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劉浩龍「PAST&PRESENT」(香港)

2005年10月19日 04時42分18秒 | CD紹介

 ウィルフレッド・ラウの3rdアルバム。発売直後に注文しそこねたので、久々に某大型CD店に行ってみたのだが、2nd「Singing in the ring」しかなかった。中華系専門店に回ってみたが、「ウィルフレッド・ラウ?聞かない名前ですね、新人ですか?」と言われてしまった^^; 仕方がないのでこれまた久々に国内の通販業者さんから購入。いつもより少し高くついてしまった。
 それでもお待ちかねの新作なので、期待して聴いてみたら・・・。「何考えてんの?!」先行オンエアの2曲は別として、後半はまるでイーソン(陳奕迅)なのだ! いかにもイーソンが歌いそうな曲を次々、そうでなくてもイーソンに似てると言われている彼が普通に歌ったら、ただの贋物になっちゃうじゃないか、、、これだったら早く聴きたさに高値で買うことなかったんじゃ、、、いささか後悔
 翌日、自分の印象が自分でピンとこなくて、もう1回聴いてみた。確かにイーソンに似ている。それは隠しようもない。でも、イーソン風の曲を歌うことでかえって彼自身の特徴が見えてくる部分もあるような気がしてきた。イーソンが力で押し切ってしまうところを、劉浩龍はひとつひとつ歌っていく。イーソンだとノリすぎて“いっちゃう”ような曲も、どこか抑制がきいている。イーソンならちょっと力を抜いたように歌うスローなメロディで、劉浩龍は静かな緊張感を保っている。もちろん、歌唱力や完成度からいえば、大人と子供くらいの差があって、ちょっと難しい曲では例によって“いっぱいいっぱい”なんだけど、どこか好感が持てるのはこの緊張感のゆえだろうか。
 先行オンエアは、超お喋りの彼女に向かって「Shut Up Baby」(黄偉文作詞)。香港人はとにかくお喋りだけど、それでも男の子は女の子の際限ないお喋りについていけないらしい^^; ドラムにFunky末吉、ベースにバーベQ和佐田が参加。もう1曲はきれいなバラード「二等天使」で、曲は雷頌徳のチームにいる側田(Justin)。昨今、ソロ歌手としても活躍しているが、この曲でメロディメーカーとしても実力を見せている。発売後にチャートインしてきたのは、1作目からずっと参加の藍奕邦作「戦友」。男の友情の歌かと思いきや、恋人というよりいい仲間で、やがて別々の道を歩むようになった女友達に捧げる想い、という歌詞だ。VCDのMVには陳文媛(ボボ・チャン)が出演。もしかして劉浩龍自身の体験?と思われるストーリーは、彼女の勧めで歌手コンテストに応募したり、デモテープを作ってレコード会社に持ち込んだり。最初と最後に、商業電台の新人賞を受賞したときの実際の音声が使われている(「金賞、、、劉浩龍!あなたよ、ずっと待ってたんでしょ」というプレゼンターの言葉が長い下積みの苦労を思い出させ、涙声の「これからも頑張ります、ありがとう」にじーんとくる)。
 雷頌徳プロデュースの「94340634」は、夜中に彼女が電話している相手(恋敵)の電話番号。94は「九死」、34は「心死」、06は「零落」「令落」を連想させる。今にも心が破れそう、みたいなイメージだろうか。愛称を再び曲名に使った「師兄急轉彎」は「Shut Up Baby」と同じくJames Tingのファンキーな曲で、歌詞は農夫。これもファンキー末吉とバーベQ和佐田参加でノリノリ。
 最後の2曲は北京語で、オリジナルの「很久没見」と「戦友」北京語版の「好兄弟」。北京語もだいぶん歌い慣れてきた感じだが、発音は未だにちょっと不安定、、、ネイティブのようにできなくてもいいが、同じ音はいつも同じように発音できるようにならないと、安心して聴いていられない^^; 広東語のようにLとNが混ざるのはやはり美しくないし、「作」と「走」が同じ音になってしまっては変だし。「自己」なんか、そんなに難しい音でもないと思うんだけどな~。(もっとも、香港人にとって北京語の発音は難しいらしく、北京語の先生たちが「発音だけなら日本人のほうがマシかも」というくらいではあるが・・・)頑張って練習しようね
 あえてイーソンと同じ土俵(?!)に立ってしまった劉浩龍。もしかして、イーソンは嫌いじゃないけどちょっと重い、濃いと感じているファンを、すっきり感と隣のお兄ちゃん的な親しみやすさ、カラオケで歌えそうなメロで取り込もうという作戦だろうか。この作戦はどこまで成功するのか? 映画やドラマにもぼちぼち出始めたが、演技力でもイーソンを越えられるか? 今度映画のDVD「擁抱毎一刻花火」注文しよっと。
PAST & PRESENT @YesAsia.com
 

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2 コメント

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自己レス (HO太)
2005-10-20 21:10:59
これだけ長文を書いておいてまだ自己レス^^;

なんだかイーソンを引き合いにあれこれ書いてしまったので、改めて最新のアルバム「U87」を聴いてみました。すごくいい曲もあるけど、最後まで聴きたくならない曲もあり、なんとなく全体に「また聴きたい」気にならないんですね~。

思い返すと、私が好きだったのは数年前の、「天下無双」とか「K歌之王」とか「Shall we dance」とか「愛是懐疑」とか、、、イーソンのほうが変わった部分があるかな。するとやはり、「ちょっと前のイーソンがよかった」と思ってる人を取り込めるかも。

もうひとつ好きな理由は、声の出し方。イーソンは余裕があるので、声が奥からゆっくり出てくるけど、ウィルフレッドは余裕ないので(爆)声をぽーんと遠くに投げ出すような歌い方。それが意外と広東語には合っていて、入声の切れは蘇永康以上、非常に聞き取りやすくなってます。余裕ないのに目一杯頑張っちゃうのは影山ヒロノブなみですね(笑)

なんか楽曲も好みだし、、、要するに私のツボでした。以上です。
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そんな風に書かれたら (ジマイマ)
2005-10-20 23:15:50
聞かないわけにいかなくなっちゃうじゃないか…。<入声
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