よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

ねじれ幸福感のガラパゴス化

2012年05月15日 | ニューパラダイム人間学

facebookで拾ってきたチャート。

平均余命を健康指標としてタテ軸、ひとりあたりGDPを横軸に配置して、国別のポジションをこのマトリックスに書き入れ、かつ、その国の人口規模をマルの大きさで相対化したもの。

3月におとずれたコンゴは左下の隅っこにある。つまり、最貧国のひとつで寿命(0才時での平均余命)も45才ちょっとと極めて短い。翻って日本は、バブル崩壊、長引くデフレ、財政逼迫といっても、右上の上の方。

なかほどに巨大人口を抱えて、右上に向かって伸びてくるであろうインドと中国がどかんと座っている。

日本人は長生きもするし、ひとりあたりGDPも高い。そしてそのような裕福さを享受する人口は、アメリカの約半分の大きさで、右上のグループの中でもひときわ存在感は高い。

つまり、客観的な幸福の条件は他の国々に比べれば整っている方だ。さて、客観的ではなく主観的な幸福感はどうか?

世界各国に暮らす人々の内面の幸福度を測定し比較するデータベースとしてエラスムス大学のワールド・データベース・オブ・ハピネス(WDH)というものがある。

WDHでは、「現在の生活にどの程度満足しているのか」という質問を10点満点で計量化したところ、な・なんと、日本は世界60位。日本の位置は、金融危機のギリシャ(56位)やお隣の中国(54位)よりも低い。主観的な生活満足度は先進国中最低レベルというのが日本の状況だ。

たしかに、鬱病患者は年々増えて、すでに100万人以上に達している。97年に集中した大手金融機関の破綻、大企業の倒産がトリガーになって、以降、年間自殺者は3万人以上で高止まりし、無縁死も年間3万人以上いる。こんななかで、幸せを感じることができるとしたら、それはよっぽど強い人で、まわりが見えていない人じゃないのか?

つまり、日本という国には、外形的な幸福感の条件はある程度高いレベルで揃ってはいるものの、そこに棲む居住者は、主観的に幸せを感じずらいという、ねじれ現象がある。カレル・ヴァン・ウォルフレンは官僚支配の構造を絵解きして、『人間を幸福にしない日本というシステム』を指摘したが、案外、こういう幸福感のねじれ現象に、それは顕れているのかもしれない。

なぜ、そうなのか、については、これからいろんな人と意見交換してみたい。

コンゴと日本。まさに両極端だ。でも、コンゴでは会う人、会う人、みなが良く笑っていた。とても笑えるような状況でなくても、とにかく、よく笑うのだ。幸せだから笑う、笑うから幸せになる・・・まあ、いろんな説明はあるようだが、国民一人当たりのGDPは日本はコンゴの100倍。

で、日本人はコンゴ人の100倍の笑うの?とんでもない。コンゴ人のほうが5倍くらいは笑っている。

日本では、ねじれ幸福感のガラパゴス化が進んでいるのかもしれない。

 


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