「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

ハクチョウと桜

2007-03-31 15:10:36 | Weblog
29日、30日は東京出張だった。
29日は良く晴れていて、滑走路の背景に白銀の夕張岳が浮かんでいた。
ハクチョウの群れが、ひらひらとひとすじに飛んでゆく。
陽光が翼を照らし、きらきらと輝いていた。
空港ロビーで得た至福の一瞬。

東京では桜が満開だった。
モノレールからの車窓も、仕事先も、宿泊先も、桜が満開。


30日、新千歳から札幌へ向かう車窓に、ハクチョウの群れ。
水田で落穂をせっせっと食べていた。シベリアへ帰る準備だ。
南北に細長い日本列島の春は多彩。


おぎゃー、おぎゃーと鳴く鳥は?

2007-03-25 19:15:38 | 支笏湖周辺の山々
昨日の紋別岳登山で体験した不思議なこと・・・

「おぎゃー、おぎゃー」と聞き慣れぬ鳴き声が近づいてくる。
何だろう?
首をふりふり、声の主を探す。
見上げると、それはカケスだった。
羽ばたきを押さえ、すいすいと滑空して山肌を降りてゆく。
まるで、空を泳いでいるようだ。
続いて、もう1羽が、今度は声もあげずに、泳いでゆく。
眼下の湖に飛び込むスカイダイバーのように。

滑空するカケスは「おぎゃー、おぎゃー」と鳴く。
我が耳と目で得た、本当の話。

※カケスは鳴き声のマネが上手だという。
他の鳥で「オギャー」と鳴く鳥は
いるのだろうか。
「カー、カー」と鳴くカラスのヘタ真似か?

絶景!支笏湖  紋別岳に登る

2007-03-24 22:32:30 | 支笏湖周辺の山々
【写真:頂上から見た恵庭岳~漁岳】

8時55分: 紋別岳(866m)に入山。
コバルトブルーの支笏湖と、周りを囲む白い山並みが見たかった。
頂上まではNTT施設の専用道路が伸びている。
舗装道路なので、夏は興ざめだが、早春はありがたい。
道もわかりやすいし、踏み跡も固く締まって、歩きやすい。
きょう出会った人たちは、みんなツボ足だ。
高度を上げるに連れ、期待していた山々が見えてくる。
樽前山、風不死岳、恵庭岳、漁岳・・・
「白い山っていいなあ」
 
【写真:樽前山~風不死岳】

10時5分:送電線の下を利用するショートカットコースと出合う。
先行する男性は、この道を選ばず、黙々と車道を登ってゆく。
僕はショートカット。急登ではないが、短時間ながら山登りを実感できる斜度だ。

10時25分:山頂に到着。支笏湖周辺の山々に加えて、
定山渓の山々、札幌方面の見晴らしも良い。
僕のホームベース・藻岩山が意外と近い。
先日初めて登った野牛山も、すぐわかった。
確かに絶景だ。
しかし、空全体に水蒸気が多く、「青」が少ない。
湖も冬の日本海のような鉛色。
来年は、もう少し寒い時期に来よう。
抜けるような青空と、コバルトブルーの支笏湖が見たい。
楽しみが増えた。
   
【写真:恵庭岳~漁岳】  【写真:イチャンコッペ山】


10時55分:下山開始
11時50分:登山口に戻る。


【写真:温泉街から見た紋別岳】

もう少し歩きたいという衝動に駆られる。
大滝村の洞窟に氷筍を見に行くことにした。

※「紋別岳」 過去の登山記録:05年11月6日





野牛山に登る

2007-03-21 22:55:29 | 札幌・小樽周辺の山々
【写真:野牛山(野中山)から見た恵庭岳】

南区・滝野すずらん丘陵公園近くの野牛山にツボ足で登る。
今回も「北海道スノーハイキング」を参考にした。
登山口は行き止まりの開拓集落。
近くの電柱には「平成18年6月5日 熊出没」の赤い看板。
熊鈴を着けていないが、そろそろ、注意も必要か?

林道をちょっと歩くと右手の高台に、「旗」と「祠」があるという。
あっさり見過ごして、林道を30分ほど歩いてしまった。
うっすらとした踏み跡が残っていることから、同じように間違える人も多いのだろう。
こうした痕跡をキツネやウサギも使っているのが、面白かった。
20分ほど引き返す。

11時10分:高台の「祠」へ向かう分岐点に。今度は見過ごさなかった。少々進んだ後、一気に直登。

11時25分:見晴らしの良い「祠」に到着。藻岩山、定山渓の山々が良く見える。
絵画のような、茫洋とした北方の風景だ。開拓集落の人たちの信仰心も伝わってくる。
  

ここからは、尾根を忠実にたどって行く。
しばらく誰も歩いていない。時々、ずぼっ、ずぼっと、膝まで埋まる。

12時05分:気象調査の百葉箱がふたつ。ピークになっていて、ガイド地図上の「野牛山」(524.8m)か?さらに尾根をたどる。

12時15分:ガイド地図上の「野中山」(539.2m)に到着。ガイド写真にある「山頂標識」はなかった。雪に埋もれているのか、撤去されたのか。
黒く焼けたイチイの老木に「昭和57年に落雷で焼けた」との説明看板。
恵庭岳など、支笏湖周辺の山々が近い。
野中山と野牛山。ふたつのピークは隣接しており、あわせて野牛山というらしい。
  

13時30分ごろに麓の集落に戻る。
往復、誰とも会わず。集落での駐車は
難しく、「青少年の家」ゲート手前の資材置き場に置いた。祝日なので、迷惑にはならなかったと思う。
滝野の奥に、開拓農家の集落があることも知らなかった。
低山ハイキングで、札幌を知る。



黄昏の札幌

2007-03-19 23:26:30 | 藻岩山
18日、藻岩山から下りて、市内のホテルへ。
祝い事があり親族が集まった。
窓から見た黄昏の札幌、藻岩山。
太古の昔、この山は火山島だったという。
その後、扇状地の札幌と連なる。
藻岩山が地平に鎮座する姿が、その歴史を彷彿させる。
札幌は大都会に姿を変えたが、
この景観は、僕らが今も自然の中に存在することを教えてくれる。

風紋 春浅し 藻岩山

2007-03-18 15:57:54 | 藻岩山
【写真:スカブラ】

吹雪。
家人の都合で車もなく、夕方から用事もある。
「寝て曜日」を決め込んだが、運動不足で頭が重い。
エイャッと歩いて藻岩山へ。
このところの暴風雪で山は冬へ逆戻り。



春は一進一退だ。だから面白い。
強風が雪を巻き上げて、頬を突く。
斜面にはスカブラ。
風が、自らの通り道を削った雪紋だ。

頂上のレストハウスで暖まろうと思ったら、
強風でロープウェイは運休、建物も閉鎖されていた。


まさかの予想外 藤野富士 撤退

2007-03-17 20:31:53 | 札幌・小樽周辺の山々
札幌南区の藤野地区。独立した三角形の鋭鋒が幾つか、ぽこぽこと並んでいる。
いずれも低山ながら、その異形が気になっていた。
きょうは、そのうちのひとつ、藤野富士(651m)を目指す。
「北海道スノーハイキング」によると、この山は大きな墓苑の敷地内が登山口。
駐車場から見る「富士山」に胸がときめく。
プレハブ小屋の中に管理人さんが2人。
僕:「駐車させて、山に登らせて下さい」
若い管理人:「(登山の)駐車は(墓参り専用なので)お断りしています」
高齢の管理人:(うなづく)
敷地外に駐車スペースもなく、あえなく撤退。
まさか、ダメと言われるとは・・・全くの予想外。

せっかくここまで来たので、国道をはさんで対面の白川市民の森・青山(531m)へ。
ここから独立峰の連なりを展望しようと思う。
駐車スペースには、既に1台の車。そして、真新しいトレースが森の中へ。
「ラッキー」と思ったものの、「ずぼっ、ずぼっ」と膝まで雪に埋まる。
ツボ足で行けるほど、使われていないのだ。ここも予想外の撤退。

テレビの星座占いで、きょうの「おとめ座」は「予想外の連続」と伝えていた。
藤野富士も果たしてツボ足で登れただろうか?
人を恨んではいけない。



車窓バードウォッチング

2007-03-15 23:49:41 | Weblog
出張でオホーツクの紋別に。旭川から都市間バスを利用。
旭川・永山の河川で「ハクチョウ」の群れ。
遠いのでオオハクチョウなのかコハクチョウなのかは不明。
上川町の小さな川で渓流の野鳥「カワガラス」1羽。
滝上町の河川で「オジロワシ」。青空を舞う尾羽が白く輝いていた。
よーく見ると、河川敷の樹木に数羽の猛禽。
オジロワシにオオワシも混じっていたような気がする。
3時間のバス旅、車窓バードウォッチングが楽しかった。

着いた紋別のオホーツク海に流氷と海鷲の姿は無く、暖冬を感じる。
毛カニ漁は20日から。この3日間のシケで魚も揚がらず。
海の幸を実感できず。

帰路、国道沿いの天塩岳登山口の標識からくっきりとしたトレースを確認。
この白い大雪原を登っているんだなあ。うらやましい

盤渓山と忘れ物

2007-03-13 00:06:27 | 札幌・小樽周辺の山々
11日の盤渓山・失敗記録。

デジカメで撮影しようとしたら、メモリカードが入っていなかった。
一瞬、青ざめるが、ザックに隠していた「予備」が初めて役立つ。

水を飲もうと思ったら、ザックに入っていなかった。
入山時に6人パーティーが、通常コース外に入っていった。
気になって、車の助手席に忘れた。

手袋つけたストック立てて、山頂で写真撮影に夢中になる。
振り向いたら、ストックが消えていた。
強風で飛ばされ、かろうじて雪庇にひっかかっていた。
が、左手袋は失った。

帰路、コンビニで6000円の振込み手続きをしたら、
財布に5000円しかなかった。

もっと、しっかりせよという一日。

でも、明るい話も・・・
390円温泉で脱衣ロッカーに他人の腕時計。
フロントに届けたら、ちょうど当人がとりにきた。


盤渓山と三菱山に登る

2007-03-11 19:53:33 | 札幌・小樽周辺の山々
【写真:盤渓山の山頂】
札幌市内の低山をツボ足で登るというのが、今冬のテーマ。
きょうは中央区の盤渓山(604m)を目指す。
夏道がなく、「北海道スノーハイキング」を参考にした。

9時40分:「盤渓市民の森」入り口から、妙福寺に向かう車道を行く。右カーブ地点を左に折れて入山。この場所は、06年4月に砥石山で迷って谷沿いに下山した場所だった。
悪夢が甦り、頭の中は慎重の羅列。
トレースをたどると、尾根に取り付く。雪は締まっていてツボ足で十分進める。
木立の根元から雪が円く融けていて、春の兆し。「根開け」という。小さな春が楽しい。

【写真:根開け】

10時:右手に妙福寺、三菱山(盤渓スキー場)が見える。
440メートル標高点で正面に盤渓山を望む。
ここで尾根は左にカーブし、しばらく進むと右に折れて急登する。
「山火事注意 三菱山林」という赤い古看板を目にする。かつては施行林だったのだろ。

10時40分:急登をしのぐと、切り立った狭い頂上に。
雪庇が張り出し、高度感と見晴らしが抜群。
貸切りの頂きで、写真撮影に夢中になってしまう。
風が強く、吹き上げる雪煙が頬を打つ。厳しさもなぜか楽しい。
 【写真:山頂の樹氷】 
 【写真:砥石山】
 【写真:神威岳~百松沢岳】

この山のルートは顕著な尾根沿いで、トレースも概ねついていた。
慎重にたどったが、比較的わかりやすい冬道だった。
下山時に男性とすれ違う。
「荒れる天気が外れて快晴だった。登らないわけにはいかない」と笑っていた。

11時25分:登山口に戻る。
まだ昼前、思い立って、ここから三菱山(482m)に向かう。
夏の遊歩道(林道)の地形が顕著で、ルート看板も多数ある。
①②③⑳⑲⑦の順に登る。
7番はスキー場コースに出合っていて、ここから一気に頂上へ急登してみた。
12時25分に山頂。スキー場の使われなくなった古いリフトが残っている。
雪雲が迫ってきて暗くなったが、それでも市内の展望が良い。
低山ながら1日2山は初めて。疲れた後の心地よさ。

  
【写真:7番地点標識】  【写真:三菱山 山頂】


  




雪解け藻岩山

2007-03-10 20:07:43 | 藻岩山
6番地蔵の周りの雪が解けていた。
手をうちわにして空気を揺らしてみると、土の匂い。
森の中で一足早い春の訪れ。その訳を考えてみた。
地蔵や石仏の周辺は、麓のお寺の関係者が丁寧に雪かきをしている。
だから普段から積雪も少なく、雪解けも早いというわけ。
人と自然が呼吸を重ねて、春が進んでゆく。

下山は北斜面の冬道を下った。硬く締まった雪は歩きやすい。
街に浮かぶ円山も岩肌の露出が進み、黒々としてきた。



鴨々川のマガモ

2007-03-07 22:11:23 | 鴨々川の自然
鴨々川のマガモが激減した。けさ出勤途中に数えたら、護国神社近くの橋近辺に10羽。
盛時の五分の一程度。地下鉄幌平橋近辺に50羽。盛時の半分程度。
印象なので、その数は正確ではない。しかし、これも春の兆し、季節の移ろいを感じる。
ごく普通に見られるカモなので、出会ってもあまりときめかない。
が、春の光にきらめく姿に、「はっ」とした。
意外とキミ、綺麗だね。
     
【写真:♀】           【写真:♂】



クマゲラの鳴き声

2007-03-05 20:59:21 | 藻岩山
きのう手稲山で飛んでいるクマゲラを見た。
冬道から降りてきて、夏道に出合ったところで、かすかにクマゲラの鳴き声。
「クルッ、クルッ、クルッ」なので、飛んでいるときの声だ。
一昨日の藻岩山でも聞いたので2日連続の福音。
しかし、あまりにエンドレスなので、別の鳥かな?と思ったら、
青空に映える小さな黒い点が、どんどん近づいてきた。
頭上を越えたときは紅色の頭も見えた。
100メートルほど離れたとき、「キョーン、キョーン」という鳴き声も。
これは幹にとまっているときの鳴き声のはず。
「クルッ、クルッ」と「キョーン」が数回交錯し、遠くの森の木にとまった。

2羽が鳴き交わしているのかもしれないが、
僕には同じ個体が発しているように感じられた。

クマゲラの鳴き声は多彩だ。
飛んでいるとき、必ずしも「クルッ、クルッ」を発せず、
無音のときもある。
巣のそばでは雌雄2羽が、猫のような甘えた声で鳴き交わす。
そして、クルッ、クルッとキョーンを混ぜるとしたら、どんな意味があるのだろうか。

(写真は06年藻岩山で撮影)


手稲山に登る

2007-03-04 21:16:37 | 札幌・小樽周辺の山々
登山記録 ■手稲山(1023.7m)平和の滝コース■

積雪期に登るのは初めて。標高1000mを超えるので、少々心配だが、
大勢の手稲山ファンが登っているので、「つぼ足」(長靴)でも大丈夫とのこと。
青空のきょう、意を決して登山口へ。すでに駐車場は20台の車で満車。

9時50分に入山し、夏道(林道)をしばらく行く。
先行の女性2人は、送電線を左にたどって急斜面を登りだした。
「迷沢山」へ行くのだろう。数人の山スキーヤーが転びながら降りてきた。
僕はそのまま直進する。

10時20分、冬のショートカットコースに出合い、右折する。
ここからが急登。3月ともなると踏み跡はしっかりしていて、歩きやすい。

10時55分に尾根に出ると、山頂のテレビアンテナ群が見える。
赤白の鉄塔が青空にくっきり。小気味の良い尾根を歩きつめると、
やがて平坦な針葉樹林帯につながる。

11時25分、樹林帯は夏道のガレ場と出合う。
ごつごつとした岩々も雪の下。
急登ながら、夏よりずっと歩きやすい。
山々の見晴らしもすばらしく、「来て良かった」と幸せな気分に。
下山者のシニア5人組が尻すべりで降りてくる。実に楽しそう!


12時にスキー場リフト終点に到着。ほぼ頂上と等しい地点だ。
無意根山、定山渓天狗岳、羊蹄山、余市岳、朝里岳がくっきり。
スキー場内の木々は樹氷に包まれ、1000mの標高を実感。


ゲレンデのにぎわいを横目に、山頂へ。
スキーヤ-は「変な長靴おじさん」に興味津々?
山神社の祠は雪に埋もれていた。
陽射しの強まりで、樹氷がカリカリと音を立てて、散ってゆく。
ここまで、21人の登山者とすれ違ったが、
この時間、山頂の白銀と青空は僕の貸切だった。

13時に下山開始、気温が高く粘着した雪なので降りやすい。
尻すべりも3回、楽しんだ。

14時10分、あっというまに登山口に戻る。
手稲山を楽しむ人たちの冬道トレースに多謝!
この路は長い年月、受け継がれてきたに違いない。
札幌に長く住んでいるが、知らない、楽しいことが多い。

※これまでの登山歴※
①04年11月14日
②05年6月18日
③きょう



藻岩山 森の鼓動

2007-03-03 20:59:14 | 藻岩山
気分を変えようと、初めて旭山公園コースから登る。
いつも使う慈啓会コースより1キロほどロングコース。
見晴らしの良い稜線歩きから、大きな山容を知る。

エゾリスが雪原を駆け抜けていく。2匹だ。
ハシブトガラのペアも「ジッ、ジッ」と鳴き交わしながら、
せわしく動き回る。
3月。光も、気温も、動物達も確かに春の兆しだ。

「クルッ、クルッ、クルッ」
クマゲラが飛んでいる!
姿は見えない。
立ち止まって、全身の意識を耳に集中させる。
「キョーン、キョーン」
これは木の幹にとまったときの鳴き声。たぶん、相手を呼んでいる。
続いてドラミングの音。くちばしで激しく幹を打ち続ける音だ。
姿は見えない。
見えないけれど、命の鼓動と物語を感じた。