よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

ソーシャル・イノベーションってカッコいい?greedからgreenへ

2012年05月08日 | ビジネス&社会起業

スタンフォード大学で教鞭をとっている人と面白い話になった。

もともとがイグジットを済ませた起業家でもあり、大学の仕事をするようになってからは、ボランティアで途上国向けのソーシャル・イノベーション支援や研究を仲間といっしょにやっている。(各種資料はここららダウンロードできるよ)国際的社会起業については、わりと熱心に書いたり、支援してきているので、ついつい話がアツくなってしまった。

もともとStanfordは、Sillicon Vallyに位置してinnovation eco systemのハブのような起業に熱心な大学ではあるのだが、近年の学生の志向性がずいぶん変わってきているというのだ。たしかにCornellからも似たような話はよく聞く。

僕がいたころのIvy leagueあたりでは、有能で、てんこ盛りの野心があれば、①スタートアップを設立して、すばやくファイナンスを行い、M&AかIPOでイグジット。そこまで才覚がなければ、②投資銀行やコンサルティング会社にいったんは就職、③その他の普通の学生は、大手企業、④その他ボンクラは役所へ、っていうのが、まあ定石だった。

日の丸エリート君たちの標準的キャリア選好は、④→③→②→①の順番で真逆ということで、しばしば揶揄されるのだが、こんな揶揄は、もはや一般的すぎて面白くないもなんともない。ところが、昨今のtop schoolでは、風向きが変わっていている。風の吹いている方向は、従来のカテゴリーにはない、ソーシャル・イノベーションであり、ソーシャル・ビジネスとなっている。

市場から排斥され、市場原理だけでは、なかなか解決できないような社会的問題に対して、まっとうな解決を与えてゆくイノベーション類型をソーシャル・イノベーション(Social Innovation)と呼ぶ。こうしたソーシャル・イノベーションを、ビジネス手法を活用することで実現する事業がソーシャル・ビジネスだ。

ピースコープ(ボランティアを組織して世界に人材を派遣する機関)やティーチ・フォー・アメリカ(大卒者を僻地の学校へ教師として派遣するNPO)も米国大学卒業者のトップ10にはいってきている。利他的でgreenであることを重視し、持続可能性を担保してゆく社会起業家(Social Entrepreneur)がカッコよく、利己的でgreedyなキャリア追求は、むしろカッコ悪いのだそうだ。

10年前と大差ない日本の、硬直的、画一的就職ランキングを見るにつけ、こりゃいったいなんだ?と思う昨今。ほとんどが衰退期、成熟期に入った大企業ばかり!そんなリスト、墓石リストとでも名前を変えた方がいい。


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