(写真: オオムラサキの雌雄)
25日の日曜日は、予報が外れる晴天。午後から予定を入れていたので、藻岩山へ。
初めてオオムラサキの雌と出会う。表翅は雄のような青紫ではなく地味な文様。が、体躯を比較すると、一回り以上大きい。
雌雄が低空でもつれ合いながら飛行すると、バサッバサッと空気を揺らす音が聴こえた。
別の雄もやってきたが、追い払われてしまった。
ドラマを見た。
(写真: 別の雄が追い払われた)
石狩湾の海岸線にまとまったカシワの林が点々と続く。午後になると、キタアカシジミが盛んに飛ぶという。
車を空き地に止めて、カシワ林を眺める。灰色の低い空から、かろうじて夏の光が差しこむ。
体を吹き抜けていく少々強めの風が、日本海の匂いを運んでくる。
樹上の高いところを数匹の小さなシジミチョウが交差しながら上下に舞い始めた。
翅は明るい茶色。「アカイ、アカイぞ」と、出会いに喜ぶ。
カシワ林の樹冠のあちこちで、乱舞が始まった。数が多いことに驚く。
残念なことは、高く飛ぶので距離がある。カシワの葉にとまっても遠い。
撮影が難しい。
「写真」になっていないが、雰囲気は心に刻めた。
(写真: 飛翔)
(写真:飛翔)
(写真: カシワ林)
(写真: 高原沼登山口のヒグマ情報センター)
6月27日(日)、高原沼を巡ることにした。錦秋の見ごろに何度か歩いたが、雪解け時期に訪れるのは初めて。
ヒグマ情報センターでレクチャーを受けてからの入山。施設の中に入らないと、登山口に踏み出せない仕組みになっている。
去年の夏は、人がいても逃げないヒグマがいて1ケ月間も入山を禁止したという。その時のビデオを僕ひとりに見せての丁寧な説明。
現在、クマの姿はないが、食跡が出始めたころなので、油断しないで下さいとのことだった。
登山路に入ると、雪解け水が作った湿地が点々と続き、ミズバショウが遅い春を告げていた。
これはクマの大好物。
(写真: ミズバショウ)
奥に進むにつれて、登山路は消えて、残雪の上を進む。
赤いテープの目印が丁寧に付けられているので不安感はなく。
若々しい新緑。雪渓を頂く高根ケ原や緑岳の立ち姿。春と夏が一緒にやってきた清々しさ。
50分ほどで土俵沼に。ここから次々と森に浮かぶ沼が顔を出す。
(写真: 高根ケ原~白雲岳~緑岳)
(写真: 土俵沼)
(写真:滝見沼)
土俵沼、滝見沼と進むと、戻ってきた男性単独者と家族4人とすれ違う。
登山者名簿を見ていたので、ここから先の登山者は僕ひとりと理解する。
この先に、クマの監視レンジャー二人がいると聞いていたので不安感はなく、若葉と雪渓の織りなす妙にときめく限り。
大きく視界が開けると、緑沼。開けた厚い氷が水に浸り、薄っすらと青く輝く。
(写真: 緑沼)
この世のものとは思えぬ緑沼を背にして、テンポ良く湯の沼、鴨沼と進む。
鴨沼はほぼ結氷状態。木道を右に行くのか、左に行くのか。
高低差の小さい左の雪渓を行くも、頼みの赤いテープが見当たらない。
(写真: 湯の沼)
(写真: 鴨沼)
鴨沼左側の雪渓を登っていくと、雪が途切れて踏み跡が。そして大きな沼。
えぞ沼かと思ったが、沼の淵にあるはずの登山路が見当たらず、水浸し。
踏み跡は踏み跡でも、これは獣道。よく見ると、あちこちに獣道がついていた。
えぞ沼から見えるはずの緑岳も見えない。ルートミスは明らかで、慎重に来たルートを戻る。
あとで、ヒグマ情報センターのレンジャーに聞いたところ、この沼は「淵無し沼」という。
夏道がなく、行けるのはこの時期のみ。その名の通り、沼の周辺に歩ける淵がなかった。
(写真: 淵無し沼)
淵無し沼から鴨沼に戻り、そのまま帰路を進もうと思った。
が、鴨沼の木道起点手前に赤いテープを見つけた。
沼に向かって左側に登山路が続いていたのだ。
思い出した! 鴨沼は行き止まりで、その手前を左折するのだった。
帰ろうと思ったが、もうひと踏ん張りと、えぞ沼へ。森の中で沈むコバルトブルーがなんとも魅惑的だった。
(写真: えぞ沼)
ここから先、大学沼を経て高原沼が、この日の目標。夏道だったら、あと20分というところか。しかし、ルートミスで心身に疲れも。
判断力も落ちているので、えぞ沼を終点とした。
■登山記録 2010年6月27日
09時15分: ヒグマ情報センターから入山
10時05分: 土俵沼
10時45分: 鴨沼で迷う
11時10分: 鴨沼に戻る
11時20分: えぞ沼
12時40分: 登山口に戻る
■これまでの登山歴
10年6月27日 新緑と残雪の高原沼
06年9月30日 高原沼一周(紅葉ピーク)
05年9月25日 高原沼まで (紅葉は遅れていた)
04年9月26日 高原沼まで (紅葉は終盤)
高原温泉
いつ入っても心地よい。露天風呂から眺める山々も素晴らしい。1500円ランチ付き入浴を
堪能。ヤマベ塩焼き、山菜、キノコ鍋と野趣満点。