知る。
翌日、サマニユキワリの蜜を吸う小さな蝶を見つけた。
ドキドキ。
このときめきはなんだろう。狩猟本能か、童心か。
ヒメがつくのか、ただのチャマダラセセリなのか。現在、調査中。

本日は??回目の結婚記念日。安いバラを買って帰る。
大人になりかけている子供達と、中高年になりきれない自分達。
日々は同じことの繰り返し。
が、その日常の中の非日常が、ささやかな楽しみ。
それは、時に蝶で、時にバラの花。
小市民と笑うなかれ。


雨の円山 新緑シャワー

2006-05-28 17:27:49 | 円山
今日は雨。風も強い。藻岩山も雲がかかっている。
ということで、円山へ。西口からゆっくり登る。
コンロンソウ、オドリコソウ、ルイヨウショウマと白い花が続く。
巨木は藻岩山より多い。先人が都心に残した悠久の森。
葉の一枚一枚がやさしい傘になり、風も雨も、包んでくれる。
新緑のシャワーの中にいると、人は自然に生かされていることを実感。
まわりに誰もいないので、巨木に腕を回して、そっと耳を当ててみた。



尻別岳は羊蹄山の展望台

2006-05-27 20:15:43 | 羊蹄・ニセコ周辺の山々

羊蹄山の展望と花ねらいで、留寿都・喜茂別にまたがる尻別岳へ。


札幌市内は初夏の予感だが、定山渓から中山峠は淡い新緑と春もみじ。紅葉が美しい山は春紅葉も美しい。

トドマツの濃い緑と周りの淡い色彩がメリハリ効いたパッチワークになっている。(写真は羊蹄山。登山口に向かう林道から撮影)

■10時16分 留寿都村登山口から尻別岳に。この山は初めて。

開けた眺望のよい登山路で、タチツボスミレ、シラネアオイが山頂まで途切れることなく続く。

シラネアオイには白花も。コキンバイも黄色い絨毯を作っている。

早くも?ハクサンチドリ、チシマフウロ、エゾカンゾウも咲いていた。

右手に支笏湖を囲む山々、左手に昆布岳、ニセコの山々、羊蹄山、背に洞爺湖を囲む山々と眺望は飽きる事がない。


ハクサンチドリ   エゾカンゾウ    白花のシラネアオイ

■11時17分 あと1000メートルという標識。ここからが急登。

40分かけて、「あと500メートル」の標識まで登る。ここから風がさわやか。

稜線を歩く。(写真・左が尻別岳  写真・右が羊蹄山)


 

■12時13分

山頂(1107.4m)に到着。5人の登山者が、ちょうど下山しようとしていた。

途中、すれ違った人が10人だから、僕が留寿都からの16人目の登頂者。

このあと登ってきたのが6人だから、この日は22人ということか。

山頂は狭く雑草が進入していて興ざめだが、眺望は最高。羊蹄山が手にとるように近い。

無意根山も美しい。有珠山西山火口の噴煙も見える。山頂の残雪が心地よかった。

 (写真は無意根山)

■12時55分
下山開始。タケノコを採りながら下山。笹薮の中でギョウジャニンニクをとっている夫婦登山者も。

春の登山は「食欲」もそそられる。 14時15分下山。

■真狩温泉で入浴。源泉かけ流しの500円。この温泉は6年ぶり。
家族4人でキャンプしたのが懐かしい。露天風呂から羊蹄山、尻別岳を、もう一度堪能。


藻岩山は初夏の森に

2006-05-24 21:38:47 | 藻岩山
10日ぶりに、早朝の藻岩山を歩く。
芽吹きの春もみじが、みずみずしい新緑に替わっていた。
こんもりとした森が初夏の訪れを予感させる。
いまは、春と初夏の際(きわ)を歩いている。
まもなく、山は緑濃いうっそうとした森になる。
この一瞬の際(きわ)が目と心を楽しくさせる。
心ときめかせた早春の花々が姿を消し、初夏を告げる花が咲いていた。
コンロンソウ、、マムシグサ、クルマバソウ、オオタチツボスミレ。
おっと!足元にトガリネズミ。カメラを忘れた事を悔やむ。

花のアポイ岳

2006-05-23 21:51:14 | 日高の山々

5月21日(日)
寒くて午前3時過ぎに目がさめる。

車の中でバナナ食べたりパンを食べたりしていると、続々と車がやってくる。

登山者の朝は早い。アポイ岳登山は20年ぶり2度目。

■午前5時。入山。

5合目まで野の花ロード。オオサクラソウ、フイリミヤマスミレ、コミヤマカタバミ、コキンバイなどなど。

快晴も日が当たらず、撮影せず。

クマよけの鐘が節目節目に置いてあり、なんとなく安心。大きく鳴らす。

■6時18分 5合目到着。

樹林帯抜けて日がさんさんと当たる。太平洋が光る。

ここからは塩基性かんらん岩に咲く、この山の固有種のパレード。

アポイアズマギク、アポイタチツボスミレが咲き乱れ、撮影モードでゆっくり登る。


    


■6時50分 7合目。

サマニユキワリが続く。帰路、見慣れぬ蝶がとまっていた。  


■7時04分 馬の背(595m)日高山脈がくっきり。
ヒダカイワザクラが「かんらん岩」に咲く。

8合目からエゾキスミレが登場。

9合目にヒダカソウ。先行登山者が教えてくれた。絶滅寸前、たった一輪に歓声。望遠で撮影。26日放送予定らしい。STVも登ってくる。




■8時 アポイ岳山頂(810.6m)

高山のハイマツ帯を登ってきたのに、突然、中腹にあるはずのケカンバ帯が頂上にあり、見通しよくない。不思議な山だ。

■8時52分 吉田岳の山頂。

日高の山並に手が届きそう。襟裳岬も近い。

幌満花畑経由で13時18分下山。数百人の登山者の列にびっくり。

幼稚園児から高校生まで地元っ子、そしてツアー客。規制のある山なのでマナーはよく、気持ちのよい登山だった。


■帰路、様似名物「たこまんま」のかまぼこ食べたり、新冠温泉レ・コードの湯(500円)に入ったり。

瀟洒なこの温泉は高台にあり絶景。500円は安い。

道の駅で、大雪山案内人のSさんと会う。アポイ岳ツアーを添乗していたという。10年ぶりの再会。



様似山道から退散

2006-05-22 20:46:55 | 日高の山々

5月20日(土)かねてから歩いてみたかった日高の様似山道に挑戦。

早朝に札幌を出て、10時40分、幌満トンネル出口の東口から入山。

花が美しい江戸時代の古道にロマンがかきたてられる。7キロの道をピストンしたくないので、片道1時間歩いて引き返すつもり。

確かに、オオサクラソウの群落が美しい。雪解け水が豊富な沢も清涼感にあふれていた。



が、山肌にへばりついたり、渡渉をくりかえしたりと、かなりハード。入山届によると16日に大雪山麓に住む山男Sさんが入っている。

きょうは先行者はなく、この山に独りと思うと、ヒグマへの恐怖も募る。

「頭蓋骨だ!」「脚だ!」足元にはエゾシカの屍も点在。

大雪による餓死だろうが、死肉にクマがよってくるかも・・・
美しい春景も満喫できなくなり、歩いて30分で引き返す。

様似駅の観光案内所で里山の「観音山」にオオバナノエンレイソウが満開との情報。
カタクリの群落が終盤で、オオバナノエンレイソウが一面に。



シラネアオイも彩りを添えていた。


行きありばったりの旅も楽しい。
アポイ山荘で入浴。温泉ではないが、清潔感あるホテルで太平洋の眺望もよい。500円。

給料日前の経費節約ということでアポイ岳登山口の駐車場で車中泊。

車の中で寝るのは生まれて初めてで、ちょっと楽しい気分。することもなく、ビールと日本酒飲み、暗くなったら寝てしまった。




ど根性 桜 藻岩山

2006-05-15 21:28:34 | 藻岩山
04年の大型台風18号で藻岩山の形相は大きく変貌した。慣れ親しんできた巨木、古木が根こそぎなぎ倒され、今でもその傷跡は生々しい。
あれから2年。倒れた木に桜が咲いていた。
ようく見たら、完全に倒れているのではなく、幹の途中が、ざっくりと裂けて登山路に先端をせり出しているのだ。
だから枯れることなく養分は届き、横倒しのまま花を咲かせている。
「ど根性 桜」と心ひそかに名づけた!

藻岩山は春もみじ 若葉食べるエゾリス

2006-05-14 22:05:52 | 藻岩山
雨あがる直前の森が楽しい。光が差し始め、緑がしっとりと輝きを増す。
水滴を身につけた花も愛らしい。何より空気がおいしい。
今朝は、そんな藻岩山を歩いた。山全体が芽吹きの萌黄色に染まっていた。
春もみじ。エゾリスがその若葉を食べていた。
シラネアオイが咲き、ツツドリが鳴き始めた。

眺望の伊達紋別岳

2006-05-13 23:46:42 | 室蘭・登別周辺の山々

■9時35分入山
夏山の足慣らしに伊達紋別岳に登る。この山は初めて。
手入れ良く整備された登山路にはフイリミヤマスミレ、ケタチツボスミレが多い。


     

■10時55分
7合目から稜線歩き。室蘭岳、稀府岳が近い。室蘭や伊達も見渡せる。眺望が楽しい。




■11時45分 登頂(714.5メートル)
きょうは薄い雲が多く、視界よくない。それでも頂上からは洞爺湖、羊蹄山の眺望がすばらしい。快晴だったらもっと感動した事だろう。
帰路に出合った2団体。なんと80人と20人の中高年ツアー。長い列にびっくり。
下山後、桜咲く有珠の善光寺に立ち寄る。ヒナスミレがたくさん咲いていた。コシ゜マエンレイソウもさりげなく。


        

■伊達温泉  

清潔。390円とはびっくり価格。

全身刺青おじさんが入浴していたのにもびっくり。


新緑の藻岩山

2006-05-11 23:24:33 | 藻岩山
 朝、藻岩山をちよっとだけ散歩。「ショーチューイッパイ グィー」と鳴くセンダイムシクイが入っていた。この鳥は、春の第2陣。雨があがり、森は新緑に包まれていた。
たった一晩で季節が進む。桜も見ごろで、春を満喫。
昼のTVニュースで盤渓で保護、山に戻された仔グマの死体が見つかったとのこと。
親とめぐり合うことなく冷たい雨で体温が低下したらしい。

盤渓で仔グマ保護

2006-05-10 21:54:56 | 札幌・小樽周辺の山々
午前9時ごろ、中央区盤渓の妙福寺近くの登山道で、生後まもない子グマが保護された。夕方のテレビニュースで、大々的に報道されていた。
映像を見て、ちょっとショック。まさに、4月30日に砥石山から迷って下山した場所だ。親グマと兄弟が近くにいるに違いない。
ヒグマの生活圏とは知っていたが、「やはり」という感じ。
大都会・札幌の中央区。要注意だが、自慢できる野趣がある。

クロツグミ歌う!野幌森林公園

2006-05-07 19:23:35 | 野幌森林公園
初めてバードウォッチングをしたのは、野幌森林公園だった。数年間通った道を20年ぶりに歩く。6キロほどのコースだが、次々に記憶が甦り、迷わずに歩けた。
いろいろあったけれど、人の歳月はあっというま。森の営みとくらべて、なんと短く小さいことか。
カシワが赤く芽吹き、歌の名手クロツグミが歓迎してくれた。

絶景オタモイ海岸に清楚なカタクリ

2006-05-06 20:35:52 | 札幌・小樽周辺の山々

きょうは盛りだくさん。手稲区の星置緑地から、小樽へ。奇岩・景勝地のオタモイ海岸から赤岩山を目指す。

昨夜、インターネットで調べたらカタクリが咲いているらしい。 昭和の初めまで景観を目玉にした一大観光地だったという。

が、施設は焼けて、今は「つわものども」の夢の跡。

白く輝く積丹岳、余別岳が青い海に浮かぶ。 その山並みが青い空を逆三角形に刻む。

時は過ぎても、確かに絶景だ。   日本海を見下ろしながら、カタクリの小道を歩く。


ここのカタクリは小さく清楚だ。

標高差200メートルほど上がるといったんピークに出る。なんと雪道!

複数の鉄塔のある赤岩山まで一本道なので迷うことはなかったが、小樽も雪解けが大幅に遅れている。

出合った知己のHさんによると「GWに毎年来ているが、例年にない積雪」とのこと。

エゾリスが「ウァ、ウァ」と鳴く。威嚇しているのか、警戒しているのか、初めて聞く悲鳴だ。

赤岩山(371.1m)からは、暑寒別山系の白き山々が見渡せた。

帰路は「中山海岸」に降りてみる。ギョウジャニンニクをザックにいっぱい詰めた男性2人とすれ違う。

ぷーんと春の匂いがした。

■快晴  おそらく気温20度超える
■10:58 オタモイ海岸「唐門」から入山
■11:30 352m標高地
■11:48 赤岩山(371.1m)ここまで2.6キロ
■12:48 山中海岸分岐→海岸降りる
■13:38 山中海岸分岐に戻る
■13:55 入山口に戻る


感動の花々・・・星置緑地

2006-05-06 19:09:49 | 自然公園/原野/海浜
6日はどこに行こうか、迷った。本棚から何気なく引き出した古いガイドブックに「星置緑地」に青咲きのキクザキイチゲが咲いているという。室蘭、伊達方面では咲いてるらしいが、札幌では見たことがない。JR函館線・星置駅近くに小さく残った湿地が「星置緑地」だ。あまりに身近で行ったことがなかった。
名物の水芭蕉の見ごろは過ぎたものの、ブルーのキクザキイチゲに初対面。
白いキクザキイチゲとの競うように咲いていた。

さらにコジマエンレイソウも咲いていた。

説明の標識板によると、松前小島で初めて見つかったエンレイソウの変種らしい。花弁がふっくらとしていて気品がある。この辺が北限らしい。
かなり得した気分になる。それにしても「点」のような湿地の何と健気で気高いことか。