よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

IT企業の日米格差

2005年09月13日 | オープンソース物語
数年前まで日本の代表的IT企業から米国一流IT企業に派遣・出向していた友人がこんなことを言っていた。

「プログラマとしての力量は日米のソフトウエア開発企業の間で差は無いが、アーキテクト、リーダ、マネージャ、マーケティングといった、プロダクトの責任を持つ人材にかなりの力量の差があるように思える。これは、プログラミング自体は家内製手工業であり、ある程度以上のスキルが必要でないのに対し、それ以上のポジションの専門性が急激に増すためと思われる」

今年の1月にシアトルのマイクロソフト本社に招待されたときも、とある米国人副社長も同じようなことを言っていた。「マイクロソフトでは、プロダクトごとの責任をはっきりさせている。新商品のコンセプト、開発、商品化、マーケティング、更新、派生商品の開発までを一気通貫した組織体制でおこなうような組織改定はねんがらねんじゅうですよ。プロダクトに全責任を負うプロフェッショナルがMSを強くするんです」

日本では家内製手工業の職人スキルの養成には会社も個人も熱心だが、組織的に行う仕事をマネジメントする人材育成には後手後手に回ってきた。”"what to make" は、プロダクトづくりに責任を持つ人の課題だ。"how to make"系の仕事文化ではイノベーションの創出には限界がある。この文化の温度差が如実に顕れているのがソフトウエア・プロダクツのものづくりだ。

MOT(技術経営)という視点から、ソフトウエア・プロダクツのものづくりはもっと研究されるべきだ。いや、企業社会から遠い大学の研究室でできなければ、大学と現場の中間にポジションするプロフェッショナルが「ソフトウエア・プロダクツのものづくり」のMOTをやればいいのだ。




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