「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

真駒内公園  マヒワを襲う猛禽

2013-01-14 19:30:29 | 自然公園/原野/海浜

気分転換に、真駒内公園をぐるりと歩いた。

樹齢270年と記されたカツラの梢に、たくさんのマヒワ。

柔らかな黄緑色の羽が目に優しい。

冬芽を懸命に採餌していた。

頭が赤いベニヒワが混じっていないかしら?と、探すもその姿はなし。

カツラの冬芽を食べたと思ったら、さっと雪面に降りる。

ここではマツの樹から落下した種?を食べていた。

そして、それは突然、ブーメランのようにやってきた。

横切ったハト。かと思ったら、小型のタカが襲って来た。

捕食かなわず、遠くの梢にとまる。

樹齢270年のカツラ

 

雪面に落ちたマツの種?を漁るマヒワ♂

 

マヒワを襲った小型のタカ・・・コチョウゲンボウ?

 

シジュウガラ

 

ヒヨドリ


2013年 山book (2) 『父を葬る』

2013-01-12 20:41:59 | 登山BOOK

 

■「父を葬る」 (ちちをおくる)高山文彦 幻戯書房 1900円 [小説]  

 【山域】 高千穂・二上山

まさに出合い頭だった。ブックオフの書棚で、そのタイトルに吸い寄せられた。

息子が父を看取り、炎に包み、葬る。そのとき、世の息子たちの心中に通底する疼痛はいかほどか。

作者の私小説。

 

花の匂いや鳥や虫の羽音までが聞こえてくる。

山深い高千穂の里で、父親が亡くなるまでの四季の一巡が繊細だ。

都会で暮らす「私」(作家・主人公)の生地や血脈に対する反発や嫌悪の気持ちが起伏する。

そして死にゆく父親の姿や表情を眼前に、してあげられなかったこと、してはならなかったことへの後悔。

それはかつての嫌悪を超越し、体の奥底から込み上げてくる深い感謝と愛情の証だった。

「父とは不思議な現象だ。死というのも、不思議な現象だ。どちにも唯一無二なのに遠くにある」。

そして肉体は去り、魂は山へ還る。見えなくても彼は存在し、父と子はつながっているのだ。

 

高千穂の霊峰・二上山。父親は春に山肌を赤く染め上げる満開のアケボノツツジを愛した。

かつて父子が登ったという山頂から里の家々を見下ろし、遺灰が舞うとき、あふれる光を感じた。

「死は怖くない。死んだら故郷の山に還るだけだ」。

血と骨の物語は、山と人が呼吸している土俗の世界を感じさせる一冊だった。 

インターネットで検索したアケボノツツジで赤く染まる二上山。

その穏やかな光景に心の救済を見た。    (1月9日読了)

 ※写真はイメージです。アケボノツツジは本州・九州の高山に自生し、ツツジとしてはかなり高木。

この写真は04年6月に徳舜瞥山で撮影したムラサキヤシオ。

 

 


2013年 山book (1) 『邂逅の森』

2013-01-05 14:04:43 | 登山BOOK

■「邂逅の森」 熊谷達也 文春文庫 714円 [小説]  

 【山域】 秋田・阿仁周辺、山形・月山など

大正から昭和にかけて、秋田・阿仁のマタギの生涯を描いた大河小説。

山里の経済的困窮、その一方に山の豊かな恵み。

地形を読み、クマの痕跡をたどり、互いの知恵と生命を賭けた壮絶なやりとり。

旅マタギ、寒マタギ、冬の穴グマ猟、春の山まき猟・・・

そして、男女のおおらかで官能的な営み。家族との葛藤、憎しみ、あふれる愛情も。

生きて、死んでいくということ。

戦争に伴う産業構造の激変にもまれ、山間部の生活が大きく変貌する時代を背景に、

獣を追って野山を駆けるマタギのひとり、ひとりが我らに問う。

失いつつある大切なものはなにか・・・

すべては森が教えてくれる。

書店で手にした偶然の一冊が、知られざるマタギの世界にいざなってくれた。 

直木賞 受賞作。

(2013年1月3日 読了) (写真は、クマの足跡:小樽・2007-04-21 春香山)

 


赤い鳥見つけた

2013-01-04 17:23:06 | 円山

初詣に向かう途中でイスカの群れと出会う。

雄の赤色が、新春を祝う彩りだ。

松の実を懸命に食べては、近くの裸木に移る。

ぼろぼろと雪面に落ちた松傘に、ヒガラが寄って来た。

採餌の連携がお見事と、感嘆する。

巨木カツラの樹冠が斜光を浴びて黄金色に染まっていた。

ウソが冬芽を食べていたが、距離があって撮影できなかったのが残念。

 

イスカ ♂

 

ヒガラ

 

カツラの巨木


新年の藻岩山

2013-01-03 17:07:56 | 藻岩山

光あふれる快晴のサッポロ。

ぴりっと引き締まった青空に誘われて藻岩山へ。

初登り。

空気は厳寒で、一粒、一粒が頬を刺す。

森の精気で呼吸を整えると、なんとも清々しい新年の気分に。

今年も背筋を伸ばして、前へ。

風の文様

 

風の落し物・・・ツルアジサイのドライフラワー

 

標高531mの山頂から

カップルの撮影ポイント