かみつけ岩坊の数寄、隙き、大好き

働き方が変わる、学び方が変わる、暮らしが変わる。
 「Hoshino Parsons Project」のブログ

リサイクル手づくり枝折りのつくり方

2021年12月12日 | 私の手作り枝折、ブックカバーと名刺
 しおりの活用方法は人それぞれかと思いますが、本の間に挟む目的では、挟んだ場所がわかりやすいこと、リボンなどをつける場合はある程度の硬さ(へたり込まない)があること、ページを押し上げないレベルの柔らかさがあること、硬すぎてすべり落ちたりし難い柔らかさであることなどの材質が重要です。
 
 実用性よりも、おしゃれなデザインを重視するのであれば、リボンはなんでもかまわず紐としてお気に入りのものを縛ればよいと思います。 
 
 
 リサイクル枝折のメリットは、そうした機能を重視することの他に、旅先での博物館、資料館などの思い出の入場券、あるいはコンサートチケットの保存活用として、枝折に加工して残すことが読書の時間をひと際楽しくすることにもつながります。

 
ここでは、文庫用の枝折として丁度よい使用済み図書カードのリサイクル使用方法をご紹介させていただきます。
 
 
【材料】 ・ 使用済み図書カード
     ・ リボン     ヘタレない硬さのある幅の狭いもの
     ・ 穴あけパンチ
 
 5mm幅 3色セット(ダイソー)
 
 
1,お気に入りのデザインの仕様済み図書カードにパンチで穴を空ける。
パンチ穴位置は、パンチの設定奥行そのままだと、やや深くなりすぎるので、
写真のような少し手前の位置で、パンチ穴を空ける。
 
 
2,用意したリボンを穴に通す
 
リボンは、先に斜めにカットしておく
曲がりクセのついたものは、表に反る向きで差し込んだ方がよい
 
 
3,枝折として適切な長さに合わせて抑える

 
 
4,裏返して、長い方をリボンの出ている部分の下に回して
45度の角度で折り曲げる。
 
 
5,リボンを下から巻き込むように折り曲げる


6,パンチ穴を通してリボンを表側へ
 
 
7,表側の横にまたいだリボンの下に通す
 
 
8,長さを合わせて交互にハサミ型になるようにリボンをカットする
 
リボンのカットする長さは、完全に同じより
多少ずれた長さの方が見栄えが良いかと思います。
 
 
 
 
 
手順の説明が下手でもうしわけありませんが、 ぜひ自分好みの手作り枝折をつくってみてください。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

試し刷りの紙を利用したブックカバーが予想外に素敵。

2019年01月21日 | 私の手作り枝折、ブックカバーと名刺

 かつて若い頃、電車中で読書をする機会が多かったときは、私にとってブックカバーはなくてはならないものでした。ところが、ほとんど家の中でしか本を読む機会のない今の暮らしでは、原則としてブックカバーを利用することは滅多にありません。カバーがかかったままでは、それが何の本か分からなくなり、必要な本が行方不明になってしまうことが多いからです。

それでもごく稀にですが、カバーを必要とすることがあります。

それは、やはりカバーとしての機能を求める時で、読んでいる間、少しでも大切な本を痛めたくない場合や、タイトルを他人に見られたくない場合、あるいは表紙デザインのつまらない本を見せかけ化粧をするときなどです。

既製商品のブックカバーで一番のお気に入りは、この正倉院宝物のブックカバー。
デザイン、使い勝手、手触りともにとても良いです。 

 

以前はお気に入りの本屋のブックカバーをよく使っていたものですが、いつからとなくそれまでのお気に入りの本屋のブックカバーも飽きてきてしまいました。

どうしても業務で作られブックカバーというのは、不特定の人に利用してもらう都合からか極端に好みが分かれるようなデザインは使えず、どちらかというと地味な味わいが求められるからです。
 

そこで、ちょっとだけ踏み込んだブックカバーデザインはできないものかと十年以上前に試作してみたのが、下の王羲之の書をあしらったもの。

気に入ったデザインをただ切り貼りして色紙にコピーしただけのものです。
そうしたやり方で何種類か作ってみた記憶があります。 
でも、これは紙質や色など間にあわせのものであったため、あくまでも試作の域にとどまるものでした。 

 

それがあるときから急に、試作の域を超えたレベルのブックカバーを手にできるようになりました。きっかけは、ポスターやチラシなどのデザインを考えているときに大量に出る試し印刷、色校正の紙です。

 

次の写真のカバーデザインは、日本美術の中でも私の一番のお気に入り。世界美術史の中でも最高峰に位置するのではないかと思ってる本阿弥光悦と俵屋宗達の最強コンビによる傑作。 

これを家の障子に使おうと思って、ネットで検索した画像を印刷したものです。

その中で、障子の桟に寸法がぴったり合わなかったものなどをブックカバーにしました。

 

 

本来の使用先はこちら

 

 

 その後、ポスターやチラシのデザインをするたびに、校正などで何度も印刷訂正したものがたまり、もったいないので、それらをブックカバーとして使うようになりました。 

 

 

どんどんブックカバーの種類が増えるのは、様々なデザインの印刷物をつくる機会が増えたこともありますが、それ以上に、あくまでも個人で使用するものなので、どんな意匠・デザインを使おうが著作権を気にすることなく利用出来ることにもあります。

おかげで、これまではなかなかなかった攻めのデザインを使えるようになりました。

 

 

 このカバーの元は、

 拡大印刷したら、写真がピンボケだったものです。

 

気がつけば、今の私のライフスタイルでは原則としてブックカバーは使わないと言っていたのが、いつの間にか幾つものブックカバーをタイトルがわからない不自由を感じながらも使用するようになってしまいました。

いくつかのプリンター設定の違いを使いこなせていないので、幸か不幸かこのところブックカバーは増える一方です。

 

カバーをかける新しい楽しさを発見することができましたが、カバーだらけの本が並ぶ本棚など実用性はないので、今後しばらくの間は新次元の攻防が続くことになりそうです。

 

雑誌付録のカレンダー、日本美術襖絵を利用したブックカバーなど、身近にある気に入ったデザインのものをいろいろ試してみるのも楽しい。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4ツ折り10面名刺

2018年10月03日 | 私の手作り枝折、ブックカバーと名刺

なにかと雑多な活動をしている私の場合、その都度、自分をどう説明するか

名刺の使い分けには苦労しています。

仕事や活動分野に応じて何種類かの名刺をつくり使い分けたりしていましたが、

どうも何種類も持ち歩くことも面倒で、なかなかうまく活用できないものです。

そこで十年ほど前に、すべてを一枚にまとめようと、4つ折り10面の名刺を作ってみました。





シミのついた色褪せた紙の写真をデザインとして地に印刷。
作るたびにデザインは少しずつ手直しを重ねてます。

裏表カラー印刷で、折り作業とかもあるので
かなりの手間とコストがかかっています。

 

その後、もう少し手間をはぶける二つ折りの枝折り使用の名刺をつくりました。

でもこちらは、持ち歩く機会も少なく、ほとんど活用はできませんでした。

 

 

ところが、十年も経てば仕事の軸足も活動スタイルもかなり変わります。

そこでまた新しく作り直すことにしました。

前回は両面プリントアウトの手作業で作りましたが、ネット印刷に出した方が安いかもしれません。

 

2021年改訂

正林堂とタヌキ会議を大幅に変えて、QRコードを入れました。

 


表面版下


裏面版下

 

 

二つ折りくらいの名刺はしばしば見ますが、四つ折り10面の名刺というのは、まだ見たことがありません。

はたして受け取った側はどう感じるでしょうか。

管理のし難さから迷惑がられるかもしれませんが、世の中全体が

一つの仕事や一つの活動で自分を表現することが難しくなり出しているので、

もしかしたらこれからは次第にこういったスタイルの名刺も特殊ではなくなるかもしれません。


私自身、仕事に限らない自己表現のスタイルは大事な課題なので、

手間を惜しまずにさらに練りこんでいきたいと思っています。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私の手作り「しおり」 その1

2008年04月23日 | 私の手作り枝折、ブックカバーと名刺
私が作っている栞のことを書かないのかと知人に言われたので、書いて見ることにしました。
この栞のことは、話し出したら何時間でも語れる内容があるので、
いつか要点をまとめる必要があると感じてました。

この「手作り栞」を作り始めてたのは、もう2年ほど前にまで遡る。

伊香保の地名を詠んだ万葉東歌が九種もあることを知り、なんとか、このことを地元の人たちにもっと知ってもらおうと栞形式でつくり始めたのがそもそもでした。

最初はピンクや青、グリーンの上質紙にリボンをつけて、
最もわかりやすい歌である
「伊香保風吹く日吹かぬ日ありといへど吾が恋のみし時なかりけり」
の一首だけをつくった。

ちょうど作成して間もなく、正林堂の新装開店の時期になったので、
裏に12月12日新装開店の案内文字を入れて配りはじめました。

このとき量産作業に入りだしたころから、この栞の持つ価値について、
いろいろと考えて改良を重ねるようになりました。

まず第一に重要だと思ったことは、栞というものが、書店にとってきわめて有効な営業宣伝ツールであるということです。

本屋の持っている宣伝ツールとしては、栞の他にブックカバー、手提げ袋、看板、ホームページなどがありますが、そのなかでも、ブックカバーと栞は最も頻度高く、店の印象をお客さん(読者)にもってもらえる性格のものです。

これまでブックカバーは、そうした価値を広く認められ様々なアピールのためのデザイン工夫がされてきましたが、それに比べると意外と栞は、どうもこれといったものがない。

本を開き、閉じるたびに、手にとって挟みなおす栞こそ、喜ばれるデザインや機能のものであれば、末永く喜んで使ってもらえる性格のものであると思う。

これは、きちんとした喜ばれるものをつくれば、コストをかける価値が十分あると思った。


第二に、それほど大事な需要のある栞であるにもかかわらず、これまで、納得のいく機能、デザインを兼ね備えたものがほとんど見当たらないということがありました。

栞とは、文字どおり読書をしているときに読み手をストレスなくサポートしてくれるものでなければならない。
にもかかわらず、多くの栞は、紙が厚すぎたりして、本を読んでいるときにその厚さからページを押し上げてしまう。
使用する紙は、厚すぎてもいけない。
また薄すぎてもいけない。

さらに時々おしゃれのためにリボン、ひものたぐいが穴を通してつけられていることがあるが、これもせっかく手間をかけていながら、ただの紐では、位置を示す機能として本の間から出ることがなかなかできず、その多くは本の間に垂れてしまってその役割を果たしていないものが多い。

リボン紐は、ピンと自立した硬さがないと位置をすばやく確認する役割ははたさないのです。


第三に、しおりというデザイン面が広告表示などの文字印刷面として、きわめて注目度の高い性格を持っているということです。

これは、読書のおりにたびたび見る機会があるということから、短期的な宣伝の内容物ではなく、時が経っても衰えることのない内容の表現物の方が価値を増す。

岩波文庫のしおりなどは、本の装丁の基礎知識や、故事の所以などのマメ知識が書いてあるが、そうしたマメ知識が、店や地域固有の内容であれば、より一層価値が増すことと思う。
そうした活用をしているしおりもあまりお目にかかったことがない。

私の手作り栞は、こうした性格を加味して改良を重ねて作ってきたもので、
紙質もはじめのころのただの色付上質紙に比べると、随分高価な紙を使うようになってきた。それでも、やはり紙質を上げた方が反応が各段に良くなり、末永く大事に使ってもらえるような気がする。


このようにして、現在の栞のスタイルが決まってきたのですが、この作成はリボンがあるばかりに、とても手間のかかるものになってしまっています。
このことには、まわりでも賛否両論、否、否定的な見方の方が多いかもしれない。

そんなコストと手間をかける価値がほんとうにあるの?
どこかに印刷を頼んで、一度に大量につくったほうが安く、効率もいいんじゃないの?

こんな声がよく聞かれます。

しかし、私はその方法はまだとりません。
現実にリボンをつける作業がどうしても手作業になってしまう分、外注に出してもそれほど安くはできないのと、今の栞の内容が万葉東歌ということから、渡して喜んでくれるひとは、そう無制限にたくさんいるものではなく、ごく限られた分野のひとなので、それほど一気に大量生産しなくても、店のレジ番をしているときや自宅でTVを見ているときなどに作業するだけで制作はおいついてしまうのです。

それでも、内部からは店長の高い人件費をかけてやる作業ではないでしょう、との声が出てきます。
確かに、レジのパートさんに時間のあるときはリボンつけなど手伝ってもらうこともあります。

しかし、これはただの作業として行っているものではなく、万葉東歌がこの地に集中している意味を多くのひとにわかってもらいたいという思いとともに作っている作業なので、万葉歌に興味関心のない人にただ作業を手伝ってもらっても、この手作り栞の価値は増さない。

バカなことを言うと思うかもしれませんが、
人がそんな手のかかることやって何になるんだ、という作業を
私が5年、10年かけて5万枚、10万枚とつくり手渡す作業を通じてはじめて
一定の市民権を得た認知をされる文化になるのではないかと勝手に信じているのです。

まだまだ、話す長い内容があるので、
次回にこの栞のバラエティのことを書くことにします。




       正林堂店長の雑記帖 2007/1/27(土)より転載
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私の手作り栞 その2

2008年04月23日 | 私の手作り枝折、ブックカバーと名刺
かれこれ私の手作り栞のバラエティーも、
万葉歌だけで12種類、
その他を含めると14種類あまりになった。

伊香保万葉歌の9首
「伊香保ろの 八尺の堰塞に 立つ虹の 顕ろまでも さ寝をさ寝てば」
「上毛野 伊香保の嶺ろに 降ろ雪の 行き過ぎかてぬ 妹が家のあたり」
「上毛野 伊香保の沼に 植え子水葱 かく恋むやと 種求めけん」
「伊香保風 吹く日吹かぬ日 ありといえど 吾が恋のみし 時無かりけり」
「伊香保嶺に 雷な鳴りそね わが上には 故は無けれど 児らによりてそ」
「伊香保世欲 奈可中次下 思ひとろ 隈こそしつと 忘れ為なふも」
「伊香保ろに 天雲い継ぎ かぬまづく 人とおたはふ いざ寝しめとら」
「伊香保嶺の 阻の榛原 わが衣に 着き寄らしもよ 一重と思えば」
「伊香保嶺の 阻の榛原 ねもころに 将来をな兼ねそ 現在し善かば」

渋川市の花でもあるアジサイの万葉歌2首
「あぢさゐの 八重咲くごとく 八つ代にを いませわが背子 みつつ偲はむ」
「言問はぬ 木すらあぢさゐ 諸弟らが 練りの むらとに 詐えけり」

子持の万葉東歌
「子持山 若かへるでの 黄葉つまで 寝もと我は思う 汝は何どか思ふ」

9首の伊香保万葉歌は、これまで地元では、伊香保温泉周辺でしか取り上げられていなかったのですが、そもそも万葉の時代の伊香保とは、現在の伊香保温泉周辺だけのことではなく、榛名山周辺の広域(特に東南域)を指していたことなので、合併渋川市にとってとても大切なテーマだと思っています。

詳しくは「かみつけの国 本のテーマ館」内「伊香保万葉東歌の世界」をご参照ください。
http://kamituke.hp.infoseek.co.jp/

群馬県人であれば上毛カルタは、だれでも覚えているが、榛名山周辺では、この9首の伊香保万葉歌こそ誰もが知っているようになって欲しい。

さらに、なぜ伊香保という地名を詠んだ万葉歌がこれほどまでに集中しているのかということ、
群馬の古墳の数が奈良県の2倍にものぼるということが、
古代においていかに群馬が東国の中心地として栄えていたかを想像させる理由にもなっている。

話は群馬という地名の由縁、
榛名神社と伊香保神社の勢力逆転の歴史
大和政権と東国支配の関係、
古代東山道のはたした役割、
古代政権にとって最大の資源である金銀銅水銀など鉱物資源入手ルートなど、
次から次へ、この栞が尽きない話題を提供してくれる。

またこの万葉歌は、その季節ごとに使い分けることもできる。

紫陽花の2首は、もちろん6月の梅雨時
夏には「雷な鳴りそね わが上には 故は無けれど 児らによりてそ」と
   「八尺の堰塞に 立つ虹の」の歌
秋には「子持山 若かへるでの 黄葉つまで」
冬には「伊香保の嶺ろに 降ろ雪の 行き過ぎかてぬ」

もっとも万葉仮名は、ただの古語とは異なり、とても解釈の難しいものもたくさんあり、
専門家の間でも意見がまとまらないようなものが多いので、
それこそ自信をもって素人なりに、より面白い解釈を提供することもできる。
普及させるには、学問的に正しいかどうかよりも
面白いかどうかを優先させて、落語的解釈をどんどんしていこうかと思っている。

とりあえず、この伊香保万葉歌だけで
5万枚作成普及が当面の目標です。

次回には子持万葉歌と「子持の眠り姫」のことを書きます。






正林堂店長の雑記帖 2007/1/28(日) より転載
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私の手作り栞 その3

2008年04月23日 | 私の手作り枝折、ブックカバーと名刺
2006年の夏、
お店のスタッフが気がついたことをホームページに書いていたら
ふとしたお客さんとの会話から、そのことがどうやら
大発見につながることであることが見えてきました。

それは、渋川市北方の赤城、子持方面から小野子山の裾野を見ると、
その山のかたちが美しい女性の寝姿に見えるということす。

ただ単に山のかたちが、人の姿に見えるだけなら格別珍しいことでもないのですが、
このことで大発見につながったのは、この女性の寝姿の形が、
安産、子宝信仰の子持神社の参道を登って神社に近づくにつれて、
お腹がだんだん膨らんでくるように見えるということです。

はじめのうちは、子持神社との関連性に気づかず、
ただ見る場所によってお腹が膨らむということで、
「孕んだ眠り姫」というだけの話題にしていましたが、
子持神社との地理関係に気づくにしたがって、子持神社、子持山、小野子山それぞれの関係が、
すべてこの女性の寝姿に端を発しているように感じられてきたのです。

これは、下手な町おこし事業をやるよりもずっと、ロマンあふれる郷土作りにつながるのではないかと、
この子持の万葉歌のしおりの普及とともに、この話題を広くひろめるように
あちこちのネットコミュなどに書き込みながら宣伝を始めました。

地元の子持周辺の会うひと会うひとに、このことを聞きまくりましたが、
女性の寝姿の山のことは知っていても、
子持神社に近づくにしたがってこの女性のお腹が膨らんでくるということは、
ほとんど誰も知りませんでした。


そして、説明文を改良してつくられたのが、次の万葉東歌の栞。

「子持山 若かへるでの 黄葉つまで 寝もと我は思う 汝は何どか思ふ」

子持山の楓の若葉が紅葉するまで、
私はこうしてお前と寝ていたいと思うのだけれど
お前はどう思う?               (現代文大意)

この万葉歌も、もしかしたらこの山の女性の形をみてつくられているのではないかと思えてきます。

詳しくは「かみつけの国 本のテーマ館」内「子持の眠り姫」のページをご参照ください。
http://kamituke.hp.infoseek.co.jp/


そんな騒ぎを昨年後半はずっとしていたのですが、
この「子持の眠り姫の万葉栞」はさらに新しいご縁を広げてくれました。

実は日航機事故のことがご縁で知り合った埼玉のある看護師さんが、
不妊治療トレーニングのコミュを立ち上げ、そのコミュ写真アップのお手伝いなどをしているうちに、
この栞が、安産、子宝のお守りとして活用してもらえることを思いついたのです。

たまたま、こうしたご縁で私も入ってしまったその「プレママ・トレーニング」というコミュ、
独身の男がひとり入っていてもなんとなく居心地がわるく、
写真も決まり、お守り栞も出来たことだし、年末に区切りとして退会させてもらおうと軽く考えたら
その看護師さんから、社会問題としてせっかく男のひとに参加してもらっているのに
勝手に辞めるなんてヒドイ!と、大変なお叱りをうけてしまいました。

そんなこともあり、引き続き「プレママ・トレーニング」コミュの
紙ナプキンがどうした、生理がどうしたとかいう話に
独身男がひとり参加しているのですが、
1月半ばを過ぎたころ、1人のメンバーから待望のオメデタ報告がありました。
そして、その方はなんとこの栞を大事にカバンのなかにいつも持っていてくれたというのです。

ネット上でしか知らない面識のまったくない人ですが、
ひとりのオメデタが、参加しているこのコミュの第1号報告としても価値ありますが
こんなに嬉しい思いを自分がするとは思いもよりませんでした。
今頃になってですが、
この歳になって、生命そのものの喜びを初めて知ったような気がしました。
その第一号オメデタ報告のメールが看護師さんから飛び込んできたのは
夕方、1人で店番レジにいるときでしたが、
目の前にお客さんがいるのに、こみ上げる涙をこらえるのに必至でした。

もちろん、栞の実際の効果など言わずもがなですが、
この栞を普及させる価値が間違いなく存在するのだということは
このとき確信することができました。

そんなこともあって、
今もひとりで、
シコシコと栞のリボンを折る。


正林堂店長の雑記帖 2007/1/29(月)より転載
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私の手作り栞 その4

2008年04月23日 | 私の手作り枝折、ブックカバーと名刺
私の手作り栞は、万葉歌のものばかりではありません。
この万葉栞を作る前に、
自分の名刺栞を作成したのが、おそらくこのパターンの最初だと思います。

「本屋の名刺はこうでなくちゃ!」
と、名刺にパンチで穴をあけ、そこに今の栞のパターンのリボンをつけ
本に挟んで栞として活用してもらえる名刺をつくりました。
その頃は、パソコン用の様々な名刺用台紙を買ってきては、
いろいろなデザインを試していました。

正確な記憶はありませんが、
おそらくこれが私の手作り栞のはじまりだったのではないかと思います。

この経験がもとになって、
次に、私のピアノの師匠であり、メゾソプラノ歌手でもあり、俳人でもある方の
俳句を利用した短冊名刺が出来上がりました。

これも様々なタイプを試作しましたが、
俳句の短冊として合う台紙のデザイン紙は、はじめはただの色紙を使ってましたが、
原稿の背景に草花の写真を単色に変えて印刷したのが一番うまくいったような気がします。

その方の名刺表現に最も相応しい作品として、
句集をいろいろ引っくり返しながら、いくつかの句の選んで栞を作ってみましたが、
私は次の一句が名刺用表現としてベストではないかと勝手に選ばせてもらいました。

「霧裂きゆく言の葉を一花とし」

これをオモテ面に短冊風に記し
裏に、名刺として名前、住所を印刷しました。

先に、「本屋の名刺はこうでなくちゃ!」というものを作りましたが、
今度は、「俳人、歌人の名刺は、こうでなくちゃ!」というものを作ったつもりです。

これは、けっこう喜んでいただけたようでした。

この発想でいくと、他にもいろんなパターンの業界の名刺が考えられそうです。

そして、
お店で次に思いついたのが
「合格祈願」しおり。

正林堂は、書店のなかでも
比較的高校生を中心とした学習参考書の専門店として知られてます。
この高校生や中学生が、受験時期になるとたくさん参考書を買ってくれるのですが、
せっかく学習参考書の専門店でありながら、
なかなかそれに相応しい独自のサービスが出来ていませんでした。
なにか、そうしたものはないかと日頃考えていたところ思いついたのが、
この「合格祈願」しおり。

これも、受験生にただばらまいたのでは、あまり喜んでもらえないのです。
レジに受験関係の参考書を持ってきた高校生(中学生)にだけ、
ふっと急に思いついたように、
「あっ!コレあげる。がんばってね。」
と言って渡してあげると、ふだんブスッと口もきかないような高校生が
ニコっとして帰っていくのです。

この栞は、店名などの表現がなにも入っていない純粋なもので、
裏に店名くらい印刷しようかと思いましたが、
従業員から、この方がいいと思うと言われ、今もそのままで配ってます。




正林堂店長の雑記帖 2007/1/30(火)より転載
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私の手作り栞 その5

2008年04月23日 | 私の手作り枝折、ブックカバーと名刺
今回で「手作り栞」シリーズは最終回。
しおりの作り方を簡単に説明します。

手づくり栞の一番のポイントは、
リボン部分をキレイに、機能的に折り曲げることです。
この技術さえ覚えれば、どんな材料でも「しおり」として簡単に作ることができます。

使用するリボンは、100円ショップ(ダイソー)の贈答用パッケージなどを売っているコーナーの細いリボン。2色2巻のパック(写真)を使用します。

1、まず要領をつかむために、練習用として適当な厚紙にパンチで穴をあけます。
   穴位置の深さは、通常の2穴パンチの奥までいっぱいに挟み込むとちょっと深すぎるくらいに
  なってしまうので、奥にぴったりつけた位置より2mmくらい手前で穴をあけます。

2、そこにリボンを通します。
   リボンの通し方は、はじめに適切な長さに切ってから通す方法と、ロールのまま、端から通していく方法がありますが、長さの調節をするためには、はじめに切ってしまうより、先にリボンを通して、ある程度折り曲げてから、適切な長さに切った方が作業は楽になります。

3、リボンの折り曲げ方
   写真のような硬いリボンでなければ、穴の通しかた、折り曲げ方がどうやってもかまわないのですが、この硬いリボンをあえて使用し、きれいに折り曲げることで、栞として使いやすく、おしゃれなかたちに仕上げることができます。
   そのために、しおりの肩の位置の折り返しは、45度に折り曲げることで、紙と栞がぐらつくことなく固定される役割も果たすことができます。
   実際の手順は、写真を参考に折り曲げてみてください。

4、カットの仕方。
  リボンのカットは長さだけあわせて適当に切ってもかまわないのですが、
  三角になるようにカットして向きを交互に、ハサミ状にしたほうが、
  最終の長さ調節が多少ずれてもそのズレが美しくみえます。

ここまで出来れば、小さな紙片であれば、名刺や展覧会やコンサートのチケット片など、
あらゆるものを美しい栞として残すことができます。
とくに演奏会や展覧会のチケットなどは思い出として保存するうえでも、
ファイルに保存してしまうより、この方法で日常で活用するほうが私は気に入ってます。

5、印刷
万葉東歌栞のようなかたちの印刷は、
パソコンでA4サイズ8枚取りの版下を作成すれば、どのような原稿でも可能です。
一番最初にA4サイズ8枚取りの位置決めに、慣れないと多少苦労しますが、
一度、位置決めしたパターンができれば、様々な原稿で応用作品をつくることができるので、
はじめは面倒でも、是非トライしてみてください。

6、カット
 印刷したら、あとはカットするだけですが、
 このカット作業も大量にする場合は結構手間がかかります。
 私は、自宅オフィスに手動断裁機を買いました。
 これは、栞専用というわけではなく、簡易製本をするためにも欲しかったので、
ネットで3万円弱で見つけたものですが、
重量もあり、結構場所もとるので、なかなか会社で買ってもらうわけにはいきません




正林堂店長の雑記帖 2007/1/31(水)より転記
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

手作り栞 Ver.5

2008年04月23日 | 私の手作り枝折、ブックカバーと名刺
伊香保の万葉東歌などの私の手作りしおり、短歌の短冊のイメージを利用しているために
やや縦長で、文庫サイズに使用するにはちょっと長すぎる。
いっそ短くしてしまおうかと迷っていましたが、
いい方法が思い浮かびました。

それは、使用済みの図書カードを利用する方法です。
作り方は従来のものとまったく同じ。

ところが、この図書カードを利用する方法、
予想外に使い勝手が良い。

図書カードの材質が、実に薄くて、やわらかい。
加えて紙と違って、長く使ってもほとんど傷むことのない丈夫さも兼ねてる。

写真は、ピーターラビットのシリーズですが、
けっこう洒落たデザインのカードもたくさんあります。

最近、お客さんの出したカードが使い切られると、
『終わったカードはこちらで処分してよろしいですか?』
と聞くのが愉しみになった。
ほんとうは、
「こちらで使わせていただいてよろしいですか?」
と、聞かなければならないところだろうが、
お客さんが
「ハイ。」
と言ってくれるやいなや、
思わず、ニターっとしてしまう。

(これ、ここに書いて大丈夫かな?)




正林堂店長の雑記帖 2007/9/16(日)より転載
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする