散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

肉の王国(2)

2011年01月28日 16時56分22秒 | ART
帯広には16時ちょっと前に到着。早速、帯広美術館へと向かう。どうやら今日は氷まつりらしく、途中の公園に氷像・雪像・氷の滑り台などがあるようだ。まだ明るいので、写真も見辛いが、後で日が暮れてライトアップされた氷像を見ると、結構綺麗であった。



今日の帯広美術館の展示は「風景に、浸る。自然と、遊ぶ。」という、帯美と函美の風景画コレクション展である。私は割と帯広には来るのだが、函館には興味のある特別展をやっている時にしか行かない。函美のコレクションを見ることができたのは、非常に良かった。



田辺三重松「阿寒湖」:横長200号くらいだろうか、雄大な作品。「巨人の星」での月が沈み日が昇るシーンを思い出した。
同「然別湖」:得意の田辺イエローが目立つ作品。
同「海峡」:陰鬱な海の色。並々ならぬ技量が分かる。

田中良「風景」「港A」:木々や洋館を描き、縦方向への展開が上手い。
北上聖牛「竹図」:朗々とした竹と雀。
高坂和子「叢・秋の幻影」:草むらをまさしく覗き込んだかのような、リアル画。

岩船修三「丘陵」:地層マニアが喜びそうな、グラデーションの作品。
池谷寅一「麓の町」:オレンジ、緑、黄色とカラフルな街を描き、日本離れした作品。
中村善策「北の国(函館)」:彼の函館作品は初見かな。教会を中心にどっしりと描いた、落ち着いた作品だ。

伊藤隆二「雪景」:スクエアな建物の横に、くにゃっと配置された樹がどことなくユーモラス。
長谷川潾次郎「雪はれた夕焼時」:去年話題になった長谷川作品が2点あった。家々の中心に煙突がにょきっと伸びる。
岩船修三「雪中鳥」:白く塗り込めたキャンバスに、鳥・家・植物? が見え隠れする。

田辺三重松「トラピスト修道院の夏」:フォービスムと言ってもいい感じ。
木村捷司「セゴヴィアの高原」:高原の村を上空からの視点で描いた、スケールの大きな作品。
炭光任「蛾と蝶」:非常に細やかで美しい。
鵜川五郎「1944年病める森」:戦争を描いた作品。村は燃え上がり、軍人や戦車が進撃する。山の中で立つ男の周りには頭蓋骨が散らばり、いましも洞窟の中では一人死んでいくようだ。何かねじ曲がったようなインパクトがある。

ということで、田辺三重松の作品の素晴らしさ再認識であった。

コレクションギャラリーでは「顔・かお・カオ~描かれた心のかたち~」という、肖像画を中心にした展示をやっていた。
多賀新「飛来」:4つの顔が描かれているようだが、インド神や日本の四天王が混ざったイメージである。
マリア・サッシ「イタリア航路、南アメリカ」:パイナップルやバナナで人の形を描き、楽しいポスターだ。


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