2012年8月25日~26日の登山記録:
層雲峡の高原温泉登山口から緑岳を経て、白雲小屋へ。
テント泊して、星を観る。そして、朝陽を浴びて黄金色に輝く山々を目に刻む・・・というのが、今回のテーマ。
濃い青空、いまだに雲はもくもくと、夏だ。
花を散らしたチングルマの風車がそよぎ、季節は移ろう。
うきうきと快調に登るが、緑岳の山頂に着くと、厚い雲が主峰の旭岳を覆っていた。
雲が切れている白雲岳に向かう。稜線には、早くも色づくウラシマツツジ。
無数のトンボがとんでいく。なぜかダイセツタカネフキバッタが目につく。
標高2000mの世界。
チングルマの風車
緑岳山頂から望む白雲岳 左手の旭岳は雲の中
紅葉のウラシマツツジ・・・トンボ三匹が映ってた・・・
ダイセツタカネフキバッタ
ウラシマツツジ
リシリリンドウ
谷に残る万年雪を渡ると、白雲小屋キャンプ指定地。夏と秋の端境期とあって、さほど人は多くない。
晩夏に咲くタカネトウウチソウやミヤマサワアザミが静かに迎えてくれた。
テントを張り終えて、40分ほど歩るくと夕暮れの白雲岳山頂に立つ。
湧き立ち、流れていく雲のなかに、たったひとり。愉しいのか、寂しいのか・・・
残雪と白雲岳
白雲小屋キャンプ指定地
タカネトウウチソウとミヤマサワアザミ
白雲岳の山頂
暮れなずむ白雲小屋とキャンプ場
闇が湧いてくると、雨が降り出した。
うとうとしていたら、テントを打つ雨音がいつのまにか鎮まり、しかも明るい。
午後9時前のこと。外を覗くと、半月がテントを照らし、大地に影がのびていた。白雲岳の輪郭もはっきり。
ナキウサギがピッと金属質の声をたてた。
月夜がこんなに明るいとは知らなかった。明るすぎて頭上の星があまり見えない。
23時ごろ、半月が雲に隠れながら視界から消えていくと、漆黒の空は満天の星。明日の快晴を確信し、わくわくする。
23時15分すぎに、テントの中で大地が揺れた。標高2000mで感じる地震。ラジオは帯広、釧路の震度5弱を伝えていた。
午前4時ころ、テントのまわりは霧に包まれていた。重たい気分に沈んでいると、東の空に赤い光が差す。
午前4半になって、あわてて東斜面の登山路を上って、小泉岳方向を目指す。
大雪山の夜明けが始まっていた。
小泉岳方向の朝焼け
白雲岳分岐から見た凌雲岳、桂月岳、黒岳、烏帽子岳・・・
朝陽を浴びて輝く白雲岳
僕の長い影
斜光の朝
白雲小屋の頭上に、午前5時25分の飛行機雲
ダイセツトリカブト
光の競演は一時間ほど。ふたたび山々は深い霧に包まれていく。
質素な食事をしてから、雨に濡れたテントをたたむ。
クマよけの鈴をちゃりんと鳴らして、視程の効かない登山路を黙々と下った。
霧に包まれた白雲岳避難小屋
■登山記録
09時15分:高原温泉から入山 09時45分:見晴らし台
10時00分:第一花園 10時15分:第二花園
12時15分:緑岳 山頂 12時45分:緑岳山頂を出発
13時45分:白雲岳避難小屋 16時10分:避難小屋を出発 16時30分:白雲岳分岐 16時50分:白雲岳 山頂
17時05分:白雲岳 山頂発 18時00分:テント場に戻る
04時30分:テント場出発 05時10分:小泉岳 山頂付近→テント場に戻る
06時25分:テント場出発 09時10分:高原温泉登山口に戻る
大雪山高原温泉 700円
午前9時半に訪れると、日帰り入浴は午前10時半から。「どうぞ、大広間でお待ち下さい」という親切な言葉。
青白色の源泉が心地良かった。キノコカレーやコーヒーを愉しむ。
■これまでの登山記録
03年09月15日:銀泉台~赤岳~「白雲岳」
04年09月26日: 高原沼周遊~高原温泉~「緑岳」
05年08月14日: 高原温泉~「緑岳」~「白雲小屋」
05年09月24日:黒岳~北海岳~「白雲岳」~小泉岳~赤岳~銀泉台
07年09月17日:銀泉台~赤岳~小泉岳~「白雲岳」~北海岳~黒岳記録(プロローグ) 記録① 記録② 記録③
09年07月12日: 高原温泉~「緑岳」~「白雲小屋」~高根ケ原 ① ② ③
12年08月25~26日 高原温泉~「緑岳」~「白雲小屋」~「白雲岳」