「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

下山の思想(五木寛之)

2012-03-05 22:48:02 | 登山BOOK

音楽家、作家、書道家・・・

芸術にかかわる職業には家がつく。

ビアニストにバイオリニスト。

アルピニストは登山家だから、洋の東西を問わずに、職業登山家は芸術家の領域なのか。

山に登るようになって気づいたことは、プロセスと結果に自分の人生観が投影されることだ。

だから魂が昂る。

五木寛之は「下山の思想」(幻冬舎新書)で、「私たちは今、下山の途中にある」という。

経済的な成長を求めることなく、そこには幸せがある・・・ということ。

下山の途中で見えてくるもの。それは足もとの可憐な花や遠くの美しい風景だったりする。

自らの来し方、行く末を考えるだけの時がある。

山行きの達成感を下山の流儀に求めるという観点から、この本は「登山本」だ。

今年の夏山シーズンこそ、下りたときに、へとへとにならぬようにと肝に銘じた。