「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

春のはかなき妖精たち 嵐山のカタクリ、エンゴサク・・・

2013-05-06 11:10:30 | 道北の山々

2013年5月5日 ☆ 嵐山

 

深川・丸山から、お気に入りの旭川・嵐山へ。

五月の初め、いつになく遅い春を実感。

山肌のキタコブシもサクラもいまだに息をひそめ、

雪解けが遅いことから、遊歩道の大半も閉鎖されていた。

カタクリもエンゴサクも、ぽつりぽつりと。

この時期に群落に出会わなかったのは初めて。

よーし、アップで撮ろう。 シュールな感じで面白かった。

カタクリ

 

エゾエンゴサク (紫花)

 

エゾエンゴサク(青花)

 

風を避けるかのように地面に低く張り付いていたのは、タチツボスミレ。

いつものキミながら、今年初のスミレで、嬉しく。

 

咲き始めのフクジュソウに、天に向かってすくっと眼差しを向ける意思を感じる。

いままで気づかなかったけれど、なんかいいね。

 

エゾノリュウキンカは、雪解け水を集めながら春の音を連れてくる。

タチツボスミレ

フクジュソウ

 

エゾノリュウキンカ

 

雪解け斜面に咲いていた数輪のカタクリに顔を寄せたところ、オクエゾサイシンが咲いていた。

ヒメギフチョウの食草だ。この葉の裏に卵を産みつける。

たくさんのヒメギフが舞う嵐山だが、食草に気づいたのは初めて。

好んで蜜を吸うカタクリの傍に、ひっそりと咲いていた。

 オクエゾサイシン

オクエゾサイシン&カタクリ

 

■過去の登山記録

2013年5月5日(嵐山)

2011年4月30日(嵐山~半面山)

2010年5月16日(嵐山~近文山)

2009年4月29日(嵐山)

 


カタクリ咲く丸山

2013-05-05 23:15:38 | 道北の山々

                               深川市郊外の丸山

 

日照不足で日々、寒さが続く。

深川市郊外の水田地帯に、ぽつりと浮かぶカタクリの名所・丸山。

標高110mあまり、周囲2キロの小山全体が真言宗の霊場となっていて、観音地蔵が八十八ずらりと並ぶ。

明治開拓期に四国から入植した屯田兵たちの心の源泉。

 四国八十八ケ所巡りの観音地蔵

 

5分で石段を伝って頂上まで登り、その後に、ぐるりと山縁2キロを歩く。

カタクリ。頭を下げた蕾の行列が出迎えてくれた。

そして、雪解けの早い南斜面で、恥じらうように咲いていた。

・・・逢えてよかったと喜ぶ。

雪解けが進めば、ピンクの絨毯が敷きつめられるだろう。

 カタクリの蕾

カタクリ

丸山の山頂から望む田園地帯

 

■過去記録

2007年5月3日  丸山

 


リシリヒナゲシ咲く 日本海の孤峰・利尻山

2011-07-20 04:08:14 | 道北の山々

               フェリーで利尻島へ 雲の上に山頂が浮かぶ

2011年7月17日の利尻山(1721m)の登山記録

 

雨模様の三連休。天気予報に目を凝らすと、利尻山だけは晴れるかも。

稚内公園でテントを張り、翌朝第一便のフェリーに乗り込む。

小雨ながら波もなく穏やかな海原に、利尻山の頭がうっすらと浮かぶ。

山頂に着くころの青空を期待して、深い森に分け入る。

雨滴で濡れた緑のひとつひとつが清々しい。

深い森を歩く

 

針葉樹の巨木が立つ幽玄の森を抜けると、見返りに日本海が広がる。

雲海のはざまに礼文島の黒い一筋が見えた。

日本の最北に来たという感慨がわく。

植物図鑑に見入る若者に、見慣れぬ花の名を聞くと、「シュムシュノコギリソウ」とか。 

遥か北千島の占守(シュムシュ)島に連なるその名が、厳しい風土に耐える植生を物語る。

 

 

六合目 左手奥の黒い一筋が礼文島

シュムシュノコギリソウ   

 

七合目から日が差し始め、ハイマツ帯にノゴマのコーラスが響く。

ルビーのような赤い喉を震わせている。 この鳥、別名を日の丸という。

下山してきた夫婦の登山者に「ノゴマですよ」と、我が感動をおすそ分けしてしまった。

ようやく八合目の長官山(1218m)にたどり着くと、高曇りの空に孤峰が大きく屹立していた。

緑の斜面に走る二筋の白い雪渓が、我が心にさわやかな風を運んでくる。

うきうきと足取りも軽く進むと、小さな利尻小屋を経てほどなく九合目に達する。

ここまで登山口から4時間。

ノゴマ( 英名: シベリアン ルビースロート)

八合目

八合目と九合目の間に小さな利尻小屋

九合目

 

九合目では、頂上から下りてきた大勢の岳人が海を見下ろし、山を見上げていた。

八合目で見上げた二筋の雪渓を眼下に覗いてみると、大きな斜面が黄色く染まっている。

チシマキンバイの変種であるボタンキンバイの大群落だという。

ボタンキンバイで染まる斜面

ボタンキンバイの絨毯をアップで。白い花はハクサンイチゲか?

 

九合目から山頂にかけては、この山の核心部。「ここから正念場」という標識まで立っていた。

オーバユース・・・。 崩壊を繰り返している登山路のざらざらとした礫が足裏をずるっとすくう。

慎重に高度を上げていくと、この山らしい高山植物の数々が迎えてくれた。

リシリオウギ、リシリゲンゲと利尻の名を持つ花々。

シコタンハコベは千島の色丹(シコタン)の名を冠る。

リシリオウギ

シコタンハコベ

リシリゲンゲ  赤い花はエゾツツジ

 

7月。

この時期、この山を目指したのは、リシリヒナゲシに出会いたいという一心だった。

利尻山の固有種で、我が国唯一の野生ポピー(ケシの花)が咲くという。

が、登っても、登っても出会うことがない。

あきらめかけた、その時。

・・・・山頂直下の斜面に、いくつかの黄色の花がすくっと背筋を伸ばして咲いていた。

淡くて薄い花弁が天を向く。

近づくことのかなわぬ崩落地。ズームレンズでのぞいて記憶にとどめる。

大満足して歩を進めたら、手の届く距離にぽつりと一輪だけが咲いていた。

リシリヒナゲシ   薄い花弁に品格

すくっと背筋を伸ばして天空を見つめる

 

登山口から五時間ほどで山頂に。雲も散って、夏空がのぞく。

切り立った岩崖や青い日本海に、長い歩行の疲れが一瞬に癒された。

一時間でも、二時間でも居たかったが、帰りの最終フェリーの時間が気になる。

わずか15分。後ろ髪惹かれる思いで下山した。

帰路、八合目から見上げた山体は爽やかな夏空と呼吸を交わしていた。

 

 

 

 利尻山の山頂

山頂の岩崖

 山頂から見た日本海と対岸の稚内

帰路、八合目から見上げた山頂

 

■登山記録

08時30分:鴛泊コースから入山(ここが、ほぼ三合目)

09時00分:四合目

09時30分:五合目(610m) 森を抜けて眼下に日本海の見晴らしを得る

10時00分:六合目・第一見晴らし台(760m) シュムシュノコギリソウが咲く

10時30分:七合目(895m)

11時00分:第二見晴らし台(1120m)

11時20分:八合目(長官山・1218m)

11時45分:利尻山避難小屋

12時15分:九合目(1410m)

13時25分:山頂(1721m)  上り4時間55分

13時40分:下山開始

17時00分:登山口に戻る  下り3時間20分

下山時の森で出会ったたクマゲラ(♀)  つがいで採餌していた

帰路の稚内行きフェリー最終便

 

 稚内  港の湯  

700円だが、連休の市民感謝ディということで500円。

新しく、広くて実に心地良い。

港を見下ろす露天風呂から、宵闇に浮かぶ幻想的な赤い月を眺めた。

 

翌朝の光景  コンブ漁が最盛期

翌朝、稚内・浜勇知から見た利尻山


春紅葉と神居岩

2011-05-22 23:45:58 | 道北の山々

 神居古譚の神居岩(左端)

 

2011年5月22日(日)の神居岩(233m)の登山記録

 

日々の移ろいのなかで、いつのまにか桜の時期も過ぎてしまった。

道北の山間部なら、散り際に間に合うかなと、 旭川郊外の神居古譚へ。

石狩川にかかる吊り橋の向こうに屹立する神居岩を目指す。

エゾヤマザクラと芽吹きの萌黄色が奏でる春もみじに、ほっとする。

登山路にはオオタチツボスミレやオオバナノエンレイソウがにぎやかに咲いていた。

春もみじ

春もみじ

エゾヤマザクラ

オオバナノエンレイソウ

 

30分ほどで神居岩のすそ野に。左コースと右コースがあるが、傾斜のある左の道を選ぶ。

岩崖はロッククライミングのトレーニング場所になっていて、

2組のパーティーが真剣な声を出し合って、岩と格闘していた。

小型のタカがケーと叫びながら空を切り、もう1羽と絡む。ハヤブサだと思う。

これは求愛なのか、威嚇なのか。それとも人を嫌っての警戒か。

頭を上げ、首をまわして、鋭い滑空に見とれること15分。

 

 

 

神居岩

小型のタカ

 

頂上からは音江山がよく見えた。水を貯めた田んぼが水鏡となって、きらきらと輝く。

春の米どころは、まるで広大な湖のよう。

帰路は右まわりで下りる。

神居岩の山頂から見た音江山と水田地帯

 

■登山記録

13時10分:旧神古譚駅の左手から入山

13時40分:神居岩の左右分岐を左へ

14時10分:山頂

14時20分:下山開始

14時45分:下山

下山して、周辺のサイクリングロードを散歩したら、ルリシジミが大発生していた。

集団で吸水するルリシジミ

 

サイクリングロードで見つけたツボスミレ

 


嵐山 春の妖精たち 

2011-05-01 12:30:23 | 道北の山々

                       芽吹き前の嵐山

 

4月30日:嵐山~半面山 登山記録

 

森の芽吹きはこれから。木の葉の日傘が太陽光をさえぎる前に、青紫や薄紅色の花々が咲き競う。

三年連続、旭川の嵐山へ。エゾエンゴサクやカタクリが見ごろを迎えていた。

小さなヒメギフチョウも姿を見せた。春爛漫の一歩手前、森にいのちの躍動を感じる至福の時が訪れた。

エゾエンゴサクの群落

森の芽吹き前に春の日差しを浴びる

カタクリ

ヒメギフチョウ

ヒメギフチョウ

 

写真を撮りながらゆっくりと登る。40分ほどで嵐山の山頂に。

車でアプローチできる展望台がある。残念なことに、遠景の大雪山は雲に隠れていた。

車道を降りて国見峠へ。ここから半面山に進む登山路をたどる。山深くに入るので念のために熊鈴をつける。

嵐山の斜面と比べると、雪解けが遅いようで、カタクリもつぼみが多い。

左手前に進む自分の影が楽しい。日焼け予防に買ったつば広の帽子デビュー。

カタクリのつぼみ

ミズナラの落ち葉をキャンバスに僕の影

 

国見峠から一時間で半面山に。

笹刈りされた平坦な登山路は、山頂直下で一気に高度を得る。

四等三角点と真新しい看板が迎えてくれた。呼吸を整え、汗を乾かす。強い風がゴーと音を立てて波打つ。

帰路は国見峠から近文山経由で北方野草園に下山。

半面山の山頂(359.4m)

 

■2011年4月30日 登山記録

09時50分:北方野草園から入山

10時30分:嵐山の山頂(253m)

10時50分:国見峠(車道経由)

11時05分:下半面山(275m)

11時40分:高圧送電線(名寄幹線)  見晴らし良し

11時50分:半面山(359.4m)

12時05分:下山開始 (近文山経由)  14時05分:登山口に戻る

 

下山時、北方野草園から見た旭川市内。雲が切れて大雪山も一望

 

 湯らん銭 420円

旭川市内に行く途中、道を間違えて走っていたら出会う。新しくないが大型の施設で心地良かった。

 

 ■過去の登山記録

2010年5月16日(嵐山~近文山)

2009年4月29日(嵐山)

 

 


北方野草園~嵐山~近文山

2010-05-16 23:22:32 | 道北の山々

                (キタコブシ咲く嵐山)

先週末に続いて16日も旭川の里山へ。今回は昨年行って楽しかった嵐山(253m)を再訪。

キタコブシが山体のあちこちを淡い白色で染めていた。春の穏やかな山の面構えに心身がリラックスする。

京都を擬して命名したのだろうか ? 北の嵐山は桜山ならぬ辛夷山だった。

山麓斜面は「北方野草園」として散策する市民で賑わっていた。

すでに春一番に咲くカタクリやエンゴサクは終りを告げ、第二陣のシラネアオイやオオバナノエンレイソウが群落を形成する。


(シラネアオイの群落)

ひらひらとヒメギフチョウがゆく。色も褪せて早春の女王も終盤か。

濃い群青のシジミチョウが飛ぶ。初めて見たが、その素早さからコツバメだと思う。

オオバナノエンレイソウにとまるも翅は閉じたままで、目にする裏翅は濃い茶色。

翅を開けば、きっと広がる濃い青色に、どきっとすることだろうに。


(色褪せたヒメギフチョウ)


(表翅は濃いブルーのはず…コツバメ)

中腹から望む太い石狩川。貫く旭川の街並みと、背景に構える白銀輝く大雪山の山並が美しい。

冬をひきずる雪色に、エゾヤマザクラのピンクが春到来のアクセントを添えていた。


(嵐山中腹から望む大雪山)


北方野草園に別れを告げて、山頂を目指す。巨大な長玉レンズを構える男性がいた。

元気に遊ぶ仔リスの兄弟を狙っているのかなと思ったら、枝に鎮座するエゾフクロウだった。

こういう思わぬ一期一会が、旅の楽しさ。


(エゾフクロウ)

嵐山の山頂からは、左手に天塩岳、中心に旭岳を主峰とする表大雪、そして回廊のトムラウシ山が続く。

右端に十勝岳連峰が止めを作って、白い一直線を締めくくる。大雪山の白線流し。

旭川は凄いぞ。この感動を表現できる撮影技術がないことを悔やむ。


(大雪山の白線流し)

嵐山からの俯瞰を記憶に刻んで、近文山(216m)へと縦走する。

小気味の良い雑木林の路傍には終盤のカタクリが最後の輝きを放つ。

凛と清楚なエゾイチゲが、いのちのバトンタッチを受けて、白い群落を作る。

近文山には「国見の碑」が立つ。

明治18年に初代の北海道庁長官がこの地から上川盆地を俯瞰したという。


(近文山の山頂)


開拓時代に思いを馳せながら、カシワの純林が続く国見峠を歩く。

この登路は車道を渡って半面山へと続くが、縦走の楽しみは来年に繰り越そう。

車道歩きで嵐山山頂に戻って、北方野草園に下山した。

■登山記録:

12時30分:北方野草園の入口
13時15分:嵐山の山頂
13時30分:山頂出発~チセ跡~砦跡~チセ跡に戻って・・・
14時00分:近文山(国見の碑)
14時15分:国見峠~嵐山の山頂
15時00分:北方野草園入口に戻る


近くの公衆浴場「菊水湯」 420円

■過去記録:
09年4月29日 嵐山


カタクリ咲く旭山

2010-05-09 23:38:49 | 道北の山々
                         (旭山公園のカタクリ)

里山に咲くカタクリを見ようと旭川へ。

向かったのは、あの旭山動物園の旭山(標高295m)である。

数年前、JR北海道の車内誌で見かけた1枚の写真。旭山の斜面をカタクリの群落が染めていた。

「へぇ、あの旭山にねぇ」という意外性が強く、いつか歩いてみたいと思っていた。

動物園に隣接する旭山公園をうろうろすると、八十八ケ所巡りの観音さまが点在。

その公園の道筋が、舗装された観光道路を渡って、森の中へと続く。小気味の良い登山路はカタクリロードになっていた。



(観音ロードはカタクリの道)

雨上がりのどんよりとした曇り空。控えめにお辞儀するカタクリの写真を撮りながら、ゆっくりと進む。

30分ほどで頂上直下の二股に。下りに49番の観音さまが鎮座するが、ここはまず山頂へ。

テレビ局の送信アンテナが数本立っており、旭川の田園地帯を見下ろしていた。



(旭川、春の田園地帯)


頂上から二股に戻って、下りながら観音巡り。ここからは道幅が広がって整った道となる。

日が差してポカポカすると、スジグロシロチョウが盛んに飛び交う。


(スジグロスジチョウ)

春の女王・ヒメギフチョウもいないかなぁと目を凝らしたら、願いが通じたのか。

小さな黄色が、カタクリの路傍をひらひらと舞う。

食草のオクエゾサイシンが見当たらないのが、不可思議だが・・・



(ヒメギフチョウ)

ルリシジミ、ヒオドシチョウ、クジャクチョウも次々と登場。

蝶々を誘う陽光の威力を実感する。

花々は光をはじいて輝きを増す。小さな里山に自然が織りなす小宇宙。だから、てくてく歩きがやめられない。


(ルリシジミ)


(クジャクチョウ)


下りと思っていた観音ロードは登ったり、下ったりと山腹を巻いて、最終的に山麓の高野山旭山寺に。

その手前、八十七番観音周辺にカタクリの大群落が広がっていた。

あの車内誌で見た一枚の写真。ようやく眼福を得る。


(カタクリの大群落)


(旭山バス停から望む旭山)

■登山記録(2010年5月9日)
12時45分:旭山公園
13時15分:山頂
15時00分:あちこち歩きまわって山麓の旭山寺に

ヒメギフチョウ舞う嵐山

2009-05-01 22:24:18 | 道北の山々
(写真:エゾエンゴサクとカタクリの絨毯)

4月29日(祝):

突哨山から降りて、嵐山(253m)へ。
こちらも旭川の市街地を見下ろす里山で、山麓は「北方野草園」という名の観察ゾーンとして開放されている。
カタクリやエゾエンゴサクが満開で、大勢の行楽客が春の花を愛でながら歩いていた。

(写真:嵐山)


展望台がある山頂までは、野草園の遊歩道とは別ルートで、20分ほど。
眼下には川のある街・旭川が美しい。
その背景に大雪山が大パノラマとして広がる。

(写真:旭岳を中核とする表大雪)


(写真:十勝連峰)


いったん下山しての帰路、北方野草園のカタクリ自生地に立ち寄る。
蜜を求めるヒメギフチョウがひらひら、ひらひらと舞っていた。

(写真:カタクリとヒメギフチョウ)


カタクリ咲く突哨山

2009-04-30 21:57:30 | 道北の山々
(写真:突哨山に咲くカタクリ)

29日(祝)に旭川の突哨山(243m)へ。
かつてゴルフ場計画が持ち上がった丘陵だが、市民の保護運動が実って、全国有数のカタクリ群落地として親しまれている。
旭川刑務所脇のカタクリ広場(駐車場)から遊歩道に入る。
早朝だったので、花びらは首を垂れ、恥じらうかのような清楚な出迎え。
日をいっぱいに浴びると競うように開花するに違いない。
野鳥の大合唱も心地よく、春の森は生き生きと輝く。
特にルリビタキが活発に動いていた。
メスの写真が上手に撮れて愉快な気分になる。

(写真:ルリビタキ♀)

山は実に平坦で、最高点に気づくこともない。
2キロほどハイキングすると、遊歩道は右に折れて
入山口とは別の駐車スペースに降りていく。
しかし、注視すると、笹原に直進する踏み跡がある。
わずかに進むと、男山自然公園の遊歩道に出合う。
ここも突哨山の一部だが、男山酒造が管理する一周850mのカタクリの自生地となっている。
広葉樹の林床は赤紫色に染まっていて、大勢の観光客でにぎわっていた。

(写真:男山自然公園のカタクリ)


白いカタクリも数輪咲いていて、人気を集めていた。
市街地の向こうには旭岳を主峰とする大雪山の白屋根が軒を連ねている。
あまりのロケーションの良さにうっとりとする。

(写真:白いカタクリ)


(写真:大雪山の山並み。右端が最高峰の旭岳)

帰路、気温が上昇したせいか、数羽のキアゲハがしきりに飛び回っていた。
傷みのないきれいな羽なので、まだ羽化してまもないのだろう。
突哨山の遊歩道に戻ると、キアゲハよりふたまわりほど小さなヒメギフチョウもカタクリの園に吸い寄せられていた。
田園地帯の小さな里山は、春の妖精たちの生命力に満ち満ちていて、
こちらも大いに元気をもらった。


(写真:キアゲハ)


(写真:突哨山)

■登山記録
08時45分:カタクリ広場から入山
09時40分:2キロ地点から踏み跡を直進すると、男山自然公園遊歩道に
10時15分:男山自然公園「カタクリ原生花園」入り口

11時35分:突哨山遊歩道に戻る
12時20分:カタクリ広場に戻る

■過去記録
06年5月3日 男山自然公園



ヒグマと接近 天塩岳の山行き③

2007-08-30 21:26:36 | 道北の山々
8月26日の登山記録③:
[7時25分:入山  8時:前天塩岳ルート分岐  8時40分:ヒグマと遭遇
9時20分:ハイマツ帯  9時40分:前天塩岳山頂 10時40分:天塩岳山頂]

天塩岳山頂から西天塩岳と円山を展望しながら、新道コースを下る。ウラシマツツジの赤い絨毯の中に、見慣れない赤い実が鈴なりに。初めて見るエゾゴゼンタチバナ。よく見かけるゴゼンタチバナとは、葉のつき方が違った。(写真:エゾゴゼンタチバナ)

11時20分、西天塩岳近くの避難小屋に。この100メートル手前の登山路にクマの糞。あまり新しくはなさそう。登山者が珍しがって、ストックでつついた跡がある。この山塊は、クマの気配が強いことを再び実感。

               ヒグマの糞です

避難小屋では、数人の登山者とクマ談義に花が咲く。独りで歩きたくない心境なので、クマと遭遇したときに、ご一緒させてもらった男性2人の後をついて下りる。振り返ると、前天塩岳と天塩岳が並んでいた。

              前天塩岳(左)と天塩岳

13時20分、登山口に戻る。十勝岳で味わったような膝の痛みはなく、比較的登りやすい山であったことがわかる。
クマとの出会いも、向こうから逃げてくれたので、なんとも幸運な山行きだったと感謝。
無事、下山してみれば全ては楽しい思い出と化す。

温泉は、帰路の水田地帯にある一軒宿の協和温泉。素朴な温泉につかったあとに食べたきのこラーメンがおいしかった。



ヒグマと接近 天塩岳の山行き②

2007-08-28 21:12:26 | 道北の山々
8月26日の登山記録②:

[7時25分:入山  8時:前天塩岳ルート分岐  8時40分:ヒグマと遭遇]

ヒグマと遭遇してから、先行の2人と一緒にひたすら上を目指す。
9時20分に樹林帯を抜けて、ハイマツ帯に。やがてガレ場に達する。ここからは雲の中で、視界不良。おまけに強風で、よろよろ歩きを強いられる。赤く色づいたコケモモの実とウラシマツツジの紅葉に心癒される。稜線では秋が始まっていた。
                              (写真:コケモモ)

9時40分、前天塩岳の山頂に。全く何も見えずにがっかり。強風で滞在時間ゼロで天塩岳とのコルに下る。雲の流れが早く、振り返ると、前天塩岳が構えていた。

            前天塩岳の山頂(1540m)


          振り返ると雲が晴れて、前天塩岳(左)


10時40分、天塩岳の山頂。すさまじい強風だが、一瞬の晴れ間を期待して10分ほど我慢する。願いが通じたのか、行く手の西天塩岳と円山をまわる新道コースが姿を見せた。前天塩岳、天塩岳、西天塩岳、円山。ここは、ゆったりと構えるたおやかな山塊だった。残念ながら期待していた遠望は効かず、対面の大雪山は雲に隠れたままだった。


           天塩岳山頂(1557.6m)


        下山の新道コース 西天塩岳(左)と円山

ヒグマと接近 天塩岳の山行き①

2007-08-27 22:03:00 | 道北の山々
8月26日の登山記録①:
午前7時25分に天塩岳ヒュッテ前の登山口から入山。8時に旧道と前天塩岳ルートの分岐に。ここを左に折れて、前天塩岳を目指してジグザクの道を登っていく。    

斜め左手背後で「ガサッ、ガサッ」と、笹を激しく揺らす異様で大きな音。先行の登山者が斜面から落ちたかと振り向くと、黒茶の固まりが笹薮を駆け下りてきた。
「カラスだっ」と信じたかったが、一瞬、歯が見えた。 

 ク  マ  だ !

「うわっ」と思った瞬間、クマは僕を避けるように進路を変え、お尻を見せて笹薮を駆け下りていった。
「ウ ッ ー ー ー ー ー」という恐ろしい唸り声を発しながら・・・
距離は、わずか15メートルほど。声も聞こえるはずだ。8時40分ごろの事だった。

「逃げて行ってくれた」と思った。
少しでも離れたかったので、呼吸を整えてから、ジグザクを上に進む。死角になって見えないけれど、先行者が近いはず。1分ほどで、呆然と立ち尽くす男性2人と出会う。鏡があれば、僕の顔も見たかった。

「戻りましょうか」と言われたが、「クマから離れるのなら登りましょう」と一緒にひたすら歩く。僕はホイッスルを吹く。1人だったら、ここから新たな恐怖心と戦うことになっただろう。

彼らによると、ガサッという音が2箇所から聞こえたので、2頭いたのではないかという。となれば、僕が見たのはあまり大きくなかったので、1歳半程度の幼獣か。母クマが居たすれば、ぞっとする。先行者2人の気配を感じて、下に逃げたら、僕が歩いていたことになる。クマ避けの鈴を2個つけていたのが、良かったのか。
2人は、下にいた僕が危ないのではと心配だったという。

  (写真:旧道と前天塩岳ルートの分岐 ここから40分登ってクマと遭遇)




天塩岳は秋の気配

2007-08-26 21:54:27 | 道北の山々
道北の天塩岳に登る。頂上に近い稜線の高山植物が早くも赤く染まり始めていた。ウラシマツツジ、コケモモ、エゾゴゼンタチバナなど。草紅葉、燃える。
                       (写真:ウラシマツツジの紅葉)

途中、初めてヒグマと遭遇してしまった。その距離、おそらく15メートルほど。
「ウッー」という唸り声が、今も耳に残る。

深川・丸山のカタクリ群落

2007-05-03 23:26:38 | 道北の山々
深川市の丸山は標高114メートル。
水田地帯にポツンと、お椀を伏せたような里山だ。
カタクリの群落がすばらしいと聞き、初めて訪れた。
麓に丸山寺があり、小さな山全体が霊場となっている。
大勢の人がいるなと思ったら、きょうは、「春の例大祭」。
響くご詠歌と老若男女の信者で賑やかだった。
信仰の山に咲き乱れるカタクリは、人々の暮らしの中に息づいていた。
  

カタクリ爛漫 突哨山(男山自然公園)

2006-05-03 23:22:04 | 道北の山々

雪道で迷った反省からGWは平地か低山で野の花を見ようと、決める。


旭川郊外、突哨山の男山自然公園に。カタクリが満開で山の斜面がピンクに染まっていた。
いつもの年より開花が遅く、ちょうどGWが見ごろになったとのこと。

大勢の行楽客でにぎわっていた。
酒造メーカーの所有地ながら駐車場やトイレは無料開放。

企業の地域貢献で里山の自然に触れられるのは、結構な事。 土産用の酒が結構、売れていた。