「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

ニセコ 羊蹄山 色鮮やか

2007-04-30 23:33:20 | 羊蹄・ニセコ周辺の山々
【春耕とニセコ連山】

きょうは、有珠山目指して中山峠を越える。
ここから洞爺湖まで、春光に耀く山々の神々しさに感嘆の連続。
羊蹄山、無意根山、尻別岳、ニセコ連山、昆布岳・・・
それぞれの個性を思い切り大地と青空に刻んでいた。

山裾の春耕も、待ちわびた季節の到来を告げている。
暮らす人々はさまざまな心象を山に託してきたに違いない。
僕も魅せられては写真を撮り、なかなか目的地に着かない。

          
【羊蹄山とニセコアンヌブリ】  【無意根山】


 【尻別岳】

   
【ニセコの山々】       【昆布岳】


小樽 赤岩山 日本海と岩塔とカタクリと

2007-04-29 21:11:10 | 札幌・小樽周辺の山々
【赤岩山から見たオタモイ海岸】

午前9時、小樽の祝津から赤岩山を目指す。途中の岩塔はロッククライミングの名所。
青い海からそそり立つ断崖絶壁が空を切る。
祝津~赤岩山~オタモイ海岸は古くからの霊場で断崖に石仏が並ぶ。
下は怖くて覗けない。冷や汗で背中が濡れた。
絶景が続く。

   

9時45分、赤岩峠。ここからカタクリの花が見ごろに。
男性的な日本海と可憐なカタクリを見ながら、ゆっくりと進む。
クジャクチョウが羽を広げて春の光を浴びていた。

    
 
10時20分、赤岩山(371.1m)に。
 【写真:赤岩山】

眼下には美しいオタモイ海岸が広がり、海原には白い積丹半島の山々が浮かぶ。
オタモイ側のカタクリの群落まで足を伸ばし、祝津まで戻る。
水族館があるので、大勢の家族連れでにぎわっていた。
登山路ではロッククライマー含めて20人程度しか出会わなかった。
手軽なハイキングコースだが、可憐なカタクリと絶景の日本海。
贅沢な山路はゴールデンウィークの穴場だった。

きょうの温泉は、派手な外観の「湯の花 手宮殿」。
浴場は大きくて気持ちが良い。大勢の家族連れでにぎわっていた。600円。


過去の登山歴
06年5月6日 オタモイ海岸から赤岩山へ。この年は大雪で雪解け遅く。
http://blog.goo.ne.jp/ikunimoto/d/20060506









漁岳(いざりだけ)に登る

2007-04-28 20:55:58 | 支笏湖周辺の山々
【1175mピークから見た恵庭岳】

早起きして支笏湖畔の漁岳(1318m)へ。白い頂が青空を刻む。
胸高鳴るが、風が強く寒い。
7時20分、長靴で入山。雪に覆われた林道を行く。

8時10分、漁岳が見え始めた地点から左側の急斜面に取り付く。
赤いテープが目印。大勢の人が登っているので、トレースは確かで不安は無い。
アカエゾマツとダケカンバの森を気持ちよく登っていく。
   

8時45分、稜線に出る。恵庭岳と支笏湖、そして小さな結氷した湖。
オコタンペ湖だ。この景色が見たかった。
ここから、ずっとこの絶景が続く。
  

9時50分、1175mピーク。漁岳がなだらかに構えている。
登り始めは快晴だったが、山頂は次々に雲がやってきて、どんより。
残念。
ここからコルに下りて、一気に急登だ。左に小漁岳、右に空沼岳。
数日前の積雪で、むしろ登りやすい。本来はガリガリで要注意か?


10時20分、山頂に。強風で寒い。視界は悪くないが、雲が厚い。
僕がこの日、4番目の登頂者。次々と人が登ってくる。とても寒い。
15分ほどで下山。
  

下りるに連れ、徐々に天候が回復し、うららかな帰路となる。
森から見た漁岳は、青空に白く耀いていた。
12時55分に登山口に戻る。

漁岳は夏道がない。経験の乏しい自分には縁が無い山だと思っていた。
が、この日のために今期は長靴登山のトレーニングを積んできた。
僕にとっては春山の最高峰!
まずは目標達成。

支笏湖畔の伊藤温泉で疲れを癒す。
古くて地味だが清潔感ある小さな湯。混んでないのが良い。700円。




春うらら 三角山~奥三角山(よこして山)

2007-04-24 22:32:49 | 三角山
【写真】三角山のアズマイチゲ

22日(日)は北大キャンパスでアズマイチゲを堪能。
天候回復で、三角山へ。

11時入山。緑花会コース登山口から、わずか1分の尾根沿いにアズマイチゲが点々と咲いていた。ちょうど咲き初めで、これから増えそう。
この時期に登るのは初めてで、アズマイチゲの群落があるとは知らなかった。
アズマイチゲは僕のホームベースの藻岩山・慈啓会コースには見られず。
近いのに微妙に植生がことなるのが面白い。

11時40分、花を愛で、残雪を楽しみながら三角山の山頂に。
看板によると正式名は琴似山で1900年(明治33年)に国の一等三角点が設置されたとのこと。ここからラージヒルジャンプがある大倉山へ縦走する。
山路から望む手稲山は裾野に住宅を抱えて絶景だ。
天候が回復しているのに、霞んでいる。
翌日の新聞によると21日、22日の霞みは黄砂とのこと。
地球環境の変化は、こんな小さな山登りにも反映している。
   

日当たりの良い尾根筋では蝶のヒオドシチョウが目立った。地面に止まり日光浴。
冬を成虫で越して、春一番に飛び回る。
残雪鮮やか、花が咲き、蝶が舞う。
北海道の春はなんと贅沢なことか。


13時5分 大倉山を越えて、奥三角山(よこして山)の山頂に。
札幌のマチを一望する絶好の隠れ家。冬の直登コースはラッセルで辛かったが、
今回は雪道も締まって、お寺の石段を登る感覚。
下山は林道から、くっきりとした踏み跡をたどって小別沢コースに出合う。
積雪期限定の登山路と思っていたが、夏も登れる山だった!
札幌都心の知られざる自然。


15時に登山口に戻る。
帰路、よく見るとフクジュソウやナニワズが咲いていた。
  




アズマイチゲ咲く 北大キャンパス

2007-04-23 22:00:51 | 自然公園/原野/海浜
22日は早起きした。支笏湖周辺の山から、
白い山並みと青い空、そして青い湖を見たかった。
が、どんよりとした曇り空。すっかり気持ちが萎えてしまった。
そこで花散策に気持ちを切りかえ、
北大キャンパスでアズマイチゲを探すことにする。
前日の北海道新聞夕刊に写真が載っていた。
まずは、守衛さんに聞くが「わからない」という。
そこで沼地へ。ミズバショウが咲き始め、マガモが10羽ほど。
ポプラ並木へ。なぜかクロッカスが群生。
仕方なく適当に歩く。すると工学部の背後に森が見えた。
進むと野球やサッカーの練習場のまわりに、小さな森が残っている。
「貴重な原生林です。大切に」という看板も。
そして、点々と白い花が!
アズマイチゲだった。
   

北海道新聞の写真にはベンチに座る学生の手前に花が咲く。
春の陽気を人間の活動と野の花で表現していた。
そんなベンチはどこにもなく、撮影場所はここではないのだろう。

原生林に咲く白い清楚な花々。
都会の真ん中に北海道の原風景が残っていた。

どんよりとした雲もしだいに散り、青空に。
山に登りたくなり、昼過ぎから三角山へ。



早春の雪遊び 春香山(07年4月21日の記録)

2007-04-22 07:58:40 | 札幌・小樽周辺の山々
10時10分入山。小樽商大の男女10人パーティーが登山口で楽しそうに、大きな装備を整えていた。
登山路は雪解け水を集めて谷川のよう。
流れる音は春らしく心地よいが、時々、夏靴が雪を踏み抜く。
前を歩く年配の女性も転んでいた。長靴にすれば良かった。

10時55分:林道脇にクマゲラの食痕を見つけた。大きくて見事な穴。雪原に飛び散った木屑も大きい。アイヌ語では「丸木舟を彫る神様」という。まさに、その通り。

途中で、北大生の男女6人が楽しそうに休んでいた。
大きなリュックなので小屋泊まりなのだろう。

11時40分:広い雪原に着く。木材を集める「土場」という。ここから小樽・銭函の日本海が望める。空は青いが、なぜか視界は悪く霞んでいる。空と海のコントラストもはっきりしない。

先行する7人グループは険しい夏道ルートを登っていく。
僕は年配女性が進んだ林道コースについていく。彼女はここからカンジキ。
たしかに、雪がザグサク解けて、歩きにくい。山では「雪が腐る」というらしい。
靴もしみてきた。
途中で夏道コースのパーティーが合流してきた。
しだいに風が強くなる。フェーン現象で気温も上昇し17度。初夏だ。

12時25分:「山見の丘」に到着。ここから春香山がデーンと構えている。頂上まで踏み痕が続いているが、標高差もかなりあり、きつそう。


12時35分:山小屋「銀嶺荘」を横目に頂上を目指す。小屋からたなびく煙の匂いが心地よい。標高差200メートルを一気に登る。
腐った雪に足が埋まり、一苦労。
頂上に着いた先行の女性が尻滑りで降りてきた。
しかし、水分たっぷりの雪でお尻が埋まってしまう。残念。
    

13時35分:ついに山頂。手が届きそうな青空。霞んで遠望は効かないが、春の日本海も広がる。春の雪遊びを堪能できて、満足感。

13時50分:尻滑りがしたくて、早々と下山開始。
が、滑り悪く、濡れただけ。
夏靴も靴下もびしょびしょだ。心地悪い。

14時50分:林道を下りていると、小動物が跳ねて止まった。シマリスだ。じっと、こちらを見てる。2mほどの近さでご対面。
登りのとき、クマゲラの食痕を見た付近。


15時10分:林道と夏道ルートが出合う「十字路」。林道にヒグマの足跡が点々と続いている。掌が大きく、爪痕がくっきり。初めて見たが、すぐわかった。
ついに見たと興奮しながら、写真撮影に夢中になる。
春クマには注意が必要なので、クマ鈴も鳴らしてきたし、スプレーも持参。
それでも、新しい痕跡なので、興奮が冷めるに連れて、少々不安になる。
後続の7人パーティーを待って、一緒に下山させてもらった。
15時50分に登山口に戻る。クマ注意の看板を撮影する。


※過去の登山記録※
04年11月21日


クマの足跡! 春香山

2007-04-21 22:49:57 | 札幌・小樽周辺の山々
きょうは、白い山頂から青い空と海が見たくて
小樽の春香山へ。

下山時に、ヒグマの足跡を見つけた。一瞬、目が点に。
人間の手のひらほどの大きさ。ペタン、ペタンと雪の林道に
爪あとを残していた。新しい。

クマの足跡は初めて見た。
まずは、夢中になって写真撮影。
同じ空間に森の王者がいた!という感動も。
そのうち、じわじわと重い心境に。
このまま1人で下りたくないなあ・・・
後続の7人パーティーを待って、一緒に下山させてもらった。

エゾエンゴサク

2007-04-18 22:32:18 | 円山
春を感じる花は?
僕はエゾエンゴサク。
札幌に引っ越してきた遠い日のこと。
円山の裾野に群生していた青い野の花に惹かれた。
フキノトウやフクジュソウは早春、エゾエンゴサクは
春爛漫の花。
その爛漫の始まりの始まり、最初の一花にどきりとする。

色は色々で、青、紫、ピンク、そして白。個体差が楽しい。



シマリスの森に、春のはかなき妖精

2007-04-15 22:44:30 | 円山
昨夜の雪で、近郊の山々は雪化粧。
雲が低いので、遠出はせず、2週続けて円山へ。
大師堂・登山口のシマリスの表情が面白い。
餌を食べた後、小さな手で毛づくろいをする。
顔や首や胸をこちょこちょと掻く。
あまりに素早い動作。
一瞬、きょとんと動作が止まったときだけ、パチリ。


たっぶりと癒されてから頂上へ。
少し日が差し、樺戸の山々が白く耀いていた。
動物園側に下山する。
雪解け水が流れる音が心地よく響く。
長靴なので沢をちょっと、さかのぼってみた。
「あっ!」と、心の中で小さく叫ぶ。
日当たりの良い斜面にブルーの小さな花々。
春を見つけた。エゾエンゴサク。

赤いエンレイソウも。
今年はずいぶんと早い。
スプリング・エフェメラル、春のはかなき妖精(いのち)たちが告げる北海道の春。





恋するハシボソガラス

2007-04-13 20:54:12 | 円山
先日、円山に登った時、ハシボソガラスが
活発に動いていた。
カラスって「カーカー」と鳴くと思っていたが、
「ギャー」とか「オギャー」と聞こえた。
紋別岳登山のとき、カケスが「オギャー」と鳴いていたのは、
ハシボソガラスの真似だったのだ。(3月25日のブログ)

1羽のハシボソガラスが小枝をくわえていた。
巣づくりの準備を始めているのだろう。
雪原で日差しを浴びた姿は綺麗だった。
カラスを美しいと思ったのは初めて。
恋の季節、これから親になる情もにじんでいたのだろうか。

シマリス登場!冬眠から覚めて

2007-04-07 18:31:28 | 円山
天気予報は午前中のみ晴れ。
うららかな春の日差しを浴びながら、
円山にシマリスを探しに行った。
3月10日に藻岩山で出会った女性から聞いた話。
「円山で雪から顔を出したシマリスを撮影した。
暖冬で、ずいぶん早く冬眠から覚めた」とのこと。
ほぼ1月たっているので、出合う確率は高いだろう。

登山口のカツラの巨木にまずはエゾリス。
そして雪原からシマリスが跳ねながらやってきた。
まったく待たずの一期一会。
あまりにすばしこくて、良い写真は撮れなかった。
被写体を待たない主義なので、頂上を目指す。
日当たりの良い中腹の登山路は雪解けも進んでいて、
足の裏に感じる土のぬくもりが嬉しい。

「あっ!木の枝にシマリス!」
10mほど前から少しづづ距離を縮めて近づいてみる。
この個体は全く逃げない。表情もぼんやり。
寝起き? 冬眠あけ?
僕の撮影にのんびりと付き合ってくれた。


明日は投票日。札幌は4つの選挙が重なっている。
森の中でも四方から最後のお願いが響いていた。





豊平川と藻岩山

2007-04-06 21:47:55 | 鴨々川の自然
春の日差しも暖かく、気持ちの良い出勤日和。
鴨々川にマガモの姿はなかった。1羽もいない。
陽気に誘われて北へ旅立ったのか。
川の水量調整で水位が低くなり、いずらくなったのかもしれない。
少々、歩き足りなくて、本日も橋を渡る。
豊平川と藻岩山が春のさわやかな空気に包まれていた。

豊平川からの山並み遠景

2007-04-04 21:30:09 | 鴨々川の自然
昨日、早朝帰宅時に豊平川をタクシーで渡った。
恵庭岳や空沼岳がくっきりと遠望できた。
そこで今朝の出勤時は、いつもより一駅通り過ぎて、
橋を歩いて渡ってみた。
恵庭岳の手前は、先日登った「野牛山」だろうか?
札幌在住〇十年だが、未知な事が多い。
だんだん、このマチが面白くなってきた。

春の日の出 

2007-04-03 22:49:17 | 藻岩山
久しぶりに徹夜勤務。
しらじらと、夜が明けた。午前5時過ぎに帰路につく。
一瞬だが、藻岩山周辺のマンション群が赤く染まった。
曇天の朝、わずか数分の出来事。
札幌の日の出は5時14分。
どきどきしながら、シャッターを押す。
夜が朝に姿を変えるとき、暁のペールは都市を「自然」に引き戻す。
寝る前に、心ときめき、眠れなかった。
知らず知らずに冬が過ぎ、春が訪れていた。