「日本人ってさあ どうしてそんなにパリが好きなの?」
とはよくパリで聞かれる言葉で だからさあ
パリに来ている日本人は特殊であって 別に
日本人みんながパリになんか興味ないよ!と
私は言いたくなってしまうけど パリに惹かれる
日本人がいるのも事実。日本人 というより
外国人全般なのかもしれないけれど
「どうして?」と聞く彼らが何故そう尋ねるかといえば
彼らにとってはそれが当たり前のものだから。
そう パリにいる と だんだん
パリの嫌な部分が目について うるさいだとか
ごみごみしている 人が多すぎ?落ち着きがない?
いつもプリプリ怒っているとか いろんなところが
あるけれど それでも一度 外国人が帰国をすると
そう その良さがわかってしまう
そしてまた気づいてしまう
ああ やっぱりね あそこにしかなかったんだ。
「パリで青春時代を過したものは どこで
その先の人生を過そうとも パリは一生君に着いてまわる
何故ならパリは 移動祝祭日だからだ、、、」と
ヘミングウェイは言っていた。そうしてみんな
パリに戻った。サルトルも「パリしかないよ」と
言っていた。一度パリで過した者は いつかまた
あそこに戻りたくなってしまう。 だってパリにしかない
母国にはない何かがあった 母国にそれを求めてみても
何かが違う 外国にいる違和感を考慮してでも
それでもなんだか得るものがある それはパリが
移動祝祭日だからなんだろか。
移動祝祭日ってどんな訳だよと思っていたけど
それはつまり 毎日がお祭りみたいというわけで
そうなんだかパリは 路上に祭りみたいな活気が
溢れてて 毎日どこかしら変化があって 毎日
外に出ると 浮き立つ様な気分になれる そんな
何かが存在している そんな街 なんだよな。
結局の処 どうせ私は都会が好きなんですよ
だってこの広々としてセンスのいい空間に
すごい落ち着きを感じるんだもん 直島に行ったって
一番落ち着いたのは安藤忠雄の設計した美術館の中の
コンクリートのトイレだったり。しょうがないじゃん
だって中学生のときから誰もが認める都会っ子だった
わけだもん。。 そう そんな都会っ子にとって
芸術やら文化の香りが溢れてて かつ安い値段で
それらに触れることができ しかもかなり
緑が多い都会だというパリはかなり魅力的。
今日は二子玉川の高島屋の屋上庭園に行き
素敵な植栽の中にテーブルが置かれているのを目にしたのだけど
そう そういうのが パリには普通にあったんだ、、、
そりゃあ たまらないよね。都会の中に自然があって
芝生の上では昼寝ができて ピクニックしても
サッカーボールを蹴ってもよくて 湿気はなくて
樹々の合間をぬって流れて来る風は心地よい、、、
そこにカフェがあったなら?最高じゃないかと
思うけど パリにはそんなところにカフェがあったり
急に出現することがある。そうじゃなくても
普通のカフェはどこでも持ち帰りが可能だそうで
公園でピクニックをしたあとに、ちょっとカフェに
立寄り、いれたてのエスプレッソを公園に持って来ることが
できるらしい。それってそう 最高なんです
その時はそれがどんなに最高なのか 気づいてなかったり
したのだけれど。 そんなこと が 当たり前 に
できてしまって しかもお金がかからない
(持ち帰りエスプレッソも1ユーロくらい)
そんな都会って 滅多にないんじゃないかなあ。
パリにはいつも 街路樹の合間を縫って
心地よい風が吹いている。そよそよ、さわさわ、、、
ここはどこ?と思うけど 都会のど真ん中の
はずであり、私が自然と感じたものは
実は誰かがかつて植えた人工的な植栽なんだ。
お洒落な運河だってよく考えたら人工的で
人がつくった街なのだけど めちゃくちゃ素敵にできている。
人間ってなんか すごいなあ 本当は
人工的でも こんなに素敵なものをつくることが
できるんだ。人工的って 悪い意味しか思いつかなかったけど
人工的に 自然を感じられる つい気持よくなってしまう
空間をつくっていくこと それが可能なわけなんだ。
パリはごみごみしてるけど それでも東京に比べたら
人はまだまだ少ないし 緑の量は圧倒的だし
メトロのラッシュもそう大したことはないわけで
しかも野菜の値段もかなり安いしな そう考えると
暮すのに心地よい都会なんだなあと思う。
フランス人は文句ばっかり言っているけど
フランス語が全部わかってパリに暮してたら
楽しいことだらけじゃんと私は思ってしまうけど
それは外国人の視点があるからなのだろう。
世界中から人が憧れ 人が住みたくなってしまう街。
住んでみると大変だけど それでもカフェや
道端での何かとの出会いや発見があり
素敵な緑に触れていられる そんな街 が 好きだなあ
人がつい ひかれてしまうのには訳がある。
その辺をもっと解明してって 案内人になれたなら
きっと面白いのだろうなあ。パリのカフェや
インフォーマルパブリックプレイスのガイド、
日本の暮らしのヒントになるような視点を
大事にしながら そんなことができたらいい。