語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【食】口当たりがよいタイプほど増える添加物 ~豆乳~

2015年04月26日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)豆乳は、牛乳に似た栄養価を持つため、昔から牛乳や母乳の代用品として用いられてきた。広く普及するようになったのは、豆乳の脱臭法が確立された1970年代だ。加熱やフレーバー添加によって豆乳臭が緩和されたのだ。今では栄養価の高いヘルシーな健康飲料として、年間に一人当たり2リットルが消費される。

 (2)豆乳は、大豆固形成分(製造された製品から水分を除いた残りの部分)の量によって3種類に区分される。
   (a)豆乳・・・・大豆固形成分8%以上。丸大豆から従来の方法で製造されたもの。
   (b)調製豆乳・・・・大豆固形成分6%以上。豆乳液(脱脂大豆から調整したものも含む)に植物油(大豆油etc.)や調味料(砂糖類、食塩etc.)を加え、製造されたもの。
   (c)豆乳飲料
     ①果汁入り・・・・大豆固形成分2%以上。
     ②その他・・・・豆乳液にコーヒー、ココア、果実、野菜の絞り汁、乳、乳製品etc.を加え、製造されたもの。

 (3)(2)-(a)の原料は大豆のみ。
 (2)-(b)から(2)-(c)へと、飲みやすく、口当たりがよくなるにつれ、原材料に食品名と添加物が増えてくる。
 調製豆乳((2)-(b))と豆乳飲料((2)-(c))の添加物は、
   (a)乳酸カルシウム・・・・カルシウム補給のためにと銘打つ清涼飲料水などに含まれる添加物。成人では問題ないとされるが、未熟児で中毒、急性出血性赤血球減少が報告されている。
   (b)香料・pH調整剤・乳化剤・・・・一括名表示が認められている添加物。つまり、消費者には、どんな物質が何種類使われているか分からない。
   (c)甘味料・増粘安定剤(使用目的によって区分される→増粘剤・安定剤・ゲル化剤)・酸化防止剤・・・・「用途(物質名)」で表示される添加物。豆乳飲料で増粘多糖剤が安定剤として使われる。その増粘多糖剤は、食品に粘稠性を与えるために使われる水溶性の多糖類で、種類が多く、種類によっては安全性が危惧される。
     <例1>紅藻類から抽出されるカラギナン・・・・発癌促進性や胃潰瘍を引き起こす、との指摘がある。
     <例2>コーンやジャガイモの澱粉(スターチ)・・・・遺伝子組み換え作物の可能性が高く、アルギン酸ナトリウムは動物実験で心臓や肝臓などに障害が発生した、との報告がある。
   (d)甘味料に使用されているアセスルファムK・・・・蔗糖の200倍の甘みを持つ物質。清涼感があるので炭酸飲料などに使用されているが、動物実験では発癌性が報告されている。

 (4)豆乳は、口当たりがよくなるにつれて増えていく食品添加物によって、今や大豆の栄養からはほど遠い人工飲料へ変身してしまった。

□沢木みずほ「栄養価満点の「豆乳」だって加工品は添加物から逃れられない」(「週刊金曜日」2015年4月17日号)
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