フィギュアスケート・第88回全日本選手権(2019)、男子フリー(ジャッジスコア)。
<G1>
渡邊純也 西7 SP:58.21(24) FS:122.17 合計:180.38
「ある愛の詩」♪ 白。ジャッジのすぐ前でのポーズからスタート。3ルッツから入り、3ループ、2アクセル+オイラー+2サルコウなど、多少詰まるところはあっても跳びきる。明るい曲調のところでは恋人と楽しい時間のイメージを見せる伸びやかさも。
山田耕新 西9 SP:62.17(19) FS:111.18 合計:173.35
「ライオン・キング」♪ 黒にゴールド。振付はキャシー・リード。3アクセル、決まった3ルッツ+3トウ、3サルコウ+3トウと順調。後半ややや乱れがあったが、転倒はなし。「決闘を表す」ステップはもう少し勢いがあるといいかも。ラストのコレオは解放感のある華やかさ。
山本恭廉 西12 SP:59.27(22) FS:90.79 合計:150.06
「ロミオとジュリエット」♪ 紺とシルバー。冒頭の3フリップ転倒、ループでも転倒して一瞬演技が止まってしまったが、そこから巻き返す。2アクセル+2トウ、最後はきれいな3サルコウで締めた。
ドラマチックに表現するステップ、イナバウアーやスパイラルのコレオ、フィニッシュはコンビネーションスピンのビールマン。
最初で最後の全日本
本田太一 西6 SP:61.22(20) FS:111.86 合計:173.08
「フォレスト・ガンプ」♪ ブルー系。柔らかなスケーティング、しっとりと見せる。3アクセルはフリーレッグをちょっとついてしまったが着氷。2アクセル+3トウ、3フリップは「いいですね」と解説・無良崇人さんに褒められる。2本目の3フリップが単独になったのが惜しい。ステップは丁寧に見せた。
櫛田一樹 西10 SP:58.66(23) FS:128.72 合計:187.38
「ミッション」♪ 白、パンツは茶系。冒頭の4トウは転倒したが、3アクセル+2トウが決まる。跳ぼうとして跳び上がれなかったのがあったが、何をしようとしてたんだろう 3フリップ、3ルッツ+3トウ、2ループ+オイラー+3サルコウと決めた。
ステップとコレオも表現力豊か、全体の安定感はある。
小田尚輝 西11 SP:61.18(21) 体調不良のため棄権。
<G2>
鈴木潤 東6 SP:63.49(17) FS:125.81 合計:189.30
ビートルズ・メドレー♪ 柄シャツ黒タイ。振付は佐藤有香。冒頭の3アクセルは「途中でほどけた」(解説・無良さん)。しかし2本目は3アクセル+3トウでばっちり。3フリップ、3ルッツ、後半2アクセル+オイラー+3サルコウも決めた。軽快に踊るコレオ、終盤の気持ちが伝わってくるステップの後に大きなイーグルで、競技生活に別れを告げた。
日野龍樹 西4 SP:62.47(18) FS:140.26 合計:202.73
「カルメン組曲」♪ 赤の闘牛士服。3ルッツ+オイラー+3サルコウ、3ルッツ+3トウ、3アクセル+2トウと次々決めてきた。しっかりエッジにのって心地よい滑りのコレオ。後半もきれいな3アクセルを決めた。
2アクセル2本を使い4回転を回避したので、構成的にはやや物足りないが、完璧にノーミスで滑り切ったのが素晴らしい。終わって氷に崩れ落ちる、出しきった演技。
吉岡希 J5 SP:64.56(16) FS:116.06 合計:180.62
映画「ローレライ」より♪ 黒にゴールドの飾り。冒頭の4トウ、手をついたが着氷。3アクセル+3トウはやや傾いたが上手く下りる。2本目の3アクセルも2トウをつけた。ルッツが1回転になったのが唯一のミス。
つなぎの所作はぎこちなさがあるが、ステップは意外とちゃんとエッジに乗れていていいスケーティングをしている。ジュニアではないコレオシークエンスは、ちょっと減点されてしまった
山隈太一郎 東1 SP:64.88(15) FS:129.13 合計:194.01
「ポルナレフ・ラプソディー」♪ 水色。小鳥の声に耳を傾ける仕草からスタート。3サルコウ入り、3アクセルでやや傾いたがこらえて2トウにつなげる。多少つまってもしっかりジャンプを下りてきた。
ロマンチックな曲で、大きく表現しながらのステップは盛り上がる。全体にオーソドックスで魅力あるプログラム。
山本草太 西2 SP:68.16(13) FS:152.33 合計:220.49
「In This Shirt」♪ グレーVネック。冒頭の4サルコウはステップアウト、4トウで痛そうな転倒。しかし3アクセルでやや前傾したが上手く2トウをつけ、3ルッツ+3トウをきれいに決める。2本目の3アクセルも鮮やか、3ループ+オイラー+3サルコウも決まる。
ジュニア時代よりはるかに成熟した表現力をステップで見せてくれる。世界に出したいプログラム。
高橋大輔 SP:65.93(14) FS:138.36 合計:204.31
「Pale Green Ghosts」♪ 黒系。ステップの一部のような3フリップから。3アクセル+2トウ、少しステップアウト。見事なステップ、2本目の3アクセルは少し着氷で乱れた。足を上げてからの3ループ、最後のジャンプ3フリップは転倒した。
振付から細かい所作から、彼の世界を存分に表現する。最後の瞬間まで高橋大輔であり続けた。
キス&クライで長光コーチに花束を贈呈 これでシングルを卒業する。。。
<G3>
中村優 西5 SP:74.39(10) FS:119.00 合計:193.39
「ロクサーヌのタンゴ」♪ ジェフリー・バトル振付。振付は阿部奈々美。黒に赤いバラの飾り。4サルコウに挑んで転倒、3アクセル+2トウ頑張る。3フリップ入るが、アクセルが1回転に、さらにルッツも1回転に 3ループ+オイラー+3サルコウはスムーズだった。
「ロクサーヌ」の激しい感情があまり出てきてない感じで、、、本人はぜひ滑りたいプログラムだったようだが コーチは濱田さん。
須本光希 西3 SP:72.81(12) FS:147.47 合計:220.28
映画「イル・ポスティーノ」より「ミ・マンケライ」♪ 白からライトブルー。冒頭の3アクセルは少しこらえた着氷になったが、3フリップ、3ルッツ、3ループ、どれも軽やか。後半2アクセル+3トウ、3フリップ+3トウ、最後の要素に2アクセル+3トウとミスなし。
スピンの中での指先の動き、つなぎの所作も柔らかい。ステップの動きがボーカルとぴったり合っていた。雄大なイーグルのコレオ、この曲はこんな風に滑ってほしい、それを体現してくれた
友野一希 西1 SP:73.06(11) FS:171.63 合計:244.69
「ムーラン・ルージュ」♪ 振付はミーシャ・ジー♪ 赤と黒。4トウ+3トウ、決まった 4サルコウも入った 3アクセル+3トウも決める。これぞタンゴというステップ、活き活きと力強く目が離せない。ループは2回転になったが、2本目の3アクセルも完璧。スピンも今日はかなり安定していた。激情のコレオでフィニッシュ。
終わって思わず嬉し涙 キス&クライのミーシャ・ジーは笑顔。
本田ルーカス剛史 J3 SP:75.72(9) FS:134.24 合計:209.96
映画「007シリーズより」♪ 振付はキャシー・リード。白シャツ黒ベスト黒タイ。銃を構えるポーズからスタート。3アクセルはやや前傾姿勢で着氷。2本目は乱れてコンビネーションにできず。ループが2回転になって大丈夫かなと思ったが、3フリップ+2トウ、3ルッツ+3トウと決まるジャンプは大きさがあっていい。
コレオではバレエジャンプやイーグルを見せる。全体にオーソドックスな感じが好感。コーチは田村岳斗。
木科雄登 J6 SP:77.15(8) FS:121.62 合計:198.77
映画「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」より♪ 振付はトム・ディクソン。黒に赤の縁取り。3アクセル+2トウを下りたが2本目の3アクセルで転倒。3ループ+3トウをきめたが3ルッツでまた転倒。後半もフリップが2回転になったが、最後の3ループは頑張った。
ステップはきびきび動けていたが、全体に盛り上がりきれず。。。コーチは田村&濱田。
鍵山優真 J1 SP:77.41(7) FS:180.58 合計:257.99
映画「タッカー」より♪ 振付は佐藤操。白シャツ赤サスペンダー。最初の振付から「僕を見て!」という感じで惹きつける。4トウ+2トウ、見事 3ループは下りてくるくるっとしたが、オーバーターンというほどではない。2本目の4トウ、決まる。SPでミスした3アクセルは+オイラー+3サルコウで。
一歩がよく伸びるステップはグルーブ感がある。3フリップ+3トウ、3ルッツと問題なく、最後のジャンプに3アクセル 決まった
楽し気にリンクいっぱいに展開するコレオ、回転の速いスピンでフィニッシュするとガッツポーズ 自己ベスト!
<G4>
島田高志郎 SP:80.59(5) FS:131.65 合計:212.24
「アーティスト」♪ 振付はステファン・ランビエール。ピンクのシャツ。冒頭の4トウで転倒、3アクセル+2トウを決める。フリップが2回転になり、アクセルが途中でほどける2回転になってしまい、、、3ルッツ+3トウ決まったが2本目の3ルッツで転倒
軽快なステップ、ダイナミックな連続回転を見せるコレオは良かったんだけど、点が取れない、、、
キス&クライにはステファン・ランビエール。
佐藤洸彬 東2 SP:78.84(6) FS:136.39 合計:215.23
「交響曲第5番『革命』」♪ 振付は佐藤操。赤から紫。冒頭の4トウ+3トウ、決まった 3アクセルも膝を深く折って下りる。2本目の4トウ予定が2回転に。勇壮な曲をしっかり表現するステップ、3アクセル+2トウも決まった。
ルッツが2回転になり、最後の3ループで転倒したが、ほぼシームレスな力強いプログラムだった。競技人生の締めくくり
田中刑事 SP:80.90(4) FS:171.54 合計:252.44
映画「シャーロック・ホームズ」より♪ 振付は宮本賢二。白シャツ紺ベスト。4サルコウ、決まった 4トウ+2トウ、これも決まった 3アクセルは少しこらえて着氷。主にイーグルのコレオ。2本目の4トウは3回転になってしまったが、3アクセル+オイラー+3サルコウなど他はミスなし。
終盤のステップはダイナミックだった。
佐藤駿 J2 SP:82.68(3) FS:163.82 合計:246.50
「ロミオとジュリエット」♪ ベージュシャツに紺系ベスト。冒頭の4ルッツは惜しい転倒。しかし4トウ+2トウ、4トウと怒涛のジャンプ 3アクセル+3トウ、単独3アクセルと揺るぎない。3ルッツ+オイラー+3サルコウも余裕。冒頭の転倒以外は一切ミスなし。
終盤のコレオ、丁寧にじっくりと見せてくれた。つなぎの中でもいい表情だった。
終わって両手でガッツポーズ
宇野昌磨 SP:105.71(2) FS:184.86 合計:290.57
「Dancing On My Own」♪ 振付はデヴィッド・ウィルソン♪ ブルーでところどこと穴あき。穏やかな表情で滑り出し、4フリップをやや前傾姿勢で下りる。4トウも少しこらえたが着氷。3アクセルは回りすぎそうになったのを抑えた。4トウ+2トウが鮮やか。
2本目の3アクセルはコンビにするのが難しそうだったが、オイラー+1フリップで頑張る。クリムキンイーグルのコレオ、最後まで楽しんで滑っているのがわかった。
ランビエールコーチが笑顔で迎える。
羽生結弦 SP:110.72(1) FS:172.05 合計:282.77
「Origin」♪ 振付はシェイ=リーン・ボーン。紫にゴールド。冒頭の4ループ、ステップアウト。4サルコウは頑張る。ルッツが変な2回転になり、4トウはステップアウト。
3アクセル+3トウは決めたが、2本目の3アクセルでまさかの転倒 一体どうした…
柔らかな表現のステップ、ダイナミックなイナバウアーとハイドロのコレオ。最後の2つのスピンで根性を見せた。
ブライアン・オーサー、ジスラン・ブリアンと2人のコーチが迎える。
結果、宇野昌磨が4連覇達成。羽生に勝っての優勝 2位羽生、3位鍵山優真はジュニアからの表彰台。4位田中刑事、5位佐藤駿、6位友野一希、7位山本草太、8位須本光希。今季最後の佐藤洸彬が9位、島田高志郎が10位。高橋大輔は12位となった。
羽生が宇野に負けたのは、おそらく初めてだと思う。こんなこともあるんだ、、、
ちなみに技術点のトップは鍵山の99.10だった。90点越えは他に宇野と佐藤駿。
世界選手権、四大陸選手権の代表選考がどうなるか。鍵山優真をシニアの大会にも派遣するか(ミニマムテクニカルスコアは持っている)。フジテレビのInstagramで発表を22時頃からライブ配信するそうなので、要チェック