「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

残雪の大雪山を行く 高原温泉~緑岳~白雲小屋~高根ケ原(2)

2009-07-14 22:35:38 | 表大雪
(写真: 緑岳山頂からズームインした白雲小屋)

緑岳山頂から砂礫地を下って、板垣新道を左に折れて白雲小屋を目指すことにする。

ミヤマキンバイなどの高山植物が咲き競う砂礫地には、大雪山固有種のキバナシオガマが、ぽつぽつと咲いていた。

初めて見るので、ちょっと感動する。


(写真: 板垣新道に向かう砂礫地。花はミヤマキンバイ)



(写真: 大雪山の固有種・キバナシオガマ)

天然記念物の高山蝶、ダイセツタカネヒカゲやアサヒヒョウモンがごく普通に飛び交う。

その数、意外なほど多いが、実に地味。気に留める登山者もいない。


(写真: ダイセツタカネヒカゲ)

0.7キロで板垣新道分岐。6月28日に赤岳・小泉岳方向から来た時には咲いていなかったチョウノスケソウが、早や終盤で残花のみ。

その時、咲き始めていた大雪山の固有種ホソバウルップソウもすでにピークを過ぎていた。

一方で、咲いていなかったタカネスミレが最盛期。砂礫を黄色く染めていた。

大雪山に咲く花々の花期の短さに、出会いの一期一会をかみしめる。


(写真: 早や残花のチョウノスケソウ)


(写真: 板垣新道分岐に咲くホソバウルップソウ。目を凝らすと雪渓にポツンと白雲小屋)


(写真: タカネスミレの群落)


(写真: タカネスミレのアップ)

板垣新道の大半は残雪に覆われている。カッコウが鳴いたので探したら、先日来た時とまったく同じ梢にとまっていた。テリトリーが決まっているのだろう。

遠くて撮影できなかったのが心残り。その代り、雪渓に響くビンズイの高い歌声に疲れが吹き飛ぶ。緑岳山頂から50分ほどで、白雲小屋に。

目指す溶岩台地の高根ケ原の広がりが、さらに歩く意欲をかきたてた。雲も切れて、うっすらだが縦走路も確認できる。

厳冬の強風で吹き飛ばされた雪が、向って左側の断崖斜面に積もって万年雪を形成していた。


(写真: 夏を歌うビンズイ)


(写真: 白雲小屋から望む溶岩台地・高根ケ原)



(写真: 高根ケ原にズームイン)