「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

ウスバスミレ咲く徳舜瞥山

2011-06-18 20:48:08 | 室蘭・登別周辺の山々

  

2011年6月18日(土) 徳舜瞥山(1309m)の記録

この時期、花が愉しい徳舜瞥山へ。鉱山跡の登山口から広葉樹とアカエゾマツ の混交林に入る。

苔むした林床にはミツバオウレン、コミヤマカタバミが白い花畑を点々とつくる。

うす暗い森で微笑む妖精のようだ。

 

アカエゾマツが混じる森

ミツバオウレン

コミヤマタバミ

 

数十分歩いたところで、白いスミレに出会う。

ウスバスミレだ。

ひとつ、ふたつと咲いていて、歩を進めると小さな群落をつくっていた。

白い花弁を恥じらうかのようにお辞儀して、初夏の森を静かに飾っていた。

暗いので光を探しての撮影。

何人かの登山者が白いスミレに気を止めることもなく、通り過ぎていく。

もったいないなと思う。

針葉樹の森に咲くウスバスミレ

紫色の筋も美しい

 

 花弁の付け根の「距」は短く太い

 

森を抜けるとハイマツ帯になり、チシマザクラに彩られた稜線を登りつめると山頂に。

すぱっと切り立った崖が高度感満点。

雲の多いもやもやとした大気ながらも、目を凝らせば洞爺湖や支笏湖、その周辺の山々が壮大に連なる。

ミヤマアズマギク、ミヤマダイコンウ、ミヤマオダマキと、なぜかその名にミヤマのつく花が多い。

わずかながらチングルマやイワウメも咲いていた。

山頂

ミヤマアズマギク

 

ミヤマダイコンソウ

徳舜瞥山のピークから隣のホロホロ山までは、片道30分の稜線歩き。

シラネアオイやハクサンチドリに彩られた楽しいフラワーロードで、チシマザクラの淡い紅色も素敵だ。

初夏の花見を満喫する。

ホロホロ山の頂は思いのほかの強風で、支笏湖方向からの強い雲流が高山の凄みを見せてくれた。

徳舜瞥山から望むホロホロ山

 

ホロホロ山直下のチシマザクラと徳舜瞥山

 

ホロホロ山から見た支笏湖方向

 ■登山記録

07時30分 鉱山跡の登山口から入山(すでに五合目)

07時55分 六合目(水場)

08時50分 七合目(廃路との合流点)

09時20分 九合目(見晴らし台)

09時45分 徳舜瞥山 山頂(~10時15分) ※上り2時間15分(写真撮影30分含む)

10時45分 ホロホロ山 山頂 

11時05分 下山開始

13時15分 登山口に戻る

 

北湯沢温泉 御宿かわせみ

長流川に面した大きな露天風呂が野趣満点。混浴注意。

日帰り入浴500円

■これまでの登山歴

04年06月05日 徳舜瞥山~ホロホロ山

09年06月27日 ホロホロ山 

 

 

 


フラワーロード 伊達紋別岳

2011-05-28 20:01:35 | 室蘭・登別周辺の山々

           「太陽の園」の敷地内にある登山口

 

2011年5月28日(土) 伊達紋別岳(714.5m)の登山記録

 

散り際の桜が雨滴に濡れて、あたりは静謐な空気に包まれていた。

福祉施設「太陽の園」の敷地内にある「登山口入口」という看板から、登山ポストまで5分ほどの上り坂。

タチツボスミレ、オオタチツボスミレの群落が続くなか、葉が細長い卵型のスミレが。

初めて見るアカネスミレがたくさん咲いていた。

茜という名のとおり、ほかのスミレと比べて赤みが強い。

写真にすると、その茜色があまり出ないがのが残念だが・・・。

アカネスミレ  有毛の「距」は茜色が顕著

アカネスミレ 花弁基部に白い毛

アカネスミレ

オオタチツボスミレ

 

登山ポストから、いきなりの急斜面。太ももが悲鳴をあげるが、花々が癒してくれる。

林間に次々と咲くシラネアオイやミヤマエンレイソウ。

シラネアオイは頂上に至るまで延々と続き、ミヤマエンレイソウの白い花弁には赤みが目立った。

ツツドリ、ウグイスが盛んに鳴き、春の森は賑やかだ。

シラネアオイ

赤みを帯びたミヤマエンレイソウ

 

一時間ほどで「いっぷく広場」と名付けられた稜線に出て、大きな展望を得る。

ここから「見晴らし台」、「前紋別岳」と名付けられた稜線のポイントを巡る。

アップダウンを繰り返す道にはユキワリコザクラが咲いていた。

根室の海岸線で見たことがあるが、山地では初めて見た。海から吹く湿ったガスの恩恵か。

岩崖にはミヤマアズマギク。

稜線歩き

ユキワリコザクラ

ユキワリコザクラ

ミヤマアズマギク

 

稜線歩きも終盤を迎えたところ、白いシラネアオイが目に飛び込んできた。

紫の色合いが薄くて、白っぽく見える個体は多いが、これは完全な白花。

つぼみも白かった。

中央が伊達紋別岳の山頂

シラネアオイの白花

シラネアオイの白花

 

この日は午後から雨という予報なので、展望ではなく花を目的にやってきた。

いくつかの出会いがあり、早起きは得と実感する。

洞爺湖や羊蹄山を望むことはできなかったが、山頂からはうっすらと有珠山が見えた。

 

山頂から望む有珠山

 

■登山記録

8時00分:登山ポスト

8時20分:一望台(雲で展望なし)

9時5分:いっぷく広場(稜線に出る)

9時30分:みはらし台

9時40分:前紋別岳

10時00分:山頂

10時25分:下山開始

11時45分:登山ポストに戻る

 

  蟠渓温泉 湯人家 500円 ひっそりとした湯治宿が数軒ならぶ。新緑とせせらぎが嬉しい。

■これまでの登山歴

2006年5月13日


測量山の鷹渡り

2010-09-23 22:29:50 | 室蘭・登別周辺の山々
                                                             (写真: 測量山)

南に帰る鷹の渡りが見たくて、室蘭の測量山(199m)へ。山頂から2キロほど離れたマスイチ展望台で待つこと2時間。

天気予報は晴れだったが、あいにくの高曇り。

上昇気流も弱かったのか、ハチクマ1羽とチゴハヤブサ1羽が旋回しただけ。

それでも、大勢のバードウォッチャーの談義が教科書となって、あきることがない。

美しい入り江の対岸に、道南の恵山や駒ケ岳がくっきりと見えた。


(写真:マスイチ海岸)


(写真:ハチクマ)


(写真:ハチクマ)


(写真:対岸の恵山)


(写真:対岸の駒ケ岳)

鳥見を切り上げて、測量山へ。山中にある園地の駐車場から歩いて6分で山頂に。

海と山が複雑に入り組んだ室蘭のマチ並みをぐるりと見渡し、歓声をあげる。


(写真:測量山の山頂から見た白鳥大橋方向)


■登山記録 2010年9月23日
11時31分:園地駐車場
11時37分:山頂
登別温泉 夢元さぎり湯 390円
温泉街にある銭湯。青白濁の硫黄泉がすばらしい。


ホロホロ山に登る

2009-06-27 21:30:38 | 室蘭・登別周辺の山々
(写真: 支笏湖畔から望むホロホロ山=中央のなだらかなピーク。右端は徳舜瞥山)

支笏湖と洞爺湖の中間に位置する白老町のホロホロ山へ。着いた登山口はロープで閉ざされていた。

「登山路が崩落しているので、途中まで林道を使ってください」との表示。30分ほど林道を歩くと登山路との合流点に。

ここまでツボスミレ、ミヤマスミレ、オオサクラソウが咲いていて退屈しない。

笹刈りの登山路を登ると、七合目から展望が開いて支笏湖とその周辺の山々を望む。ここからチシマザクラが多い。

が、すでに花期は終わり、残花がぽつん、ぽつんと。それでも夏に咲くサクラとの出会いが楽しい。


(写真: チシマザクラ)

ツバメオモト、サンカヨウ、シラネアオイなども山路を彩っていた。

山頂に近づくとヨツバシオガマ、ハクサンチドリ、エゾイソツツジといった高山植物も咲き始め、夏山の始まりを告げている。


(写真: ツバメオモト)


(写真: エゾイソツツジ)


山頂からは尾根続きの徳舜瞥山が天を突く迫力で構えていた。数人の登山者がいたが、彼らは全てこの鋭鋒からの縦走者だった。

チシマザクラ満開のころは、白老側からホロホロ山を目指す人が多いとのこと。

徳舜瞥山の背後には羊蹄山や洞爺湖を望む。支笏湖畔の山々や定山渓の山々が、実に近い。素晴らしい眺望にうっとりとする。

徳舜瞥山までは片道30分だが、翌日は大雪山行きを計画しているので、体力温存ということで、眺望を目に刻んで下山する。


(写真: 山頂から望む徳舜瞥山 右奥は羊蹄山)



(写真: 山頂から望む支笏湖畔の山々)


帰路の林道歩きで、足元からエゾライチョウの幼鳥、続いて親鳥がバタバタと飛び出した。

親鳥は幼鳥から人の関心をそらすため、木から木へと飛び移る。

驚かせてごめん。

僕が立ち去って、親子が無事に合流できますようにと念じた。



(写真: エゾライチョウ)


■登山記録:
11時15分: 白老コースから入山 林道を歩く
11時50分: 登山路と合流(あと1.9キロの標識)
12時35分: 七合目
13時15分: 山頂
13時50分: 下山開始
15時00分: 登山口に戻る

■過去の登山歴
04年6月5日: 徳舜瞥山からホロホロ山へ。


地球岬に咲く青いキクザキイチゲ

2009-04-20 21:17:05 | 室蘭・登別周辺の山々
4月19日(日)
室蘭岳から下山して、地球岬に行く。遊歩道の場所がよくわからず、少々迷う。
標識の整備が不十分なのが残念。

(写真:地球岬の遊歩道)


なんとか道を見つけて、地球岬からチャラツナイ展望台までの約2キロほどの林間を往復。
谷の斜面はカタクリが咲き、ピンク色の絨毯になっていた。
黄色のオオバキスミレや白いキクザキイチゲも咲き競い、陽春を謳歌していた。


(写真:カタクリ)



(写真:オオバキスミレ)


(写真:キクザキイチゲ)



何としても出会いたいのは青いキクザキイチゲ。
目を凝らして探したところ、道中2ケ所で合わせて3輪、見つけることができた。
幸せの青い鳥を見つけたような心地よさ。
青咲きは本州ではふつうに見られるそうだが、北海道では珍しい。



室蘭岳、そして地球岬

2009-04-19 20:32:09 | 室蘭・登別周辺の山々
(写真:地球岬から望む室蘭岳)

室蘭・地球岬の遊歩道に咲く青いキクザキイチゲを見たいと思った。「高速道路1000円」という景気刺激策も背中を押してくれた。しかし、お花だけではコストも合わないかなと、まずは長靴で室蘭岳(911m)に登ることにする。
白鳥ヒュッテから右に折れて夏道(南尾根)コースを選ぶ。土の匂いは次第に途絶え、途中から残雪のトレースをゆく。振り返ると、美しい入り江を抱えた室蘭市街地がまるで箱庭のようだ。
噴火湾の向こうには、道南の秀峰・駒ケ岳もうっすらと浮かぶ。快晴ならどーんと大きく構えているのだろう。残念ながら、きょうは春霞。

(写真:室蘭の街と右手に駒ケ岳)

白樺林の向こうに尾根続きのカムイヌプリが見える。
大勢の登山者が雪の斜面を登っていく。
長靴の人、夏靴の人と、足もとの季節は冬と夏の際でせめぎ合っている。


(写真:白樺林の奥にカムイヌプリ)



(写真:夏山? 登山の幕開けで団体さんが多かった)


一時間ほどで頂上に。標高900mを超える山だが、登山口からの標高差は500mほどなので、札幌でいえば藻岩山に登る感覚か。
高曇りが次第に晴れて青空の面積が増えてきた。しかし、霞はとれない。期待していた羊蹄山やニセコ連峰は見えず、かすかに洞爺湖が浮かんでいた。
2年前も遠望が効かず、残念な思いをした。またいつの日かに思いをはせよう。
カムイヌプリやオロフレ山、まじかの残雪の山々を目に焼き付けて、登ってきた南尾根コースを下る。


(写真:室蘭岳の山頂)


(写真:室蘭岳山頂から望むカムイヌプリ)


■登山記録
09時10分:登山口駐車場を出発
10時20分:山頂
10時40分:下山開始
11時30分:登山口駐車場に戻る

■過去の登山歴
07年5月12日:室蘭岳
 上り・西尾根コース、下り・南尾根コース

むろらん温泉ゆらら
600円。海の見える公営温泉。露天風呂から室蘭岳も望めて、楽しい。
周りは港湾で白鳥大橋越しに室蘭岳の姿がくっきり。



洞爺湖の中島

2008-05-13 23:35:21 | 室蘭・登別周辺の山々
(写真:洞爺湖の中島~壮瞥公園から撮影)

洞爺湖に浮かぶ大小4つの島を中島と呼ぶ。メインの島が大島で、一番高い地点が標高454.8m。これを西山と呼ぶ。そんなことは、何も知らずに11日の日曜日、行き当たりばったりで中島へ。

(写真:大島の西山)

遊覧船は往復1300円。30分ごとに発着するので、島で数時間のハイキングが可能だった。売店で入山届をすると、ゲートの鍵NOを教えてくれる。エゾシカが岸辺に出て来るのを防ぐため、防護柵が設置されている。ゲートの中に入ると、遊歩道があるが、林床は荒れている。下草がシカに食べられて無残。フッキソウとハンゴウソウが異常に多く、これはシカが嫌うためか。樹齢数百年を彷彿させる太い樹幹を持つカツラ、イタヤカエデ、トチノキなども多く、本来は底力のある森なのだろう。春もみじと新緑が美しく、湖から森に渡る風が心地よかった。

(写真:トチノキ)

50年前に観光施設から逃げ出した3頭のシカが400頭に増えて、森が痛んだという。かつて150頭まで間引いたが、この1年で250頭まで増えたそうだ。動物と人間、そして森の関係をいろいろと考えさせられる環境だ。

(写真:雄のエゾシカ)

遊歩道は40分ほどで行き止まり。台風で倒れた樹齢400年ほどのアカエゾマツが目印だ。帰路、西山に登る登山路に気づく。朽ちかけた木の階段もあり、昔は地元の人に親しまれていたのだろう。30分で着いた頂上には無線のアンテナと二等三角点、それに小さな石碑。雲が多かったがニセコ連山と羊蹄山の見晴らしが良い。有珠山と昭和新山は木々の間から展望できた。

登別のカムイヌプリに登る

2008-04-30 22:46:15 | 室蘭・登別周辺の山々
(写真:カムイヒュッテ)

29日(火)の祝日に登別のカムイヌプリ(750m)に登る。天気予報は室蘭・登別方向が晴れそうということで、未踏のこの山に決めた。
春爛漫の札幌より南に位置するが、冷涼な太平洋沿岸に位置するためか、意外にも山の芽吹きが遅く、野の花もはしり。これからが本番だろう。

登山路は丁寧に笹が刈られていて、地元の人たちに親しまれている山の風情があった。先行の男性は、なんと80歳、朝の散歩という感じ。
中腹の山小屋・カムイヒュッテも清楚で、森の中で凛と構えていた。窓越しに中を覗くと、「カムイヌプリ讃歌」という歌詞が貼ってあり、地元山岳会が紡いできた文化を感じた。
山頂からは室蘭の入り江や来馬岳、オロフレ山の景観が美しい。去年5月に登った室蘭岳とは縦走路でつながっている。春霞で遠方の展望が得られなかったのは残念だった。

(写真:左からオロフレ山、来馬岳、ホロホロ山)


(写真:市街地から見たカムイヌプリ)

下山して時間がたっぷりあったので、かつて金・銀・銅、そして硫黄で栄えたという山麓の鉱山町に足を伸ばす。NPOが運営するネーチャーセンターを軸に数軒の民家と神社が残っており、ゆったりとした時間が流れていた。

(写真:登別市鉱山町から見た室蘭岳)


帰路、白老町虎杖浜のアヨロ温泉につかり、近くの「はしもと珈琲館」でタラコ・トーストを頬張る。

8時50分:3合目登山口から入山
9時25分:6合目・カムイヒュッテ
10時  :山頂
10時40分:下山開始
11時40分:登山口に戻る





来馬岳に登る

2007-07-03 22:13:49 | 室蘭・登別周辺の山々
【来馬岳の山頂】

7月1日(日)、来馬岳(1040m)に登る。
札幌は快晴だったが、オロフレ峠周辺は、日差しはあるものの雲が多い。

10時30分、カルルス温泉コースから入山。
この山は5合目付近までは「サンライバスキー場」となっている。
夏草の匂いが香るスキー場斜面。
くっきりと登山の踏み分け道がついていた。


高度を上げるに連れ、険しいオロフレ峠や太平洋が見えてくる。
味気ないスキー場斜面に、何故かベニバナイチヤクソウが咲いていた。
ほっと、一息。しかし、次第に雲のカーテンで視界は遮断される。


11時20分、スキー場斜面を抜けて尾根上の笹刈り道に。
ダケカンバの木々が霞み、ふわふわとしたカラマツソウの花が続く。
下山中の男性1人と4人グループとすれ違う。
  

12時20分、山頂に。暑くて汗だく。
頂上は独り占めだが、雲が多く視界がない。
樹木が繁っていて、仮に晴れていても展望は望めないだろう。
2003年改定の「夏山ガイド」では360度の大展望とある。
実際は「なんか違うなあ」という感じ。
伐採した樹木が再生したのだとすれば、これが本来の姿。仕方がないか。
夏山ガイドの写真でイメージを膨らませる。

12時45分に下山開始。
ほぼ直線で下るので、調子に乗って加速をつけたら、膝が痛くなってしまった。

入浴はカルルス温泉の老舗「鈴木旅館」で。
古いがきれいにリフォームされた清潔感ある宿。
お湯は熱くて、疲れが吹き飛んだ。500円。



室蘭岳に登る

2007-05-12 20:52:39 | 室蘭・登別周辺の山々
【山頂から望む室蘭の入り江】

積雪のない夏山狙いで、きょうは室蘭岳(911m)へ。
高速道路から見る樽前山の残雪模様や丘陵地帯の淡い春もみじが
目に優しい。

【樽前山】

8時55分、趣のある白鳥ヒュッテの左側、西尾根コースから入山。
高度を上げて、森を抜けると、笹尾根の単調な登りが続く。
しかし、振り向くと、美しい入り江や噴火湾のパノラマが拡がる。
室蘭のイメージは重工業都市だが、海と山が織り成す美しい地形は
函館や小樽に勝っていると感じた。

【白鳥ヒュッテ】

9時50分、稜線に。
いまだ芽吹いていないダケカンバの裸樹を眺めながら、残雪を踏む。

【残雪と室蘭岳】
10時30分、山頂に。
縦走路があるカムイヌプリが、どっしりと目の前に構えていた。
きょうは高曇りで遠望が効かないのが残念。
それでも、うっすらと羊蹄山や駒ケ岳を望む。

【カムイヌプリ】
20分ほど休んで、南尾根コースを下りる。11時40分、白鳥ヒュッテに戻る。
花は、まだ咲き始めで少ない。
フイリミヤマスミレ、エゾイチゲ、ミヤマエンレイソウ、ヒメイチゲなど。
夏鳥はカッコウの仲間、ツツドリが「ボッ、ボッ」と鳴いていた。

【エゾイチゲ】

地球岬で野の花を探してから、入浴は白老の虎杖浜温泉「アヨロ温泉旅館」で。
なんと300円。この温泉地の相場らしい。
漁師さんなど地元の人が利用する源泉かけ流しのお肌ツルツル温泉。
露天はなく内湯のみ。最高のお湯だったが、
貴重品ロッカーがなく、少々落ち着かなかった。






有珠 善光寺の花(07年4月30日)

2007-05-02 19:26:09 | 室蘭・登別周辺の山々
【ヒナスミレ】

有珠山の帰路、善光寺に寄る。
去年は5月13日、伊達紋別岳の帰路に立ち寄っている。
江戸時代から続く古刹は、国の史跡であり、桜の名所。

古木、巨木に加えて、春を告げる野の花も多い。
薄いピンク色のヒナスミレが見ごろだった。
見とれていたら、視覚に青い鳥がひらり。
オオルリだ。南の国から渡ってきた夏鳥。

土地の桜が咲くのはGW後半までお預けらしいが、確実に春はやってきている。
早咲きの栽培種が、ぽつりと咲いていた。
「この桜は早晩山です。なんと読むのでしょうか?」とチラシが貼ってあった。
古刹にユーモア有り。楽しくなった。
  

答えは「いつかやま」・・・
携帯電話で写メしていた男性が屋台のおじさんから正解を聞いていた。
検索したら、有名な大阪・造幣局の通り抜けの桜が「早晩山」だった。



有珠山に登る(07年4月30日の記録)

2007-05-01 13:48:29 | 室蘭・登別周辺の山々
【洞爺湖と有珠山】
夏靴登山を求めて南下、初めて有珠山に。
9時25分、伊達市有珠の登山口から入山。
2・6キロの登山路は、時おり舗装道路と交差する。かつての観光道路。
噴火後に一般の利用は禁じられ、今は作業車のみが通行できるという。
ミズナラの森には、真紅のコジマエンレイソウが多い。道南に多く、南限の札幌に少ない。思わず見入ってしまう。ところどころで群落を作っていた。
  
【コジマエンレイソウ】  【エンレイソウ】

10時40分、外輪山展望台(520m)に。
羊蹄山、ニセコの山々、噴火湾から道南の山々まで、展望がすばらしい。
火口原から山頂(732m)までは立ち入り禁止。その荒々しさをじっくりと眺める。
看板によると1977年の噴火まで、火口原には森があり、一部は牛の放牧にも利用されていたという。
かつてここに、人の暮らしがあった。

  
【火口原と羊蹄山】    【小有珠と有珠新山】

【昆布岳】

外輪山をぐるりと歩き、急な木道を登る。11時30分、ロープウェイ展望台と出合う。ここは大勢の観光客でにぎわっていた。
登山スタイルの僕は珍しく、じろじろと見られてしまった。
昭和新山越しに白く構えるオロフレ山や徳舜瞥山が美しい。

【昭和新山とオロフレ山】

ロープウェイ駅舎に「山頂にクマが出没、注意」とあった。
下山して登山口をよく見ると「28日クマ出没 入山禁止」の看板が。
知ってか知らずか、そういえば出会った登山者はわずかに6人だった。
噴火で荒れた有珠山にクマがいる? 戻っていた?
新鮮な驚き。ちょっと感動。
札幌では、こういったニュースは全く知られていない。

下山後、有珠善光寺で野の花を愛でてから、
留寿都村の留寿都温泉で入浴。村営の小さくて綺麗なお風呂。
なんと200円。じっくりと暖まるお湯は価値あり。
清掃協力費という名目も小粋だ。





花のオロフレ山②

2006-06-20 22:58:13 | 室蘭・登別周辺の山々
【18日のオロフレ山登山記録②】

7時30分入山。シラネアオイの大群落【写真】が登場するたびに、新潟から来たツアー登山者30人の歓声が響く。花はシラネアオイばかりではない。
登山路で出会う花々は途切れる事が無い。
【ツバメオモト】 【イワカガミ】

雲海に浮かぶ羊蹄山、ニセコ連山の神秘的な輝きが、ため息を誘う。
  
             【チシマフウロ】      【ミヤマダイコンソウ】
頂上の展望を楽しみだ。
が、幸せは長く続かない。なんと頂上到達直前に雲が広がる。
9時10分山頂到達も、あっという間に展望が消えてしまう。10時に下山開始。
山開きも重なり、ものすごい数の人たちが登ってくる。
あの神秘的な雲海の情景は、ほんの一握りの人たちしか知らない。やはり早起きは
三文の徳だ。

■登山歴■ 02年0608日以来、2回目の登山。



カルルス温泉・オロフレ荘で入浴。500円。湯治場の湯は良質で、爽快な気分に。
 

帰路は大滝村経由で三段滝の甘露水を汲んで、家族へのお土産に。



花のオロフレ山① 雲海の絶景

2006-06-18 22:03:50 | 室蘭・登別周辺の山々
花の名山・オロフレ山。4年ぶり2回目の登山。早起きは三文の徳というが、
07時過ぎ、峠から見た雲海に浮かぶ青い羊蹄山は圧巻。登山口の峠の茶屋は撤去されて、植樹されていた。きょうは、ここまで書いてニッポンVSクロアチア戦がスタート。
花の記録は後ほど。
 【オロフレ山】標高1230.8m

   
【カラマツソウ】   【ハクサンチドリ】    【ショウジョウバカマ】

眺望の伊達紋別岳

2006-05-13 23:46:42 | 室蘭・登別周辺の山々

■9時35分入山
夏山の足慣らしに伊達紋別岳に登る。この山は初めて。
手入れ良く整備された登山路にはフイリミヤマスミレ、ケタチツボスミレが多い。


     

■10時55分
7合目から稜線歩き。室蘭岳、稀府岳が近い。室蘭や伊達も見渡せる。眺望が楽しい。




■11時45分 登頂(714.5メートル)
きょうは薄い雲が多く、視界よくない。それでも頂上からは洞爺湖、羊蹄山の眺望がすばらしい。快晴だったらもっと感動した事だろう。
帰路に出合った2団体。なんと80人と20人の中高年ツアー。長い列にびっくり。
下山後、桜咲く有珠の善光寺に立ち寄る。ヒナスミレがたくさん咲いていた。コシ゜マエンレイソウもさりげなく。


        

■伊達温泉  

清潔。390円とはびっくり価格。

全身刺青おじさんが入浴していたのにもびっくり。