おはようございます。
生き生き箕面通信1738(130925)をお届けします。
・「『君が代』なんか、クソクラエじゃ」と、はだしのゲン。ひとりの教師が処分取り消し求め提訴
「君が代」の起立斉唱を義務づけた全国初の大阪府条例は、憲法違反だと訴える裁判が昨日9月24日に起こされました。条例が合憲か違憲かを争う裁判であり、決して負けられない裁判という位置づけです。負ければ、条例は合憲となり、君が代の起立斉唱が大手を振って全国にまかり通ることになってしまいます。
大阪府立学校の一人の教師、奥野康孝さん(56)が、「府条例は、思想信条の自由を保障した憲法に反する」として、大阪地裁に提訴しました。
「君が代の起立斉唱」を強制する府条例は、橋下徹氏(当時大阪府知事)が2011年に反対を押し切って成立させた、国粋主義路線の最たるものです。それも低劣な国粋主義ですが、その条例によって昨年春の卒・入学式では37人が不起立で処分され、今年春は12人が不起立処分されました。
今年4月に就任した中原徹・大阪府教育長は、教職員が声を出してきちんと歌っているか、目視での確認をするよう、府立の全校に文書で通知し、徹底を図る手を打ってきました。中原氏は府立高校長時代に教職員が声を出して歌っているか、口元チェックを指示したことで知られた名うての人物です。
子どもたちの目から遠ざけられようとした原爆マンガ「はだしのゲン」(中沢啓治さん作)には、主人公のゲンが、「『君が代』なんか、だれが歌うもんか。クソクラエじゃ」と、卒業式で叫ぶ場面が描かれています(10巻18ページから)。「『君が代』の『君』は天皇のことじゃ。天皇は戦争犯罪者じゃ」と言います。
県会議員が「なんちゅう畏れ多いことを言うんじゃ」と怒る。すると、「やかましい。天皇が戦争にゴーサインを出したおかげで、日本列島は焼け野原にされ、日本人300万人以上が、もがき苦しんで殺されたじゃないか」「天皇のためだという名目で、日本軍は中国、朝鮮、アジアの各国で、3000万人以上の人を残酷に殺してきとるじゃないか」と言い返す。
「君が代」の起立斉唱の強制は、奥野さんにとっては「思想信条」の問題ですが、橋下氏や中原氏には、「学校のマネジメント問題」にわい小化されます。
すでに先行して、山田肇さん、池田北高校教員の増田俊道さんなどの処分撤回を求める闘いも進行中です。
◎ 増田さんの「処分を撤回させる会」<まっすんサポーターズ>結成集会は、10月5日(土)14:00~16:30に豊中市千里文化センター(北大阪急行・千里中央駅)で。
◎ 山田さんに対する人事委員会の第3回口頭審理は10月25日14時から大阪府咲州庁舎29階で。
◎ 「山田さんを支える会」の第11回は、11月2日14時から高槻市民会館205号室で。
◎ 不起立処分を受けた11人の集まり「座座(ZAZA、ザザ)座談会」は11月30日14時から大阪市立大淀コミュニティーセンターで。
奥野さんは、キリスト教徒です。「日の丸・君が代には国家神道の宗教性がある。それを共生されるのは、思想信条を保障する憲法に違反する」と、主張しています。あと2回処分を受けたら免職になる可能性が大きい。
それでも、松井一郎・大阪府知事は「条例は思想信条の話ではなく、公務員の規律を決めたもの」で押し通す考えです。
こうした首長を選んでいることに、ボクは府民として恥ずかしく、なんとかしなければと考えています。