北京オリンピック・フィギュアスケート、ペア・ショートプログラム(ジャッジスコア)。
<G1>
カリナ・サフィナ/ルカ・ベルラヴァ(ジョージア) SP:66.11(9)
「Moonlight」♪ グレー。クリーンな3ツイストから、3トウをきれいに揃える。スロー3ループ決まり、生き生きとステップを踏む。女性のキャッチフット姿勢をきちんと整えたリフト、下ろし方もよかった。スピンの回転がぴったり合っていて見事 17歳と19歳、若いペア。
第1滑走からいい演技で嬉しい
アレクサ・クニーリム/ブランドン・フレイジャー(アメリカ) SP:74.23(7)
「朝日のあたる家」♪ 赤に黒をあしらい、黒の袖口に赤。アメリカチームの声援の中、3ツイスト、3トウと安定している。スロー3フリップ高く、スピンも回転が速い。ロックのパワフルなサウンドに負けないステップ、リフトではキャッチフットしながら反対の足もホールド。下ろすとき横回転を入れた。
会心の出来と言えそう
ヴァネッサ・ジェームズ/エリック・ラドフォード(カナダ) SP:63.03(12)
「Shiny Happy People 」「Daydreamers」♪ 白にゴールドのストーン、白。カナダチームも負けずに声援を送る中、3ツイストから。スロー3サルコウ、きれい。トウループで女性が2回転 スピンは丁寧に合わせていく。
リフトはシーズン前半に比べて随分滑らかになった気がする。ステップなどはさすがのベテランの味、しっとりと見せる。
<G2>
三浦璃来/木原龍一 SP:70.85(8)
「ハレルヤ」♪ 水色、濃紺。観客席で鍵山優真、樋口新葉など仲間たちが見守る。静かに微笑みを浮かべて位置につく。3ツイスト、高い トウループで女性が2回転になってしまい しかしスロー3ルッツは完璧、スピンのそろい方と回転の速さは文句ない。ランジから持ち上げるリフトは、下ろすときもゆっくりと膝をついていくのが見せ所。
滑らかなステップ、レベル4が取れたデススパイラル。ミスがあってもこの得点が出せる地力を証明 フリー進出決定。
ミリアム・ツィーグラー/セヴェリン・キーファー(オーストリア) SP:51.96(18)
「All I Want」♪ ブルー、濃紺。3ツイストは縦に近い回転で。3トウで女性がステップアウト、スロー3フリップも女性が片手をついた。男性の膝上に乗るダンスリフトから、そのまま持ち上げるリフトが面白い。
デススパイラルで「男性のピボット姿勢、女性の頭の高さ」などでレベルが最低のBにとどまったのでは、と解説・本田武史さん。
ラウラ・バルケロ/マルコ・ザンドロン(スペイン) SP:63.34(11)
「Dawn of Faith」♪ 白からグレー。高い3ツイストの後、女性が両手で男性の首につかまり、男性が両手を広げてぐるぐる 3サルコウそろって下り、スロー3フリップも決まる。リフトの女性のスプリットポジションがとてもきれい 最後のスピンがちょっと回転が遅くなったかな。
スペイン代表としてペア出場は史上初だそうで、歴史を作った。フリー進出決まって嬉しい悲鳴
イオウリア・チトチェティニナ/マルク・マジャール(ハンガリー)
棄権
<G3>
イェリザヴェータ・ズコヴァ/マルティン・ビダジュ(チェコ) SP:54.64(17)
「Boom Boom」♪ 黒。男性が手を差し伸べ、女性が手を添えて登場。3ツイストまとめ、3トウで男性が転倒。スロー3ルッツで女性がうつ伏せになる転倒 デススパイラルに入るところの男性のポーズがカッコいい。
男性の肩に女性が足を乗せてから持ち上げるリフト、ステップはレベル4獲得していた。
ヘイリー・コプス/エフゲニー・クラスノポルスキ(イスラエル) SP:55.99(15)
「Torn」「Heart Cry」♪ 黒つなぎ、黒。3ツイスト、下ろすのがちょっとぎりぎりだったか。3サルコウはそれぞれ下りる。スロー3ルッツもしっかり決めた。リフトの男性は少し安定感がないような
ステップで男性がバランスを崩す場面が それでも無事に通して、初出場の女性はほっとした顔。フリー進出も決めて
ニコル・デラモニカ/マッテオ・グアリゼ(イタリア) SP:63.58(10)
「Let It Be」♪ 黄色青のつなぎ。それぞれが違う軌道から入る3トウ、ちゃんとタイミングを合わせて決めた 3ツイストまとめ、スロー3ループで惜しい転倒。ホールドする時間の長い、洗練されたステップがベテランらしい。デススパイラル、スピンと安定感がある。
リンクを出るとき、観客席に向かって拍手を求めて盛り上げていた。
ミネルヴァ・ファビエンネ・ハーゼ/ノーラン・シーゲルト(ドイツ) SP:62.37(14)
「You Are The Reason」♪ ワインカラー。団体戦は男性がコロナウイルス陽性で出場できなかったが、個人戦には復活してきた。3ツイストはキャッチが高い位置 3トウは下りてトランジションまでぴったり合う。女性がキャッチフットしたまま入っていくデススパイラルもきれい。
スロー3サルコウでほぼ下りてたのに転倒 ホールドを多めにしっとりとステップ、スピンは多少ずれても最後は合わせた。
<G4>
カーステン・ムア‐タワーズ/マイケル・マリナロ(カナダ) SP:62.51(13)
「Hold on Tight」♪ 濃ピンク、紫。3ツイスト、あまり高さが出ない。3トウがぴたりと合った スロー3ループで、投げた男性と跳んだ女性の両方が転倒 リフトは女性が男性に手を触れない姿勢がダイナミック。スピンをきれいに揃えた。
確か今季限りで引退の意向と聞く。最後のオリンピック、楽しんで
アシュリー・ケイン‐グリブル/ティモシー・ルデュク(アメリカ) SP:74.13(7)
「The White Crow 」♪ 白にブルーストーン、白。とてもスムーズな3ツイスト、ペアでは珍しいサイドバイサイドの3ループを見事に決める スロー3ルッツはフリーレッグをついてしまったが、ミスはそれだけ。
デススパイラルで女性がフリーレッグを軸足に乗せるようにしている姿勢がきれい。ステップがアイスダンス並みに上手い 1歩の伸びがすごい。
会心の演技にめっちゃ喜ぶ本人とアメリカチーム。
彭程(パン・チェン PENG Cheng)/金楊(ジン・ヤン JIN Yang)(中国)
SP:76.10(5)
ベートーヴェン「Piano & I: Moonlight Sonata」「No One」アリシア・キーズ♪ 薄いブルー。会場全体が「加油!」と後押し。片手上げ姿勢の美しい3ツイスト、3トウをきれいに決める。スロー3ループ、大きい! 重なってイーグルのような姿勢からそのまま入るデススパイラル、スピンの回転速くぴったり揃っている。
ステップも本当に洗練されてきた。抱え込むようにする動きから持ち上げるリフト、ダイナミック
4年前の平昌五輪ではフリーに進めなかった組が、見事な演技を見せてトップに立った。
レベッカ・ギラルディ/フィリッポ・アンブロシーニ(イタリア) SP:55.83(16)
「マンボ・イタリアーノ」♪ 赤、黒に赤スカーフ。3ツイスト、ちょっと抱え込むようなキャッチになった。つなぎで女性が転倒、3サルコウも女性が転倒。肩に乗せたダンスリフトからそのままリフトに持っていく。
ステップはマンボ!と踊りまくり、スカートをひらひらさせたり、面白い振付で盛り上げた。
<G5>
アナスタシア・ミーシナ/アレクサンドル・ガリアモフ(ROC) SP:82.76(3)
バレエ「エスメラルダ」♪ ピンク、グレーに赤スカーフ。完璧にウェストでキャッチする3ツイスト、下りて女性のツイズルまできれい。スロー3フリップ余裕で男性のポーズも良い。3サルコウ入りから出までぴったり、男性の足をくぐってそのままデススパイラル。
ステップの途中で止まったままリフトなどは、アイスダンスのようでカッコいい。隙のない演技で通し、最後のポーズも決まった。終わってから手の甲にキス、お姫様と騎士
隋文静(スイ・ウェンジン SUI Wenjing)/韓聰(ハン・ツォン HAN Cong)(中国) SP:84・41(1)
「ミッション・インポッシブル2」♪ 黒、白シャツに黒ジャケ。シングル並みにスピードに乗って、完璧な3トウ スロー3フリップの高さと幅の凄さ 片手上げ3ツイストの高さと美しさも凄すぎる。
リフトの女性のスプリットポジションと、男性の回転の速さ。ステップの切れ、ぐいっと持ち上げてわっと下ろすダンスリフト、こちらはアイスダンス並みにわくわく。
世界最高得点更新
エフゲニア・タラソワ/ヴラジーミル・モロゾフ(ROC) SP:84.25(2)
「Metamorphosis Two」「Experience」♪ ブルー系の濃淡、紫。2人が向かい合うような軌道からの3トウ、きれいに決まる。3ツイストは鮮やかでスムーズ。リフトの姿勢がシンプルでぴしっと見せる。スロー3ループは流れが見事。
女性の頭を支えてから手を取って入るデススパイラル、スピンもそろい、ゆったりと大きな動きのステップは、余分なものをそぎ落とした美しさ。
素敵なプログラム 自己ベスト更新
アレクサンドラ・ボイコワ/ドミトリー・コズロフスキー(ROC) SP:78.59(4)
チャイコフスキー「白鳥の湖」♪ 黒。イーグルからの3サルコウ、きれいに決まった。片手上げ3ツイスト、この組もスムーズで素晴らしい。スロー3フリップは着氷で一瞬片手をついた。持ち上げた瞬間にもう女性のウェストをホールドして女性がノータッチになるリフト、男性の首の後ろから回って前で抱えて下ろすのがおしゃれ。ステップはスピード感があった。
シーズンベスト更新
結果、地元中国の期待を背負う隋/韓がトップに立ち、僅差でタラソワ/モロゾフが2位、3位にミーシナ/ガリアモフ、4位ボイコワ/コズロフスキー。やはり最終グループが上位を占めた。
5位彭/程、6位クニーリム/フレイジャー、7位ケイン‐グリブル/ルデュクとアメリカ勢。三浦璃来/木原龍一が8位、フリーは後半グループとなる。
1組棄権が出て18組の参加だったので、フリーに進めないのは2組だけ。チェコとオーストリアが落ちることになった。
フリーは明日。りくりゅう、頑張れ~~~