「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

アンギラスを行く (ニセイカウシュッペ山)

2013-09-23 19:32:11 | 北大雪

                                 北大雪の岩尾根・アンギラス

2013年9月22日の登山記録

 

その名はアンギラス。

ゴジラと戦うトカゲ怪獣だ。

北大雪のニセイカウシュッペ(1878.9m)と平山を結ぶ岩稜の空中回廊。

誰が名付けたのか、このギザギザをアンギラスと呼ぶ。

ちょっと、憬れてきた。

鋭く切り立つ岩塔の連なりが、トカゲ怪獣の背中に見えますか。

 

 

つるつる斜面を下る

 

眼下の紅葉

 

懐深い紅葉のひろがり

 

ニセカウ直下のコルからハイマツを藪こぐ。

踏み跡はしっかり。

つるつる滑る笹被りの急斜面を降りると、アンギラスが大きく屹立する。

見渡す紅葉の大きさと、山懐に包まれる安心感。

わが存在のいかに小さきことか。

岩の高低におじつけづいた僕はピーク直前でUターン。

 

あと少しで、トカゲのピーク

 

おーい

 

登山路に戻り、ニセイカウシュッペ山の山頂に。

強風で雲が散り、じっくりとトカゲの背中を眺めた。

気温3度。

大雪山の秋が、じんわりと沁みてきた。

ニセイカウシッペ山の頂から

 

ウラシマツツジ

 

アンギラスの旅人づらり

 

■登山記録

07時00分: ニセカウ登山口

08時20分: 展望台

09時20分: ニセカウ山頂とアンギラスとの分岐 10分休憩

10時20分:アンギラスのピーク直前でuターン

11時15分: 分岐に戻る

11時25分:山頂

12時20分:下山開始

14時20分:登山口に戻る

■温泉

層雲峡・黒岳の湯  600円

■これまでの登山歴

2010年6月26日

2005年7月23日

 

 

 

 

 


北大雪の花の名山 平山(ひらやま)

2013-07-21 10:48:35 | 北大雪

                               左端の平坦な突き出しが平山 

 

2013年7月20日 平山の登山記録

8年ぶり、北大雪の平山に。

遠軽町と合併した白滝村の名山で、花と表大雪の展望が楽しみ。

広葉樹にアカエゾマツが混交する心地良い森が、沢沿いに続く。

いくつかの滝を経て、沢の源頭はエゾノリュウキンカの花畑。

大きな雪渓をふたつ登りつめると、空が近づき稜線に。

チングルマが、そっと出迎えてくれた。

 

沢の源頭はエゾノリュウキンカが咲き乱れ・・・

 

エゾノリュウキンカ

 

第一雪渓を登りながら見返すと、支湧別岳

 

キバナノコマノツメ

 

チンク゜ルマ

 

表大雪を望む1737mピークで小休止。

左に折れて20分の平山にタッチしてから、このピークに戻って、今度は比麻良山方向へ。

長い稜線の風衝地は、タカネシオガマとコマクサの大群落が続く。

タカネシオガマは最盛期、コマクサは終盤で散りかけていた。

それでも薄赤色に染まった大地に、心ときめく。

コマクサの白花にも、初めて出会う。

1737ピーク  標識の影になっているのが平山   

 

タカネシオガマ

 

平山の稜線・風衝地はコマクサとタカネシオガマの赤い絨毯 (スマホで撮影)

 

コマクサ

 

コマクサの白花

 

 平山とニセイカウシュッペ山のかけ橋となっている岩稜を通称アンギラスと呼ぶ。

1811ピークからアンギラスに続く踏み跡を目でたどると、つぎづきと登山者が鋭鋒に。

「よし、来年は」と、新しい目標ができた。

人がいるのが1811ピーク。その背景がアンギラス、右端がニセイカウシュッペ山

 

アンギラス

 

アンギラスのピーク

 

■登山記録

07時40分: 入山

08時05分: 行雲の滝

08時10分: 冷涼の滝

08時30分: 大きくて長い滝

08時40分: 沢の源頭流域 雪渓

09時00分: 第一雪渓

09時40分: 第二雪渓

09時55分: 尾根に出る

10時00分: 1737ピーク

10時20分: 平山の山頂(1771m)  →10時35分出発→10時55分: 1737ピーク

11時35分: 1811ピーク→12時10分 出発→12時45分: 1737ピーク

14時30分: 登山口  コムラサキが迎えてくれた

 

コムラサキ 

 

■過去の登山記録

2005年7月17日 平山往復

 

 


ミヤマカラスアゲハの集団吸水

2010-07-08 22:17:34 | 北大雪
6月26日、ニセイカウシュッペ山の林道を走行中、前方の光景に眼が釘つけに。

橋の上の水たまりで、黒いアゲハチョウが集団で休んでいる。その数、20匹ほど。

2匹が死んでいて、おそらく交通事故死。

水を吸っているのか、仲間の死骸を舐めているのか、少々判然としなかった。

帰宅して調べたら、ミヤマカラスアゲハの雄は集団で吸水するという。その理由は定かでないらしい。

まわりに小さなセセリチョウも吸水していたが、近づくと移動するので撮影はできなかった。

山歩き、いろいろな出会いがあるもの。

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表大雪の大展望 ニセイカウシュッペ山に登る

2010-06-29 23:49:11 | 北大雪
               (写真: 高速道路出口から見たニセイカウシュッペ山)

6月26日(土)、北大雪のニセイカウシュッペ山(1878.9m)に登る。延々と続く林道を行くと標高1100m地点が登山口。

登山路は雪解け水で潤っていて、土色のエゾアカガエルが何度も飛び出しては、どきっとさせられる。


(写真: 林床を跳ねるエゾアカガエル)

50分ほど登ると、通称「展望台」に。右手に表大雪の大展望、左手に目指すニセイカウシュッペのなだらかな山頂が見えてくる。

やがて行く手には大槍、小槍と名付けられた鋭い岩峰が天を突く。

その威容にどきどきしているうちに「見晴らし台」に着く。


(写真: 左端が大槍、右端が小槍)



(写真:表大雪の山並)


(写真:左端のなだらかなピークが山頂)

こここから雪解け斜面を登る。雪渓に足を置くと、さわやかな一陣の風が駆け抜けていく。

背中の汗が冷やされて、実に心地よい。

咲き競う花々の可憐な姿に、春と夏がまるで同時に進むかのような大雪山独特の季節を感じる。


(写真:キバナノコマノツメ)


(写真:ジンヨウキスミレ)

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(写真:エゾコザクラ)


(写真: 稜線はお花畑の道)


(写真: コメバツガザクラ)



頂上の手前で、来た道を振り返ると・・・

大槍と背景に構える表大雪が、その雄姿を気高く重ね合わせていた。

左手には、恐竜の背骨を彷彿させるアンギラスと呼ばれる岩尾根が花の名山「平山」に連なる。

ここがこの山の核心だとうなづく。


(写真: 来た道を振り返ると大槍と表大雪が構える)


(写真: 平山に連なるアンギラス。背景は北大雪の山々)


3時間かかって山頂に。東京から来た単独行の男性と、北見から来た夫婦が絶景を堪能していた。

記念写真を撮りあったり、コーヒーやミカンを頂いたりと、愉しく過ごす。

5年前に登った時は、2時間半ほどで到着。体力的に余裕があって、もう着いたのかと物足りなさも感じた。

が、今回は登り応えも十分。この実感の差は、残雪のせいなのか、加齢のせいか。

前回は厚い雲のベールで大展望を得られなかったが、今回は念願のリベンジで、心は踊る。

こんなに素晴らしい山行きなのに、この日の入山はペア三組と僕を含めた単独二人とは、なんと贅沢なことか。

少々、風が強いものの真夏の陽気も手伝って、珍しく山頂に一時間。


(写真: ニセイカウシュッペ山のなだらかな山頂)

■登山記録:2010年6月26日(土)
09時00分:入山
09時50分:「展望台」 表大雪が見える。
10時15分:あと2キロの標識
10時20分:見晴らし台
11時20分:大槍の基部、あと1キロの標識
11時30分:廃道との分岐
12時00分:山頂
13時00分:下山開始
15時00分:登山口に戻る

■過去の登山歴
2005年7月23日

 層雲峡温泉 湯元銀泉閣  600円
小さいが清潔なホテル。自己PRによると、温泉街で唯一の100%天然温泉とのこと。
軽やかなお湯は心地よい。
しかし、他の施設が100%ではない!というのが驚き。

北大雪  紅葉の武利岳に登る(2)

2009-09-30 22:48:12 | 北大雪
                                   (写真:8合目から見た山頂)

8合目に達すると、武利岳の山頂が全容を現す。ここから先は岩尾根で登山路が狭い。左右の斜面もスパッと切れていて高度感もある。

どちらかというと、気持ち的には苦手なタイプ。山登りが好きなのに、狭くて高度感満点というのが、正直なところ少々怖い。

まあ、慎重に進もう。時折、両手両足をフルに使う。登り応えはあるが、思ったより恐怖感はなく、なによりも無風だったのが幸い。

たわわに実ったコケモモもの真紅が、緊張感を大いに和らげてくれた。



(写真: コケモモ)

9合目からは、旭岳を主とする表大雪の大展望が出迎えてくれる。目指す武利岳の山頂には数人の人影も。あと少しの道のりを、丁寧に登っていく。

日が陰っている場所では、ウラシマツツジやコケモモに降りた霜が残っていた。

冷え込んだ高山の朝ならではの、登山者への小さなプレゼント。ありがたく目に焼き付ける。




(写真: 9合目 背景に表大雪の山並)




(写真: 霜降り)

登山口から3時間半ほどで山頂に。今回見たかった表大雪の山々はうっすらと初冠雪を残していた。2週間前の降雪だ。

歩いてきた道を振り返ると、平野の先はオホーツク海。大雪山と海という組み合わせが面白い。

休んでいた4人のグループは4時間半かけて、武華岳の登山口から来たという。


(写真: 武利岳の山頂)



(写真: 旭岳を中心とした表大雪の山並にズームイン)


山頂から武華岳(07年10月6日の武華岳)に向かう縦走路の西に小高いピークがある。こちらのほうが表大雪の見晴らしが良さそうだ。リュックを置いて出かける。

秋の高い空の下に、旭岳からトムラウシ山までが横一線に連なる。左手には石狩連峰、ニペソツ山などの東大雪の山々も浮かぶ。

武華岳方向からは次々と登山者がやってきて、この山の密かな人気を知る。

次第に混雑してきたので、後ろ髪惹かれる思いで下山することに。



(写真: 西隣ピークから見た表大雪の大展望)





(写真:武華岳と背景の東大雪の山々)

■登山記録
07時15分:丸瀬布コース登山口
08時10分:3合目
08時50分:5合目
10時05分:8合目
10時30分:9合目
10時50分:山頂(3時間35分)

11時40分:下山開始
14時00分:下山

丸瀬布温泉「マウレ山荘」 600円 公共温泉ながら森林リゾートの
気品をにじませる落ち着いたホテル。肌がすべすべした。

北大雪  紅葉の武利岳に登る(1)

2009-09-30 21:23:37 | 北大雪
                   (写真: 舗装された林道から見た武利岳)

27日(日)は北大雪の山から表大雪を展望しよう考えた。

層雲峡から石北峠を越えて、丸瀬布町の武利(むりい)岳(1876.2m)に。自宅から4時間余りの長距離ドライブだ。

途中、林道から姿を現した武利岳の稜線はやせて鋭く、登る意欲を大いに刺激する。

登山口からは、しばらく林道を歩き、1合目から尾根上に出る。3合目から展望が開け、秋色に装いを整えた山の斜面が朝日に輝く。

振り向けばなんとオホーツク海まで見通せる。意外なことに、網走まで直線で80キロなのだ。

武利岳山頂は、その手前に抱えるいくつかピークに隠れて、なかなかその姿を見せない。

その代わりに、4合目、5合目と進むと、武利岳と稜線を連ねる武華岳が左手に見えてきて、次第に楽しくなってくる。



(写真: 山腹も秋装う)


(写真:5合目 左手に見える武華岳)


(写真: 7合目 右手に見える山々)

7合目を過ぎると、時折ひらひらと蝶が舞う。

コヒオドシだ。えっ、こんな時期に何故?と思うが、たしかこの種類は成虫で越冬するはずと思いだす。

冬まじかに蝶がいる、不思議な気分。

武華岳と武利岳を結ぶ恐竜の骨のような尾根の向こうに、トムラウシ山が見えてくると、胸がいっそう高鳴る。




(写真: 7合目 岩の上にコヒオドシ)


(写真: コヒオドシにズームイン)


(写真: 武華と武利をつなぐ尾根の向こうにトムラウシ山)

武華山に登る

2007-10-07 22:52:00 | 北大雪
「稜線上から見たトムラウシ山」

10月6日の登山記録:
午前6時55分に最初の登山者として入山。僕の後続は若い男女。夏山シーズンも終盤を迎え、実に静かな山行きだ。
清流沿いに10分ほど歩くと、ライオン岩コースと東尾根コースの分岐。ゆるやかな東尾根コースを選ぶ。

8時10分に見晴らしの効く稜線に出る。紅葉の稜線の向こうに冠雪したトムラウシ山がくっきり。この先はハイマツの海を渡りながら、徐々に高度を上げる。ライオン岩の背後に北鎮岳など表大雪の白い山並みが次第に頭を見せ始める。振り返ると、先日登った石狩連峰が近い。こちらは冠雪していない。

「ライオン岩の向こうに表大雪」


「石狩連峰」

9時に「前ムカ」に到着。ここから対面の武利岳へ縦走路が伸びている。片道2時間程度で行けそうな距離だ。ライオン岩コースから来た男性が向かっていった。健脚だ。

「前ムカから望む武利岳」

9時35分に武華岳(1758.5m)山頂に。期待していた雪を被った表大雪の大展望が拡がっていた。周辺の山々の紅葉もすばらしい。後続の若い男女が何度も歓声を上げていた。
女性は初めての登山だという。最初にこんな絶景を手にしたら、誰もが山のとりこになる。「簡単に登れて大絶景!」という作戦を練った彼は彼女の心をぐっと鷲づかみにしたに違いない。
こんなデートもあるんだなぁ。

黄葉が中心で、光の加減が難しく写真がうまく撮れなかったのが心残り。

「武華山 山頂」

10時25分に下山開始。帰路はライオン岩コースを下りる。急斜面に風倒木があり、迂回するたびに一瞬、ルートを失いそうになる。とはいっても、迷うほどでもなく、注意すれば大丈夫。11時50分に下山。車は4台増えていた。
登り2時間40分、下り1時間25分。標高差680メートルという楽な山登りだったが、展望は超一級だった。帰路の林道から見上げた紅葉が優しかった。

「帰路の林道から見た武華山」


温泉は層雲峡の「黒岳の湯」。今年3回目。温泉街から望む紅葉は、来週が絶景か。


紅葉の武華山

2007-10-06 22:23:19 | 北大雪
「石北峠から見た武華山」

夜と朝の際を車で北上した。風で濃霧が流れると、青白い朝に表大雪の山並みが浮かんだ。きょうは、25日に初冠雪となった表大雪を北大雪の武華山から見たい!というのが、趣旨。石北峠から見た武華山は紅葉まっさかり。

「冠雪した北鎮岳、比布岳(層雲峡手前の国道から)」