「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

登別のカムイヌプリに登る

2008-04-30 22:46:15 | 室蘭・登別周辺の山々
(写真:カムイヒュッテ)

29日(火)の祝日に登別のカムイヌプリ(750m)に登る。天気予報は室蘭・登別方向が晴れそうということで、未踏のこの山に決めた。
春爛漫の札幌より南に位置するが、冷涼な太平洋沿岸に位置するためか、意外にも山の芽吹きが遅く、野の花もはしり。これからが本番だろう。

登山路は丁寧に笹が刈られていて、地元の人たちに親しまれている山の風情があった。先行の男性は、なんと80歳、朝の散歩という感じ。
中腹の山小屋・カムイヒュッテも清楚で、森の中で凛と構えていた。窓越しに中を覗くと、「カムイヌプリ讃歌」という歌詞が貼ってあり、地元山岳会が紡いできた文化を感じた。
山頂からは室蘭の入り江や来馬岳、オロフレ山の景観が美しい。去年5月に登った室蘭岳とは縦走路でつながっている。春霞で遠方の展望が得られなかったのは残念だった。

(写真:左からオロフレ山、来馬岳、ホロホロ山)


(写真:市街地から見たカムイヌプリ)

下山して時間がたっぷりあったので、かつて金・銀・銅、そして硫黄で栄えたという山麓の鉱山町に足を伸ばす。NPOが運営するネーチャーセンターを軸に数軒の民家と神社が残っており、ゆったりとした時間が流れていた。

(写真:登別市鉱山町から見た室蘭岳)


帰路、白老町虎杖浜のアヨロ温泉につかり、近くの「はしもと珈琲館」でタラコ・トーストを頬張る。

8時50分:3合目登山口から入山
9時25分:6合目・カムイヒュッテ
10時  :山頂
10時40分:下山開始
11時40分:登山口に戻る





花咲く円山散歩

2008-04-27 22:56:39 | 円山
(写真:スミレサイシン)

どんよりとした曇り空。光りが欲しいなあ、と思いながら円山へ。お目当てはスミレサイシン。大きなスミレで、特に葉が目立つ。去年見つけた斜面にいっぱい咲いていた!

しばらく行くと、シラネアオイが一輪。まだ花をつけてまもない。ほかにも株があるのだろうかと、気になる。

(写真:シラネアオイ)

ぽつぽつと白いニリンソウも恥ずかしげに咲き始めていた。
青紫のエゾエンゴサクの花期が終盤を迎えると咲き始める。春の花の二番手だ。

(写真:ニリンソウ)

萌黄色の森では、野鳥の声も忙しい。せわしく動き回る2羽のシジュウカラ。これは求愛なのだろうか。めずらしくカメラのファイダーに収まった。幸運!

(写真:シジュウカラ)

日当たりの良い斜面ではオオタチツボスミレが群落を作っていた。スミレの識別は難しい。
「地上茎」があって、花びらを束ねる「距」が白いのが、このオオタチツボスミレ。

(写真:オオタチツボスミレ)

近くに自生のエゾヤマザクラ。北海道の桜は濃いピンク。今年は、特に目に染みるように鮮やかな気がする。
例年より2週間ほども早い満開で、そろそろ散り始めとは、名残り惜しい。

山を下りて北海道神宮を参拝。少し青空と陽射しに恵まれ、今年も花見を満喫。

(写真:北海道神宮)

定山渓のギョウジャニンニク

2008-04-26 21:00:02 | 札幌・小樽周辺の山々
(写真:ギョウジャニンニク)

定山渓、カタクリの花が咲き乱れる谷を登る。尾根に上がると、ギョウジャニンニクが一面に広がっていた。双葉で茎の太いものを選んで摘み取る。
エゾヤマザクラのピンクと、キタコブシの白が萌黄色の山に淡い彩りを添えていた。
腰をかがめて下ばかり見ていたが、一服して春霞の空を見上げると、定山渓天狗岳の鋭鋒が近い。

(写真:定山渓天狗岳)

到来した春を満喫して、下山すると、白い余市岳に「鶴」のシルエットが浮かんでいた。
雪解けが描いた、春模様に拍手。

(写真:余市岳~鶴の雪形)

ギョウジャニンニクは炒めたり、ゆでて食した。春の香りに元気をもらった。

蓬莱山(ほうらいやま)スノーハイク

2008-04-13 19:00:29 | 札幌・小樽周辺の山々
(写真:蓬莱山の山頂から無意根山~喜茂別岳(左)を望む)

中山峠スキー場のピークが蓬莱山(997m)だ。「道の駅」裏側の林道から登る。スノーモービル愛好家のコースにもなっているようで、林道にも森の中にも幾筋ものトレースがついている。堅雪なので長靴でスタスタと登ることができた。ダケカンバの森の向こうには札幌岳、狭薄山、空沼岳が連なっていた。

(写真:狭薄山)

なんと35分で山頂に。標高差150メートルの楽々登山だった。
少々、物足りなかったが、眺望は最高だった。
無意根山・中岳・並河岳・喜茂別岳の白い稜線が美しい。スキーヤーが、この景色めがけて滑り降りていく。
南側は「中山」に続く、広大な尾根となっている。スノーモービルの跡をたどりながら
往復40分ほど森の中を散歩した。蝦夷富士と言われる羊蹄山は雲に隠れていたが、隣のミニ富士・尻別岳は、すくっと構えていた。来年は、ツイン富士の写真を撮りに来よう。

(写真:尻別岳)

10時20分:入山
10時55分:山頂
12時00分:下山開始
12時40分:登山口

白く輝く漁岳 眼下に湖ふたつ

2008-04-06 20:40:22 | 支笏湖周辺の山々
(写真:恵庭岳と氷結したオコタンペ湖、奥に支笏湖)

漁岳(いざりだけ)に長靴で登る。夏道がないので、積雪期が登山の時期。冬山は自信がないので、4月~5月の春山シーズンを待っていた。去年は4月28日に登ったが、今年は雪解けが半月ほど早いので、本日、チャレンジ。人気の山で、大勢の登山者が列をなしていた。

(写真:林道から見た漁岳)

40分ほど林道を歩いて、冬道の斜面に取り付つく。エゾマツとダケカンバの混交林を進んで稜線に出ると、眼下に広い支笏湖と氷結したオコタンペ湖を望む。鋭鋒の恵庭岳も大きく構えて、力強い。この山と湖が奏でる原始が見たくて、この春もやってきた。

頂上に取り付く最終斜面は急峻で少々、心配だったが、雪質は水分を含んで粘着性があって予想外に登りやすかった。

(写真:コルから望む漁岳)

山頂は晴れていたが、つらい強風。去年は5分ほどで撤退したが、今回はたっぷり着込んで30分ほど滞在。雄大な景観を記憶に刻む。

(写真:山頂からの展望)

■08時00分:入山、林道歩き
■08時40分:冬道斜面に取り付く
■09時35分:稜線に出る。オコタンペ湖を望む
■11時00分:頂上
■11時35分:下山開始
■13時35分:登山口に戻る

■過去の登山歴:07年4月28日漁岳



薄紅色の円山に春の花

2008-04-05 17:04:34 | 円山
円山の南斜面に青い花。もう、エゾエンゴサクが咲いていた。雪解けが例年より早いだけに、花の便りも早い。思わぬ出会いに、ちょっとびっくり。

目を遠くに転じると、山肌が薄く紅色に染まっている。カツラの芽吹きも始まっていた。これも半月ほど早い春もみじ。円山にはカツラの巨木が多い。木の下を歩いたときは、ひとつひとつの小さな芽吹に気づかなかった。しかし、遠くから全景を見たとき、山は春の薄化粧を始めていた。