フィギュアスケート・第88回全日本選手権(2019)、男子ショートプログラム(ジャッジスコア)。
<G1>
渡邊純也 西7 SP:58.21(24)
「トスカ」♪ 白ブラウス黄色ベスト。振付は吉野晃平。今季限りで引退予定。3サルコウ少し乱れ、3ループ+2トウを下りる。イーグルから2アクセルを跳び、着氷で傾いたがこらえた。各姿勢を丁寧に表現するスピン。「アイスダンス仕込み」のステップ、、、アイスダンスに戻ってくる
本田ルーカス剛史 J3 SP:75.72(9)
「愛という名の欲望」クイーン♪ 振付はキャシー・リード。光るブルー。トリプルアクセル、3ループ、3ルッツ+3トウとジャンプがみんなスムーズ。ノリはいいがどこか品がある振付、軽やかにこなして、手拍子にのってステップ。スピンはY字姿勢も見せた。
最後は鼻血出ちゃった
櫛田一樹 西10 SP:58.66(23)
「ハヌマン」♪ 赤。きれいな3アクセルから入り、3ルッツ+3トウも幅がある。3ループは着氷が少し詰まった。ステップの途中で膝を手をついてしまい コンビネーションスピンの途中でバランスを崩してしまった。
コーチは長光歌子さん、林祐輔さん。
佐藤駿 J2 SP:82.68(3)
映画「ロシュフォールの恋人たち」より「キャラバンの到着」♪ 振付は佐藤操。白シャツ。滑り出しからしっかり細かい動きでアピール。横からくるくるっと回す3アクセル、高い 3ルッツ+3トウまとめ、後半に4トウを鮮やかに決めた
スピンの回転が速く、JGP解説のテッドさんなら"well-centered"と褒めてくれそうな安定感。ステップも生き生きと一歩がよく伸びて、全体の表現力が一気に上がっている。
高得点にも普通の顔
本田太一 西6 SP:61.22(20)
「I Put A Spell On You」♪ グリーンから黒。ジェフリー・バトル振付。3アクセル、ちょっとステップアウト気味。3トウ+3トウはきれいに入った。
佐藤駿の直後だと、スケーティングのスピード感が違うのが目立ってしまうような キス&クライには長光歌子さん。アルトゥニアンさんは来ていないので、国内では長光さんなのか。
國方勇樹 東4 SP:46.36(29)
「RISE」♪ 黒半袖。ブライアン・ジュベールに憧れて選んだ曲だとか。ターンから2アクセルを決めたが、2回転になったルッツに3トウをつけようとして転倒。ループが1回転になって無効となってしまった。
魅力的な振付が随所にあって、ステップもなかなか良かったんだけど。
<G2>
山本恭廉 西12 SP:59.27(22)
「ロクサーヌのタンゴ」♪ 黒にストーンたくさん。冒頭から世界観を前面に押し出した強い動作の振付、特に手先や腕の動きに表情がこもる。最初の要素に力強いステップ、3フリップ、3サルコウ+2トウ、後半イナバウアーから2アクセル。
スピンでもしっかり表現して、きりっとした表情でフィニッシュ。印象に残る。
山田耕新 西9 SP:62.17(19)
「Working Day And Night」マイケル・ジャクソン🎵 黒シャツにシルバーのタイ。振付はキャシー・リード。社会人スケーターに相応しい曲のタイトル
3アクセル、なんとか耐えた。3トウ+3トウ、後半3ルッツと頑張る。MJの雰囲気を十分に伝える軽快な振付も生き生きと、ステップは観客と一体に。キャメルスピンはやや不安定だったか。
笑顔のフィニッシュ、やっぱりいい
中村優 西5 SP:74.39(10)
「My Way」フランク・シナトラ🎵 ブルーのシャツ。振付はジェフリー・バトル。静かにエッジにのってスムーズに滑り出し、きれいな3アクセルを決める。3ループ+3トウ、3ルッツと下りた。柔らかな、ゆったりした大きな滑りが気持ちいい。ステップでじっくりと盛り上げていった。
鈴木潤 東6 SP:63.49(17)
「練習曲 ホ長調 Op.10-3」♪ 白ブラウス。振付には本人も参加。3アクセル、惜しい転倒 3フリップは単独に、後半3トウ+3トウをなんとか下りた。スピンでレベル4をそろえ、ステップもレベル3が取れた。
今季限りで引退、卒業して北海道を離れる。惜別の想いを「別れの曲」(ショパン)に込めているのが、静かに伝わってくる。
小田尚輝 西11 SP:61.18(21)
「アストゥリアス」♪ 深緑。この選手も今季で引退予定。高さのある3アクセル、3トウの後は2トウに。回転の速いシットスピン、曲調が変わるところでポンと決まった3サルコウがカッコいい。ステップも悪くなかった。
時國隼輔 西13 SP:53.59(27)
「マラゲーニャ」♪ ワインカラーシャツに黒ベスト。振付は木原万莉子。この選手も今季が最後。3フリップ+2トウ、ターンから2アクセル、後半3ルッツと全部下りた。大きく表現しようという意欲が全身から感じられた。
<G3>
石塚玲雄 東5 SP:52.41(28)
「ロシュフォールの恋人たち」♪ グレーシャツに紺ジャケット。アクセルの2回転は予定どおり。3トウ+3トウはなんとか、フリップが崩れてしまった。
吉岡希 J5 SP:64.56(16)
「アート・オン・アイス」♪ ブルー系。4トウ、片手をついたが下りる。3アクセルは余裕で。3トウ+3トウも決まる。スピンの回転はあまり速くないような 動きは直線的だけど、なかなか頑張っていた。
中野紘輔 西8 SP:56.92(25)
「Let Me Love You」♪ 黒。今季が最後の選手。3ルッツの後は2トウに、3ループ下りる。後半のアクセルは2回転。気持ちがこもっているのはよくわかった。
鍵山優真 J1 SP:77.41(7)
「ピアノ協奏曲『宿命』第一楽章」♪ ブルー系。クラシックらしいオーソドックスな表現を丁寧にしながら滑り出す。アクセルがパンク しかし挫けず4トウを鮮やかに決めた 後半3ルッツ+3トウもきれい。チェックの瞬間に手をふわっと回すのもいい。
キャメルスピンのきっちりした姿勢、音と合わせていく所作、ステップもレベル3が取れた。返す返すも惜しいアクセル
木科雄登 J6 SP:77.15(8)
「アメクサ」♪ 黒にストーンで模様。振付はキャシー・リード。3アクセル、着氷でやや傾いたが大丈夫。3ルッツきれいに下りた。後半3ループ+3トウも決まる。
フラメンコ系の曲で、力強い所作がはまっていた。次第に盛り上がって手拍子が起こる。ほぼノーミスで終わって両手でガッツポーズ
壷井達也 J4
「踊るリッツの夜」♪ ライトブルーのシャツ、ダークグレーのベスト。レフェリーに申し出て棄権の挨拶、、、残念 足首を痛めていたそうで、リンクサイドではコーチたちに両側から抱えられて歩いていた。。。
<G4>
宇野昌磨 SP:105.71(2)
「グレイト・スピリット」♪ 振付はシェイ=リーン・ボーン。臙脂にブルーのストーン。衣装を変えて、コーチがついて、変わった 4フリップ、4トウ+2トウ、3アクセル、完璧 ジャンプに入るスピードをしっかり保ちながら、完全にコントロールできている。
もうステップに入る前には笑顔を浮かべて、勢いよくきびきびと踊り切ってレベル4。強い昌磨が戻ってきた。
島田高志郎 SP:80.59(5)
「Stay」♪ ブルーグレー。柔らかなボーカルにのって、ふんわりと3アクセルを決める。4トウ、下りた ルッツが2回転になったが、慌てずに3トウをつけられた。
細身の体を伸びやかに使って、音をその指先やステップの一歩で伝える。美しいプログラムを見せてくれた
田中刑事 SP:80.90(4)
「Hip Hip Chin Chin」♪ ゴールド系唐草模様。振付はマッシモ・スカリ。音がパンと出るところでビシッと下りた3アクセル。4サルコウはステップアウト。3ルッツの後が2トウに。
ラテンの激しい振付をきびきびとこなし、スピンのポジションチェンジの素早さでも曲を表現。ジャンプは惜しかったが、やっぱり楽しいプログラム。
佐藤洸彬 東2 SP:78.84(6)
チャップリン・メドレー♪ 黒燕尾服。今季が最後。コミカルでユニークな表現で注目されたジュニアの頃を思い出させる。4トウはステップアウト、3アクセルをきちんと下りた。3ルッツ+3トウも決まる。
成熟したスケートにチャップリンらしいペーソスを漂わせて、活き活きと演じる。この人に相応しいプログラム。
羽生結弦 SP:110.72(1)
「秋によせて」♪ 水色。振付はジェフリー・バトル。4年ぶりの全日本、静かに動き出す。しっかりエッジに乗ってすーっと滑っていく。ツイズルから4サルコウ、少し斜めになったが見事に修正して下りる。4トウ+両手上げ3トウ、下りてツイズルにつなげる。3アクセルは下りてイーグルに。
ピアノの速い音とシンクロするツイズル、心のままに様々な表情を見せるスピン。観客の歓声の中で豊かに表現するステップ、レベル4が取れた。
その得点は当然という顔。今日この場で見られた人が羨ましい
山隈太一郎 東1 SP:64.88(15)
映画「君の名前で僕を呼んで」より♪ 紺に模様。かつて選手だった双子の姉が見つけたという曲で、3アクセルがステップアウト。3ルッツ+3トウ頑張る。3フリップでこらえきれず転倒。
ジャンプは惜しかったが、躍動感のあるステップはなかなか良かった。
<G5>
須本光希 西3 SP:72.81(12)
「The Feeling Begins」♪ 白に赤の模様。振付は阿部奈々美。3アクセルはステップアウト、3フリップ+3トウはきっちり。流れの中でステップの一部のように3ルッツが跳べた。
羽生結弦の大ファンだと「KENJIの部屋」で言ってたが、スピンの中の腕の使い方はかなり似てきた スケーティングのスピード感もよかった。
鎌田英嗣 東3 SP:55.30(26)
「ウェブサイトストーリー」より「Tonight」♪ ピンクのシャツ。最後のシーズン。フリーレッグを持って高く上げてから2アクセル。3ルッツで傾いたが根性で3トウをつけて下りた。
コンビネーションスピンの途中で入れたジャンプの後回転に入れず足をつき、無効になってしまった。そこまで凄く頑張っていたのに・・・
山本草太 西2 SP:68.16(13)
「エデンの東」♪ 振付はパスカーレ・カメレンゴ♪ 白シャツ。ゆったりと滑り出した数歩目、どうした拍子か尻もち すぐ立ち上がって大きなスケーティングから4サルコウ+2トウを下りた しかしトウループが2回転に 後半3アクセルはばっちり。
雄大な曲そのままに、リンクいっぱいに展開するステップ、美しいイーグル。それだけでも見る価値がある。
高橋大輔 SP:65.93(14)
「The Phoenix」♪ シェリル・ムラカミ、ユウコ・カイ、ミーシャ・ジー振付。黒、手首に赤のテープ。激しいリズムに体を投げ出していくようなプログラム、3フリップ+3トウを下りる。3アクセルは「途中で回転がほどけました」と解説・本田武史さん。3ルッツ、下りたと思ったが転倒。
高橋大輔にしか表現できない世界を見せた。ただ、昨年からさらに1年、体は歳をとった。単に1年分ということではなくて、何か階段を一つ下りてしまったような 足首の状態が万全ではないのもあって、体力的には辛かっただろう。
作品として理想を追い求める方向が強いからか、得点を取りにいく戦略ではなかったのだと思う。激しく動くステップはレベル2止まり、スピンもレベル3でVもついてしまった。そこはもう、彼も納得の上だったのだろう。
凄いプログラムの記憶を残していく。「フリー進めますよね」もう一つ、記憶に残るプログラムを期待しよう。
友野一希 西1 SP:73.06(11)
「The Hardest Button To Button」♪ 紺からピンク。フィリップ・ミルズ振付。独特の世界観が一気に弾けるプログラム。4トウ+3トウ頑張った しかしサルコウが2回転に 後半3アクセルは決まった。
全ての動きが曲を表現する振付、見せ場がいっぱい。つくづくジャンプを決めたい。
日野龍樹 西4 SP:62.47(18)
サン=サーンス「交響曲第3番『オルガン付き』」 🎵 紺に白襟。端正な表現がクラシックに合う。3ルッツ+3トウはつまりながら着氷。3アクセル転倒、3ループも乱れた。
ジュニア時代に比べたら本当によくなったけれど、、、ジャンプのレベルが上がらないままなのが厳しい、、、
結果、羽生結弦がトップに立ち、2位宇野、3位佐藤駿。4位田中刑事、5位島田、6位に佐藤洸彬が入ってフリー最終グループとなる。鍵山7位木科8位本田ルーカス剛史9位と、佐藤駿以外のジュニア勢も上位を窺う。
3位争いに加わると期待された友野が11位、須本12位、山本草太13位と出遅れ。高橋大輔は14位。
フリー進出ボーダーは58点だった。
テレビで見ていて、アリーナ(SS)席の最前列に、2つずつの空席が数組見受けられた。どうしても仕事が終わらなかったのか、急に病気になったのか
2枚で購入した場合、購入者と同行者が同時に入場しなければならないので、購入者が到着しない限り同行者も入場できない。転売を防ぐための厳しいチェックだが、せめて競技が始まる直前まで、公式にトレードする仕組みができないかな
明日はペア・フリーと女子フリー
フィギュアスケート・第88回全日本選手権、1日目のチケットは2枚組で当選 ファン仲間も軒並み当選したので、職場の先輩に同行していただいた。先輩は生観戦デビュー 私も今回の会場は初めてで、しかも本人確認を厳重にすると聞いてたので少し緊張して早めに待ち合わせた。
予め顔写真を登録してある電子チケットは本人確認必要なかったので それでも会場時間前から凄い人の列 手荷物検査はバッグとコートの前を開いて見せる。その後は電子チケットに電子スタンプを押してもらってすぐ入れた。
入ると音楽がかかっていて、盛り上げてるのかなと思いきや、男子公式練習の曲かけだった 急いで客席に向かうと、山本草太の「エデンの東」が見られた 練習なのでところどころ抜いてたけど、4回転ジャンプや雄大なイーグル、、、これは試合で生で見たい、、、(現時点でチケットがない)
曲かけは山本草太が最後だったようで、その後の各自練習はちゃんと見ていなかったんだけど、須本光希や友野一希がいたようだ。引き上げるときに並んだところを見ると・・・? 高橋大輔もいた??? もっとよく注意して見ればよかった
プログラムを買いに行ったら、南2階席に行く通路に並ぶ形に。ずーっと通路を奥まで上ってから折り返して下りてきて売り場に行く行列。売り場が一か所なので、こうせざるを得なかったのかな。
売店には花やぬいぐるみ、選手たちの名前をかたどったキーホルダーなどを売っていた。今回は「投げ込み禁止」、プレゼントは受付に預けることになっている。うっかり投げ込んだ人はなく、フラワーガール&ボーイも待機していなかった。進行がスムーズになっていいかも。
席は1階Gブロックの端。ロングサイドのほぼ中央、ジャッジと反対側。全体を見渡しやすく、選手出入口やキス&クライ、スクリーンもよく見えて超ラッキー(ブロックの端なのでトイレに立つのも便利。席順ばかりは運です)
1組だけのペア、けっこう観客が入っていたが、平日の午後4時台とあってさすがに満席とはいかず。転倒2回でちょっと残念だったが、今後には期待が持てる。
選手入場の音楽が(フジテレビ放送なので)「ボレロ」、なんと女子第一滑走の竹野仁奈の曲が「ボレロ」、出来過ぎ 2番の山下真瑚がノーミスで高得点を出し、第4グループが始まるまで抜かれなかった。
川畑和愛「美しく青きドナウ」、音楽と一体になった優雅で力強い演技にうっとり。千葉百音ちゃん、可愛い 大庭雅、大人の色気がカッコいいのにジャンプ失敗が惜しい。
それぞれに懸命な演技をじっくり見ていく楽しさ。手の込んだ衣装を鑑賞するのもまた女子ならでは
第4グループは最初に紀平梨花。3アクセルでステップアウトしたが、他はまとめる。やや疲れが見えたが、やはり別格の強さ。安定したジャンプが戻った永井優香、雄大さが光る。坂本花織もだいぶ勢いが戻ってきた。樋口新葉も彼女らしいスピード感。
第5グループ、パンツスタイルでか細さが際立つ宮原知子、大きなミスなく独特な振付を見事にこなす。今季限りで引退の新田谷凜、ここでノーミスを見せてくれた。本田真凛も回転不足はあったが転倒なく滑り切ってうれし涙、やはり“華”を感じさせる。最終滑走の横井ゆは菜、“黒い十人の女”キャラを演じ分けながらジャンプも頑張った。
スクリーン上の名前の横に出るQマークはフリーに進める印。ボーダーラインは、、、50点だった。あと少しの選手たち、プログラムとして決して悪くなくても、非情な現実。
いい演技に拍手し、時にはスタンディングオーベーション、うるっとしたり、ああ~と残念がったり、堪能した。やっぱり、現地で生観戦は楽しい 後で録画を見直してまた楽しもう