「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

積丹岳 海を渡る蝶 アサギマダラを見た 

2013-08-11 22:37:25 | 積丹半島の山々

                                  積丹岳は雲の中・・・

 

2013年8月11日 積丹岳(1255.3m)登山記録:

 

実はウニ丼が食べたくて、積丹半島へ。 

その前に登ろう。

登山路はアブとスズメバチがうるさくて、たまらずにネットを被る。

下山してきた男性もネット姿。身体のまわりに、ブンブンと虻や蜂がまとわりついていた。

これは、鏡だ。 きっと僕の全身も、こうなのだ。

刺されたら嫌なので、早歩き。ちょっと恐怖心も。

ミズナラの巨木、ツバメオモトのルビー色の輝きにも、気もそぞろ。

あっというまに、山頂に。 

風が心地よく、虫もいない。 

が、雲の中。

ミズナラの巨木

ツバメオモト

風雪に耐えて横に成長・・・08年登山もここで写真を撮っていた!

 

山頂は雲の中

 

お湯を沸かし、みそ汁を飲んだり、ラジオを聞いたりと、時を待つ。

日が射し、雲が逃げる。

一瞬、眼下に積丹の海岸が見えて、また消える。

山頂に咲く初めて見る薄紅色の花。

ゴゼンタチバナの結実は赤く色づき、秋を先取りしていた。

 

 

この花の名前は?

 

ゴゼンタチバナの結実

 

一瞬、雲のベールが解けて海岸線を見た

 

帰路、七合目付近。

ふいに、静かに、幸せが降って来た。

翅を広げると10センチはある蝶が、ゆらりゆらりと僕の頭上に舞い降りる。

優美で気品に満ちた空中ダンス。

初めて逢うけれど

一目見て、アサギマダラ。

浅葱色の翅を黒と栗色の翅脈が、まだらに節どる。

台湾、沖縄と列島の海を渡る蝶。

日本海に屹立する積丹岳を歩いて、本当にツイテた。

 

枝にとまったアサギマダラ

 

ゆらりゆらりと静かに舞う

 

■登山記録

08:55 入山

09:35 ミズナラ巨木

09:45 六合目

10:15 七合目

10:35 八合目

11:00 九合目

11:25 山頂

12:40 下山開始

13:30 アサギマダラに出逢う

14:30 登山口に戻る

 

■過去の登山記録

 08年6月28日

■ウニ丼

積丹町日司の「みさき」

午後三時半に着いたら、3000円を超える、店自慢の赤ウニ丼、生ウニ丼は売り切れ。

あまりの忙しさで店員の女性も顔がひきつっていた。

そこで「ウニいくら丼」。1000円ほどお得。

おいしい。

味が重なり、ウニだけを堪能できなかったのが残念でした。

 


静かな積丹岳

2008-06-28 22:08:53 | 積丹半島の山々
(写真:右端が積丹岳、左が余別岳)

夏の光で輝く日本海が見たくて、積丹岳(1255m)を目指す。前浜では昔ながらの磯舟で獲るウニ漁が最盛期だった。山に登って海を眺め、下りた後のウニ丼もきょうの楽しみだ。

(写真:早朝、積丹町のウニ漁)

3合目から始まる登山口には立派な山小屋があった。中も綺麗に整理されていて、地元の人たちのこの山に寄せる愛着が伝わる。平成13年と19年に登山者と山菜採りの人が行方不明のままとの張り紙があった。情報提供を呼びかけると共に、捜索費用も多額になるので注意を呼びかけていた。

ルートはシラカバやナナカマドの単調な植生が続く。背丈を越える笹薮の勢いも強く、展望が全くない。かつての造材で、お金になる木は無くなったようで、5合目に原始の時をしのばせるミズナラの巨木がぽつんと残っていた。

(写真:五合目のミズナラ巨木)

6合目で追いついた3人の先行者はリュックいっぱいのタケノコを獲っていた。もう登山はやめて、ウニ丼を食べに行くという。僕も登山モードから、10分ほどタケノコ採りにスィッチを切り替えた。


(写真:ネマガリダケのタケノコ)

7合目から8合目にかけては、シラカバが縦ではなく、横向きに生えている。日本海から吹く強い風に逆らわず、重い雪にも耐えて、そのカタチを変えたのだ。冬の厳しい風雪を物語っていた。疲れて目測を怠けていると、幹のトンネルに頭をゴツンとぶつける。だから、帽子は大事だと実感。衝撃を吸収してくれる。

(写真:登山路のシラカバ)

7合目を少し過ぎた「ピリカ台」で少々だが、視界が開ける。真紅に輝くベニバナイチゴが咲いていた。北海道では西南部の花なので、札幌近郊ではお目にかかれない。少々、特をしたような気分に。

(写真:ピリカ台のベニバナイチゴ)

9合目から周囲の全容を望むことができ、一気に心弾ませて山頂へ。
稜線が連なる余別岳が青空に映えて美しい。積丹岬から神威岬にかけての日本海がきらきらと輝く。羊蹄山やニセコ連山は霞んでいるが、目を凝らすとシルエットが浮かぶ。きょう山頂一番乗りの登山者の幸せで、広くて静かな時の刻みを楽しむ。アマツバメが空を切り、カッコウがのどかなリズムを奏でていた。


(写真:積丹岳山頂と余別岳)

※ 7時35分:入山(3合目)
  8時10分:ミズナラ巨木 (5合目)
  8時25分:6合目でタケノコ採りの3人組に追いつく
  9時10分:7合目~ピリカ台
  9時30分:9合目
  9時55分:山頂
 11時   :下山開始
 12時35分:登山口に戻る。積丹岬の食堂でうに丼を。甘くて驚く。

 岬の湯しゃこたん 
600円 神威岬を望む露天風呂がすばらしい。お肌ツルツル系。


温泉で汗を流した後、神威岬まで足を伸ばす。積丹ブルーと言われる日本海に負けないくらい、エゾカンゾウの黄色が際立っていた。





両古美山 タケノコ、チシマザクラに積丹岳の大展望

2007-06-03 21:56:15 | 積丹半島の山々
【写真:余別岳(左)と積丹岳】

きょうも快晴。積丹半島の両古美山(806m)に登る。
去年も6月3日に向かいの当丸山に登っている。
雪解けが遅く道に迷ったが、今年は完全に解けていて、まずは一安心。

午前8時50分、たまたま一緒になった
タケノコ採りのおじいさん2人といっしょに入山。
長らく営林署に勤めていたらしく、山野に詳しい。
紫色のハクサンチドリが咲くと、タケノコもピークらしい。
残念ながら、まだ咲いてなかった。
「あそこの岩の30m下に熊の穴がある」とか、
「そこの沢は熊の通り道なので、熊の沢と言う」とか、懇切丁寧に教えてくれた。
浜言葉なので、なまっていて、おおよその意味しかわからない。
時々、笹薮に入ってタケノコを採ってくる。
うれしそうに「ヤバイ、ヤバイ」と喜ぶ。
70代も、ついに若者言葉を使うのか?
たまげて聞き返すと、とても「ヤワイ」そうだ。
山のタケノコは平地と較べて、軟くておいしいとのこと。
やがて、彼らは沢に入り、僕は熊がいるという岩の方を目指す。
チシマザクラやムラサキヤシオツツジが咲き乱れていた。


9時50分、山頂らしき岩場に到着。ケルンもある。
が、標識はない。
羊蹄山やニセコの山々の大パノラマが広がり、
あまりの気持ちよさに、熊のことはすっかり忘れる。
ちょっと進むと笹薮の中に、山頂の標識。
稜線と登山路は、さらに続く。

【両古美山の尾根筋】

10時20分、展望台に到着。
余別岳と積丹岳の大展望が目の前に。
この日、登山者は何故か僕ひとり。
独り占めにするには、あまりに大きな景観だった。
11時に下山開始、
タケノコとギョウジャニンニクを少しだけ頂きながら
12時30分に登山口に。

【登山口から見た両古美山】

温泉は去年と同じ古平町の一望館。
廃校になった高校をお風呂にした地元の人たちの気取らないお湯。
500円。









残雪、新緑、絶景の当丸山。そしてネギ

2006-06-03 21:04:14 | 積丹半島の山々

後志の当丸山(標高800m)を目指す。積丹方面へは、10年以上ぶり。古平から当丸峠経由で登山口へ。

新緑と残雪のコントラストが、あまりに美しい。期待が高まる。
 (当丸峠から見た新緑)

■09時入山。積雪多く、登山路がわからない。短気をおこして沢の雪渓を登る。


尾根に取り付く登山路と出会うはず・・・

積丹の山々、新緑にため息つきながら雪渓伝いに急登するも、登山路見つからず。

30分登った時点で引き返す。すると、登りのときに気付かなかったカタクリ、エゾイチゲの群落!があちこちに。
(カタクリ) (エゾイチゲ)

さらにネギ畑も!!!

立派なネギをせっせと摘む。思わぬ出会いに、頂上踏まずも満足。

 (ギョウジャニンニクの畑が広がっていた!)

下山してドライブでも、思ったが、雪原ゆけば当丸沼に行き着くはずと、Uターン。

予想通り沼に出る。両古美山もくっきり。耳を澄ますと遠くから人の声。

当丸山の稜線を集団が登ってゆく。悔しいから、もう一度登りなおすと、登山路を見つける。
 (当丸山と当丸沼)  (両古美山)



■すでに午前11時。ここからカタクリ、シラネアオイ、エゾイチゲ、フギレオオバキスミレの花の道。
 (フギレオオバキスミレ) (シラネアオイ)


■11時25分、山頂に。余別岳、積丹岳の絶景に大満足。

ご一行さんの背後について、沼への道を下山。悪路だが絶景。13時14分下山。


■ふるびら温泉 一望館で入浴。500円。海の見える高台の旧校舎を利用したちょっと変わった温泉。

地元・お年よりがたたずむ素朴な温泉だった。絵画や歴史写真が展示されていて、感心。