語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【詩歌】木下杢太郎「金粉酒」 ~五月~

2015年05月23日 | 詩歌
 Eau-de-vie de Dantzick (オオ ド ヰイ ド ダンチック)
 黄金(こがね)浮く酒、
 おお五月(ごぐわつ)、五月、小酒盞(リケエルグラス)、
 わが酒舗(バア)の彩色玻璃(ステエンドグラス)、
 街にふる雨の紫。

 をんなよ、酒舗(バア)の女、
 そなたはもうセルを着たのか、
 その薄い藍の縞を?
 まつ白な牡丹の花、
 触(さ)はるな、粉が散る、匂ひが散るぞ。

 おお五月、五月、そなたの声は
 あまい桐の花の下の竪笛(フリウト)の音色(ねいろ)、
 若い黒猫の毛のやはらかさ、
 おれの心を熔(と)かす日本(につぽん)の三味線。

 Eau-de-vie de Dantzick(オオ ド ヰイ ド ダンチック)
 五月だもの、五月だもの--

 *

 金粉酒・・・・リキュールに金粉を混ぜたもの。リキュールは、アルコールに砂糖・植物性香料などを混ぜた酒。
 Eau (オオ)- de ( ド ) - vie ( ヰイ ) de ( ド ) Dantzick ( ダンチツク ) .・・・・金粉酒の名。
 小酒盞・・・・リキュールの入ったグラス。
 彩色玻璃・・・・ステンドグラス。
 セル・・・・毛織物の一種。肌ざわりがよく、初夏に着る。
 粉・・・・花粉。
 竪笛・・・・フルート。

□木下杢太郎「金粉酒」
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