YesAsiaで今US$50買うと$5クーポンがもらえるので、何を買おうか検討中。陳奕迅(イーソン・チャン)、品冠(ビクター・ウォン/ホァン)、方皓玟(カーメイン・フォン)に王[艸/宛]之(イヴァナ・ウォン)で決まりかなと思ったら、私が注目している新人・鄺祖徳(エンリコ・クォン)のデビューアルバムが出るという情報を見つけた。これは聴きたい・・・。
この鄺祖徳、陳秋霞(チェルシー・チャン)の甥にあたるそうだ。陳秋霞も、25年ぶりにカムバックとか出ていた。私は聴いたことないけど、きっと香港人にきけば誰でも知っているような人なのだろう。「叔母さんにはいろいろアドバイスしてもらった」と話していた。(それにしてもEnricoって英語名というか洋名はどこからつけたんだろう? 実はイタリア系入ってたりして^^;)
しかし、まだYesAsiaで発売リストに載らない。王[艸/宛]之も方皓玟もまだプレオーダー扱いだし、品冠は発売済だが発送まで7~14日となっている(台湾ものだから、香港に在庫がないんだろうか)。う~む、じれったい・・・
もう何日か様子をみてからオーダーしよう。
(←イヴァナのジャケ、可愛い!)
蘇永康の新譜がプレオーダーリストに載る日も早く来ますように
<追記>
と思ってたら、鄺祖徳も発売になった。でも発送まで7~14日って、なぜ。。。とりあえずオーダーしておこう
昨年、目だった活躍がなかった安仔が、今年は初めからヒット曲を連発。東亞への移籍は成功だったようだ。昨年台湾で出たドラマ「深情密碼」が好評なのに加え、香港でも話題のドラマ「肥田囍事」主演。いい感じに回っている。
そのヒット曲を収録したアルバム、やはり今年の香港歌壇を語るのに必須の1枚になるかと思って聴いてみた。
いきなり、ストイックな曲調で技巧を駆使する難度のメロディ「大愛」と「任白」。こんな曲が歌いこなせる歌手に、なっちまったよ安仔。見事に歌っているので苦しそうではないけれど、聴いているうちにちょっと息苦しくなりそうな、、、やはり「先生」でほっとする Eric Kwokの「你是我的銀河」も穏やかでいい。どこか黎明と似た雰囲気も出てるような気がするのは気のせいかしらん。クラシック系アレンジは李克勤も最近得意だけど、今年のトレンド? いずれにしても、日本でワールドポップスオーケストラと共演した実力を見せつける。
自然とにじみ出てくる表現力が、キャリアの長さを物語る。これは20代の歌手では出せない。若手が台頭する中で、しっかりと差別化した完成度の高い作品で存在感を示した。。。たいしたもんだ。。。
ついつい、蘇永康と比べたくなってしまう(この二人、大親友だし)。蘇永康にも方大同や藍奕邦やEric Kwokの曲を歌わせたい。どんなふうに歌うだろう・・・また嫉妬

先行オンエアの「餘震」はゴスペルの雰囲気も入ったしっかりバラード。「老了十歳」は蘇徳華のアコギが美しい。それ以外の曲もR&Bあり、ボサノバ風あり、ポップロックあり、とバラエティに富んでいる。ボーカルの細かいところまで神経が行き届いているが、ほどよい遊び感覚があって気持ちよい。
唯一の自作曲「笑忘書」は、「My Way」成長版という感じの詞(作詞:林若寧)で、デビューから今までの歩みを思い出させる。「病況」なんか聴くと、看病しに行ってあげたくなってしまう

倫永亮(アンソニー・ロン)作のデュエット曲「從何唱起」は、いかにも音楽を作る者同士の、エールの交換みたいな感じ。大ベテランと堂々と渡り合って頼もしい。Bonus Trackの「遇見神」はクリスチャンのヒンズらしい歌だが、押しつけがましくなくていい。
自作曲にこだわらず、多くの作曲家・プロデューサーに鍛えられ、年齢も重ね(といってもまだ25歳だけど)、ヒンズのボーカルは花開きつつある。広州で昔からの仲間だけで作っていたら、この成長は見られなかっただろう。
ヒンズとデビュー時期が近く、当時は“中国版周杰倫その1・その2”みたいに括られることが多かった胡彦斌(アンソン・フー)は、逆に全作業を自分で手がけ、元々持っていた音楽性を深める方向に進んでいる。彼も一時は香港でも活動したのだが、今は台湾版CDを出すのみだ。上海から北京に移って、大陸の音楽人として根をおろすアンソンと、香港の水に磨かれて新たな次元に飛び立とうとするヒンズ。この先の二人がどんな道をたどるのか、、、じっくり見ていこう。


拉闊演奏廰を見ると、以前に比べて広東語が安定し、しゃべるのも歌うのも自然になった。マレーシア華人などもそうだが、広東語ができるといっても日常使っているわけではない人は、「これでいいのかな?」とちょっと迷いながら話していたりする。ヒンズのお父さんは北京系だから、家族の会話は北京語が中心だったかもしれない。作詞をするときも北京語だし。
先行オンエア「餘震」もそこそこヒットして、今は「老了十歳」を売出し中。倫永亮とのデュエットも収録されている。MVではボクシングのシーンもあって、少し大人っぽいところを見せようと頑張っている、かな?
すっかり香港の歌手になってしまって、大陸のファンはつまらないと思っているのか、垢抜けてカッコよくなったと思っているのか、ちょっときいてみたい気がする。


すっかりはまってしまった王[艸/宛]之X張敬軒 903 id club 拉闊演奏廳、「DVD発売希望」と書いたとたんに発売予告、、、あらら。カラオケ機能はやっぱりついてるらしい。VCDのほうはトラックごとにインデックスがついてなかったけど(カラオケVCDとしては使い勝手悪い^^;)、DVDではついたかな?
何度も見てるうちに、少しトークが聞き取れてきた。
ヒンズ「903拉闊演奏廳に出た歌手は、そのうち紅館でコンサートするんだよ」
イヴァナ「そんなに早く?」
ヒンズ「すぐだよ~」
とか、
ヒンズ「なんかアイドルみたいだね」(ちょっとニュアンス違うかも)
イヴァナ「“実力派”アイドルね」
とか、
ヒンズ「今日は少し普段と違うこともするよね?」
イヴァナ「そうね、スローな曲のほかに、、、もっとスローな曲とか」
ヒンズ「そんな~」(客席笑)
等々。どうやらゴシップがらみは持ち出してないようだ。
何度も聴くとよくわかるが、このライブはほんとにバンドがいい音出している。馮翰銘のアレンジとピアノは実に洗練されているし、恭碩良のドラムは豊かな音。ベースのRayvaughnは「Blessing」英語版作詞曲をヒンズや常石磊といっしょにした人物と思われる。普段どこで活動している人なのかよくわからないが(以前からヒンズのアルバムに参加しているところを見ると、広州?)、バンドにしっかりフィットしていた。ギターのDannyもいつもにもましていい感じだ。
実際に見に行った人のレポによると、二人がピアノのほかにギターに挑戦する場面もあったとか。ゲストの李克勤が出てきたときは最高に盛り上がったそうで^^; 同じ会社なのだからVCD/DVDにその場面を入れることも可能だったはずだが、あえて入れなかったのは全体の雰囲気を優先したのだろう。ヒンズが王菲の「冷戦」も歌ったらしいが、95年新秀の「高難度曲」という課題で陳奕迅たちが歌わされたのを思い出した。ヒンズがどうこなしたのか、ちょっと聴きたかった。
DVDのトラックリストを見ると、VCDと全く同じ。というわけで、まだVCDを買ってない方は、画質・音質の面からいって、DVDのほうをお勧めする。(そういう私はまた買うのか・・・がうちょあ~)
張敬軒(ヒンズ・チョン)のピアノ弾き語り「My Way」で始まる。王[艸/宛]之(イヴァナ・ウォン)が白いワンピースに大きな花のような白いリボンを髪につけて登場、もう1台のピアノの前に座り、「我真的受傷了」を弾き語る。ヒンズのピアノには枯葉が、イヴァナのピアノには緑の葉が一面にあしらってある。ヒンズは襟とズボンにラインがついた黒いスーツで、前髪の片側だけ長く(付け髪?)している。「過雲雨」「一秒感動」とそれぞれヒット曲を弾きながら歌う。イヴァナが歌うときは、そばに置いてあるチャイムをヒンズが鳴らす。ご挨拶に続いて音楽監督のAlex(The Invisible Man)が参加して、ピアノ3台の共演。Alex Fungが馮翰銘のことだったって、初めて知った~。ヒンズが「[青見]仔」と紹介していた

二人が前へ出てしっとりと林憶蓮(サンディ・ラム)の「日與夜」を歌うと、ちょっといい雰囲気。トークで軽く客を笑わせたところは、日頃のゴシップをネタにしたのかも?(聞き取れない、ぐやじい

Disc2は、黄霑(ジェームス・ウォン)の最後の作詞となった「Blessing(広東版)」から。若い世代へ確かに手渡されたバトンを抱くように、ヒンズの歌に祈りがこもる。続いて「Hurt So Bad」。(この曲が挿入歌だった映画「擁抱毎一刻花火」にヒンズが出てるんだった、早くDVD見なくちゃ^^;)
「手望」のイントロでイヴァナがランタンを掲げながら登場。逝ってしまった恋人の影を捜し求めるような雰囲気だ。ジャケットを脱いでフリルのシャツ姿のヒンズが出てくる。彼の声は彼女に届かず、彼の姿は彼女に見えない、という設定。彼女の背中に向かって彼が歌う。最後に背中を合わせて立つと、じわーっと盛り上がった。この曲をどう演出するのかと思ってたけど、シンプルでうまく観客のイマジネーションをかきたてる方法でよかった。
イヴァナのソロ「原來如此」「小心易砕」でしみじみ聴かせたあと、迷彩柄のジャケットにお着替えして出て来たヒンズが、「このあとは立ってもいいし、立ちたくない人は手拍子してね~」と陳奕迅(イーソン・チャン)の「天使的禮物」を軽やかに歌う。イヴァナもグレーのタンクトップに黒いスカートにお着替えして「想飛」を楽しげに。ヒンズがマイクスタンドを出すとイヴァナが「かっこいい」「皆さん手拍子してね~」と盛り上げ、「不要」の去っていく恋人風にあえて離れてコーラス。「面斥不雅」は夕陽のようなライトにみんなで「fire,fire」とシャウト、ヒンズが女性よりも高い音域のファルセットびんびん。
「私もアップテンポな曲があったのね。これ一応そうよね?」「もうちょっと踊れるのがいいよ」とステップ踏んで見せる。「最後の曲だけど、これが流行った頃はこのくらい小さかったよね」と笑いながら、張學友(ジャッキー・チョン)「非常夏日」のイントロに突入。「立って!」ヒンズが跳ね、イヴァナが手拍子を促す。二人でステージいっぱい動き回り、最後は花束もらうのに忙しかった(笑)
広州にいた頃と比べて格段にボーカルの表現力が豊かになり、人前での見せ方もうまくなったヒンズ。昨年は突っ立って歌ってるだけだったのが、すっかりコケティッシュな魅力をふりまけるようになったイヴァナ。この二人、、、可愛い!可愛いぞ! 音楽的な波長が合うからいっしょにやるのが楽しいのだろう。レコード会社がまとめて売りたがるのも頷ける。
コーラスが女性一人だけで、かえってしっかり声を出して歌ったために、線の細いイヴァナの声に勝ってしまう部分があったのは、ちょっとバランス悪かったかも。カラオケVCDなので、ボーカルはほとんど右から聴こえてくる。歌もバンドもすごくよかったので、これはぜひステレオで聴きたい! カラオケなしのdts版DVD発売を切に希望



見たい、、、と思ったけど見られなかった香港のライブシリーズ・拉闊演奏廰。中でも特に見たかった張敬軒(ヒンズ・チョン)x王[艸/宛]之(イヴァナ・ウォン)が、なんとVCDで発売される! 思わずプレオーダーしてしまった。トラックリストを見ると、「自作自樂」で歌のうまさを披露している馮翰銘が参加している曲がある。張敬軒の「Lovin' you」、王[艸/宛]之の「李香蘭」、どっちもわくわく。お互いに相手をフィーチャーしての持ち歌「孤單公園」「心掛掛」は、どんなからみ方なのか気になる。もちろん、二人で歌う「手望」は必見だ。なにしろ地上と天国でそれぞれ歌ってる設定の詞なので、舞台上どんな演出をしたのか、見たい!
それにしても、ジャケに使う写真はこれでよかったのか・・・? イヴァナがもう少し可愛く見える写真にすればいいのに~、とつっこみつつ発売と到着が待ち遠しい
4月に行われたコンサートのCDが発売された。自分が行けなかった側田「ONE GOOD SHOW」と、行って楽しんできた鄭中基と、両方聴いてみた。
側田のほうは見てないので、報道やジャケ写から察するだけだが、けっこうカッコよく踊ったり、セクシーな女の子のゲストで盛り上がったらしい。側田のことだから歌さえバッチリならいいんじゃないかと思いつつ、聴き始めた。最初の数曲がバラードというのは、あんまり香港のコンサートの定石に従ってはいない。6曲目の「Volar」で初めて“快歌”が出てきたことになる。ここはしっかり踊ってたと思われ、ジャスティン息が切れてる
「二等天使」「大雄」など、ほかの歌手に提供した曲で、楽曲の質の高さを実感。Ted Loのピアノ一台で聴かせた「Lately」は、Tedのピアノでなければ得られないジャジーなグルーブ感がさすが。(Ted Loは側田の実の叔父さんで、「多謝、三叔!」と言ってた。)ゲストの楊千[女華](ミリアム・ヨン)はウェディングドレスのような衣装で出てきて盛り上がったらしい(のちにこの二人がつきあってるという噂が出たあたり、意味深かも?!)。もうひとりのゲストは林海峰(ジャン・ラム)で、曲はしっとりバラードなのに歌詞は「カラオケ大好き、この曲いいよ~」みたいな「流行曲」をいっしょに歌った。バンドメンバー紹介では、自身もフェイクで参加しながらのカッコいいセッション。
全体に、バラードはさすがに上手いのだが、低音のスローな部分の処理がもうひとつうまくいってない感じが惜しい。曲調の似ているものが多いが、歌い分けきれてない。生で聴いてたら感動してうるうるしちゃうかも~と思うほど、いいところはいいのだが、それが長く続かない。
握手&バンド紹介に使った「逢星期四」は應昌佑に提供した曲だが、シャウトが多くなってこの曲本来の美しさが消されてしまった。安定した状態で歌えないのがわかっている握手用の曲に、多少崩れても聴きづらくならない、歌いやすい曲を持ってこられない、、、つまり、持ち歌の数が少ないのである。デビュー後1年もたたないうちのコンサートは、快挙だったがこういう影響が出るわけだ。「Lately」や「月半灣」などの解釈も、もっと切ない感じを出してほしかった。まあ、このへんは好みの問題だが、、、コンポーザーとしての実力は十分なので、今後はもう少しボーカリストとしての引き出しを増やしてほしいと思った。
一方、鄭中基のほうは、蘇永康がゲストで出てくるからVCDだけ買おうと思ってたのだが、コンサートで聴いたとき鄭中基の出来がすごくよかったような気がしてたので、CDでそのへんを確かめようと思って買った。こちらは定石どおり、自身が出演した映画がらみの“快歌”から入り、バラードは“ご挨拶”がすんでから。持ち歌にロック系の曲も多い一方で、初期の台湾時代の曲などはバリバリ中華バラードなので、曲調はバラエティに富んでいる。側田より低音域が広いので、スローな低音部は比較的安心して聴ける。全体に生で聴いたときの印象と大差なく、安定していたのがわかる。
楽曲を楽しめるように聴かせていくという点で、やはりデビュー10年の鄭中基に一日の長があるように思う。側田も鄭中基もよく知らない人が聴いたとき、どちらが楽しめるかといったら、どちらかといえば鄭中基のほうじゃないかな? 鄭中基の曲が元々好きなので、ちょっと贔屓目入ってるけど。
行った人は思い出しながら、行かなかった人は想像しながら楽しむコンサートCD。あなたはどっちがお好き?
初めてネットで声を聴いたとき、「あれ、サンディ(林憶蓮)?」と思った。声も似てるが、とにかく上手い。TVBビデオで見た感じはちょっと地味だが、新人の大豊作だった05年に続いて、今年も有望な新人が出てきた。
新秀歌唱比賽で銀賞を受賞しての歌手デビュー。アルバムタイトル&デビュー曲「感應」は、どこかで聴いたことがあると思ったら、シンガポールの女性歌手・林凡(フレヤ・リン)の「一個人生活」のカバーだそうだ。EEGのサイトのプロフィールで好きな歌手の一人に林凡を挙げている。大ヒットして、私のヒットチャート集計(4月~6月)で堂々4位だった。オリジナルとは違う北京語詞のバージョンもアルバムに収録。北京語もまあまあ安定した発音で一安心
今、ヒットチャートを上がりつつあるのは1曲目の「巴不得」。ドラマチックなアコースティックギターのイントロが印象的で、ちょっと切ない感じが入ったボーカルが合う。音にのせない語りから一気にサビを盛り上げるのが効果的な「魚在水中游」は、英語詞の「Fly to me」ではしっとりと歌っている。
彼女の声は「王菲(フェイ・ウォン)に似てる」と言われているらしいが、私はむしろ王靖[雨/文](シャーリー・ウォン)に似てると思う(笑) 高音の張り方なんか、シャーリーからフェイに変えたばかりの頃にそっくり。一方、細い声を出すと微妙にサンディ^^; 地声とファルセットの使い分けに無理がなくて聴きやすい。
聴いていてどこか懐かしい感じがするのは、初めはフェイやサンディに声が似ているからだと思ったが、どうもそれだけじゃない。歌い方全体に成熟したオーソドックスなものがあって、それが大人の歌手達の雰囲気を思い起こさせるのかもしれない。ときどき入れるフェイクなんか、めちゃくちゃ大人っぽい。
私はついつい“先輩たち”と比べて聴いてしまったが、若い頃の林憶蓮や王菲/王靖[雨/文]をよく知らない今の若い人には、魅力ある歌唱力だろう。譜割りが細かい広東語曲は、細かくブレスを入れようと思えばいくらでも入れられるので、声量が乏しくても歌唱力がイマイチでも歌えてしまう部分があるが、この人は語句のまとまりをしっかり一息で歌っている。それが安心して聴ける要因の一つかもしれない。
最後に、BGMにのせてスキャットをはさみながら、自分のことを語っている。8歳のとき一家でシンガポールに移民、のちに家族が先に香港に戻り、本人は大学を終えてから戻ってきたところで、新秀に参加したようだ。「みんなが私の歌を聴きに来てくれる日を夢見てた」というヴィンシー、あせらずにじっくり進んでいってほしい
と、いつもなら進むところなのだが、、、なんだかジャケ写を見てると、落ち着かない気分になってくる。このジャケのDavidと家の中で目が合ったら、なんか、、、
いいと思った曲やアルバムはCDで買うのを原則としてきた私だが、珍しくネット配信で買いたいような気がしている。といっても、そう簡単に配信で買えるかどうかわからない。歌詞カードのミュージシャンクレジットも見たいし、結局買うだろうなとは思う、ん、だけど、、、
こんな気分は初めて。ジャケ買いならぬジャケ嫌い




発声練習みたいな曲から入るところは、売れる前のゴスペラーズを思い出させる。少しずつ違う声質の4人が、交代でリードをとっていくあたりもゴスに近い(ベース北山がいないだけ?!)。一人で歌わせてもそこそこいけそうなレベルのボーカルが4人揃っていて、誰がリードでも安心して聴ける。
ハモったり、かけあったり、ときにはユニゾンのアレンジが、甘すぎずスタイリッシュ。もっと歌唱力のあるソロ歌手が一人で全部歌ったら、ちょっとクサくなるかもしれないところが、複数で歌うことで引き締まる。ラッパーをフィーチャーしたラップ入りの曲などは、いかにも韓国らしい選曲。Lynという女性ボーカルをフィーチャーした曲もなかなかいい。
聴いていて、「みんなで一緒に歌うって、なんかいいなぁ」という気分になった。POP ASIAを見に行けばよかった、、、後悔先に立たず。
ところでこれは2ndアルバム。新しい3rdアルバムから聴きたかったのだが、2月に出たのにもう品切れ。。。売れてるってことなんだろうけど、韓国のCDはちょっとタイミングを逃すと買い損なうので困ってしまう。メーカーが在庫を抱えるのが嫌であまり多くプレスしないのか。早く入荷するといいな~。


たしかにジャズテイストらしいのはTed Loがピアノを弾いている「手・心」(フィーチャーの林一峰が素敵!)と、カバーの「The Girl from Ipanema」くらい。だいたい、先行オンエア「自由像イ尓」が張繼聰の曲では、ジャズとはちょっと違うような^^; だが楽曲自体はどれも悪くない。深白色作曲の「一杯新鮮的愛」はバックはちゃんとしたジャズの生の音で、メロディはわりと普通の中華ポップスというところが案外面白い。張敬軒が編曲とプロデュースを担当した「下不為例」は、デュエットしている李國能の作曲。深みのあるしっかりしたいい声

全体に、細かい所まで神経を行き届かせて、丁寧に作り歌っている感じがして、好感が持てる。圧倒的な歌唱力とか、声だけでうっとりさせるというわけではないが、いろいろな可能性がありそうで、プロデューサーならじっくり育ててみたいと思うかも。ジャンルとしては広東ガールポップということになるんだろうけど、私としては売れてからなんとなくつまらなくなってしまった女性歌手(誰とは言わないが)よりは、今後も聴いてみたい気がする。
なお、ジャケ写は濃い目の化粧でケバそうだが、歌詞カードの写真はもうちょっとナチュラル。名前の表記は胡林となっているところもあるが、CDで胡琳になっているので、今後はこちらで統一するものと思われる。生だとどのくらい歌えるのか、ちょっと聴いてみたい。
LOVE NOTES愛音符 @YesAsia.com
広東語の授業で、芸能関係の話題の中で先生が使った「平均」[ping gwan]という単語の意味が、日本語のいわゆる平均とはちょっと違っていた。広東語では“いろいろなことができる、オールラウンド”という意味があるらしく、芸能人なら“歌えて踊れて演技ができてルックスも良く品行方正”みたいな感じらしい。先生の意見では、「本当に“平均”といえるスターはやっぱり張國榮(レスリー・チャン/チョン)」。なるほど~。劉徳華(アンディ・ラウ)あたりはかなり近いレベルまでいってるかな?
05年の新人の一人、張繼聰(ルイス・チョン)。自分で作詞・作曲、MVではダンスも演技もこなすという点では、広東語の“平均”を目指してる感じだが、そのレベルはまだ日本語の平均かも・・・ お世辞にも歌唱力があるとは言えない。声量はないし、音域も狭い。ヘビロテで聴いたら細かいアラが見えてきてつらくなりそう。。。なのに、なんだか気に入ってしまったのはなんでだろう?
自分で歌いやすいように作っているので、比較的易しいメロディ。カラオケでみんなが歌いそうだ。音を厚くしたら声が負けるから、必然的に音数少なめのシンプルなアレンジ。たぶん、何度も歌ってうまく歌えた部分をつなげてまとめているんだろうけど、全体に丁寧に作っている雰囲気が感じられる。
歌詞は「古著」を除いて全曲自作(「古著」の作詞・火火との共作を含む)。北京語詞も含めてそれなりにちゃんと韻も踏んでるし、ラップに近いような口調だけど“粗口”(スラング)でもない自然な語り口。小さい頃から子役で活躍、役者志望で香港演藝學院で演技を学んでるので、「烏蠅鏡」には俳優の名前をさりげなく入れたりしている。春先にヒットした「K型」はそっとつぶやくようなラブソング。恋敵に逆立ちしても勝てない片思いをウサギと亀の亀にたとえた「烏龜」。今ヒットチャート上昇中の「囉唆」は「ぶつぶつ言う」という意味だが、忘れっぽい恋人のために、パスワードを覚え支払い期日を教えスーパーのスタンプを貯めて世話をやく。香港の男は女の子に尽くすと聞いてたけど、そこまでするか~ 最後は流行の語呂合わせ、「將...繼...衝」[jeung gai chung]は自分の名前とほぼ同じ発音。將…将来/繼…続ける/衝…ぶつかる・立ち向かう→これからもがんばるから応援してね!というファンに捧げる歌になった。
彼を音楽の道に引き入れたプロデューサーは林健華(ジョーンズ・ラム)。POP ASIA No.62のインタビューによると、張繼聰は演藝學院を卒業するころに大失恋をして曲を書き始め、そのころに林健華と出会ったのだそうだ。2年ほど彼について音楽関係のいろいろな仕事を学びながら、ほかの歌手に曲を提供したりして、デビューのチャンスを待っていたらしい。「自作自樂」に収録されたデモを歌ったのもその時期。張繼聰の魅力を引き出した林健華の手腕はなかなかだ。
たぶん、彼の魅力は歌の背景にあるものなんだろう。物語を作って語る力、人物を演じる力。“表演藝術”が大好きと言うルイスの、表現したい欲求がうまく歌にのったとき、人に気持ちにすっと入ってくる歌になる。歌そのものの上手下手の先にある部分が、彼の歌の真髄かもしれない。(とはいっても、多少は上達してよね~)
謝辞を見たら、「05年の新人のみんな、特に同同と[艸/宛]之」なんて書いてある。方大同と王[艸/宛]之、ほかの歌手に提供する曲も、自分で歌う曲も、今香港で確実に人気があるシンガーソングライターたち。同期がいい音楽仲間になったようだ。そういえば「烏蠅鏡」リミックスでフィーチャーしてる謝安(ケイ・ツェ)の名前がない。普通、フィーチャーした人の名前くらい謝辞に出すだろう、、、と思いながら最後まで読んだら、「感激支持我、幇助我、愛我的毎一個、同埋我愛的那一個。」とあった。YesAsiaの紹介には「社内恋愛中(?)」とあったし、、、あ、そういうこと
音楽では自分が主役になれるところが好きというルイス、演技のほうもちょっと見てみたい。歌手がやたらと映画やドラマに出るのがいいのかどうかといつもは思うが、この人には挑戦してみてほしい。自分の歌のMVじゃなく、与えられた役で存在感が出せる役者になれたら、本当に“平均”になれる日がくるかも。
張繼聰 @YesAsia.com
「概念CD」というカテゴリーが香港にはあるらしい。何か特別なアイディアやコンセプトでまとめたCDアルバムのことを言う。たとえば、曲のタイトル全部に数字が入ってるとか、同じテーマの詞でそろえたとか、全体で一つのストーリーを作ってる、など。梁漢文(エドモンド・リョン)「No.10」は、曲のタイトルに0から9までの数字が順番に入っている、典型的な例だ。これといって特にテーマやコンセプトを決めずに作ることが多い(らしい)香港で、“概念CD”だとちょっと注目される。
この「Perfect Match」は全曲を一人の作詞家・林夕と一人の作曲家・伍樂城が手がけ、すべてデュエットという面白い試み。デュエットの組み合わせ方も普通の男女は2曲だけで、男同士・女同士・大人と子供と、これまたややこしい^^;
まずは女同士の汪明荃(リサ・ウォン)と陳慧琳(ケリー・チャン)が歌う「自由女神」がチャートイン。パリのカフェらしきフランス語の会話がイントロに聞こえる。“男なんて当てにならない、一人で生きるわ”という自立する女の歌だ。続いてヒット中なのが孫耀威(エリック・ソン)と車婉婉(ステファニー・チェ)の「再見亦是戀人」。“再見亦是~”というのは、もともと91年のヒット曲「再見亦是朋友」(別れても友達)から出た決まり文句で、「再見亦是老婆」(別れても奥さん)なんてタイトルのドラマもあったっけ。これは「別れても恋人」というか、好きな人らしい。中文大学卒の秀才・孫耀威は久しぶりの新曲だが、こんなに歌える人だったか~。若い頃は酒井法子とデュエットなんかして、けっこうアイドルだったんだけど^^; 車婉婉は、なんだかデュエットを歌うとヒットする人で、3年くらい前は許志安(アンディ・ホイ)と歌った「會過去的」がヒットしてた。カラオケで歌うには厳しそうな、難度の高い曲だ。
香港ロック界を引っ張ってきたBEYONDの黄貫中(ポール・ウォン)と太極の建明(ジョーイ・タン)、雷有輝(パトリック・ロイ)の3人が、力強く「只談風月」を歌う。映画のタイトルから取ったらしい「九週半」はクールなボサ。胡蓓蔚(ペイズリー・フー/ウー)のリードに劉浩龍(ウィルフレッド・ラウ)が少し背伸びしてついていっている(もう少し余裕が出るといいんだけど^^;) 大物同士の組合せで注目の張學友(ジャッキー・チョン)と陳奕迅(イーソン・チャン)、二人ともなんだかリラックスムード。許志安(アンディ・ホイ)と健泓(パトリック・タン)は渋い~。
陳小春は、可愛らしい女の子(写真からすると、7歳くらい?)・Marie Haddad(夏曉晴)と。子供と歌うのは難しいと思うが、案外楽しそうに歌っている。面白いのは林苑(ジア・リン)が北京語で、郭芯其(ラミー・クオ)が広東語で歌う「交換生」。こういう作詞がさらっとできちゃう林夕って、すごいかも・・・。
このCDには、伍樂城が設立した伯樂音樂學院も参加。音楽教育があまり盛んでない(学校では正課ではないと聞いた)香港で、音楽愛好者のレベルアップに役立つ学校になってほしい。
Perfect Match 林夕・伍樂城 @YesAsia.com
まだコンサートの余韻に浸っている私。あらためて鄭中基(ロナルド・チェン)という歌手を見直しつつ、この新曲+精選3枚組を聴いている。あえて時系列に曲を並べていない。にもかかわらず、「これはデビュー間もないころの曲」「これは例の事件前後の曲」「これは最近」とすぐわかってしまう^^; それは私が特別なファンだからではなくて、彼の歩みが曲調や歌い方に表れてるからだろう。
香港在住の友人が「鄭中基の曲って、『無頼』以外はよく知らない」と言ってたが、無理ないと思う。私もコンサートの間「この曲って何だったっけ」と思いながら聴いていた。大ヒットが少ないので、曲と曲名が一致しない^^; けれどもCDで聴くと、佳作といえる曲がたくさんあることがわかる。
Disc1とDisc2は広東語、Disc3は北京語曲を収録。1と2には去年の「Before After」から8曲も入れている。「無頼」以外にもいい曲が多くて、本人も気に入ってるんだろう。平井堅「瞳を閉じて」のカバーもその一つ。今や喜劇映画主演俳優でもあるので、映画の主題歌も多い。ビージーズ風の「Beautiful People」(「我要做Model」主題歌)なんかは笑えるが、ファルセットで歌いきってるのは偉い。香港のCMでよくある若手歌手数人共演の曲「火紅火熱」も、もしかして当時の彼女?の楊千[女華](ミリアム・ヨン)・何韻詩(デニス・ホー)・梁漢文(エドモンド・リョン)とカッコよく歌っている。自作曲も多いが、胡彦斌(アンソン・フー)、彭海桐(ウク・パン)、陶(デビッド・タオ)など意外な人の曲もある。LMFのDavyの曲は、だら~んとした感じが面白いラップ「基哥、基哥」。バンドサウンド系の曲は、ちょっと陳奕迅(イーソン・チャン)っぽいかも。
Disc3の北京語曲は、正統派台湾バラードが多い。特にデビュー当時の曲は声が伸びやかで美しい。ちょっと張學友(ジャッキー・チョン)めざしてる?感じ。プロデューサーも歐丁玉だから、そういうつもりで育ててたのかもしれない。が、なまじ似ていたのでかえって飽きられたのでは・・・。意外というべきか納得というべきか、北京語アルバムは02年の新曲+精選「Encore」を最後に出ていない。
コンサートレポに書いたように、頑張っても張學友になれないとわかったとき、自分のスタイルの模索が始まり、自分のスタイルが見つかったとき、代表曲と呼べる曲が生まれたのだろう。豊かな声にまかせてガンガン歌っていた時期、バンド系でわざとつぶして歌っていた時期を過ぎて、説得力のある静かな歌い方に落ち着いた。やや母音が狭いが、入声がクリアで、~nと~ng、長母音と短母音の区別がわかりやすい広東語の発音。北京語もネイティブでないのは明白だが、そのままピンインに起こせそうな安定した発音だ。
歌詞を見ると、工夫は凝らしてあるがわかりやすい。設定やシチュエーションが不明ということはなく、ストーリーやシーンがちゃんと見える。歌詞の制作に本人がどの程度関与しているかわからないが、これも彼の音楽性の一部という気がする。
私が彼を初めて見たのはNHKBS「アジアLive」で、「相思無用」を歌ってた。その後帰国したので、97年の広東語デビューの時はどの曲がどのくらい売れたのかよく知らなかったが、「搬屋」という曲が好きだった。調べてみたら、北京語2ndアルバム「別愛我」(96年)に北京語版「除非イ尓要我」と共に収録されていた。おそらく、一番最初に録音した広東語曲なんだろう。コンサートでこの曲を歌った時、一瞬目頭を押さえていた。
ひとつの集大成となった3枚組だが、私としては譚永麟(アラン・タム)トリビュート「誰可改變」収録の「最愛的イ尓」を入れてほしかった。スイングジャズのアレンジで、すっごくいい感じに歌ってるのだ。・・・次回作はジャズ系なんか、やってみない?
正宗K @YesAsia.com