alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

母親のプレッシャー

2018年09月30日 | 女の生き方

私は最近個人的な問題から今の状態を抜けるには
エゴの解放、エゴを手放すというのがテーマのようで、
本当に自分らしく生きるにはそのエゴから
解放されることが重要だ、と悩んだ時に目にする英語の記事に書いてある。

で、エゴって何なの?と思いつつ、これもニュアンスが英語と
日本語で違いそうなのでしべてみると「Ego」というのは
本来の自分とは違うのに、それを自分だと思っているもの
のことらしい。ちょっと漠然としてるけど。
つまり、造られた自分、社会的要請に合わせようとしてできた自分。
例えば本当なネガティブなのにいつも笑顔で振舞おうとしているだとか
本当は自由奔放なタイプなのに人に合わせようとしているだとか
つまり「私とはこうである」というアイデンティティの中の
特に「こうあるべきである」という部分だと思う。


おそらく子育てで苦しむ人は 自分の中のエゴと
目の前にいる子供とが一致せずにそこで悩むのだと思う。
エゴ というのは社会的要請であり、社会が良しとしているものだ。
自分自身も 本来よくよくふりかえったら違うのに社会の要求や
親の意見にしたがって、仮面をかぶっていたかもしれない。
心のそこでは なんか違う と思いながらも
いつしかその仮面をかぶった自分が自分になってしまって
本当の自分がわからなくなり、そこに蓋をして生きてしまった。
そんなことは 日本人女性にはわりとありがちだと思う。

ずいぶん前に何人かのフランス人男性から尋ねられたことがある。
「日本人女性のあの仮面の下には何あるの?」
その時私はわからなかった。まだ女の人たちについて
語れるほどには知らなかった。私もきっと 何かあるのだろうと
思い、彼らのようにそれをミステリアスだと思っていた。
しかしそれから数年たって私はやっと合点がいった。
あの仮面の下には何もないのだ。
あの仮面というのは はじめは仮面だったものが
いつしか顔に張り付いて 自分自身になったものなのだ。
だから彼らがはじめ想像するように 言語ができるようになれば
仮面の下にそっと隠していた本来の姿を見せ
それを表現してくれるとか そういうものではないのだろう。

時折彼らは私に尋ねる。日本人女性と付き合ったけど
彼女たちは急に泣き出したり、連絡を絶つことがあるという。
泣き出した理由を尋ねてみても「わからない」
すると彼もわからない。連絡を絶った理由は?
わからない、けど完全にとれなくなってしまった
「彼女は優しかったんだけど」たいていの男が言うことだ。


彼女たちはきっと心の底ではちょっと嫌だと思っていたのだろう。
けれども私たちはノーと言えない、だから言えずに仕方なしに
受け入れてきた。けれど何かのきっかけで感情が爆発したとき
本当は言いたかった「ノー!」が最高潮に達してしまい
自分でもわからないけど、もう無理、となってしまい、殻を閉ざしたのだろう。
エゴ、社会や他人からの要求に なんとか答えようとする自分と
本来の自分との乖離が最高潮に達した時に 堪忍袋の緒が切れる。
私の先日の鬱もそれと似ているのかもしれない。

本来の自分らしい人生を歩むために、エゴのとらわれから解放されることが
必要だとしても 大学生であるならまだしも
母親にはそれが難しい。なぜなら母親という存在は
子供に社会的要請を教えることが 一つの大きな役割だから。
もしその社会的要請が いい大学にはいり いい会社に就職し
または医者になって父親の仕事を継ぐことだったら
東京では今の社会でも 道は 東大へ向けて一直線だ。
東大へ行けたら合格(でも理3じゃなきゃ東大にあらずとかあるらしい)
早稲田や慶応だったらまあよし、法政や明治だとちょっととか
そんな古い価値観は 今でもしっかりまかりとおり
実は昔よりよっぽど厳しい受験戦争で勝ち抜くためには
のんきなことなどいってられない。そしてそこには方法がある。
まずは中学受験で御三家に合格させて、そこからあの塾に通わせて・・・
たとえそこに本来の自分が「どうかな・・・」と思っていても
この道に入ってしまうと 踏み外すのは難しい。

私はけっこう驚いたけど 東京のど真ん中、文京区で
子育てしている母親たちですら、「マンションから子供を
突き落としたい」という衝動にかられることがあるらしい。
(そして結構そうだよね、と納得されるらしい)
郊外のニュータウンで孤独を抱えてというなら
まだわかるような気がしたけれど、東京のど真ん中で
どこにでも簡単に行けて、友達とも気軽に会えそうなその環境で?
そんなとこでもそんなこと思ってるの?

おそらくそれはインフォーマルパプリックライフの欠如とか
陸の孤島でどこに行くにも大変だとか 
そういう問題がメインではないのだろう。
彼女たちが抱えているのは孤独というより成功へのプレッシャーの
ように思う。私のように片親だったら、どうせ片親の子の学力は
低いし、せいぜい85点とれたら万々歳と思えばいいやとまだ
諦めていられるけれど、「飯田さんの子も東大に・・・」
と言われたところで「そんなの無理に決まってるでしょ!」と
言い返せる理由が一応あるけど、そうでもなければ延々と「やっぱり
この子を成功させなければ・・・」というプレッシャーにかられて
母たちのストレスはつのっていくのではないかと思う。

母親が子供に怒りたくなるのはそのプレッシャーに対して
子供がまるで応じてくれない時だ。勉強をするべきだ!と思っているのに
まるでしない。夏休みの宿題を明日で終わらせるべきだ!と思っているのに
まるでしない。「〜しなきゃいけないんだよ!!」と
子供にガミガミ言っている時、実は心のどこかでうすうす気づいているのでは
ないだろうか。「私だってしたくないのに・・・」
本当は勉強なんてしたくなかった。でもしないといけないからやってきた。
本当は大学受験なんてどうでもいいのかもしれない。
でも今の社会ではいい大学にいかなかったら成功は保証されないかもしれない。
本来の私の想いと社会的圧力のズレがあり、子供が本来の姿のままで
(やる気をしめさずにダラダラとゲームばっかりして)生きている時
親は怒りたくなってくる。「私だってこんなに頑張ってるんだよ!」
(本当はこんなことしたくないのに・・・)

おそらくエゴの解放というのは、本当はこんなことしたくないのに・・・
と思っている自分を認めることなのだろう。
本当は私もあんたみたいにダラダラ生きたい。
本当は朝ごはんなんて作りたくない。
歯磨きなんかしたくない。きちんと生きてもいいことなんか
ないかもしれない。学歴なんてあったって?一度会社を
やめてしまえばパアかもしれない。

東大に行ったって?
東大は日本では一位でも世界で46位だったじゃないか
(42位になって日経が順位が上がったと喜んでいた)
東大が本当に素晴らしい学校ならば 日本社会や政治は
もうすこしましになっているのでは・・・
(もちろん教授には素晴らしい先生方が沢山いらっしゃるけれど)
思えば私が子供と大喧嘩をしてきたのは
いつも本当は行きたくないのに子供が行きたいと言ったから・・・
やりたくないのにあの人がやれとか言ったから・・・
という他人目線で行ったことの結果だった。
自分を優先させればよかったのに、そう、フランス風に
‘C’est moi qui décide!” (決めるのは自分!)と
自分に言い聞かせればよかったのに。

日本社会で成功のプレッシャーが強い中では
特にそのエゴから抜け出すのは難しい。
「諦めたら楽よ」と言われても 諦めきれない状況だったら
それが一番難しい。けれどもマンドフルネスの本にもあるけど
「もしそれをやめてみたら?」どんな状態になるのだろう。
友達がいなくなる?そんなのでやめる友達なんて
そもそも本当に友達といえるのだろうか?
何かを失う?本当に何かを失うのだろうか?
自分が合わせてきた社会の要請は 本当に自分にとって
大切なものなのか マインドフルネスも、自分自身への気づきというのも
同じことを問うているように思う。

そういえば『道は開ける』の著者が言っていた。
起こりうる最悪の事態は何か?最悪の場合それを
受け入れよう。それでも死なないかもしれない。
家庭は崩壊しないかもしれない。子供は中卒かもしれない。
それでもフードカートの屋台を始めるかもしれない。
避けられるなら避けれるように最善の策を練ることだ。
けれども最悪の事態を想定すること、そこで解放されるエネルギーもあるらしい。
この国で「自分らしい子育て」なんて タレントでもない限り無理に近い。
けれどもほんのすこしずつ 本当の自分を大切にする
そうすると結果的に 子供にも優しくなれるのかもしれない。

フランスに行くなら

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