「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

晩秋の然別湖畔の山々

2012-10-20 22:35:18 | 東大雪

                      然別湖畔の天望山(左)と白雲山(右)

 

2012年10月20日 天望山(1173m)の登山記録

 

全道的に雨の予報のなか、晴れそうなのは十勝方面。

遅れている紅葉前線にも期待して、然別湖畔の山を目指した。

途中の夕張あたりは、紅葉の見ごろを迎えつつも、然別の山々は、ほとんど葉を散らしていた。

                                       東ヌプカウシヌプリ山

 

しばらく湖畔を巡ってから、天望山の山腹を切り開いた登山路に取りつく。

空に向かって枝を広げ、光輝く裸木のダケカンバ。

吹き抜ける強くて冷たい風が木々をザーっと揺らし、波のようにうねる。

                                              然別湖畔

                                    光り輝くダケカンバの裸木

             冬装束に衣替え中・・・エゾライチョウ

 

天望山(1173m)の頂きにつくと、大雪山の方向は雲に覆われていた。

あれは雪雲なのか。

強い風と共に雲が押し寄せ、雨も混じる。

すぐ隣に迫る冬・・・

                      天望山の山頂

 

風の音を聴きながら、コーヒーを飲む。

いったん湖畔に降りて、奥へ奥へと40分ほど進むと小さな東雲湖に。

若い女性ふたりが、寒さに震えながらおにぎりを食べていた。

対岸の笹原が風で波打ち、白っぽい葉裏を見せて躍る。

まるでダンスのようで楽しかった。

                        東雲湖

 

                         草紅葉

                        きのこ

 

■登山記録

10時35分:トウマベツ口から入山し、湖畔を歩く

11時05分:東雲湖と天望山分岐

11時25分:白雲山と天望山の分岐

11時55分:天望山の山頂

12時15分:下山開始

12時45分:東雲湖との分岐に戻る

13時25分:東雲湖

14時00分:東雲湖を出発

15時05分:トウマベツ口に戻る

 

 ホテル福原 1000円

オーナー所有の絵画が展示されていて心落ち着く。

           夕暮れの帰路 右端が東ヌプカウシヌプリ山

 

 


霧の然別湖 白雲山

2010-10-09 23:27:35 | 東大雪
                                       (標高800m 然別湖)

遅れていた紅葉を然別湖畔の白雲山(1186m)から眺めてみたい。

途中の夕張やトマムは素晴らしい紅葉だったが、標高800mの湖畔は乳白色の厚い霧に包まれていた。

登山口は釣り人の入漁場所となっていて、すでに満車状態。かろうじてスペースを見つける。

霧に包まれた森。苔むした登山路に落ち葉が重なる。イワツツジやゴゼンタチバナの赤熟した実が鮮やか。

音がする。霧が樹木に載せた水滴のひとつひとつが落ちる音。

パチッ、バチッ。


(霧の森)


(落ち葉の登山路)


(イワツツジ)

尾根に出ると巨大なカバの樹が迎えてくれた。

その身を半分に削っても幾筋かの太い枝を生かし、苔むした幹の一部を土に化しトドマツをはやす。

長い時間をかけて継承する命の力。


(尾根道の巨木)

霧に包まれた山頂は大きな岩が重なっていた。両手両足を使って這いのぼる。

登山者の色鮮やかな雨具が絵画のようだ。

然別湖に映る紅葉を静かにイメージして下山する。


(白雲山の山頂)

■登山記録:2010年10月9日
09時45分:然別湖畔コースから入山
11時05分:山頂(登り1時間20分)
11時30分:下山開始
12時50分:登山口に戻る



時間がたっぷり。ナキウサギのポイントに行ったら、待ち時間ゼロで出会う。ただしガスが深くてピンボケ。


然別湖温泉  ホテル風水1000円 目前の湖を望みながらの濁り湯に癒される。

神田日勝記念美術館 510円 早逝した画家の魂を継承し愛する郷土の文化を感じた。

紅葉の東大雪 十石峠から音更山へ(3)

2009-09-22 09:48:07 | 東大雪
                   (写真: 最終アプローチは250mの急登)

ブヨ沼のコルから、小高いピークを登り返す。残念ながら、目前の音更山は流れる雲に覆われてきた。

いったん緩やかに下った後、高度差250mの斜面を一気に登る。ハイマツやミヤマハンノキが濃くて、少々難儀だ。

登り切ったら、稜線は礫の多い台地になっていて、幾筋かの踏み跡が続いている。

降りてきた若い女性にこのコースで良いのかと尋ねると、「あと少しです。行ってらしゃい」と励まされる。「行ってらっしゃい」という響きが新鮮だった。



(写真: 山頂まで続く緩やかな台地)


雲の中なので、慎重に目印を確認しながら登ると、10分ほどで山頂に。先行者2人が休んでいた。登山口から3時間40分。

残念ながら眺望はまったく得られず。目の前に大きく構えているであろう石狩岳や表大雪の大展望を想像する。07年9月24日 石狩岳

「またおいで」ということなのだろう。山は逃げない。

こういう時は山頂で出会った人たちの談義に花が咲く。小樽から来た男性は3年前に定年退職。若いころに登った山々を40年ぶりに再訪しているという。

帯広から来た男性は、きのうはウペペサンケ山。帰宅して、きょうは音更山と二日連続の東大雪歩き。帯広から2時間という距離がうらやましい。08年9月15日のウペペサンケ山① ②

小樽の男性によると、先ほどの若い女性は十石峠からの尾根歩きではなく、近道となる涸れ沢を登ってきたという。なかなか先鋭的だなと感心する。

日差しは戻らず、体も冷えてきた。30分ほど、歓談して下山することに。次は季節を変えて来ようと思う。




(写真: 山頂は雲の中)

帰路、雲の下に出ると、相変わらず黄葉の素晴らしいこと。下りながら俯瞰すると、その大きさをいっそう実感する。

自分がこの中を歩いてきたのだ。

涸れ沢を登ってきたという例の女性が立ったまま微動だもせずに、遠くを見つめていた。

広大な空間で、人は点となり、時も止まるかのよう。

心が鎮まり、己が無になる。彼女が見つめていたのは自分自身なのか。



(写真: 遠くを見つめる女性。 中央と右のピークの中間がブヨ沼) 

■登山記録
06時40分: ユニ石狩岳の由仁石狩川コースから入山  06年9月23日 ユニ石狩岳
07時20分: 岩石が崩落した「大崩」
08時10分: 十石峠
09時00分: ブヨ沼
10時20分: 音更山 山頂(登山口から3時間40分)

10時55分: 下山開始
14時15分: 登山口に戻る(3時間20分) 右膝が少々痛み、ペースを落とす

 層雲峡のコンビニにあった割引券を持って大型ホテルへ。しかし、この日は日帰り入浴をしていないという。連休で宿泊客が多いからだろう。
気を鎮めて、いつもの日帰り温泉「黒岳の湯」に。こちらも連休の行楽客と登山者で、芋の子を洗うような大盛況だった。

紅葉の東大雪 十石峠から音更山へ(2)

2009-09-21 20:38:58 | 東大雪
                    (写真: 尾根歩きはニペソツ山と共に)

十国峠から尾根伝いに音更山を目指す。道中、常に東大雪の鋭峰・ニペソツ山がその威容を見せてくれて、飽きることがない。

見下ろす広大な森も秋の装いを整えていて、その黄葉は見事としか言いようがない。


(写真: 尾根の眼下に黄葉の森が拡がる)

尾根歩きは、いくつかのピークを登ったり降りたり。アップダウンを繰り返すごとに、正面左に石狩岳、その右に音更山が迫ってくる。

筋骨隆々。たくましい男性的な面構えだ。

次第に雲が流れてきて、その厚さが増してきたのが気がかり。雲の勢いに勝てるはずもないのに、頂上を目指す歩みが速くなる。


(写真: 石狩岳)



(写真: 音更山)

尾根歩きの楽しみは山々の威容ばかりではない。足元の小さな草紅葉(くさもみじ)も疲れを癒してくれる。

コケモモ、クロマメノキ、ウラシマツツジ。

くさもみじ。なんとも素敵な響きだ。


(写真: コケモモ)



(写真: クロマメノキ)



(写真: ウラシマツツジ)

石狩岳と音更山を望む見晴らしの良いピークから下ったコルがブヨ沼。十石峠から50分ほど。

踏み跡をまっすぐ進むと、笹が濃くなり崖に。落ちるかと思ったので引き返す。ブヨ沼を右に曲がるのが正しいルートなので気をつけたい。


(写真: ブヨ沼)

紅葉の東大雪 十石峠から音更山へ(1)

2009-09-20 23:03:40 | 東大雪
                    (写真: 国道から見た赤岳、緑岳の連なり)

きょうも、未明の札幌を出て、北へ。高速道路のパーキングエリアで見上げた夜空にはくっきりと冬の星座オリオンが浮かぶ。

今回はユニ石狩岳の登山口から十石峠を経て石狩連峰の音更山(1932m)を目指す。

東大雪エリアは先週に初冠雪した旭岳周辺より標高が低く、紅葉も見ごろだろうと。

層雲峡を抜けて登山口へ向かう途中、赤岳から緑岳の連なりが朝日を浴び、山肌が赤く燃えていた。

午前6時半過ぎ、ユニ石狩岳の登山口には車がすでに十台ほど。

苔むした針葉樹の森を抜けると渓流沿いにガレ場が続く。高度を上げるにつれて、谷の斜面のダケカンバの黄葉が面積を増していく。

時折、ナキウサギの「ピィー」という金属質のシャープな鳴き声が響く。

「きれいですねえ」と、僕に追いついた男性が話しかけてきた。

本当に美しく。これが落葉広葉樹に恵まれた北国の魅力なのだと思う。



(写真: 沢に沿って黄葉が広がっていく)



(写真: 高度を増すと、黄葉の全容が見えてくる)

登山口から1時間半ほどで、標高1576mの十石峠に。名前の由来は旧十勝と旧石狩の国境に位置することから。

素晴らしい秋晴れで気持ちが弾む。

行く手を向かって左に進めばユニ石狩岳(1756m)、尾根を右に進めば石狩連峰の音更山、そして石狩岳へと進む。

ユニ石狩岳には10人ほどが登っていく。遠路の音更山方向の先行者は、ふたり。


(写真: ユニ石狩岳)


(写真: 十石峠 右奥が音更山 左奥が石狩岳)


秋のウペヘサンケ山に登る②

2008-09-20 22:19:51 | 東大雪
       「ウペペサンケ山から望むニペソツ山」

9月15日の登山記録②
1610峰から菅野温泉分岐を過ぎたあたりでシマリス、ナキウサギとにらめっこ。ホシガラスもハイマツの群落で多数飛び交う。冬に備えて餌を土に埋めていた。松ぼっくりの食べ残しがあちこちに。これは誰の落し物?シマリスなのか、ナキウサギなのか、そせれともホシガラスなのか。

「写真:ハイマツの実の食べカス」


1610峰から1時間30分ほどで、ウペペサンケ山の山頂標識がある糠平富士に。東大雪の名峰で一番人気のニペソツ山が目前に迫る。06年7月に登った時の高鳴りが甦る。ニペソツ山(06年7月)
糠平富士は標高1834.5mで、最高点の1848主峰は左に1.5キロ先との標識がある。糠平コースからの登山者としては一番乗りだったが、すぐに男性が続いてきた。僕より45分遅くスタートしたというから健脚だ。彼は3回目にして初めて展望を得られたので、これから最高点に向かうという。僕はニペソツの見晴らしを得て大満足だったが、欲が出て彼に続くことにする。

「写真:糠平富士の山頂」


「写真:最高点に続くナイフ状の稜線」

ナイフのように切れた稜線を慎重に歩く。上り下りも結構あり、思いのほか時間がかかる。別のコースから先行し、最高点から折り返してきた大学生4人とすれ違う。紅葉や表大雪の見晴らしに励まされて、1時間で主峰に到着。

「写真:登山路から望むトムラウシ山」


「写真:ウペペサンケ山の最高点 1848m主峰」

40分ほど山頂で景観を楽しむ。紅葉の見ごろはまだ先か。一緒になった男性も札幌から来たとのことで、会話が弾む。「帰りのドライブが命がけだ」と意見が一致。眠くならないコツは、途中で仮眠すること。仮眠する場所も一緒だった。

※06:25 糠平コースから入山
 07:35 1399峰
 08:30 1610峰
 09:00 菅野温泉コース分岐
       シマリス、ナキウサギのテラス
 10:10 糠平富士
 11:05 最高点
 11:45 下山開始
 14:40 下山


糠平温泉・湯元館 500円
大正初め創業の老舗。素朴な源泉かけ流しが気持よかった。男湯から露天風呂に直行することができるが、混浴だった。熟年の夫婦が入っていたが、僕に譲ってくれた。
ひとりで森と渓流を堪能していたら、若いカップルがやってきた。まわれ右、尻隠さずで退散。

女性は廊下を歩かないと、露天風呂には行けない。タオルを身につけての入浴となる。











秋のウペヘサンケ山に登る①

2008-09-17 22:22:14 | 東大雪
    「写真:ウペペサンケ山の草紅葉 遠景は十勝連峰」

9月15日のウペペサンケ山 登山記録①:

午前6時過ぎ、東大雪・糠平温泉にあるウペペサンケ山の登山口に着く。
予想外の一番乗り。静かな山域だ。うっそうとしたトドマツの森を一時間ほど登ると、最初のピーク、1399m峰のに達する。目前には、次のピークとなる1610峰。あまりに大きく、その先の山頂を望むことができない。
眼下の糠平湖畔には溶岩丘だろうか、小さな富士山がずらりと並ぶ。その独特な異形の列に見とれてしまう。目を左に転じると、十勝連峰の山並み続く。右端が8月末に登ったオプヌテシケ山。鋭角を空に突き出した山容に改めて感嘆。芦別岳、夕張岳、そして日高山脈を一望する広い見晴らしが心地よい。



「写真:1399峰から望む1610峰」


「写真:糠平湖と小富士の列」


「写真:十勝連峰 左端が十勝岳 右端がオプタテシケ山」

ここから1610峰までの一時間ほどの登りが道中で一番きつかった。途中、秋色に染まった低木のウスノキと、その黒い実に癒される。1610峰からは、端正な台形を連ねるウペペサンケの山頂を望む。右端が東峰の糠平富士。ここが一番高く見えるが、実際の最高標高点はその左手1.5キロだという。


「写真:ウスノキ」


「写真:1610峰から望むウペペサンケの山頂」

1610峰から糠平富士までは、ゆるやかな稜線を楽しく登る。岩場とハイマツ帯が重なる場所はシマリスとナキウサギがせわしく動き回っていた。冬に備えたエサの確保に忙しいのだろう。高山植物の紅葉は例年より遅れ気味で、ちょっと物足りなかったが、小動物の冬支度で季節の移ろいを知る。
ナキウサギの動きがあまりに忙しく、撮影できなかったのが心残り。


「写真:草紅葉とシマリス」
















夜明けの三国峠 ウペペサンケ山へ

2008-09-15 22:35:03 | 東大雪
「写真:夜明けのウペペサンケ山」

未明の札幌は満天の星空と中秋の月に照らされていた。深夜ラジオを聞きながら高速道路を北へ北へと進む。目指すは夜明けの大雪山・三国峠。午前五時過ぎ、神々しく輝く東大雪の山々を望む。冷気の中、凛とした立ち姿に時空の大きさを感じる。


「写真:日の出に照らされたウペペサンケ山」



「写真:松見橋とクマネシリ山塊」


きょうの山行きはウペペサンケ山。登山口がある糠平温泉に向かう。

石狩岳に登る③ 「山頂~見晴らしピーク~下山」

2007-09-30 21:22:27 | 東大雪
「十勝連峰~トムラウシ山~忠別岳」

9月24日の登山記録③
10時35分に山頂に。雲が少々厚くなり、日差しも途絶えて寒い。ここから「小石狩岳」、「川上岳」、「ニペの耳」と稜線は続くが、目前の小さなピークにさえぎられて、よく見えない。そこで痩せた細い尾根を5分ほど進む。ここから見晴らしはすばらしく、先行の男性がのんびりと休んでいた。特に十勝連峰、トムラウシ、表大雪の連なりが、大雪山の大きさを物語っていた。


「小石狩岳~川上岳~ニペの耳と続く稜線」

「トムラウシ山」

写真をとったり、眺めを楽しんでいるうちに1時間以上も滞在。
11時50分に下山開始。シュナイダーコースの急斜面、膝が痛む事を想定し、登りから両膝にサホーターを装着。ほとんど痛む事もなく、アップテンポで下山することができた。14時30分に登山口に。登りと同じ時間を想定していたので、かなり早くて自分でもびっくり。不注意で4回ほど転んだが、ケガもなく幸運だった。
石狩岳・シュナイダーコースは、いつか登ってみたい憧れの山だった。「夏山ガイド」では上級コース。今年上半期を締めくくる素敵な山行きに感謝。

帰路の林道から見たピリベツ岳と西クマネシリ岳は双耳峰をなし、三国峠から見た印象とはかなり違う。通称、「おっぱい山」と言われているとか。

「ピリベツ岳(左)と西クマネシリ岳」

温泉は近くの幌加温泉・鹿の谷旅館。去年の夏休みに訪れて、山奥の露天風呂に感動。
完全な男女混浴というのも、いまどき珍しい。僕が入浴したときは、男性だけだったが、ロビーには湯上りの若い女性の姿も。彼女はどうやって入ったのかしら。

「幌加温泉・鹿の谷旅館」

※6時30分:入山
 7時00分:シュナイダーコース取り付き
 9時40分:稜線
 10時35分:石狩岳山頂
 11時50分:下山開始
 14時30分:下山

石狩岳に登る②尾根取り付き~縦走路分岐~頂上

2007-09-26 23:40:32 | 東大雪
「シュナイダーコースのきつい登り」

24日の登山記録②
午前7時に尾根取り付けから急斜面をジグザグに進む。高度を上げていくと尾根筋に出る。先行の登山者3人が小休止していた。新潟から来た年配のご夫婦とガイドさんだ。前日はニペソツ山に登ったと言う。ここからは細くて急峻な岩尾根を、両手両足をつかって、ひたすら登りつづける。ニペソツ山やクマネシリ山塊が顔を出し、つらい登りを慰めてくれた。

「ニペソツ山」


「ピリベツ岳~西クマネシリ岳~南クマネシリ岳」

9時40分、やっと稜線(標高1770m)に出る。音更山と石狩岳を結ぶ縦走路で、シュナイダーコース分岐と呼ばれている。目の前に表大雪が鎮座していて、びっくり。ここから標高差200メートルある石狩岳が迫力満点に迫ってくる。あと、一息だ。長くてきつかったが、危険を感じることもなく、実に登りがいのあるコースだった。

「縦走路から見た表大雪の山々」


「縦走路から見た石狩岳(右)と小石狩岳」

高度を上げて振り向くと、紅葉に包まれた音更山が美しい。10時35分、石狩岳の山頂(1996m)にたどりつく。標高差1163メートル、約4時間の山行きだった。山頂からは、想像を超える大きな絶景が広がっていた。

「振り向くと音更山が構えている」


「石狩岳 山頂」

石狩岳に登る①「暁の三国峠~登山口」

2007-09-25 22:14:37 | 東大雪
 「クマネシリ岳(左)、ピリベツ岳、西クマネシリ岳、南クマネシリ岳」


24日の登山記録①
3連休の前半2日は出勤。秋空がうらめしい。24日未明に札幌を出て石狩岳へ向かう。
三国峠で日の出と遭遇。雲海に浮かぶ、クマネシリ山群、ニペソツ山など東大雪の山々が神々しい。数人のアマチュアカメラマンが寒さに肩をすぼめながら、雲海と対峙していた。早起きのおかげで、壮大な光景と出会うことができた。

「ウペペサンケ山(右)」


「ニペソツ山」

午前6時過ぎに、石狩岳のシュナイダーコース登山口に到着。すでに10台ほどの車が止まっていた。朝焼けに輝く石狩連峰が目前に迫っていて、意欲を刺激する。
このコースは石狩岳にいくつかある登山路で唯一、日帰りが可能。とはいっても、急斜面で険しいコースとして知られている。去年、近くのユニ石狩岳に登り、その筋骨たくましい勇姿を目前にし、いつか登ってみたいと憧れていた。

「登山口から望む石狩連峰」


6時30分に入山。渓流沿いの平坦な笹薮を進む。
7時に急斜面に取り付く「シュナイダーコース」の標識と出会う。ここから、すさまじい傾斜との格闘が始まる。

「シュナイダーコースの尾根取り付き」

ユニ石狩岳 紅葉とナキウサギ

2006-09-26 20:40:07 | 東大雪
■9月23日:ユニ石狩岳の登山記録
【写真:ユニ石狩から見た石狩岳~音更山】

8時15分に入山。
今回の山行きはナキウサギと紅葉が目的。
近くの黒岳は22日午後に初雪の便り。が、このあたりは降らなかったようだ。
登山路はしっとりとした幽玄の世界。
針葉樹の林床にシダ類とコケ類がアクセントを添えていた。
  【写真:シダ類とマイヅルソウ】

8時45分に「鳴兎園」到着。その姿はない。
10分後に「大崩」着。谷川沿いの斜面が崩壊し、ガレ場が延々と続く。
特にガレ場入り口にナキウサギが多く、5分間隔で次々と姿を現す。
高山植物の葉をせっせと運んで貯蔵しているシーンも目撃。秋を感じる。

   
【写真:大崩】           【ナキウサギ】

山腹の黄葉も5割程度の進みぐあい。
遠方の赤岳~銀泉台は、肉眼でも真っ赤に染まっていることがわかる。
 【写真:遠方に銀泉台】

登山路の紅葉はイワツツジ、クロマメノキ、シダ類の床に咲くウラシマツツジ。
    
【写真:イワツツジ】   【写真:クロマメノキ】    【ウラシマツツジ】
   
十石峠に9時45分着。
7月に登ったニペソツ山が目の前に。
石狩岳も近い。音更山は手前の山に隠れて見えない。
 
【写真:十石峠】      【写真:ユニ石狩岳】

目の前にそびえるユニ石狩岳を詰めていくと、石狩岳~音更山の連山が顔を出し、
荒々しい威容に圧倒される。
10時50分にユニ岳山頂(1756m)に。
阿寒、十勝、表大雪と360度のパノラマが広がっていた。
  
【写真:山頂】   【写真:ニペソツ山】      【写真:北見方向】

幽玄の登山路に、川あり、ガレ場あり、紅葉に大パノラマ、そしてナッキー。
わずか2時間半の登山は変化に富み、本当に楽しかった。
登って楽しい、山の正しい姿。
山頂からはフォーマがつながったのも感動的!
が、層雲峡のユース、民宿は満宿だった・・・
11時50分に下山開始し、13時50分、登山口に到着。
泊まる所がなぃ。
いつもの黒岳の湯につかりながら、翌日の山行きを熟考する。

東大雪のアーチ橋 タウシュベツ橋梁(7月18日)

2006-07-22 14:59:43 | 東大雪
・7月18日の記録②・
【写真:タウシュベツ橋梁】

糠平湖の「めがね橋」の正式名称はタウシュベツ橋梁。湖は人造ダムで、
水位の低い時に姿を現し、夏は水没するという。この日は、水没寸前。森林地帯の山岳鉄道だった旧国鉄士幌線には、こうしたアーチ橋が多く、今は文化遺産として、観光やトレッキングに生かされている。

ぬかびらユースの早朝ツアーは500円。
楽しかったので、雨予報を理由に登山をやめ、廃線を巡ることにした。
かつて栄えた集落に想いをはせながら、歩くのも頭が刺激されて楽しい。



      

【写真:第三音更橋梁】    【写真:第五音更橋梁】   【写真:旧糠平駅の跡】

糠平と十勝三股の間にあった幌加には、盛時は300人ほどが住んでいたというが、
今は廃墟すら残っていない。山奥には3軒宿の幌加温泉。舗装されていて手軽にいけるが、スタイルは、かなりの秘湯。
つきあたりの「鹿の谷旅館」は昔の湯治宿を今に伝えていた。
熱いお湯に、使い込んだ古い湯船。相当の風情だが、なんと混浴だった! 
バスタオルを巻いたご婦人2人と鉢合わせには、ど肝を抜かれたが、足の不自由なおばあさんを2人で抱えて一生懸命入浴させていた。
車イスの我が父の姿と重なり、湯気の向こうに家族の心情が伝わってきた。

山に突き出す露天風呂が特にいい。夜は、きっと星空が近いに違いない。
入浴料金は500円。午後8時に出発する「ぬかびらユース」の入浴ツアーは300円。
昨夜、行けば良かった。

 【幌加温泉 鹿の谷旅館】



糠平湖に映るニペソツ山(7月18日)

2006-07-22 14:15:53 | 東大雪
・7月18日の記録①・
【写真:糠平湖とニペソツ山】
和室での相部屋宿泊は初体験。首都圏から来た3人の北海道マニアぶりに驚愕。
とにかく、この宿はリピーターだらけ。このユースが好きで、糠平が好きで、
北海道が大好きという青年たち。ドサンコも負けていられない。楽しい夜だった。

目覚めて、ぬかびらユースの「めがね橋」ツアーで、早朝の糠平湖にゆく。
悪天の予報だったが、ウペペサンケ山やニペソツ山が、くっきりと姿を現していた。
湖面は静かで、水鏡となって秀峰を映し出していた。予期せぬ出会いに、心の中で
「おっー」と雄たけびを繰り返す。

 【写真:糠平湖とウペペサンケ山】
 【写真:ニペソツ山にズームイン】