「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

オオムラサキとゼフィルス舞う

2012-07-28 20:44:28 | 藻岩山

7月の藻岩山にオオムラサキを探しにゆく。

食樹のエゾエノキが連なる森の縁を、すぃっーと飛ぶ。

オスがオスを追い払い、オスとメスが慎重に向きあったり。

じりじりと照りつける太陽のもと、夏の森は騒がしい。

ミドリシジミの仲間(ゼフィルス)も舞って、夏を実感。

オオムラサキの雌雄

エゾエノキ

ウスイロオナガシジミ

オオミドリシジミかな?

 


あこがれのトムラウシ山

2012-07-22 19:52:18 | 表大雪

2012年7月21日 トムラウシ山(2141m)の登山記録:

登山路は乳白色の霧もよう。山頂付近は晴れているという山岳予報を信じて、ひたすら歩く。

一時間半ほど登ると、光がさして、やがて空に蒼いインクがにじみ始めた。

雲の上に出ると、そこは別世界。石狩連峰や東大雪の山々が逆光に浮かぶ。

沢に残る雪渓の頭上は抜けるような青空だった。

石狩連峰(左)と東大雪のニペソツ山(右)

コマドリ沢

 

雪渓を抜けると、ハイマツ帯と岩場が続く。

ピッ、ピッと、金属質の鳴き声が絶え間ない。氷河期の遺存種、ナキウサギだ。

ハイマツには小さなシジミ蝶が舞う。こちらも氷河期から命を繋いできたカラフトルリシジミ。

高山鳥のギンザンマシコのペアは、今年巣立った若鳥を連れていた。家族で移動している。

エゾシマリスもガンコウランやハイマツの実をむさぼる。

ここは生きものたちの躍動に満ちていた。

前トム平から高度を上げると、十勝連峰の連なりが目に飛び込み、登山意欲をさらにかき立てた。

ハイマツ帯と岩場が続く

ナキウサギ

天年記念物 カラフトルリシジミ

ギンザンマシコの♂

ギンザンマシコの幼鳥

ガンコウランをむさぼるシマリス

十勝連峰の山並が青く光る

 

「トムラウシ公園」から花々が競い始める。

横向きに長い筒を咲かせるチシマギキョウは初見。白い毛が目立つ。

青い空に白いチングルマと赤いコマクサが映える。

岩場の連続で疲労した心身には、清涼なときめき。

可憐な花に導かれて、南沼キャンプ場と山頂ルートの分岐に達する。

チシマギキョウ

チングルマ

コマクサ

山頂と南沼キャンプ指定地の分岐点

 

ガレ場を登りながら振り返ると、南沼が青く光っている。

荒々しく立ちあがる雲が、さきほどまで屹立していた十勝の山並を隠していく。

・・・山頂に立つ。

表大雪の主峰・旭岳も雲に隠れていたものの、白雲岳や忠別岳の雄姿が迫ってきた。

雨と霰に驚いて登頂寸前で引き返したのは2006年7月のこと。

今回の目的は再挑戦だった。

2009年7月には大きな集団遭難も起きていることから、そっと手を合わせた。

眼下は南沼キャンプ指定地   十勝連峰は雲に覆われた

山頂  雲が切れずに旭岳が望めない

白雲岳にズームイン

 

 ■登山記録

05時45分:トムラウシ温泉コース・短縮登山口

06時50分:カムイ天上

08時00分:カムイサンケナイ川に降りる(まもなくコマドリ沢分岐)

09時35分:前トム平

10時25分:トムラウシ公園

11時20分:南沼キャンプ指定地分岐

11時50分:山頂

12時30分:下山開始

17時25分:登山口に戻る

 トムラウシ温泉東大雪荘 500円 

ログハウス風の一軒宿。天井が高くて気持ち良い。

■過去の登山記録

06年2006年7月

 


光の王国 羊蹄山

2012-07-16 22:39:10 | 羊蹄・ニセコ周辺の山々

7月15-16日 羊蹄山の登山記録:

 夕景と日の出を見ようと、羊蹄山に登る。

九合目の避難小屋に荷物を置いてから、「比羅夫ルート」をたどって火口を取り巻く外輪山へ。

山頂を経て、岩稜伝いに火口(父釜)を回り、今度は「真狩ルート」から避難小屋に戻る。

この間、雲流が斜光で陰影をつけ、さらに刻々と朱色に染まっていく。

避難小屋に戻ると、ニセコ山系を背にした日本海に日が沈んでいく。

・・・・そして、残照が力の限りに、空と海を燃やす。

山々の背後に白く光るのは星ではなく、海に浮かぶイカ釣りの漁火だった。

九合目に咲くエゾカンゾウ 雲海に浮くのはニセコ山系

 

九合目の避難小屋テラスから

日本海に沈む太陽

海と空が朱色に染まり、漁火が光る

 

朝は三時前から歩き始め、東斜面を縁取る外輪山の「北山」から日の出を待つ。

穏やかな日和で、風も弱く、さほど寒くはない。

4時06分ごろに、札幌の無意根山付近から、太陽が頭をもたげる。

劇的に移ろう光の鮮烈なドラマに、顔がほころび、心が躍った。

日の出を待つ

 

無意根山付近から日が昇る

羊蹄山の避難小屋から山頂にかけては、ノゴマの一大繁殖地だった。

いたるところで、きよらかな囀りが響きあう。

シベリアン・ルビースロートという英名が物語る美しい喉に見とれた。

避難小屋テラスのハイマツにはギンザンマシコが五羽。雌雄ペアと今年巣立った若鳥だろう。

大雪山の象徴のような鳥と思っていたが、ここで出会えた幸運を喜ぶ。

ノゴマ

ギンザンマシコの♂

登山記録

7/15

08時50分:真狩登山口から入山

11時20分:五合目

13時30分:九合目

13時40分:九合目の避難小屋

14時50分:避難小屋からヒラフルートで外輪山へ

15時30分:外輪山

16時00分:山頂

16時30分:山頂出発~岩稜~真狩ルート分岐(しばらく滞在)

18時00分:避難小屋に戻る

19時20分:日没

・・・・・・・・

7/16

02時50分:避難小屋出発・・・ヒラフルートから外輪山へ

03時30分:外輪山の北山付近

04時06分ころ:日の出

05時00分:避難小屋に戻る

07時10分:下山開始

11時30分:登山口に戻る

  真狩温泉 500円 露天風呂から羊蹄山が見える。

 ■過去の登山歴 
04年7月31日 真狩コース
05年10月9日 真狩コース
06年8月26日 京極コース  

 07年08月12日 比羅夫コース 


夏の八剣山

2012-07-09 22:48:37 | 札幌・小樽周辺の山々

■7月8日 八剣山(498m)の登山記録

天気が芳しくなかったり、遠出がかなわぬ日に登る札幌郊外の低山。

鋭い岩稜で高度感があるので、短時間ながら愉しい山行きとなる。

夏の始まりを告げるオオムラサキが舞う。コバルトグリーンの光沢が美しいミドリシジミの仲間も盛んに飛んでいた。

写真に撮れなかったのが残念・・・

登山路で目立つのはキバネセセリ。

山頂の岩場ではキアゲハが日光浴。目立つ花も少なく、眼下にひろがる光景を友に、静かな時間を感じる。

キリンソウとヒメウラナミジャノメ(登山口にて)

キバネセセリは登山路に多い

山頂で日光浴・・・キアゲハ

山頂に咲くミヤマラッキョウ

■登山記録

12時50分:南口登山路から入山

13時40分:山頂

14時10分:下山開始

14時45分:登山口に戻る

 


円山に見るオシドリ夫婦の真偽

2012-07-08 20:55:06 | 円山

円山の二つの池には3組のオシドリ親子が暮らしている。

実際は4~5組いたように思うが、繁殖に成功したのは、いまのところ3組ということなのかもしれない。

オシドリ夫婦は生涯連れ添う仲良し夫婦の代名詞だが、実際のオシドリの夫は「さっさといなくる」と書物で読んだ。

ということで、円山でじっくり観察したが、

・・・やっぱりオスはいなかった。

でも、仲良く子育てするメス2羽がいた。

オスは換羽時期にメスとそっくりになるが、嘴が赤い。

この2羽とも嘴が黒いのでメス。

このカップルにどういうプロセスがあったのかしら・・・

 

下池の仲良しメス2羽とヒナ3羽

下池 メスa

下池 メスb

上池のメスとヒナ(ヒナは4羽いるが1羽は親の背後に)

 

 

■円山のオシドリ観察

7月1日 「上の池」にメス2羽とヒナ7羽。まるで幼稚園のような共同保育に見える。4羽組と3羽組。

7月8日 「上の池」にメス1羽とヒナ4羽の群れ。さらに小さなヒナ6羽を連れたメスが登場。この群れは池から円山川を上って行く。

      「下の池」にメス2羽と、ヒナ3羽。この2羽は寄り添って共同保育。

 

 


駒草平から赤岳、小泉岳へ。

2012-07-01 10:24:04 | 表大雪

■6月30日 赤岳・小泉岳の登山記録

若々しい緑の森を眺めながら雪渓を渡ると、吹きさらしの砂礫帯に。

ここは駒草平。コマクサを食草とするウスバキチョウが舞う。

氷河期の遺存種である高山蝶目当ての登山者も多い。

ダイセツタカネヒカゲは大量発生で、見あきるほど。

蝶と戯れること、しばし・・・

大きな「第三雪渓」を仰ぐと、登山意欲がそそられた。

駒草平

コマクサ

ウスバキチョウ

ウスバキチョウの幼虫

ダイセツタカネヒカゲ

 

第三雪渓

歩幅を小さく、呼吸を整えて、この大雪渓を登る。

照りつける夏の日差し。

雪の冷気が、火照る身体を心地良く包んでくれた。

もうひとつ雪渓をつめると、やがて赤岳の山頂に。

雪の文様を纏う大雪山の山々が、優しい笑みで迎えてくれた。

 

赤岳山頂

 

赤岳から小泉岳へ。吹きさらしの砂礫地に丈の低い花々が咲き乱れていた。

大雪山固有の花もいくつか。

小泉岳からさらに緑岳に向けた稜線をしばらく行くと、僕のお気に入りのポイントに。

白雲岳を背景に、そこは宝石を散らしたようなカムイミンタラ (神々の庭)。

砂礫地はお花ロード

ホソバウルップソウ

キバナシオガマ

タカネスミレ

チョウノスケソウとエゾオヤマノエンドウ

 

■登山記録

07時55分:銀泉台から入山

09時10分:駒草平 

09時45分:駒草平を出発

10時50分:赤岳 山頂

11時10分:赤岳 山頂を出発

11時45分:小泉岳 山頂  さらに緑岳方向に進んで12時20分まで撮影して戻る

13時00分:赤岳出発

15時05分:登山口に戻る

 

 ■赤岳 登山歴

03年9月15日:銀泉台~赤岳~白雲岳
05年7月03日:銀泉台~赤岳~小泉岳
05年9月24日:黒岳~北海岳~白雲岳~小泉岳~赤岳~銀泉台
07年9月17日:銀泉台~赤岳~小泉岳~白雲岳~北海岳~黒岳
          記録(プロローグ)  記録① 記録② 記録③

09年6月28日: 銀泉台~赤岳~小泉岳~白雲小屋  記録① 記録② 記録③

12年6月30日: 銀泉台~赤岳~小泉岳