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 「Hoshino Parsons Project」のブログ

下牧人形浄瑠璃 奥州安達原 袖萩祭文

2013年05月25日 | 「月夜野百景」月に照らされてよみがえる里

 

「奥州安達原 三段目 袖萩祭文」は、「阿波の鳴門」などとともに人気の作品ですが、登場人物が多いばかりでなく、貞任、宗任それぞれがふたつの姿をもつことなど、ちょっとわかりにくい物語りでもあります。

 しかし、この複雑さはひとつの家族と血縁一族のなかにまとめられています。

 血縁ゆえの不条理や宿命の織りなす世界が物語りの魅力にもなってます。

 

 下牧人形浄瑠璃が、広く地域に浸透するためにも、あらすじだけでなく、登場人物、各場面の名セリフなどが多くの人の記憶に残るように、様々な表現で伝え広めることができたらと思います。

 (ここに掲載の写真はA3サイズのパネルにして、下牧公民館や下牧周辺の飲食店などに飾らせていただいてます。パネル掲示、下牧人形浄瑠璃の宣伝にご協力いただける店舗などさらに募集しております)

 

以下、徐々に書き足していく予定ですので、断片表現ご容赦ください。

 

【ものがたりの概要】

もとは能に同じ芸題があり、それを近松半二、竹本三郎兵衛らが浄瑠璃にし、宝暦12(1663)年に竹本座で初演したのがはじまり。

県内の人形芝居、農村歌舞伎などで最もやられる演目のひとつ。

筋は八幡太郎義家が、奥州の安倍貞任、宗任兄弟との前九年の役の後、安倍兄弟が再挙に苦心することを劇化したもの。

全幕上演されることはほとんどなく、もっぱら安達原三段目(俗に安達三)」袖萩祭文(又は仗屋形)の場のみ上演される。

 

仗直方は平氏でこの地一帯の支配をしていたが、娘姉妹のうち姉の袖萩は安倍貞任を恋い慕い、出奔してその妻となり、妹の敷妙は八幡太郎義家の妻となり、互いに敵味方に分かれてしまう。

前九年の役で敗れた安倍兄弟はひそかに義家を討つことを計画し、貞任は桂中納言教氏と名をかえて仗の館へ堂々と現れる。

舞台は、ある雪の降る中を夫と別れ、失明し、落ちぶれた袖萩が一人娘のお君に手をひかれて両親のいる館を訪れるところから始まる。

母の浜夕はすぐに袖萩とわかるが扉の中へは入れない。謙仗もわかって怒る。金が欲しいならそこで三味線を弾いて一曲歌うよう仕向けるところが袖萩祭文の見せ場。袖萩に癪がおき、雪の中お君が母をいたわる姿は涙をさそう。

そこへ安倍宗任が南兵衛と名乗って現れる。それを源義家にみつかる。その後桂中納言の貞任も見破られてしまい、義家と戦場での再会を約束するところで幕となる。

 

八幡太郎義家と安倍貞任、宗任との確執、娘を平家と源氏に分けてしまった謙仗夫妻の苦しみ、親に背いた報いに苦しむ袖萩の哀れさは、現代の人々にも訴えるものがある。

 

           萩原進『群馬の郷土芸能』みやま文庫 参照

 

  

太夫 竹本正子       三味線 竹本越京 

 

 太夫 竹本忠夫       三味線 竹本越京 

 

 


袖萩祭文の段



 

  

立て入にける、たださへ曇る雪空に、心の闇の暮近く、

ひと間に直す白梅も無情を急ぐ冬の風

身にこたゆるは、血筋の縁、

不憫やお袖はとぼとぼと親の大事と聞くつらさ

娘お君に手を引かれ親は子を杖子は親を、走らんとすれど、

雪道に力なくなく辿り来て


袖萩の娘 お君

   (阿部智美さん、牛口文子さん、高橋安起子さん) 

 

 

  

 

袖萩 貞任の妻

  (林洋子さん、遠山泰代さん、遠山容子さん) 

 

 

戸を叩くにも叩かれぬ不孝の報い

この垣一重が鉄(くろがね)の

門より高う心から・・・ 

 

 

 

孫と聞くより浜夕が

飛び立つ斗戸の隙間、

いだき入りたさ すがりたさ 

 浜夕 袖萩の母

  (星野てるみさん、野島幸恵さん、阿部則司さん)



 

 

同じ姉妹でも妹の敷妙は、八幡殿の北の方と呼ばるる手柄、

姉めは下郎を夫に持てば、根性までが下司女め


平�横仗直方  袖萩の父

 (高橋富士雄さん、高橋基一郎さん、久保力一さん)

 

 

 

 わしがやうな不幸な者が

なにとして、そなたのやうな

孝行な子を持った。

これも因果のうちかいな。

 

 

 

 

 

 オゝ歎きは理り

何かに付て一家の敵は八幡太郎

こなたも兄貞任殿の妻ならば

今宵何とぞ近寄て、

直方が首討れよ

 

外が浜南兵衛 実は安倍宗任(弟)

    (阿部則司さん、藤原大寿さん、高橋富士雄さん)

 

 

 

 

 桂中納言教氏 実は安倍貞任(兄)

   (松井田和夫さん、小林太一郎さん、野島典雄さん)

 

 

 

 

ハハア急いたりな貞任・・・

 

八幡太郎義家

   (阿部久さん、大坪修さん、岡田完二さん)

 

 

 

貞任は、密書を奪い返して悠々と引き上げようとするときに、源義家に偽りの中納言であることを見破られてしまう。

 

取手  (牛口文子さん、野島幸恵さん) 

 

 

 

 

 

 

 『とと様のふ』と稚子を見るにさすがの貞任も

恩愛の涙はらはらはらはら

 

 

 

実に尤も兄者人、

雪持笹は源氏の旗竿、

一矢射たるは当座の腹いせ、

首を洗ふて義家お待ちやれ

 

 

 

ホホウ互いの勝負は戦場戦場! 

 

 




母にわかれてをさな子が、

父よと呼ばふり返り

見やる目もとに一時雨

ばつと枯葉のちりぢりあらし

心よわれど兄弟が

また取直すいさみ聲

よるべなみだに立かねて

幾重の思ひ浜ゆふが

身にふる雪の白妙に

なびく源氏の御大将

安倍の貞任が武勇は今に隠れなし。

 

 

 

 

 

(参照)下牧人形浄瑠璃の紹介番組映像。

http://www.youtube.com/watch?v=dRBjuoYwvwk&feature=youtu.be

 

http://www.youtube.com/watch?v=0lGC4FzmD70

 

 

 

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