「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

霊峰・剣山 どきどき

2013-10-13 22:16:51 | 日高の山々

                             剣山  清水町御影から                                     

 

登ったことのないヤマに登ろう!!!

北日高の剣山(つるぎやま 1205m)を目指す。

高速道の占冠付近の紅葉がすばらしい。

が、強い雨。

十勝に入ると、日が射し、青空に虹がかかる。

ツイテル。

十勝平原の虹

 

山麓には石仏群や神社。

岩塔が連なる異形が、開拓者の信仰と畏怖を集めてきたのだろう。

風雪に耐えたミズナラの森を抜けると、細い岩尾根をジクザクにつめていく。

この野趣が眠っていたヒトの本能をくすぐる。

 

ミズナラの古木

 

「一の森」  ミズナラの道を行く

 

ゴロゴロ転がる大岩を縫う

 

「二の森」の展望スポットから眼下を見下ろす

 

虹が紅葉を照らす

 

細降る雨にもかかわず、大勢の登山者が頂きを目指す。

核心部は頂上直下の断崖。四つの梯子を登る。

雨で足元が滑るし、濡れた手袋も冷たい。

高度感も絶頂。

ちょっと、怖かった。 面白かった。 

ヒトも動物だ。 ちょっとだけ甦ったか、己の野性。

時雨に白い粒が混じり、これは雪。

寒くて足早に下山する。

昼近くなのに

ジモッチが、ぞくぞくと登って来る。

人気の山を実感。

日高の大展望は雲の中だったが、わくわく・どきどき、満ち足りた。

梯子が四つある

 

高度感あふれる山頂

 

信仰の剣

 

 ■登山記録

08時15分: 清水町の登山口

09時00分:ミズナラの古木

09時25分:一の森

09時55分:二の森

10時15分:大展望が開く 頂上直下の梯子が見える

10時30分:三の森

10時45分:山頂  滞在は5分

13時00分:登山口に戻る

 

 ■食事

「農志塾」 (清水町御影)  新蕎麦& 十割蕎麦

 


伏美岳から日高の大展望

2011-06-26 22:58:02 | 日高の山々

 芽室町上美生から見た山並(右からピパイロ岳~伏見岳~妙敷山)

 

2011年6月26日 伏美岳(1792m)の登山記録

 

北日高の大展望を期待して十勝の伏美岳へ。午前6時過ぎに登山口に着いたら、すでに満車状態。

この時期は残雪がゼブラ模様を刻む、人気殺到の山と知る。

急登を黙々と進むと、やがて緩やかな針葉樹林帯に。

ムラサキヤシオやチシマザクラが目を和ませてくれる。

ミヤマカラスアゲハやキアゲハが盛んに飛び交い、吸蜜に忙しい。

 

ムラサキヤシオに吸蜜するミヤマカラアゲハ

チシマザクラ

 

九合目付近で、ようやく北日高の展望が開けてくる。

妙敷山(おしきやま)の向こうに札内岳の長い稜線。

連なるエサオマントッタベツ岳の鋭鋒の両側には氷河が刻んだカールがくっきりと。

かつて日本に存在していた氷河の名残り。その名を知っていても、実際に見たのは初めてだ。

「これがカールか」と直感が胸を突くのは、スプーンでえぐったような異形のせいか。

窪みに雪が残っていて、その雪形は猫が笑っているかのようだ。

新緑の妙敷山の右手に札内岳~エサオマントッタベツ岳

エサオマントッタベツ岳~稜線の両側に氷河にえぐられたカール

 

登山口から3時間弱で山頂に。

日高山脈・最高峰の幌尻岳と三つのカールを抱える戸蔦別岳が並ぶ。

日高の核心部を一望する光景に、30人ほどの岳人が歓声をあげる。

時間を立つのも忘れて1時間20分も滞在。

氷河期に北方から渡って来たナキウサギがピィと金属音を響かせた。

 

伏美岳山頂

幌尻岳(左)から、鋭鋒の戸蔦別岳を経てピパイロ岳(右)の稜線

日高の最高峰・幌尻岳

カールを抱える戸蔦別岳

氷河期の遺存種 ナキウサギ

 

■登山記録

06時30分:入山  急登が続く

07時25分:緩やかな尾根歩き

07時45分:五合目

08時15分:七合目

08時55分:九合目

09時10分:山頂   上り2時間40分  

10時30分:下山開始

12時30分:登山口に戻る  下り2時間

樹海温泉 はくあ  500円

温泉どこにしようかと迷いつつ走り続けたら日勝峠を越えてしまう。鵡川町の公共温泉にて、一服


ソラチコザクラ咲くピセナイ山 新緑に名残り雪

2008-05-10 22:35:15 | 日高の山々
日高のピセナイ山へ。静内キャンプ場から、まずは5キロの林道歩き。左手に雪解け水を集めたピセナイ沢、右手に崖が続く。その岩間の一面に赤紫の花々。ソラチコザクラだ。小さな花が谷間の岸壁に寄り添って、静かに空を見上げていた。

(写真:ソラチコザクラ)

山は春もみじから新緑へ。稜線の高みは、昨夜の真新しい雪を冠って白く輝いていた。新緑と季節はずれの名残り雪。山歩きで出会う予期せぬ自然の妙に心が躍る。

(写真:新緑の山に名残り雪)

林道では、時々、獣の臭い。よく見るとエゾシカの獣道があちこちに。念のためクマ避けの笛を鳴らしながら進む。

(写真:エゾシカ・・・お尻の白が目立った)

1時間半ほどで、林道から離れて登山路に。急登の斜面は淡い雪に覆われ、オオサクラソウも白い帽子を被っていた。木の枝から次々と落ちる雪で僕の帽子も濡れる。

(写真:雪を被ったオオサクラソウ

岩にはヒダカイワザクラの姿も。ソラチコザクラの葉は「へら」状で、ヒダカは「もみじ」風かな? 被った雪が解けた水滴が涙のよう。


(写真:ヒダカイワザクラかな?)

素敵な光景に見とれながら行くと、登山路にクマの糞。大きい、新しい。萌黄色なので、
新鮮な葉をいっぱい食べているのだろう。確かに周りはギョウジャニンニクが多い。
雪に足跡がないので、新しいといっても、半日以上はたっている。それでも、今度は本気で笛を鳴らしながら、スタスタと進む。1人先行者がいるので、距離を縮めたかった。


6合目から周りの展望が効くようになる。残念な事に、天気は下り坂で、雲がずいぶんと増えた。昨夜は冷たい風も強かったのだろう。木々は凍てつき、平地とは別世界の神秘に包まれていた。
8合目を過ぎたところで、先行者が下りて来た。天候が悪く、展望がないとのこと。
ピセナイ山(1027m)の頂きからは、日高山脈の大展望が得られるはずだった。残り15分くらいで頂上だが、クマの気配も気になり、ここで先行者の下山に合わせることにした。頂上からの大展望は僕の未来への贈り物、楽しみが増えた。

(写真:樹氷の山々)

7時50分:静内キャンプ場ゲートから入山
8時20分:ピセナイ林道ゲート(登山口まで4キロの表示)
9時20分:登山口
10時20分:六合目(静内と三石の境界)
10時40分:先行者と出合い、Uターン
12時35分:静内キャンプ場に戻る



キャンプ場に戻ってきたら、オオルリの雌雄が数羽、移動していた。これから繁殖するため、見合い中なのか。旅の終わりに、幸福の青い鳥。





山菜と日高山脈・幌尻岳

2007-05-20 21:57:42 | 日高の山々
日本で食することができる山菜は160種類だそうだ。
日高の平取町振内で開かれた「第10回山菜天ぷらパーティー」に行ってきた。
町内の野山で採れた山菜20種類がずらり。
好きなものを自分で揚げて食べるという趣向。
ミツバ、コゴミ、ウド、タラノメ、ギョウジャニンニク、
イタドリといった代表的なものからニリンソウ、ツルアジサイなど、
「えっ」というものまで・・・
春の苦味が口いっぱいに広がり、ぐっと元気が出た。
  

帰路、秀峰・幌尻岳がくっきりと青空を刻んでいた。
日高の山々は全く登っていないので、あこがれが募る。


義経神社公園で野の花を探した。広葉樹が多い里山だ。
タチツボスミレ、フデリンドウ、それにギョウジャニンニク。
と、愛機「LUMIX FZ2」の色が抜け、画像が乱れ、回復不能に。
ラストショットはフデリンドウだった。


使い始めて3年と1ケ月。
光学12倍(430ミリ相当)が気に入っていて、
野鳥もリスも全てこのズームのおかげだった。


やはりヒメチャマダラセセリ

2006-06-15 23:48:36 | 日高の山々
アポイ岳ファンクラブから嬉しい便り。僕が撮影したサマニユキワリの蜜を吸っているのは、ヒメチャマダラセセリに間違いないとこと。この山の固有種。アポイ岳ファンクラブの親切な対応に感謝。
登山を思い出す。「この山を汚したくない」としゃべっていた女子高校生がいた。
渓流で日本ザリガニを捕まえていた小学生たち。自然の中で育まれる子供達の姿に
遠い日の自分を重ね、今の札幌の子供達の不運を思う。

ヒメチャマダラセセリ

2006-05-30 21:54:09 | 日高の山々
予期せぬ出会いがある。ヒメチャマダラセセリ。

アポイ岳固有の小さな蝶だ。登山前日の
20日にビジターセンターで、その存在を知る。
翌日、サマニユキワリの蜜を吸う小さな蝶を見つけた。
ドキドキ。
このときめきはなんだろう。狩猟本能か、童心か。
ヒメがつくのか、ただのチャマダラセセリなのか。現在、調査中。

本日は??回目の結婚記念日。安いバラを買って帰る。
大人になりかけている子供達と、中高年になりきれない自分達。
日々は同じことの繰り返し。
が、その日常の中の非日常が、ささやかな楽しみ。
それは、時に蝶で、時にバラの花。
小市民と笑うなかれ。


花のアポイ岳

2006-05-23 21:51:14 | 日高の山々

5月21日(日)
寒くて午前3時過ぎに目がさめる。

車の中でバナナ食べたりパンを食べたりしていると、続々と車がやってくる。

登山者の朝は早い。アポイ岳登山は20年ぶり2度目。

■午前5時。入山。

5合目まで野の花ロード。オオサクラソウ、フイリミヤマスミレ、コミヤマカタバミ、コキンバイなどなど。

快晴も日が当たらず、撮影せず。

クマよけの鐘が節目節目に置いてあり、なんとなく安心。大きく鳴らす。

■6時18分 5合目到着。

樹林帯抜けて日がさんさんと当たる。太平洋が光る。

ここからは塩基性かんらん岩に咲く、この山の固有種のパレード。

アポイアズマギク、アポイタチツボスミレが咲き乱れ、撮影モードでゆっくり登る。


    


■6時50分 7合目。

サマニユキワリが続く。帰路、見慣れぬ蝶がとまっていた。  


■7時04分 馬の背(595m)日高山脈がくっきり。
ヒダカイワザクラが「かんらん岩」に咲く。

8合目からエゾキスミレが登場。

9合目にヒダカソウ。先行登山者が教えてくれた。絶滅寸前、たった一輪に歓声。望遠で撮影。26日放送予定らしい。STVも登ってくる。




■8時 アポイ岳山頂(810.6m)

高山のハイマツ帯を登ってきたのに、突然、中腹にあるはずのケカンバ帯が頂上にあり、見通しよくない。不思議な山だ。

■8時52分 吉田岳の山頂。

日高の山並に手が届きそう。襟裳岬も近い。

幌満花畑経由で13時18分下山。数百人の登山者の列にびっくり。

幼稚園児から高校生まで地元っ子、そしてツアー客。規制のある山なのでマナーはよく、気持ちのよい登山だった。


■帰路、様似名物「たこまんま」のかまぼこ食べたり、新冠温泉レ・コードの湯(500円)に入ったり。

瀟洒なこの温泉は高台にあり絶景。500円は安い。

道の駅で、大雪山案内人のSさんと会う。アポイ岳ツアーを添乗していたという。10年ぶりの再会。



様似山道から退散

2006-05-22 20:46:55 | 日高の山々

5月20日(土)かねてから歩いてみたかった日高の様似山道に挑戦。

早朝に札幌を出て、10時40分、幌満トンネル出口の東口から入山。

花が美しい江戸時代の古道にロマンがかきたてられる。7キロの道をピストンしたくないので、片道1時間歩いて引き返すつもり。

確かに、オオサクラソウの群落が美しい。雪解け水が豊富な沢も清涼感にあふれていた。



が、山肌にへばりついたり、渡渉をくりかえしたりと、かなりハード。入山届によると16日に大雪山麓に住む山男Sさんが入っている。

きょうは先行者はなく、この山に独りと思うと、ヒグマへの恐怖も募る。

「頭蓋骨だ!」「脚だ!」足元にはエゾシカの屍も点在。

大雪による餓死だろうが、死肉にクマがよってくるかも・・・
美しい春景も満喫できなくなり、歩いて30分で引き返す。

様似駅の観光案内所で里山の「観音山」にオオバナノエンレイソウが満開との情報。
カタクリの群落が終盤で、オオバナノエンレイソウが一面に。



シラネアオイも彩りを添えていた。


行きありばったりの旅も楽しい。
アポイ山荘で入浴。温泉ではないが、清潔感あるホテルで太平洋の眺望もよい。500円。

給料日前の経費節約ということでアポイ岳登山口の駐車場で車中泊。

車の中で寝るのは生まれて初めてで、ちょっと楽しい気分。することもなく、ビールと日本酒飲み、暗くなったら寝てしまった。