「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

ニセコの目国内岳 雲海を行く

2007-06-24 23:06:31 | 羊蹄・ニセコ周辺の山々
【雲海に浮かぶ羊蹄山】

きょうの北海道は気圧の谷の中で、不安定な天気。
ニセコ方面は昼頃まで「晴れ」という予報を頼りに
目国内岳(1220m)に向かう。
ニセコに入ると暗い雲が漂い、小雨もちらつく。
なんとも嫌な気分になるが、新見峠に近づくにつれ
空も明るくなり、目指す目国内岳が見えて、一安心。

9時55分、入山。
高度を上げて森を抜けて、振り返る。
と、そこは雲の絨毯。
シャクナゲ岳、チセヌプリ、ニセコアンヌプリの奥に
羊蹄山が頭を出していた。

10時30分、前目国内岳(980m)山頂に。
行く手に目国内岳が構える。
お花はゴゼンタチバナ、シラネアオイ、エゾグンナイフウロが目立つ。
   

12時00分、岩塊の山頂に。
日本海は雲に覆われ見えない。
縦走路が続く岩内岳、雷電岳方面の視界は良好。
なだらかな山容が広がり、気持ちが落ち着く。
一方で、羊蹄山やニセコ連山方面は立ち上った雲のカーテンに
さえぎられてしまう。雲の上にいる自分を実感。
    

12時30分、下山開始。
途中、タケノコ採りに夢中になってストックを忘れる。
10分ほど登り返したら、見つかった。
危うく高価なタケノコになるところだった。
14時40分、登山口に。

新見温泉の新見本館で汗を流す。500円。
日帰り入浴なのに、
着物姿の若女将が「いらっしゃいませ」とスリッパを出してくれた。
どきっ。
美人若女将って、初めて。
楽しいことに露天風呂から、
登ったばかりの目国内岳が真正面に見える。
男女混浴だが女性はいなかった。






ベニバナイチヤクソウ咲く 白旗山

2007-06-23 21:38:17 | 札幌・小樽周辺の山々
どんよりとした曇り空。きょうは遠出をやめて、
札幌・南区の白旗山(321.5m)に登る。
距離スキーのコースとして有名だが、行くのは初めて。

13時55分、「ふれあいの森」コースから入山。渓流が心地よい。
森はカラマツの人工林が主体で、シラカバとミズナラが混じる。
札幌市の市有林で、かつては皆伐の施行をしていたという。
今は、自然公園として混交林の復元を目指している。

かつての施行林だけに、網の目のように道が交差している。
標識がポイントごとにあるが、少々迷ってしまう。
頂上に連なる最終の上り坂は、ベニバナイチヤクソウの小道だった。
時おり差す木漏れ日が、薄いピンクの花弁を照らす。
ちょっと暗い森で、妖精が遊んでいるかのよう。

  

15時05分、山頂に。
木が繁っていて、眺望は得られなかった。



お花畑続く大千軒岳 クマに注意

2007-06-21 21:05:15 | 道南の山々
【エゾノハクサンイチゲ】

■6月17日の登山記録:大千軒岳(1071m)

松前町の旅館を出発。近くのコンビニで食料を調達してから
長い林道に入る。登山者より山菜採りの人が多い。
6時半に「新道登山口」に。
本当は手前の「旧道登山口」から登って、「新道登山口」に下りるルートを考えていた。
しかし、旅館で働く女性の体験談で心変わり。
「前日に旧道を登ったら、クマの糞だらけだった」という。
そこで、まずはクマの気配がない「新道」から登頂し、お花畑に下りる。
状況次第で「旧道」」に向かうか、「新道」に戻るかを決めることにする。
両登山口は林道歩き、40分の距離だという。

6時45分:新道登山口から入山。
前日、当別丸山で出会った札幌のツアー登山グループ6人と、同時に入山。
ブナの新緑が気持ちよい。

【ブナ】

7時20分:森林を抜けると、
左手に函館山や当別丸山、右手に松前小島がに浮かぶ。
青森の岩木山や八甲田山も見渡せる。頂上まで最高の景観が続く。

【当別丸山や函館山】

8時00分:山頂に。あっというまのショートコース。
少々あっけない。
一等三角点は明治29年、
北海道で最初に設けられた3つのうちのひとつと、記されている。
さすがに絶好の見晴らし。
追いついてきたツアーの皆さんと談笑。菓子やサクランボまで戴いてしまう。
頂上から中千軒岳へ向かう尾根道がお花畑になっている。
     
【山頂標識と三角点】     【中千軒岳、前千軒岳】

30分ほど、景観を楽しんでから、旧道側に下りる。
心地よいお花畑の中を歩きながら、
中千軒岳とのコルとなっている千軒平を目指す。
ヘニバナイチゴ、ミヤマアズマギク、エゾグンナイフウロ・・・
残念な事にシラネアオイの群落は終盤だったが、
エゾノハクサンイチゲの群落はみごとだった。
  

9時00分:千軒平に。処刑された隠れキリシタンを弔う十字架が立つ。
旧道から登ってきた人たちに聞くと、クマの糞を8ケ所で確認。
新しいものが多いという。
クマと出会った単独行の人もいたらしい。
彼はあわてて引き返し、出会ったグループからの「一緒に登りませんか」という申し出も辞退。さっさと下山したという。
ということで、僕もここから頂上に引き返し、登ってきた新道を下りることにする。

【千軒平と大千軒岳】

9時20分、頂上に向けて再出発、9時55分頂上。
10時45分に新道登山口に下山。
長い林道走行のおかげで、楽々登山。
絶好の眺望とお花畑に心弾むも、少々の物足りなさも。
「旧道口~千軒平~頂上~新道口~林道歩き~旧道口」というコースをたどれば、
もっと充実した山行きとなったに違いない。

松前町の老舗「温泉旅館 矢野」で入浴。600円。
レストランのメニューが郷土色あふれている。
アワビカレー、アワビ飯、鯨汁ラーメン・・・迷うなあ。

上の国でちょっと観光して、八雲から高速で一気に札幌へ。午後8時、自宅に。



トラピスト修道院の「当別丸山」に登る

2007-06-18 21:58:10 | 道南の山々

【トラピスト修道院】

16日、快晴。
函館に近い上磯町当別の丸山(482m)に登った。
トラピスト修道院の敷地の中にある裏山。
広大な敷地は農場になっていて、修道士が自給自足の生活を送っている。
ありがたいことに登山は自由で、
荘厳な雰囲気を感じながら登ることができる。

【当別丸山】

11時05分、入山。
農場の車道をしばらく行くと海を見下ろすカトリック墓地がある。
さらに杉木立を行くと11時25分、宗教施設「ルルドの洞窟」に。
ツタウルシに囲まれた聖母マリア像が印象的だ。

【ルルドの洞窟】

ルルドから、山道らしくなり、11時40分に「展望台」に。
ぽつんと浮かぶ函館山、海峡を隔てて向き合う青森の山々。
手が届きそうに近い。
頂上までブナ林が続く。巨木はなく、二次林なのだろう。
季節を先取りする炎天下、木漏れ日が優しい。
   
【函館山】         【対岸の青森】

12時15分、山頂に。一等三角点に加えて「天測点」も。
星の位置を測定するもの?
僕は初めて、ご対面。登山は予期せぬ出会いが楽しい。
  
【山頂】        【天測点】

帰路、見慣れぬランの花に気づく。
サルメンエビネを白く、小さく、可憐に・・・した感じ。
暗い森の中に、ぼつんと。
「見つけ下さい」とささやく、不思議な存在感。
近づいてきたツアー登山の皆さんも初めて見たという。
帰宅して調べたら、その名はエビネ。


13時25分、登山口に戻る。
親切に登山路を教えてくれた売店で、何か買わねば!
定番のトラビスト・クッキーを買う。

松前に行く途中、道内最古・開湯800年という「知内温泉」に。
山奥の秘湯を連想していたが、国道から1キロ、改装された小奇麗な温泉。
新館と旧館の2種類のお湯を楽しむ事ができる。
露天風呂は、内湯から裸で廊下と庭を横断するという大胆な設計。
しかも混浴。
男女とも誰も入っていなかった。
390円は安い、びっくり。


松前町から大千軒岳に登る

2007-06-17 21:53:56 | 道南の山々
【大千軒岳】

16日、17日と道南に遠征。初日は当別丸山で足慣らし。
上磯町当別のトラピスト修道院の裏山(482m)だ。

きょう(17日)は松前町の新道コースから大千軒岳(1071m)へ。
隠れキリシタンが処刑された史実を今に伝える。
札幌から往復700キロほど。楽しかったが、遠かった。

エゾフクロウのヒナ

2007-06-11 22:20:57 | 野幌森林公園
出会いは、突然。
親切な女性が「フクロウのチビちゃんがいるよ」と
年配の夫婦に教えていた。
そこに通りかかった、僕の運の良さ。

この女性、冬の藻岩山でエゾクロテンを追っていた方。
2度目の出会いだ。
「奥さん、お会いしてますね」
「あっ、やはりあの時の!でも、私は奥さんじゃないの」

言葉は慎重に発しないと・・・
さて、フクロウはこちらを見ない。
うまく撮れずに残念。


花の命は短く

2007-06-10 18:55:53 | 野幌森林公園
【散ったヤマシャクヤク】

珍しく、土日に仕事がぽつぽつと。
きのうは山野に行けず。
・・・日曜の今朝は出勤前に、野幌森林公園に行って来た。
気になっていたのは、あの純白のヤマシャクヤク。
が、花の命は短い。
火曜に出会った貴婦人は、見事に散っていた。

森は蝉時雨の大合唱、葉もうっそう。
初夏というより、これは夏。
よーく見ると、森の奥にフクロウのヒナがいた。

ヤマシャクヤク

2007-06-09 20:28:35 | 野幌森林公園
日陰で、ひっそりと咲く純白の花。
はっと、息をのむ。
その名はヤマシャクヤク。
立ち姿は清楚で雅だ。
野幌森林公園でも盗掘があるらしく、その数は少ないという。
花がもう少し開いていると、嬉しいのだが。


撮影したのは6日。
サルネンエビネなど、情熱的な野生蘭と較べると、こちらは純和風だ。
初夏の森もいろいろ。




両古美山 タケノコ、チシマザクラに積丹岳の大展望

2007-06-03 21:56:15 | 積丹半島の山々
【写真:余別岳(左)と積丹岳】

きょうも快晴。積丹半島の両古美山(806m)に登る。
去年も6月3日に向かいの当丸山に登っている。
雪解けが遅く道に迷ったが、今年は完全に解けていて、まずは一安心。

午前8時50分、たまたま一緒になった
タケノコ採りのおじいさん2人といっしょに入山。
長らく営林署に勤めていたらしく、山野に詳しい。
紫色のハクサンチドリが咲くと、タケノコもピークらしい。
残念ながら、まだ咲いてなかった。
「あそこの岩の30m下に熊の穴がある」とか、
「そこの沢は熊の通り道なので、熊の沢と言う」とか、懇切丁寧に教えてくれた。
浜言葉なので、なまっていて、おおよその意味しかわからない。
時々、笹薮に入ってタケノコを採ってくる。
うれしそうに「ヤバイ、ヤバイ」と喜ぶ。
70代も、ついに若者言葉を使うのか?
たまげて聞き返すと、とても「ヤワイ」そうだ。
山のタケノコは平地と較べて、軟くておいしいとのこと。
やがて、彼らは沢に入り、僕は熊がいるという岩の方を目指す。
チシマザクラやムラサキヤシオツツジが咲き乱れていた。


9時50分、山頂らしき岩場に到着。ケルンもある。
が、標識はない。
羊蹄山やニセコの山々の大パノラマが広がり、
あまりの気持ちよさに、熊のことはすっかり忘れる。
ちょっと進むと笹薮の中に、山頂の標識。
稜線と登山路は、さらに続く。

【両古美山の尾根筋】

10時20分、展望台に到着。
余別岳と積丹岳の大展望が目の前に。
この日、登山者は何故か僕ひとり。
独り占めにするには、あまりに大きな景観だった。
11時に下山開始、
タケノコとギョウジャニンニクを少しだけ頂きながら
12時30分に登山口に。

【登山口から見た両古美山】

温泉は去年と同じ古平町の一望館。
廃校になった高校をお風呂にした地元の人たちの気取らないお湯。
500円。









黄金山に登る

2007-06-02 21:42:41 | 増毛・樺戸の山々
【写真:増毛の山々と黄金山】
快晴。きょうは石狩市浜益の黄金山(739.5m)へ。
さほど高くはないが、急峻で登り応えのある鋭鋒だ。
山頂から残雪輝く増毛の山々を見たいと思った。
2年前はガスがかかり、展望を得られず。

8時10分入山。
8時30分、新道と旧道の分岐。
花の多い、旧道へ。
急峻な斜面を両手両足を使って、這い登るワイルドな山道だ。
危険は感じないが、4つ足歩行を続けると、汗がびっしょり。
フギレオオバキスミレやオオサクラソウの群落が続く。
    

気温が上がるに連れ、新緑の森から蝉時雨が響く。
季節は確実に初夏の訪れを告げている。
そのいっぽうで、エゾヤマザクラも咲いていた。
春と初夏が同居する高山の妙。


10時5分、切り立った岩尾根の山頂に。


残雪を戴く増毛の山々(幌天狗、群別岳、尾白利加岳、南暑寒別岳)が目の前に。
青い空、新緑、残雪の山々・・・至福の山頂だった。


10時55分下山開始。
帰路は新道を使って12時15分に登山口に到着。
浜益温泉500円。
日本海の砂浜を歩くと、
山頂から展望できなかった雄冬山、浜益御殿、浜益岳が望めた。



過去の登山歴:05年6月5日