「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

フラワーロード 伊達紋別岳

2011-05-28 20:01:35 | 室蘭・登別周辺の山々

           「太陽の園」の敷地内にある登山口

 

2011年5月28日(土) 伊達紋別岳(714.5m)の登山記録

 

散り際の桜が雨滴に濡れて、あたりは静謐な空気に包まれていた。

福祉施設「太陽の園」の敷地内にある「登山口入口」という看板から、登山ポストまで5分ほどの上り坂。

タチツボスミレ、オオタチツボスミレの群落が続くなか、葉が細長い卵型のスミレが。

初めて見るアカネスミレがたくさん咲いていた。

茜という名のとおり、ほかのスミレと比べて赤みが強い。

写真にすると、その茜色があまり出ないがのが残念だが・・・。

アカネスミレ  有毛の「距」は茜色が顕著

アカネスミレ 花弁基部に白い毛

アカネスミレ

オオタチツボスミレ

 

登山ポストから、いきなりの急斜面。太ももが悲鳴をあげるが、花々が癒してくれる。

林間に次々と咲くシラネアオイやミヤマエンレイソウ。

シラネアオイは頂上に至るまで延々と続き、ミヤマエンレイソウの白い花弁には赤みが目立った。

ツツドリ、ウグイスが盛んに鳴き、春の森は賑やかだ。

シラネアオイ

赤みを帯びたミヤマエンレイソウ

 

一時間ほどで「いっぷく広場」と名付けられた稜線に出て、大きな展望を得る。

ここから「見晴らし台」、「前紋別岳」と名付けられた稜線のポイントを巡る。

アップダウンを繰り返す道にはユキワリコザクラが咲いていた。

根室の海岸線で見たことがあるが、山地では初めて見た。海から吹く湿ったガスの恩恵か。

岩崖にはミヤマアズマギク。

稜線歩き

ユキワリコザクラ

ユキワリコザクラ

ミヤマアズマギク

 

稜線歩きも終盤を迎えたところ、白いシラネアオイが目に飛び込んできた。

紫の色合いが薄くて、白っぽく見える個体は多いが、これは完全な白花。

つぼみも白かった。

中央が伊達紋別岳の山頂

シラネアオイの白花

シラネアオイの白花

 

この日は午後から雨という予報なので、展望ではなく花を目的にやってきた。

いくつかの出会いがあり、早起きは得と実感する。

洞爺湖や羊蹄山を望むことはできなかったが、山頂からはうっすらと有珠山が見えた。

 

山頂から望む有珠山

 

■登山記録

8時00分:登山ポスト

8時20分:一望台(雲で展望なし)

9時5分:いっぷく広場(稜線に出る)

9時30分:みはらし台

9時40分:前紋別岳

10時00分:山頂

10時25分:下山開始

11時45分:登山ポストに戻る

 

  蟠渓温泉 湯人家 500円 ひっそりとした湯治宿が数軒ならぶ。新緑とせせらぎが嬉しい。

■これまでの登山歴

2006年5月13日


新緑の藻岩山

2011-05-25 22:04:54 | 藻岩山

早朝の藻岩山

 

24日未明の出来事。携帯電話がうなって、耳に当てる前に止まる。

その後、眠れずに午前5時の藻岩山へ。

春から初夏に移ろう新緑のみずみずしさ。季節が通り過ぎていくスピードを感じる。

東の方向から低く斜めに注ぐ日差しがニリンソウを照らしていた。

新緑の向こうに構える手稲山の残雪が季節のはざまを伝える。

 

ニリンソウ

藻岩山の新緑と手稲山

 


春紅葉と神居岩

2011-05-22 23:45:58 | 道北の山々

 神居古譚の神居岩(左端)

 

2011年5月22日(日)の神居岩(233m)の登山記録

 

日々の移ろいのなかで、いつのまにか桜の時期も過ぎてしまった。

道北の山間部なら、散り際に間に合うかなと、 旭川郊外の神居古譚へ。

石狩川にかかる吊り橋の向こうに屹立する神居岩を目指す。

エゾヤマザクラと芽吹きの萌黄色が奏でる春もみじに、ほっとする。

登山路にはオオタチツボスミレやオオバナノエンレイソウがにぎやかに咲いていた。

春もみじ

春もみじ

エゾヤマザクラ

オオバナノエンレイソウ

 

30分ほどで神居岩のすそ野に。左コースと右コースがあるが、傾斜のある左の道を選ぶ。

岩崖はロッククライミングのトレーニング場所になっていて、

2組のパーティーが真剣な声を出し合って、岩と格闘していた。

小型のタカがケーと叫びながら空を切り、もう1羽と絡む。ハヤブサだと思う。

これは求愛なのか、威嚇なのか。それとも人を嫌っての警戒か。

頭を上げ、首をまわして、鋭い滑空に見とれること15分。

 

 

 

神居岩

小型のタカ

 

頂上からは音江山がよく見えた。水を貯めた田んぼが水鏡となって、きらきらと輝く。

春の米どころは、まるで広大な湖のよう。

帰路は右まわりで下りる。

神居岩の山頂から見た音江山と水田地帯

 

■登山記録

13時10分:旧神古譚駅の左手から入山

13時40分:神居岩の左右分岐を左へ

14時10分:山頂

14時20分:下山開始

14時45分:下山

下山して、周辺のサイクリングロードを散歩したら、ルリシジミが大発生していた。

集団で吸水するルリシジミ

 

サイクリングロードで見つけたツボスミレ

 


支笏湖畔の紋別岳に登る

2011-05-15 22:47:22 | 支笏湖周辺の山々

                   紋別岳 通信会社の専用車道を登る

 

2011年5月15日(日) 紋別岳(865.8m)の登山記録

 

ドライブ気分も味わいたくて自宅から40キロほど離れた支笏湖畔の紋別岳へ。

萌黄色や桜色でにぎやかな市内を抜けて、標高がある湖畔に着く。ここは芽吹き前の静けさ。

通信会社の専用道路を歩く。風情に欠くが、湖や外輪の山々の眺望がよい。

足元には紫や黄色のスミレが咲き競う。

かさかさと音がした。駆けたシマリスが積み重なった枯葉を掘り始めた。

見つけたのはドングリだった。警戒心が薄いのは、餌に執着していたから。

周辺にドングリがなる樹はないので、秋に貯めていたものかしらと思う。

オオバキスミレ

 

枯葉を掘るシマリス

ドングリを食べる

 

頂上直下で送電線の作業路に取りつく。一気に高度があがり、展望も一段と開ける。

鋭い岩峰が天を突く恵庭岳に、残雪をきらきら輝かせる漁岳。

頂上には十数人。湖畔に拡がる雄大な景観に見とれていた。

夏山シーズン到来。

恵庭岳と残雪の漁岳

 

紋別岳の山頂

樽前山と風不死岳

■2011年5月15日 紋別岳の登山記録

10:00 入山

11:10 送電線の作業路に取りつく

11:30 山頂

11:50 下山開始

13:15 登山口に戻る

 丸駒温泉 1000円  熱い源泉で疲れが吹き飛ぶ

帰路、登山口の清流近くで見つけたシラネアオイ

 

 

■過去の登山歴

05年11月06日

07年03月24日

08年03月09日

 


春の函館山に登る

2011-05-07 12:10:54 | 道南の山々

                        ロープウェイ駅から望む函館山

 

5月6日(金) 函館山(334m)の登山記録

 

連休を利用して、岩手県内の被災地でささやかな力仕事。見て、聴いて、触れて、初めて感じることがある。

帰路、途中下車して函館山に登る。

桜前線は東北から津軽海峡を渡って来たばかり。いつもの春と変わらぬ今年の桜色が心に染みる。

芽吹き前の森で、可憐に咲くスミレの花々が見たかった。色はさまざまで青紫や薄紅色、そして白いスミレ。

早朝の穏やかな光に花弁が照らされていた。

真紅のコジマエンレイソウや白いキクザキイチゲも、あちこちで咲き競う。

                  スミレサイシン

                     ヒナスミレ

                    ヒカゲスミレ

                   コジマエンレイソウ

                    キクザキイチゲ

 

花を探しながら、一時間あまりで山頂に。海と山、そして人々の暮らしが織りなす独特の景観が広がる。

火山島だった函館山と亀田半島を繋いだ砂州に街が発展した。

ロープウェイが動き出す前、早朝の静けさが旅情をかき立てる。

時おり、海から太くて低い汽笛の音が届く。

                  函館山の山頂から街を見下ろす

 

函館山は複数の峰に、それぞれ独自の名を持つ。最高点の山頂を御殿山と呼ぶ。

ここから少々下って、入江山に寄り道。旧軍の砲台跡から、函館山(御殿山)を仰ぐ。

ウグイスの仲間、センダイムシクイが群れをなして移動していた。

「ショウチュウ イッパイ グィー」と鳴く。

           入江山の砲台跡から函館山(御殿山)を仰ぐ

 

入江山から来し方を戻り、観音コースを下る。

カタクリの群落に青いキクザキイチゲが混じっていた。宝物を見つけたかのように、どきっとする瞬間。

札幌周辺では白いキクザキイチゲが一般的で、青花に出会うと道南に来たことを実感する。

 

            カタクリの群落に青いキクザキイチゲ

 

 ■2011年5月6日 函館山の登山記録

07時10分:旧登山道コースから入山

08時20分:山頂

08時45分:下山開始 (入江山に立ち寄り、観音コースを下山)

09時55分:観音コースの山上大神宮に到着

■過去の登山歴

2010年5月2日 旧登山道コース~山頂~千畳敷~汐見山コース

 

 

 

 


嵐山 春の妖精たち 

2011-05-01 12:30:23 | 道北の山々

                       芽吹き前の嵐山

 

4月30日:嵐山~半面山 登山記録

 

森の芽吹きはこれから。木の葉の日傘が太陽光をさえぎる前に、青紫や薄紅色の花々が咲き競う。

三年連続、旭川の嵐山へ。エゾエンゴサクやカタクリが見ごろを迎えていた。

小さなヒメギフチョウも姿を見せた。春爛漫の一歩手前、森にいのちの躍動を感じる至福の時が訪れた。

エゾエンゴサクの群落

森の芽吹き前に春の日差しを浴びる

カタクリ

ヒメギフチョウ

ヒメギフチョウ

 

写真を撮りながらゆっくりと登る。40分ほどで嵐山の山頂に。

車でアプローチできる展望台がある。残念なことに、遠景の大雪山は雲に隠れていた。

車道を降りて国見峠へ。ここから半面山に進む登山路をたどる。山深くに入るので念のために熊鈴をつける。

嵐山の斜面と比べると、雪解けが遅いようで、カタクリもつぼみが多い。

左手前に進む自分の影が楽しい。日焼け予防に買ったつば広の帽子デビュー。

カタクリのつぼみ

ミズナラの落ち葉をキャンバスに僕の影

 

国見峠から一時間で半面山に。

笹刈りされた平坦な登山路は、山頂直下で一気に高度を得る。

四等三角点と真新しい看板が迎えてくれた。呼吸を整え、汗を乾かす。強い風がゴーと音を立てて波打つ。

帰路は国見峠から近文山経由で北方野草園に下山。

半面山の山頂(359.4m)

 

■2011年4月30日 登山記録

09時50分:北方野草園から入山

10時30分:嵐山の山頂(253m)

10時50分:国見峠(車道経由)

11時05分:下半面山(275m)

11時40分:高圧送電線(名寄幹線)  見晴らし良し

11時50分:半面山(359.4m)

12時05分:下山開始 (近文山経由)  14時05分:登山口に戻る

 

下山時、北方野草園から見た旭川市内。雲が切れて大雪山も一望

 

 湯らん銭 420円

旭川市内に行く途中、道を間違えて走っていたら出会う。新しくないが大型の施設で心地良かった。

 

 ■過去の登山記録

2010年5月16日(嵐山~近文山)

2009年4月29日(嵐山)