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第3の男

2013年12月23日 14時43分01秒 | スポーツ

 誰を選ぶべきか?
 “予想外の番狂わせ的な結果になったときに、どう考えるか”と書いたら、本当にそうなってしまった、、、
 2013年第82回全日本フィギュアスケート選手権男子が終わって、ソチ五輪代表選びが難しい。優勝の羽生結弦は決定、2位の町田樹は世界ランク・シーズンベストスコア共に日本人上位3人に入っているので、おそらく問題なく選ばれると思われる。
 問題は3人目。世界ランクとシーズンベストスコアでは高橋大輔が日本人上位3人に入っているが、全日本選手権で3位だったのは小塚崇彦。小塚は世界ランクで6番手の17位、シーズンベストスコアでは日本人5番目。どっちを重視すればいいのか?
 (ちなみに、私がランキングorスタンディング?と悩んだシーズンワールドランキングでは、高橋大輔は15位で4番手、小塚崇彦は25位で5番手。2人ともジャパンオープンに出場でGPシリーズ開始前の国際大会に出ていないので、GPシリーズでの成績がそのまま反映された形だ。)
 全日本での得点差はちょうど12点。オーバーターンしても4回転を片足で下りられた小塚崇彦と、両足や回転不足や転倒があった高橋大輔、コンディションや練習密度の差はこのへんに出てきたか。
 長光コーチが「あと1週間あったら」とコメントしているが、万全の体調で臨めなかった悔しさはたまらない。他国なら国内選手権を免除される場合もあるし、高橋大輔ほどの選手なら十分ありうる。それが許されないほど、今の日本男子はレベルが高くなっているのだった。
 mixiでは、「小塚・織田・高橋の3人で選考会をやったら」「3人を四大陸に出場させて、一番よかった選手にしたら」等の意見が飛び交っている。ロシアなどはヨーロッパ選手権の成績まで含めて決定するそうで、同じようなチャンスを与えたいという気持ちはわかる。時間的な余裕があればそれも可能だろうけど、、、あいにく四大陸からソチ五輪までは約1週間しかない
 どうあってもこのタイミングで決定しなければならないのなら、どんな戦略で選ぶか、だ。
 個人として、オリンピックでメダル獲得が期待できそうか。今季のプログラム内容と成功率、演技構成点での国際的な評価を考えると、高橋大輔が少しリードしている?
 コンディションを万全に整えられるか。高橋大輔の右足を完治させる時間はありそう。小塚崇彦も痛みを抱えているが、全日本での内容を見ると状態は悪くないし、疲れをためないようにうまく練習していけば、もっといい演技は期待できると思う。
 経験値としては、高橋大輔は2度、小塚崇彦は1度五輪に出場。2人とも昨年ソチで開催されたGPファイナルに出場して、五輪会場も経験済み。この点はイーブンか。
 ワイドショーでは「団体戦もあるし、チームジャパンの精神的なリーダーとしての役割」に言及する人がいた。「水泳の北島康介選手のような」。高橋大輔は国別対抗戦でキャプテンを務めたこともあるし、今まで日本フィギュア界を引っ張ってきた人でもあるので、そういう部分はたしかにあるかも。
 そこで考えたいのは、団体戦と個人戦に、それぞれどういう作戦で臨むべきか。
 団体戦で「メダルが目標」と日本スケート連盟は考えているようだが、そんなにうまくいくのかしら 
 まずショートプログラム&ダンスで10ヶ国中5位までに入らないとフリーに進めない。1位10ポイント、2位9ポイント・・・10位1ポイントの合計で、ペアとアイスダンスでは最悪1ポイントずつしか獲得できない可能性もある。すると男女シングルでは9ポイントか10ポイントずつ取っておきたい。当然、シーズンベストスコアでトップの選手を投入したい。
 一方、その選手たちは個人戦でも金メダル候補なわけで 個人戦に疲れが残ってしまっては困るから、SPとフリーどちらかだけにしておきたい。しかしポイント計算上、ほかの選手ではフリーでメダルに届きそうにない場合、どうするか。
 選考基準で「シーズンベスト最上位者、SPとフリーが同一選手の場合はフリーは次点の選手」となっているが、「事前に発表しないように」とISUから通達されたので、この基準どおりにはしないと思われる。それでも、ショートの結果が出たらすぐにフリーで滑る選手の名前を提出しないといけないから、実際には五輪開幕前に決めておくことになるだろう。ショートの結果が微妙でも、選手たちのコンディション調整も考えたら、急には替えられそうにない。そして高橋大輔を選んだ場合、団体戦にも出るという負担はかけられないだろう。
 個人戦では戦うのは各個人だが、チーム日本として他国の有力選手たちにプレッシャーをかけて、確実に1人ないし2人にメダルを取らせたいところ。3人がそろってSPでいい得点と順位を確保することで“包囲網”になる。それができる選手がいたほうがいい。
 と考えた時、演技構成点が常に高く、ジャンプにミスがあってもそれなりの点が出せる高橋大輔は、「ミスのない演技をされたらこわい」と思わせる選手。その点では世界選手権銀メダリストといえども、小塚選手はそれほどこわくないかもしれない。高く評価されるスケーティングがあるけど、ジャンプが完璧でなければそこまで高得点は出ないと思われていそうだ。
 チームリーダーとしては、、、長らく高橋・織田につづく“末っ子キャラ”だった“たかちゃん”こと小塚は、もし選ばれれば男子3人の中では最年長になるわけだが、今までそんな立場を見たことがないだけに、少し頼りない気もする。しかし実際のところ、どこまでそんな役割が必要とされるのか
 スケート連盟はどう考えているだろうか。高橋選手の怪我の状態などを詳しく確認したりしているかな。「五輪以外(世界選手権や四大陸)はない」とコメントしている高橋選手、五輪には派遣しないが地元日本開催の世界選手権を引退の花道に、、、とはできないのかな。
 つらつら考えても、どっちがいいかなんて、わからない~~~
 強いて言えば、小塚選手のほうが、全日本3位になったことで意欲を燃やしている感じがする。高橋選手は納得いく演技ができなかったことでがっくりしているようだけど、、、選ばれたらしっかり復活してくれる?
 「誰を選ぶにしても、スケート連盟は理由を説明してほしい」とmixiに書いてる人がいた。同意

 シーズンワールドランキングでは2位と今季好調だった織田信成選手だが、やはり基準は“スタンディング”のほうだったらしく、報道ではすでに選考対象からはずれたとされている。控室で泣きながらコーチや関係者と抱き合っている映像もあって、本人も五輪はないと諦めているようだ。GPファイナルで3位、世界ランク4番手の10位、シーズンベストスコア日本人4番目、全日本選手権4位、全ての条件で“次点”、惜し過ぎる
 けれど織田選手は、四大陸でも世界選手権でも、チャンスを与えられたら笑顔で滑ってくれそうだ。そして昨季のような演技ができないでいる無良崇人には、奮起して来季につなげる演技をどこかで見せてほしい。

コメント
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