「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

五色ケ原のお花

2007-07-19 22:21:56 | 表大雪
【白いエゾコザクラ】

14日の五色ケ原。下山中に赤い花の中に白いエゾコザクラを見つけた。「あっ」と思って、写真を撮る。初めて出会った、どきどき感が楽しい。
再び歩いて、「あっ」と、また見つける。意外と多い?と驚く。

ホソバウルップソウも固まって咲いていた。大雪山では小泉岳周辺の砂礫地に多いが、こちらは湿った草原地帯で、草丈も総じて大柄のように感じる。

【ホソバウルップソウ】

この時期、大雪山はどこでもそうなのだろうが、チングルマが白い絨毯となって大地を敷き詰めていた。
下山中、知人と出会う。大雪山の一瞬の夏が、人を引き寄せるのか。

【チングルマ】

大雪山 五色ケ原~五色岳を行く

2007-07-15 23:00:21 | 表大雪
【五色ケ原からトムラウシ山を望む】

7月14日、五色岳に登る。
トムラウシ山を背景に拡がる五色ケ原のお花畑が見たかった。去年も7月19日、クチャンベツ登山口から登ったが、「沼ノ原」の深い霧に怖気づいて、「また来年」と撤退。06年7月の「沼の原」
14日(土)の早朝、リベンジを期して札幌を出発した。

7時30分、クチャンベツ登山口を出発。晴れの天気予報に反して、あいにくの曇り空。嫌な予感もしたが、きっと晴れると念じて出発。つらい急登が続く。
8時30分、平坦な台地に達して、一息つく。沼ノ原まで0.8キロの標識。
歩を進めると次第に霧が立ち込め、幽玄な湿原地帯に入り込む。標高は1435m。
ワタスゲが見ごろだった。しかし、すくっと構えているはずの雄大な山々の眺望は全くない。きっと晴れると信じて湿原を抜けて、再び森へ。

【沼ノ原】

9時25分、「五色の水場」。9時55分、「五色ケ原」の標識に。といっても沢沿いに登りは続く。チングルマ、エゾコザクラ、キバナシャクナゲが咲き競っている。
あまり見かけることのないジンヨウキスミレと出会う。かんばしくない天候だが、ちよっと心に日が差す。

【ジンヨウキスミレ(腎葉黄菫)】

10時35分、白い空が紺色に染まり始めた。青空と雲の境界線だ。雲を抜けると「やった」と思わず叫ぶ。夏の日差しを浴びて大勢の登山者が休んでいた。振り返ると石狩連峰やニペソツ山が雲の中から頭を出している。ハイマツの道をゆっくりと高度を上げていくと、行く手にはトムラウシ山がくっくりと青空を刻んでいた。

【石狩連峰】 


【トムラウシ山】

11時20分、五色ケ原の中核に。キバナシャクナゲ、チングルマの群落が続く。黄色のチシマキンバイに埋め尽くされると聞いていたが、つぼみが多い。4~5日早かったようだ。そのかわり、エゾコザクラの赤い絨毯が目にまばゆい。
僕は、神々の遊ぶ庭・カムイミンタラに居る。


11時50分、五色岳の山頂(1868m)に。
とはいっても、ゆるやかな丘のような岩場。化雲岳方面、忠別岳方面に行く縦走路の交差点になっている。
忠別岳にかかっていた雲がとれ始めると、表大雪の山々が恥らうように素顔を見せた。

【五色岳 山頂】

【表大雪の山々(左)と忠別岳】

12時55分、下山開始。ほとんどの登山者は化雲岳~ヒサゴ沼からトムラウシ山へと縦走していく。ここまで来て日帰り登山とは・・・
なんともったいないことか。「よし、来年こそ」と、今年も再び誓う。帰路、次第に雲が立ち、トムラウシ山も隠れてゆく。

15時20分。いまだ、沼ノ原は深い霧に包まれていた。
16時30分、登山口に戻る。


余市岳 花良し、眺望良し。

2007-07-09 22:30:45 | 札幌・小樽周辺の山々
【ゴンドラ山頂駅】
7月8日(日)余市岳の登山記録。
土日運行のキロロスキー場のゴンドラを利用。朝里岳の標高1180メートル地点まで運んでくれる。往復950円と価格もリーズナブルだ。目の前に余市岳が構えるゴンドラ山頂駅は、ちょっとした観光スボットになっていて、積丹岳、ニセコ連山などの眺望も抜群。周辺は通称「飛行場」という広大かつ平坦な笹原。今年からタケノコ採りの自生園が整備され、大勢の人が楽しんでいた。スピーカーで大音響の音楽を鳴らしているので、クマの心配もない。迷っても、音がする方向に戻れば良いので、安心だ。ゴンドラと保険料込みで1300円。

8時50分、山頂駅から入山。平坦な「飛行場」を黙々と進む。有料のタケノコ自生園に行かなくても、十分、タケノコがありそう。しかし、時間が惜しいので、目もくれずに進む。

【通称:飛行場】

9時30分、赤井川コースとの出合いに到着。目の前に、でーんと余市岳が構えていた。朝里岳の「飛行場」とはお別れで、ここから笹に代わってハイマツが登場。ようやく登山らしくなる。いったん、コルに下りて標高差300メートルを一気に登る。

【赤井川コースの出合いから余市岳を望む】

10時25分、ケルンに到着。羊蹄山の眺望がすばらしい。ケルンには1963年に23歳で亡くなった青年の名前が刻まれていた。沢登りコースの到達点で、かつては「頂上」の扱いをされていたらしい。周辺は平坦な山火事跡だが、コケモモ、リンネソウ、エゾイソツツジ、エゾカンゾウなどが咲き競っていて、ここは天空の楽園。
 
【ケルン】
 
【コケモモ】


【リンネソウ】

10時35分、山頂。標高1488メートルは、札幌の最高峰。支笏湖や定山渓周辺の山々、ニセコ連山、積丹岳、増毛連山、樺戸連山など、ぐるり360度の大展望が拡がっていた。

【山頂】

帰路、ケルンから沢登りの踏み跡をたどって南東斜面に立ち寄る。雪解け斜面がお花畑になっている。チシマフウロ、チングルマ、シナノキンバイなどが咲いていた。遥か氷河期に連なる悠久の光景だ。ここはサッポロ。

【シナノキンバイ】


【チングルマ】

12時、ケルンを出て13時10分にゴンドラ山頂駅に戻る。温泉はキロロの湯。リゾートホテルの温泉なので940円と高め。しかし、ゴンドラ駅で割引券を見つけた。620円なら、まずまず。


過去の登山記録:2003年8月17日

来馬岳に登る

2007-07-03 22:13:49 | 室蘭・登別周辺の山々
【来馬岳の山頂】

7月1日(日)、来馬岳(1040m)に登る。
札幌は快晴だったが、オロフレ峠周辺は、日差しはあるものの雲が多い。

10時30分、カルルス温泉コースから入山。
この山は5合目付近までは「サンライバスキー場」となっている。
夏草の匂いが香るスキー場斜面。
くっきりと登山の踏み分け道がついていた。


高度を上げるに連れ、険しいオロフレ峠や太平洋が見えてくる。
味気ないスキー場斜面に、何故かベニバナイチヤクソウが咲いていた。
ほっと、一息。しかし、次第に雲のカーテンで視界は遮断される。


11時20分、スキー場斜面を抜けて尾根上の笹刈り道に。
ダケカンバの木々が霞み、ふわふわとしたカラマツソウの花が続く。
下山中の男性1人と4人グループとすれ違う。
  

12時20分、山頂に。暑くて汗だく。
頂上は独り占めだが、雲が多く視界がない。
樹木が繁っていて、仮に晴れていても展望は望めないだろう。
2003年改定の「夏山ガイド」では360度の大展望とある。
実際は「なんか違うなあ」という感じ。
伐採した樹木が再生したのだとすれば、これが本来の姿。仕方がないか。
夏山ガイドの写真でイメージを膨らませる。

12時45分に下山開始。
ほぼ直線で下るので、調子に乗って加速をつけたら、膝が痛くなってしまった。

入浴はカルルス温泉の老舗「鈴木旅館」で。
古いがきれいにリフォームされた清潔感ある宿。
お湯は熱くて、疲れが吹き飛んだ。500円。