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CDの価格その2

2006年01月24日 03時10分16秒 | Weblog
 今、日本のCDはシングルで1000円ちょっと、アルバムで平均3000円というところだろうか。これって高い? 安い?
 私が子供(小中学生)の頃、シングルレコード(ドーナツ盤)はたしか500円だった。アルバム(LP)は2000円くらい?(自分の小遣いで買ったことがないからよく覚えてない^^;) 物価の上昇率からすると、レコード・CDはそれほど上がってない方に入るんじゃないだろうか。それはつまり、昔は高かったということで、LPはもちろんSPも、しょっちゅう買えるものじゃなかった。お年玉やお小遣いを貯めて買うもので、もちろん買うのは自分が本当に好きな歌手のものだけ。友達同士で誕生日プレゼントにお金を出し合って買ってあげる(もらう)こともあったっけ。お金がなければ買えないのは当たり前だけど、好きな曲は手元に置きたい。となると、ラジカセでラジオで放送されたときにカセットに録音したり(=エアチェック。今の子はこんな単語知らないんだろうな)、テレビ放送を録音したり(まだビデオもなかったし)。1本のテープに、いろんなジャンルのいろんな曲がごちゃごちゃ入ってしまって、面倒だった。当然、編集にはダブルラジカセが必須!でした。
 大人になる頃、日本全国でレンタルレコード店というものが出現。買わなくても、とりあえず聴いてみて、気に入ったらカセットに録音しておくこともできるこのシステム、当然絶大な支持を得たが、一方でレコード業界は反発。売り上げ減少を恐れた業界のはたらきかけで、洋楽レコード(ぼちぼちCDが出始めていた)は、発売から1年か2年経たないとレンタルできないことになった。これで洋楽レコードの売り上げが確保されるかと思いきや、結果は意外にも逆だった。制限されなかった邦楽―Jポップが伸び、洋楽のほうが押されてしまった。
 レンタルが盛んになると同時に中古も巷に出回りやすくなる(レンタル落ちが常に出る)。新品を買って、飽きたらor気に入らなかったら売れる店も、今や全国どこにでもある。新品-レンタル-中古と、予算と好みで選べるシステムができたわけだ。
 日本で海賊盤がはびこらずにすんでいたのは、ここまで書いてきたような経緯のおかげだと思う。価格は長期間それほど大きく上がっていないから、「音楽ソフトの価格はこんなもの」というイメージがあるし、買う前にちょっと試しに聴ける。気に入らなかったら売れる、中古でよければ安く買えるという状況は、音楽ソフトに手を伸ばしやすい。今は1曲単位で購入できる配信も加わって、ますます便利になっている。
 逆に海賊盤が出回る地域(特に大陸)は、そもそも新品の流通もなかなか行き届かず、レンタルの制度もなく、ちゃんとした中古も出回らない。使い捨てに近い感覚もあるかも。さらに、正規のカセットが10~15元で売っているのに、同じ曲を収録したCDが60~80元という価格差が受け入れられにくい。香港でいくらかマシになったのは、厳しく取り締まった結果もあるが、中古屋がある程度がんばっているのと、配信で手軽に買えるようになったのが大きいと思う。(レンタルは制度としては無理みたいで^^; 1軒だけ私が時々利用していた店があるが、客が返却しなくても店が損しないように、買うより少し高いデポジットを払い、返却時にレンタル料を引いて返すというシステム。)
 そうはいっても、簡単にダウンロードできるようになってしまって、新品にしろ中古にしろ、ちゃんと買うのはバカらしいと考える人が増えているようだ。そうなると、「音楽ソフトはこのくらい」という価格の感覚が崩れてしまい、高くなかったはずの価格が不当に高いように感じられるようになってしまう。それが海賊盤への第一歩なんじゃ。。。
 日本人相手にアニメの海賊盤DVDを売っていた香港人が逮捕されたニュースを読んで、日本人の価格感覚とモラルが崩れかかっているかも、と心配になってきた。CD制作・販売側も、買いやすい価格設定やお買い得感のある商品を作って、日本で海賊盤がはびこらないようにくいとめてほしい、と思う。
コメント
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