「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

水鏡の風不死岳

2012-05-22 23:06:00 | 支笏湖周辺の山々

2012年5月20日(日)の登山記録:

 

支笏湖カルデラの外輪山のひとつ、風不死岳(1102.5m)へ。

朝の湖に渡る風はなく、水鏡に映る雄姿に心が躍った。

夏山開きまで閉鎖の林道をひたすら歩いて、登山口へ。

林道歩き

 

樽前山登山口から入山すると、火山礫地に咲くコメバツガザクラが見ごろを迎えていた。

素早いスピード飛ぶシジミ蝶はコツバメ。

林道や登山路のあちこちで見かけた。裏翅は地味な枯葉色だが、一瞬見える表翅は青くて美しい。

コメバツガザクラ

コツバメ

 

山頂から望む湖は静謐なたたずまい。見とれていると、時間を忘れる。

「フップシ」(風不死)とは、アイヌ語で「トドマツが多い」という意味。

その名の通りに、眼下の樹海は広葉樹の萌黄色に濃緑の針葉樹が浮かぶ。

そのパッチワークがきれいだ。

山頂と支笏湖

 

針広混交の森

 

■登山記録

07時50分:樽前山五合目・林道ゲート

08時45分:樽前山七合目・登山口

09時20分:風不死岳分岐

10時25分:ニセピーク

11時05分:山頂

11時45分:下山開始

13時55分:樽前山七合目・登山口

14時35分:五合目ゲート

■過去の登山歴

04年06月06日 樽前山七合目登山口~風不死岳~樽前山・西山~樽前山七合登山口


支笏湖畔の紋別岳に登る

2011-05-15 22:47:22 | 支笏湖周辺の山々

                   紋別岳 通信会社の専用車道を登る

 

2011年5月15日(日) 紋別岳(865.8m)の登山記録

 

ドライブ気分も味わいたくて自宅から40キロほど離れた支笏湖畔の紋別岳へ。

萌黄色や桜色でにぎやかな市内を抜けて、標高がある湖畔に着く。ここは芽吹き前の静けさ。

通信会社の専用道路を歩く。風情に欠くが、湖や外輪の山々の眺望がよい。

足元には紫や黄色のスミレが咲き競う。

かさかさと音がした。駆けたシマリスが積み重なった枯葉を掘り始めた。

見つけたのはドングリだった。警戒心が薄いのは、餌に執着していたから。

周辺にドングリがなる樹はないので、秋に貯めていたものかしらと思う。

オオバキスミレ

 

枯葉を掘るシマリス

ドングリを食べる

 

頂上直下で送電線の作業路に取りつく。一気に高度があがり、展望も一段と開ける。

鋭い岩峰が天を突く恵庭岳に、残雪をきらきら輝かせる漁岳。

頂上には十数人。湖畔に拡がる雄大な景観に見とれていた。

夏山シーズン到来。

恵庭岳と残雪の漁岳

 

紋別岳の山頂

樽前山と風不死岳

■2011年5月15日 紋別岳の登山記録

10:00 入山

11:10 送電線の作業路に取りつく

11:30 山頂

11:50 下山開始

13:15 登山口に戻る

 丸駒温泉 1000円  熱い源泉で疲れが吹き飛ぶ

帰路、登山口の清流近くで見つけたシラネアオイ

 

 

■過去の登山歴

05年11月06日

07年03月24日

08年03月09日

 


溶岩ドームに感動 樽前山(2)

2009-05-25 20:43:08 | 支笏湖周辺の山々
(写真:西山ピークと溶岩ドーム)

5月24日の樽前山・登山記録(2)

コメバツガザクラの群落に夢中になって登っていくと、青空がぐーんと近づく。

七合目の登山口から50分ほどで溶岩ドームを囲む外輪山に着く。

ぐるり一周の外輪山、左右どちらに進もうか。ここが分岐点となっている。

左にすくっと立つ西山ピーク(995m)、その背後に残雪をまとうオロフレ山、ホロホロ山と徳舜別山が美しい。

我が目が輝くことを、心で感じる瞬間だ。

(写真: 西山ピーク、左背後にオロフレ山、右にホロホロ山と徳舜別山)

ここは右側に10分ほど登る東山ピーク(1022m)を目指すことにする。

最高点の溶岩ドームへの立ち入りが禁じられているので、東山が事実上の「頂上」ということになる。

東山に一歩一歩近づくにつれて、溶岩ドームのはるか向こうに羊蹄山が見えてくる。縦じまの残雪が、どきどきするくらいに胸に迫る。


(写真: 溶岩ドームの背後をズームインすると、羊蹄山)


東山ピークは10人ほどの登山者でにぎわっていた。風が強く、汗が冷えたので山シャツにフリースを重ねた。


(写真: 東山ピーク)

強風の東山ピークをそこそこに、剥き出しの溶岩ドームを見ながら外輪山を一周することにする。

耳を澄ますと、噴煙の奥底からゴーという火山の息づかいが聞こえてくる。地球の鼓動だな、と思う。

西山ピークにはカメラや地震計など火山監視装置が設置されている。

さすがに展望も素晴らしく、支笏湖を囲む恵庭岳や漁岳が青空を刻み、見下ろす新緑の樹海はみずみずしい命の力に充ち溢れていた。



(写真: 西山ピークから見た溶岩ドーム。右側背景は東山ピーク)


(写真: 西山ピークから見た支笏湖と、その外輪山。右端は風不死岳)


(写真: 右側の恵庭岳と漁岳・小漁岳にズームイン)

■登山記録
10時50分:五合目ゲート
11時25分:七合目登山口
12時15分:外輪山の東西ピーク分岐
12時25分:東山ピーク
12時35分:東山ピーク出発
13時25分:西山ピーク
13時50分:西山ピーク出発
14時10分:樽前神社奥宮
14時25分:外輪山の東西ピーク分岐
14時55分:七合目登山口
15時35分:五合目ゲート

休暇村 支笏湖  700円
森の中の公共宿。温泉は2階にあり新緑が美しい。優しいお湯だった。


(写真: 帰路の湖畔から見た樽前山)


■過去の登山歴
02年08月03日 雨風強く途中撤退
02年09月15日
03年08月24日
04年06月06日 風不死岳~樽前山ルート
04年08月21日




コメバツガザクラ満開の樽前山(1)

2009-05-24 21:10:26 | 支笏湖周辺の山々
(支笏湖畔。左が樽前山、右が風不死岳)

天気予報によると、昼から晴れそうな支笏湖畔へ。きょうは、手軽だが1000m超の登山が楽しめる樽前山に登ろう。

札幌はどんよりとした曇り空だったが、支笏湖畔に入ると見事な青空が広がっていた。

樽前山には少々、雲がかかっていたが、登る頃にはきっと晴れているだろう。読みはばっちりと、気持ちも晴れやか。

登山口の七合目まで道路が延びているが、シーズン前ということで五合目のゲートが、閉じられていた。

2キロほどの林道歩きも白樺の新緑ロードが楽しく、苦にならず。


(写真:五合目ゲートから七合目までの林道歩き)

七合目の登山口から少し登ると、すぐに森林限界に達し、活火山の山肌がむき出しになる。荒々しい砂礫が続くが、ところどころ淡いピンク色に染まっていた。

コメバツガザクラ。その名のように米粒のように小さな壺型の高山植物だ。春一番に咲くこの花が見たかった。

ひとつ、ひとつは小さくても数が集まると、広い絨毯となる。その群落は山のいたるところで、大きく広がっていた。


(写真:斜面を染めるコメバツガザクラの群落)


(写真:砂礫帯に咲く コメバツガザクラ)


(写真:コメバツガザクラ)











オコタンペ湖へ

2009-04-04 22:30:22 | 支笏湖周辺の山々
3月29日、幌平山途中下山で、たっぷりと時間が余った。
かって漁岳から見下ろしたことのあるオコタンペ湖。今度はオコタンペ湖から漁岳を望んでみよう。(08年4月の漁岳登山記録) 07年4月の漁岳登山記録

冬季通行止めのゲートからオコタンペ湖展望台までは2キロの道のり。春の道路開通を目指して途中まで除雪が行われていて、歩き始めは雪壁ウォークが楽しい。その後、雪壁を這いあがって固くしまった雪道を行く。スノーシューのトレースも明瞭だ。

30分ほどでオコタンベ湖を見下ろす展望台に。
氷結して白化粧している湖の背景に、小漁山と漁岳の連なりが薄日を浴びて輝いていた。

(写真:左が小漁山、右端が漁岳)


支笏湖畔の幌平山へ

2009-03-29 20:54:52 | 支笏湖周辺の山々
(写真:支笏湖と紋別岳)

陽光に誘われて、支笏湖畔の幌平山(718m)を目指す。
夏道がない山なので登山は積雪期がチャンスだ。
山間の国道の路面に雪はなく、乾いていた。ヘアピンカーブ脇のイチャンコッペ山の登山口から森に入る。
ダケカンバとトドマツが交じるしっかりとした森だ。
急な登りだが、しっかりと踏み跡が残っていて、楽に登ることができる。
30分ほどで、踏み跡が二手に分かれる。左側が幌平山の山腹に取りつくトレースで
少々わかりずらいが、頂上に連なる綾線も見えるので迷う不安感はない。

(写真:分岐。左手に行くと幌平山)


歩を進め汗をかくと、次第に空が近くなり、大きな雪庇も目前に迫ってきた。
頂上まではあと少しだろう。
振り向くと、青く輝く支笏湖とその外輪山が目に飛び込んできた。
来てよかったと感謝。雪庇の避け方も自信がなく、きょうはこの場所で良しとした。

(写真:支笏湖と風不死岳)


10時15分:イチャンコッペ山(06年10月の登山記録)の登山口から入山
10時45分:分岐
11時05分:支笏湖の見晴らし良し。下山開始
11時35分:登山口に戻る

丸駒温泉


白く輝く漁岳 眼下に湖ふたつ

2008-04-06 20:40:22 | 支笏湖周辺の山々
(写真:恵庭岳と氷結したオコタンペ湖、奥に支笏湖)

漁岳(いざりだけ)に長靴で登る。夏道がないので、積雪期が登山の時期。冬山は自信がないので、4月~5月の春山シーズンを待っていた。去年は4月28日に登ったが、今年は雪解けが半月ほど早いので、本日、チャレンジ。人気の山で、大勢の登山者が列をなしていた。

(写真:林道から見た漁岳)

40分ほど林道を歩いて、冬道の斜面に取り付つく。エゾマツとダケカンバの混交林を進んで稜線に出ると、眼下に広い支笏湖と氷結したオコタンペ湖を望む。鋭鋒の恵庭岳も大きく構えて、力強い。この山と湖が奏でる原始が見たくて、この春もやってきた。

頂上に取り付く最終斜面は急峻で少々、心配だったが、雪質は水分を含んで粘着性があって予想外に登りやすかった。

(写真:コルから望む漁岳)

山頂は晴れていたが、つらい強風。去年は5分ほどで撤退したが、今回はたっぷり着込んで30分ほど滞在。雄大な景観を記憶に刻む。

(写真:山頂からの展望)

■08時00分:入山、林道歩き
■08時40分:冬道斜面に取り付く
■09時35分:稜線に出る。オコタンペ湖を望む
■11時00分:頂上
■11時35分:下山開始
■13時35分:登山口に戻る

■過去の登山歴:07年4月28日漁岳



春風強く紋別岳

2008-03-09 21:49:00 | 支笏湖周辺の山々
9日の日曜日。陽気に誘われて、支笏湖畔の紋別岳(865m)に。久しぶりの遠出だ。
雪に覆われた林道をそのまま歩くので、雪道登山としては、さほど難しくない。長靴でざくざくと行く。
高度を上げるに連れて、青い湖を囲む白い山々が、その勇姿を見せてくれる。
樽前山、風不死岳、恵庭岳、漁岳・・・


【恵庭岳(左)と漁岳】


【樽前山(左)と風不死岳】

気温10度を超えるという暖気の予報ながら、山を渡る風の力は強い。
頂上は寒く、10分ほどで下山する。
温泉は湖畔のホテルで。広くて、ぬるめのお湯で癒された。

09時05分:入山
10時30分:林道から離れて頂上に取り付く冬道に出合う
10時50分:頂上
11時00分:下山開始
11時50分:登山口に戻る


漁岳(いざりだけ)に登る

2007-04-28 20:55:58 | 支笏湖周辺の山々
【1175mピークから見た恵庭岳】

早起きして支笏湖畔の漁岳(1318m)へ。白い頂が青空を刻む。
胸高鳴るが、風が強く寒い。
7時20分、長靴で入山。雪に覆われた林道を行く。

8時10分、漁岳が見え始めた地点から左側の急斜面に取り付く。
赤いテープが目印。大勢の人が登っているので、トレースは確かで不安は無い。
アカエゾマツとダケカンバの森を気持ちよく登っていく。
   

8時45分、稜線に出る。恵庭岳と支笏湖、そして小さな結氷した湖。
オコタンペ湖だ。この景色が見たかった。
ここから、ずっとこの絶景が続く。
  

9時50分、1175mピーク。漁岳がなだらかに構えている。
登り始めは快晴だったが、山頂は次々に雲がやってきて、どんより。
残念。
ここからコルに下りて、一気に急登だ。左に小漁岳、右に空沼岳。
数日前の積雪で、むしろ登りやすい。本来はガリガリで要注意か?


10時20分、山頂に。強風で寒い。視界は悪くないが、雲が厚い。
僕がこの日、4番目の登頂者。次々と人が登ってくる。とても寒い。
15分ほどで下山。
  

下りるに連れ、徐々に天候が回復し、うららかな帰路となる。
森から見た漁岳は、青空に白く耀いていた。
12時55分に登山口に戻る。

漁岳は夏道がない。経験の乏しい自分には縁が無い山だと思っていた。
が、この日のために今期は長靴登山のトレーニングを積んできた。
僕にとっては春山の最高峰!
まずは目標達成。

支笏湖畔の伊藤温泉で疲れを癒す。
古くて地味だが清潔感ある小さな湯。混んでないのが良い。700円。




おぎゃー、おぎゃーと鳴く鳥は?

2007-03-25 19:15:38 | 支笏湖周辺の山々
昨日の紋別岳登山で体験した不思議なこと・・・

「おぎゃー、おぎゃー」と聞き慣れぬ鳴き声が近づいてくる。
何だろう?
首をふりふり、声の主を探す。
見上げると、それはカケスだった。
羽ばたきを押さえ、すいすいと滑空して山肌を降りてゆく。
まるで、空を泳いでいるようだ。
続いて、もう1羽が、今度は声もあげずに、泳いでゆく。
眼下の湖に飛び込むスカイダイバーのように。

滑空するカケスは「おぎゃー、おぎゃー」と鳴く。
我が耳と目で得た、本当の話。

※カケスは鳴き声のマネが上手だという。
他の鳥で「オギャー」と鳴く鳥は
いるのだろうか。
「カー、カー」と鳴くカラスのヘタ真似か?

絶景!支笏湖  紋別岳に登る

2007-03-24 22:32:30 | 支笏湖周辺の山々
【写真:頂上から見た恵庭岳~漁岳】

8時55分: 紋別岳(866m)に入山。
コバルトブルーの支笏湖と、周りを囲む白い山並みが見たかった。
頂上まではNTT施設の専用道路が伸びている。
舗装道路なので、夏は興ざめだが、早春はありがたい。
道もわかりやすいし、踏み跡も固く締まって、歩きやすい。
きょう出会った人たちは、みんなツボ足だ。
高度を上げるに連れ、期待していた山々が見えてくる。
樽前山、風不死岳、恵庭岳、漁岳・・・
「白い山っていいなあ」
 
【写真:樽前山~風不死岳】

10時5分:送電線の下を利用するショートカットコースと出合う。
先行する男性は、この道を選ばず、黙々と車道を登ってゆく。
僕はショートカット。急登ではないが、短時間ながら山登りを実感できる斜度だ。

10時25分:山頂に到着。支笏湖周辺の山々に加えて、
定山渓の山々、札幌方面の見晴らしも良い。
僕のホームベース・藻岩山が意外と近い。
先日初めて登った野牛山も、すぐわかった。
確かに絶景だ。
しかし、空全体に水蒸気が多く、「青」が少ない。
湖も冬の日本海のような鉛色。
来年は、もう少し寒い時期に来よう。
抜けるような青空と、コバルトブルーの支笏湖が見たい。
楽しみが増えた。
   
【写真:恵庭岳~漁岳】  【写真:イチャンコッペ山】


10時55分:下山開始
11時50分:登山口に戻る。


【写真:温泉街から見た紋別岳】

もう少し歩きたいという衝動に駆られる。
大滝村の洞窟に氷筍を見に行くことにした。

※「紋別岳」 過去の登山記録:05年11月6日





支笏湖周辺の山々を大展望 イチャンコッペ山

2006-10-28 20:51:09 | 支笏湖周辺の山々
【写真:8合目から見た支笏湖】

今週も出張と宴会が続き、昨日は21時に寝てしまう。
たっぷり寝たので目覚めがいい。おまけに予想外の快晴。
イチャンコッペ山を目指す。支笏湖畔の夏山の中で、もっとも
札幌に近い。
9時55分に入山。小春日和、晩秋の陽射しが暖かい!
登り初めから、支笏湖を囲む山々の展望がすばらしい。
風不死岳、恵庭岳、紋別岳・・・
  
【写真:風不死岳】     【写真:恵庭岳】     【写真:紋別岳】

登山口から頂上まで、濃い笹がきれいに刈られていた。
山を愛する人たちの顔と物語が浮かぶような山行きだった。
 【写真:笹が刈られた登山路】

11時25分:反射板(8合目)
支笏湖の大展望に加え、札幌市内の遠望も。藻岩山とJRタワーもくっきり。

11時45分:山頂(828.9m)
【写真:山頂】

出会った登山者は4組8人だった。
紅葉は終わっていたが、
麓に残るモミジの紅と黄が最後の輝きを放っていた。
丸駒温泉で汗を流して恵庭渓谷経由で札幌に戻る。