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字幕or吹替

2005年10月20日 02時52分46秒 | Weblog
 昨今勢いのある韓国映画は日本でも人気だが、韓国映画の興隆に大きく貢献してきたスクリーンクオータ制(映画館は年間最低106日以上韓国映画を上映する)を、縮小・廃止しようという動きがあるそうだ。10/17付日経新聞の「景気指標」によると、米韓投資協定の交渉で米側が廃止を求めているとか。クオータ制がなくなったら、途端にハリウッド映画に席巻されてしまうのかどうか、やってみないとわからないが・・・
 それで日本のことをふと考えたら、別にクオータ制もないのに、ここ数年日本映画は本数も多いし人も入ってる。なんでだろう?
 適当な推測だが、洋画が好きで、字幕で見るのに慣れていた昔の映画ファンと違って、映画館にあまり行かない人たちは、字幕を読むのに慣れていなくて、字幕は面倒だと思っているんじゃないだろうか。TVならたいてい日本語吹替で放送されるし、DVDも吹替音声が入っているのだから。邦画は字幕を読む必要がなくて、気楽に見られるから、そのほうがいいとか? そんな観客が、最近質のいい作品が続いている邦画を次々見ていくので、また資金が制作に回って、いい循環になっているんだろう。
 それはいいとして、外国映画も吹替で見たい人のほうが増えていくと、原語の台詞やスターの生の声を聞きたい人にとっては、厳しいことになる。公開中の香港映画「頭文字<イニシャル>D」を見ようかと思ってチェックしたら、ほとんどの映画館が吹替での上映だった。原作が日本のマンガで、舞台も登場人物の名前も原作のまま、つまり日本なので、日本語台詞のほうが自然だと思われたのかもしれない。また、香港映画のファン以外に、原作やアニメのファンもよびこむ狙いがあったのだろう。でも、日本人と外見上区別のつかない香港や台湾の俳優が、日本語の台詞をしゃべっていたら、まるで香港映画らしくない。香港映画だと気づかない人もいたりして?(そんな奴おらんやろう>自分)
 実は若い頃に翻訳をかじったことがある。一通りいろいろな分野を経験するコースで、ドラマ・映画翻訳の授業もあった。字幕翻訳は、映画の場合2秒で1文字、1段に12字、1画面に2段までと決まっているので、その枠に入れるために削って削って削りまくらないといけない。(ビデオ用は一時停止や巻き戻しができるので1段に14字までOKだと聞いた。)字数を稼ぐために少々難しい漢字も使いまくる。当然、情報量としては吹替に負けるので、推理モノなどは吹替のほうがはるかに分かりやすくなるようだ。事前にあらすじくらい頭に入れてから見ないと、よくわからないままになっても不思議はない。
 原語が多少分かる人には字幕のほうが楽しいけれど、英語をはじめとするヨーロッパの言語や、広東語を含む中国語は、語順が日本語と違うので、見たとおりに耳から入ってこなくて(聞こえるとおりに目に入ってこなくて?)、慣れないと疲れるといえば疲れる。(そこへ行くと、韓国語はほとんど順番どおり!わからないのにわかった気になる^^;)
 結局、観客の好みに合わせていくんだろうけど、選択肢としては字幕をなくしてほしくないと思う。さて、字幕上映が終わる前に「頭文字<イニシャル>D」を見に行けるかな?
コメント (2)
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