「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

カタクリ咲く突哨山

2009-04-30 21:57:30 | 道北の山々
(写真:突哨山に咲くカタクリ)

29日(祝)に旭川の突哨山(243m)へ。
かつてゴルフ場計画が持ち上がった丘陵だが、市民の保護運動が実って、全国有数のカタクリ群落地として親しまれている。
旭川刑務所脇のカタクリ広場(駐車場)から遊歩道に入る。
早朝だったので、花びらは首を垂れ、恥じらうかのような清楚な出迎え。
日をいっぱいに浴びると競うように開花するに違いない。
野鳥の大合唱も心地よく、春の森は生き生きと輝く。
特にルリビタキが活発に動いていた。
メスの写真が上手に撮れて愉快な気分になる。

(写真:ルリビタキ♀)

山は実に平坦で、最高点に気づくこともない。
2キロほどハイキングすると、遊歩道は右に折れて
入山口とは別の駐車スペースに降りていく。
しかし、注視すると、笹原に直進する踏み跡がある。
わずかに進むと、男山自然公園の遊歩道に出合う。
ここも突哨山の一部だが、男山酒造が管理する一周850mのカタクリの自生地となっている。
広葉樹の林床は赤紫色に染まっていて、大勢の観光客でにぎわっていた。

(写真:男山自然公園のカタクリ)


白いカタクリも数輪咲いていて、人気を集めていた。
市街地の向こうには旭岳を主峰とする大雪山の白屋根が軒を連ねている。
あまりのロケーションの良さにうっとりとする。

(写真:白いカタクリ)


(写真:大雪山の山並み。右端が最高峰の旭岳)

帰路、気温が上昇したせいか、数羽のキアゲハがしきりに飛び回っていた。
傷みのないきれいな羽なので、まだ羽化してまもないのだろう。
突哨山の遊歩道に戻ると、キアゲハよりふたまわりほど小さなヒメギフチョウもカタクリの園に吸い寄せられていた。
田園地帯の小さな里山は、春の妖精たちの生命力に満ち満ちていて、
こちらも大いに元気をもらった。


(写真:キアゲハ)


(写真:突哨山)

■登山記録
08時45分:カタクリ広場から入山
09時40分:2キロ地点から踏み跡を直進すると、男山自然公園遊歩道に
10時15分:男山自然公園「カタクリ原生花園」入り口

11時35分:突哨山遊歩道に戻る
12時20分:カタクリ広場に戻る

■過去記録
06年5月3日 男山自然公園



地球岬に咲く青いキクザキイチゲ

2009-04-20 21:17:05 | 室蘭・登別周辺の山々
4月19日(日)
室蘭岳から下山して、地球岬に行く。遊歩道の場所がよくわからず、少々迷う。
標識の整備が不十分なのが残念。

(写真:地球岬の遊歩道)


なんとか道を見つけて、地球岬からチャラツナイ展望台までの約2キロほどの林間を往復。
谷の斜面はカタクリが咲き、ピンク色の絨毯になっていた。
黄色のオオバキスミレや白いキクザキイチゲも咲き競い、陽春を謳歌していた。


(写真:カタクリ)



(写真:オオバキスミレ)


(写真:キクザキイチゲ)



何としても出会いたいのは青いキクザキイチゲ。
目を凝らして探したところ、道中2ケ所で合わせて3輪、見つけることができた。
幸せの青い鳥を見つけたような心地よさ。
青咲きは本州ではふつうに見られるそうだが、北海道では珍しい。



室蘭岳、そして地球岬

2009-04-19 20:32:09 | 室蘭・登別周辺の山々
(写真:地球岬から望む室蘭岳)

室蘭・地球岬の遊歩道に咲く青いキクザキイチゲを見たいと思った。「高速道路1000円」という景気刺激策も背中を押してくれた。しかし、お花だけではコストも合わないかなと、まずは長靴で室蘭岳(911m)に登ることにする。
白鳥ヒュッテから右に折れて夏道(南尾根)コースを選ぶ。土の匂いは次第に途絶え、途中から残雪のトレースをゆく。振り返ると、美しい入り江を抱えた室蘭市街地がまるで箱庭のようだ。
噴火湾の向こうには、道南の秀峰・駒ケ岳もうっすらと浮かぶ。快晴ならどーんと大きく構えているのだろう。残念ながら、きょうは春霞。

(写真:室蘭の街と右手に駒ケ岳)

白樺林の向こうに尾根続きのカムイヌプリが見える。
大勢の登山者が雪の斜面を登っていく。
長靴の人、夏靴の人と、足もとの季節は冬と夏の際でせめぎ合っている。


(写真:白樺林の奥にカムイヌプリ)



(写真:夏山? 登山の幕開けで団体さんが多かった)


一時間ほどで頂上に。標高900mを超える山だが、登山口からの標高差は500mほどなので、札幌でいえば藻岩山に登る感覚か。
高曇りが次第に晴れて青空の面積が増えてきた。しかし、霞はとれない。期待していた羊蹄山やニセコ連峰は見えず、かすかに洞爺湖が浮かんでいた。
2年前も遠望が効かず、残念な思いをした。またいつの日かに思いをはせよう。
カムイヌプリやオロフレ山、まじかの残雪の山々を目に焼き付けて、登ってきた南尾根コースを下る。


(写真:室蘭岳の山頂)


(写真:室蘭岳山頂から望むカムイヌプリ)


■登山記録
09時10分:登山口駐車場を出発
10時20分:山頂
10時40分:下山開始
11時30分:登山口駐車場に戻る

■過去の登山歴
07年5月12日:室蘭岳
 上り・西尾根コース、下り・南尾根コース

むろらん温泉ゆらら
600円。海の見える公営温泉。露天風呂から室蘭岳も望めて、楽しい。
周りは港湾で白鳥大橋越しに室蘭岳の姿がくっきり。



マクンベツ湿原のミズバショウ

2009-04-14 23:34:31 | 自然公園/原野/海浜

4月12日(日):
円山でエンゴサクを見て、ふと先日読んだ新聞記事を思い出した。石狩川の河口に近いマクンベツ湿原でミズバショウが咲き始めたとのこと。暖冬で春が早く、例年より早めに見ごろを迎えそうとのこと。札幌に住んで長いが、まだマクンベツ湿原に行ったことがない。携帯電話で検索して場所を確認する。そしてカーナビに導いてもらった。便利な世の中になったものだ。
時すでに夕方だったが、数十人のギャラリーが散策。河畔のハンノキ林に広がる大規模な湿地だった。
白と萌黄色のコントラストが花曇りのやわらかな斜光を浴びていた。


うきうき、円山にエゾエンゴサク咲く

2009-04-13 22:27:31 | 円山
4月12日(日):

気温上昇、花曇りの昼下がり。
円山公園のベンチでサンドイッチを食べていると、ザワッと音がした。
振り向くと、テーブルに置いていた残りのサンドイッチが落ちる瞬間。
目で追うとカラスが食べようと、つついていた。
あわてて取り戻したものの、土で汚れていてがっくり。
撃退されたカラスは2羽ひと組で、次はおばあさんのパン、若いカップルのコンビニ弁当と、手なれた感じで狙っていく。たいしたものだと感心。

お腹をすかしたまま、円山の山麓を歩く。日当たりのよい斜面にはエゾエンゴサクが咲いているはず。芳しい土の匂いがうれしい。うきうきする。
あった。やはり咲いていた。エゾエンゴサクだ。春は足もとからやってくる。



 蓬莱山~中山(幌滝山)へ 快晴の大雪原を行く

2009-04-11 21:22:56 | 札幌・小樽周辺の山々
(写真:蓬莱山の山頂から望む山並み。右から無意根山、中岳、並河岳、喜茂別岳)

中山峠の「道の駅」裏手から、林道を利用して蓬莱山(997m)を目指す。
雪は固く締まっているので、長靴でスイスイと進む。40分ほどで山頂に。
蓬莱山は中山峠スキー場として利用されていて、山頂は放送局や電話会社の鉄塔が
並ぶ。少々、風情に欠くが、展望が素晴らしい。特に正面に構える無意根山、中岳、並河岳、喜茂別岳の白い連なりが圧巻だ。

ここから、中山(996.6m)を目指す。電力会社の二つの反射板が目印だ。
行く路の左手には札幌岳と狭薄山が端正に連なる。
さらに漁岳、小漁岳と山並みは続く。

平坦で広大な尾根をゆく。
まるで大海原。スノーモービルのトレースに従い、ひたすら歩く。
トレースは縦横無尽だが、きょうは安定した快晴なので、迷う心配はない。
振り返ると、鉄塔が並ぶ蓬莱山が控え目に姿を見せていた。
行く手の右側では、羊蹄山とニセコ連峰が青空をみごとに刻んでいた。
歩を進めると、新たな光景との出会いがあり、心が躍る。だから、山歩きがやめられない。

(写真:反射板のある山が中山。左は徳舜別山)


(写真:左が札幌岳、右が狭薄山)


(写真:左が漁岳、右が小漁岳)


(写真:スノーモービル航路・雪の大海原をゆく)



(写真:振り返ると、鉄塔が目立つ蓬莱山)


(写真:羊蹄山とニセコ連峰)

まわりの山々に見とれながら一時間ほどで、中山に。
平坦ながら多少のアップダウンがあるので、いい汗をかいた。
事前にインターネットで調べたところ正式名称の「中山」ではなく、「幌滝山」の標識があるはず。しかし、探しても見当たらない。
札幌と大滝村にまたがるから「幌滝山」らしい。
俗称なので、外されたのかしら。
標識がないのも、ちょっとさみしい気もする。
展望は素敵で、これまで前後左右で見てきた山々をぐるりと見渡すことができて、
大満足。快晴でよかった。


(写真:中山の山頂)


(写真:中山から見た札幌岳、狭薄山、漁岳の連なり)




帰路は、羊蹄山と尻別岳の大小双子富士ショットを探しながら、ゆっくり楽しく歩いた。
去年は雲が多くて撮影できなかったツイン富士、今回はリベンジを果たす。


(写真:ツイン富士)

09時10分:入山
09時50分:蓬莱山 山頂
10時10分:蓬莱山 出発
11時00分:中山 山頂
11時45分:下山開始
13時00分:蓬莱山
13時30分:登山口に戻る


■登山歴
08年4月13日蓬莱山



オコタンペ湖へ

2009-04-04 22:30:22 | 支笏湖周辺の山々
3月29日、幌平山途中下山で、たっぷりと時間が余った。
かって漁岳から見下ろしたことのあるオコタンペ湖。今度はオコタンペ湖から漁岳を望んでみよう。(08年4月の漁岳登山記録) 07年4月の漁岳登山記録

冬季通行止めのゲートからオコタンペ湖展望台までは2キロの道のり。春の道路開通を目指して途中まで除雪が行われていて、歩き始めは雪壁ウォークが楽しい。その後、雪壁を這いあがって固くしまった雪道を行く。スノーシューのトレースも明瞭だ。

30分ほどでオコタンベ湖を見下ろす展望台に。
氷結して白化粧している湖の背景に、小漁山と漁岳の連なりが薄日を浴びて輝いていた。

(写真:左が小漁山、右端が漁岳)