フィギュアスケート・ジュニアグランプリシリーズ2018アルメニア大会で、国際大会で初めて4回転ルッツを成功させた女子選手、アレクサンドラ・トゥルソワ(ロシア)。世界中で注目されている。
国内大会で4回転ルッツを成功させたシェルバコワも、動画が流れたときは驚かれたが、国際大会で先に成功させたのはトゥルソワだった。
それにしても凄い(動画)。ジャンプの高さ、回転の速さが半端ない。3回転は余裕で両手を上げて跳べるし、身体全体がしなやかだ。
ちょっと男子と得点を比べてみると、なんか恐ろしい 今大会フリーでトゥルソワが出した技術点は85.27。これは今季シリーズ全体でどの男子選手よりも高い。男子で一番高得点を出したのは、スロバキア大会のスティーブン・ゴゴレフで82.30。4回転ルッツ、4回転トウループ、トリプルアクセルを着氷してこの点数(ジャッジスコア)
トゥルソワは4回転ルッツ1本以外は3回転までで、ダブルアクセルが2本も入っているのに(ジャッジスコア)。スピン、ステップ全部レベル4の上、ルッツ・ループ3-3でGOE2.19など加点が14点以上。今季のルール改正を最大限生かしている。
実はリトアニア大会フリーのほうが、さらに高得点を出していた。4回転ルッツは回転不足、4回転トウループで転倒、2本目はトウ・トウ4-3で成功(ジャッジスコア)。ルッツが成功とされなかったので、それほど話題にならなかったが、86.26を叩き出していた。もちろん、これを超えているジュニア男子はいない。
さらに、演技構成点もとにかく高い。リトアニアでは61.44、アルメニアでは61.54。女子は係数が1.6なので、男子の係数2.0に直したら、76.92とか。これに近いのはオーストリア大会のカムデン・プルキネン75.16くらい。それでも勝てないのだ。
つまり、トゥルソワが男子の試合に出たら、ショートで81点くらい、フリーで168点くらい出て、トータル240点以上のぶっちぎりで優勝できてしまうことになる・・・
伊藤みどりがトリプルアクセルで注目されていたころ、男子選手たちがこぞって練習を見に来ていたという話だが、トゥルソワを参考にして4回転跳べるようになるかな
今のところ、150㎝と小柄で細いので楽に跳べている部分はあると思う。身長があと10㎝伸びたらどうなるか。体型変化の時期をどう乗り越えるかが、今後の課題になりそう。
衣装はずっとつなぎのパンツスタイル。可愛らしいガーリッシュな雰囲気ではなく、といってボーイッシュな感じでもないせいか、曲はオルタナ系が中心。よく動けているが、少し金属的・機械的な印象になってしまっているのは否めない。
成長して雰囲気が変わってきたときに、どんな表現ができるようになるのか。北京五輪の年に17歳、どんな選手になっているだろう?
選手層が厚すぎて、一度怪我などで離脱すると、トップに戻ってくるのが難しいロシア女子。世界ジュニアでメダルを獲っても、シニアまで生き残れる保証がない。今は「すご~い」と見ているだけだが、20歳過ぎて大人の滑りを見せられるまで、ちゃんと続くといいな
フィギュアスケート・ジュニアグランプリシリーズ2018第7戦、アルメニア大会。中断にめげなかった横井ゆは菜(3位)、スピード感満点の鍵山雄真(2位)、貼っておこう ミスがあっても頑張った荒木菜那(5位)、木科雄登(9位)も
女子フリー(ジャッジスコア)
男子フリー(ジャッジスコア)
横井ゆは菜 126.47(2)
再開直後のステップ、そして見事な3回転ループを決めると大きな拍手。終わってぴょこんとお辞儀。
荒木菜那 102.74(8)
転倒はあったけど、勢いがあった。全日本ジュニアに期待しよう。
鍵山雄真 136.92(1)
終わった瞬間に舌を出したのが可愛かった 表彰式の名前のコールで、「Yuto KISHINA」と言われちゃったような 二人とも「Yu」で始まるから?
木科雄登 108.76(9)
キャシー・リード振付。体の使い方が柔らかく、きれいになっている。こちらも全日本ジュニアで巻き返そう!
東日本・西に本選手権、そこを勝ち抜いて全日本ジュニア、6位以内に入って全日本。誰が世界ジュニアに出られるか? ジュニアグランプリシリーズに派遣がなかったが関東ブロックで高得点を出した佐藤駿など、注目選手は続々。楽しみ