「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

残雪の大雪山を行く コマクサ平~赤岳~小泉岳~白雲小屋(1)

2009-06-28 22:24:28 | 表大雪
(写真: 大雪湖から望む赤岳の連なり)


赤岳(2078m)を目指して標高1500mの銀泉台の登山口から登る。紅葉の名所・第一花園の斜面は広大な残雪に覆われている。

周辺の淡い新緑と残雪のコントラストが目に優しい。高曇りの空に北大雪や東大雪の山々もくっきり。遠くは阿寒の山々までも望む。


(写真: 第一花園の雪渓、右肩は北大雪のニセイカウシュッペ山)



(写真: 新緑に浮かぶ東大雪の石狩連峰やニペソツ山)

コマクサ平の手前でジンヨウウキスミレがぽつぽつと咲いていた。葉が腎臓の形に似ている。

大雪山固有のスミレで丸みを帯びた花弁の可憐さが素敵だ。


(写真: ジンヨウキスミレ)


コマクサ平は吹きさらしの砂礫地で、その名の通り、コマクサが多い。

開花は遅れているようで、ほとんどがつぼみだった。


(写真: コマクサ平)


(写真: コマクサ)


シマリスの動きが活発。あちこちでエサを食べていた。冬眠明けで食欲が旺盛なのだろう。

ここは大雪山固有のチョウ数種が飛ぶ有名なポイント。午前7時、日差しが無く、その姿を見せない。

まずは赤岳とその先の小泉岳を目指し、チョウとの出会いは帰路に期待することにする。


(写真: シマリス)

コマクサ平から大きな雪渓斜面をふたつ登り詰めると、赤岳の山頂に。

山頂そのものは平坦な尾根にぽこんと岩が立つささやかな風情。しかし、ここから見た白雲岳、旭岳、北鎮岳の連なりが圧巻。何度来ても驚嘆だ。


(写真: 左から白雲岳、後旭岳、旭岳=中央のピーク、中岳、北海岳)


(写真: 左から後旭岳、旭岳、中岳、北海岳、右端が北鎮岳)



ホロホロ山に登る

2009-06-27 21:30:38 | 室蘭・登別周辺の山々
(写真: 支笏湖畔から望むホロホロ山=中央のなだらかなピーク。右端は徳舜瞥山)

支笏湖と洞爺湖の中間に位置する白老町のホロホロ山へ。着いた登山口はロープで閉ざされていた。

「登山路が崩落しているので、途中まで林道を使ってください」との表示。30分ほど林道を歩くと登山路との合流点に。

ここまでツボスミレ、ミヤマスミレ、オオサクラソウが咲いていて退屈しない。

笹刈りの登山路を登ると、七合目から展望が開いて支笏湖とその周辺の山々を望む。ここからチシマザクラが多い。

が、すでに花期は終わり、残花がぽつん、ぽつんと。それでも夏に咲くサクラとの出会いが楽しい。


(写真: チシマザクラ)

ツバメオモト、サンカヨウ、シラネアオイなども山路を彩っていた。

山頂に近づくとヨツバシオガマ、ハクサンチドリ、エゾイソツツジといった高山植物も咲き始め、夏山の始まりを告げている。


(写真: ツバメオモト)


(写真: エゾイソツツジ)


山頂からは尾根続きの徳舜瞥山が天を突く迫力で構えていた。数人の登山者がいたが、彼らは全てこの鋭鋒からの縦走者だった。

チシマザクラ満開のころは、白老側からホロホロ山を目指す人が多いとのこと。

徳舜瞥山の背後には羊蹄山や洞爺湖を望む。支笏湖畔の山々や定山渓の山々が、実に近い。素晴らしい眺望にうっとりとする。

徳舜瞥山までは片道30分だが、翌日は大雪山行きを計画しているので、体力温存ということで、眺望を目に刻んで下山する。


(写真: 山頂から望む徳舜瞥山 右奥は羊蹄山)



(写真: 山頂から望む支笏湖畔の山々)


帰路の林道歩きで、足元からエゾライチョウの幼鳥、続いて親鳥がバタバタと飛び出した。

親鳥は幼鳥から人の関心をそらすため、木から木へと飛び移る。

驚かせてごめん。

僕が立ち去って、親子が無事に合流できますようにと念じた。



(写真: エゾライチョウ)


■登山記録:
11時15分: 白老コースから入山 林道を歩く
11時50分: 登山路と合流(あと1.9キロの標識)
12時35分: 七合目
13時15分: 山頂
13時50分: 下山開始
15時00分: 登山口に戻る

■過去の登山歴
04年6月5日: 徳舜瞥山からホロホロ山へ。


ニセコ山系の岩内岳に登る

2009-06-21 18:39:57 | 羊蹄・ニセコ周辺の山々
(写真: 岩内町市街地から見た岩内岳)


6月20日の登山記録:

6月に入って土日はずっと雨模様が続いた。予報は20日(土)も晴れないが、曇りだという。

高曇りを期待して、ニセコの山々で唯一未踏の岩内岳(1085.7m)に登ろうと思った。

スキー場の登山口から、旧ゲレンデの右端を行く。山頂には雲がかかっていて気分は晴れない。そこに、大きな白い蝶がひらひらと舞ってフランスギクに降りた。

羽は白というより透き通ったという形容がふさわしい。帰宅して調べたらウスバシロチョウ。白いが、実はアゲハチョウの仲間だという。大きいはずだ。

低地のチョウだが氷河期の遺存種とのことで、予期せぬ出会いが楽しい。



(写真: ウスバシロチョウ)


30分ほど歩くと森に入り、ようやく山登りらしくなる。七合目から振り返ると岩内の街と入り込んだ日本海、そして対岸の積丹半島が美しい。

進路には岩内岳、そして右手には雷電岳が。雲が勢いよく流れていく。

新緑と残雪、そして雲流。晴れてはいないが、高山の空気がうまい。



(写真: 七合目から見た岩内町)



(写真: 岩内岳)


(写真: 雷電山)



(写真: 雲が山頂から流れてくる)


九合目でガレ場に出る。すさまじい強風に雨も混じる。先行の二人が降りてきて、山頂は厳しいですよと、ひとこと。2人の眼鏡が曇り、髪が濡れていた。

強い風の中、クロテンが向かってきた。僕に気づいてハイマツ帯に逃げ込む。意外に体が長いというか、大きい。写真が撮れず残念。

ミヤマオダマキが雨に濡れて可憐な姿を見せてくれた。雨も、また良し。


(写真: ミヤマオダマキ)


強風の山頂はガスって視界もなく、七合目で見えていた雷電山も見えない。

視界があれば、目国内山への縦走路に降りて、湿原の花畑を楽しみたかったが。

また来る楽しみが増えたと納得する。



(写真: 岩内岳山頂)

山頂標識のそばに開花していないが、白花のミヤマオダマキが咲いていた。

初めて見た。眺望は得られなかったが、来て良かったと思う。

強風で揺れてピンが合わなかったので、小さく記念に掲載。



(写真: 白いミヤマオダマキ)


(写真: 帰路、さらに雲流れる)

■登山記録
10時05分: スキー場登山口から入山
11時20分: 七合目
11時40分: 八合目
11時55分: 九合目
12時00分: 頂上(1085.7m)

12時15分: 下山開始
13時45分: 登山口に戻る

 岩内温泉 グリーンパーク岩内 500円
岩内湾を望む、茶褐色の清々しい湯。
街でみかけた古い喫茶店。昔、神田にあった店と同じ名前だったので、吸い込まれる。ナポリタンの味がタイムスリップしていた。








富岡西公園のスズラン

2009-06-06 17:13:57 | 自然公園/原野/海浜

山麓裾野の住宅地にある富岡西公園。札幌市内では珍しい日本在来種のスズラン群生地だという。

新聞記事などで気になっていて、去年初めて訪れたが時期が遅く。今回、初めて出会うことができた。

ギョウジャニンニクに似た大きな葉が2枚。その陰に独立した花の茎があり、小さな花をぶら下げていた。

よく見かける園芸種のドイツスズランと比べると、葉の大きさが印象的だ。



写真を撮ろうと顔を近づけたら、かすかな淡い香りに気づく。

平成16年から区役所と町内会の人たちが、木道の整備や雑草除去で花を増やしているという。




スズランに思いを寄せる人のぬくもりを感じながら、

木道をぐるりと巡った。







藻岩山のラン

2009-06-02 23:33:15 | 藻岩山
(写真: ノビネチドリ)

5月31日、スミレ探しに登った藻岩山でランの花、4種類に出会った。

意外と咲いているんだなあと、この山の魅力を再認識。

ノビネチドリは比較的開けた明るいところに咲いていた。

他のランは雨で日差しが届かない樹林の脇に多く、ピンが合わないのでフラッシュをたく。


(写真: コケイラン)



(写真: アオチドリ)



(写真: クゲヌマラン)