(五合目・鉱山跡から見た長万部岳)
札幌からの視点だと、長万部は道南の入口というイメージ。新緑と残雪のコントラストを楽しみに長万部岳を目指す。
北海道南部が日本の北限となっているブナの新緑も目的だ。
施錠されたゲートが事実上の登山口で、かつてあった山小屋「うすゆき荘」跡まで林道を歩く。
雪解け水が潤す路側に、オオバミゾホオズキやエゾワサビが咲く。単調な林道歩きにプレゼントされた一服の清涼感。
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(エゾワサビ)
30分余りで旧うすゆき荘跡に。ここから「七曲り」と呼ばれるカーブが続く。荒れた林道なので、あまり心地よいものでもない。
それでも木漏れ日が照らすシラネアオイの紫に癒される。
目を左右の森に振ると、ところどころに太いブナの幹が立っていた。
数は多くないが、その立ち姿の存在感が胸に迫まる。頭上の空を覆う新緑も清々しい。
期待通りのブナのチカラに、元気をもらった。
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(ブナの新緑)
林道の先に空が開くと、五合目・旧鉱山跡に。整備された広場から長万部岳の展望を得る。
新緑と残雪のコントラストが眩しい。
鉱山跡?
帰宅してネットで調べたら砂鉄を掘っていたらしい。砂鉄は海浜じゃないの?
長く暮らしてきた北海道の歴史に、知らないことがあまりに多い。
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(五合目・鉱山跡に構える長万部岳)
五合目を過ぎると、林道歩きから解放されて登山路となる。笹が濃いところもあるが、
フギレオオバキスミレも登場し、うきうきする。オオバキスミレと比較すると、葉に不規則な切れ目がある。
七合目の標識付近から道は雪に覆われるが、その残雪伝いに右に曲がると、夫婦が立ち往生していた。この先に足跡がないという。
試しに5分ほど登ってみると、濃い笹やぶに阻まれてしまう。引き返して、右カーブに留まっていた夫婦と合流する。
左手の長万部岳に連なる雪渓に出て偵察してみると、その先に夏道を見つけた。
残雪時期はルートミスがこわい。
夏道は2度途切れ、心地よい風が渡る雪渓を歩く。
下りで迷わないように、地形を頭の中にしっかりと刻む。
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(フギレオオバキスミレ)
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(雪渓を行く)
登山路左手には、黒松内岳、その向こうにニセコの山々。右手には大平山。
雪渓から夏道に入ると、シラネアオイ、エゾイチゲ、ツバメオモト、カタクリが咲き乱れ。
ツツジのムラサキヤシオの色彩も鮮烈だ。
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(ムラサキヤシオと大平山)
チシマザクラが咲き始めた山頂からは、道南の山々、なかでも白く輝く狩場山がお見事。
ルートミスの苦労も報われたか。それにしても「長万部岳」のプレートが大きい。
看板の左端に見えるのが、カニカン岳だと思う。「蟹缶」を連想して微笑ましい。
アイヌ語由来の地名は面白い。調べたら「黄金」という意味で、実際に金山だったという。
最高の青空。気温も上がり、暑い。肌を刺す虫も多く、もっと居たかったが30分ほどで下山する。
道なりに下りていくと、迷った地点より20mほど下に、するりと出たのには驚いた。
錆びついた小さな道しるべに、まったく気づかなかった。迷った右カーブの手前20m付近に
左に折れる夏道があったのだ。
暑くて900ミリリットルの水も足りなかった。反省。
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(長万部岳の山頂:左端がカニカン岳か?)
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(山頂標識をはずして撮影すると、こんな山並み)
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(狩場山)
■登山記録:
08時40分 林道ゲートから入山
09時15分 「うすゆき荘」跡
09時55分 五合目・鉱山跡
七合目過ぎて、ルートミス
11時05分 ルート再発見
11時20分 九合目
11時40分 山頂
12時10分 下山開始
14時15分 林道ゲートに戻る
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二股ラジウム温泉 1000円
河畔に石灰華のドームが立つ効能自慢の秘湯。が、施設は新しく清潔。お年寄りが多かった。
男湯だと思って入った大浴場は女湯とつながっていて、混浴だった。おばあちゃんがひとり。
入る時、気づかなかったが大浴場の右手に入口が別な小さな男湯があった。
つまり、男湯と女湯と混浴の大浴場がある、不思議な施設。
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(石灰華ドームが特徴の二股ラジウム温泉)