英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

チャーチルの政治哲学や人生観を土台にし、幅広い分野の話を取り上げる。そして自説を述べる。

安倍首相の不可思議な行動は今の日本人の民度を表すのか    政権が何も答えなかった今国会閉会に思う

2018年07月21日 10時25分22秒 | 日本の政治
 今国会の会期の最終日は22日だが、20日で事実上閉会した。この国会で、森友・加計問題は解決されず、カジノを含む統合型リゾート実施法と、働き方改革関連法が成立した。安倍晋三首相は9月の自民党総裁選挙に向けて始動している。
 1885年に伊藤博文が初代の首相に就任してから138年。63人の首相が日本に現れたが、これほどまでに日本人と国家に悪害を与えた首相は安倍氏を除いていない。
安倍氏は凡庸な首相だ。凡庸な首相はこれまで何人もいたが、凡庸でも誠実なら救われる。しかし安倍首相は森友・加計問題で少なくとも「誠実」ではなかった。「うそ」をついているという人々も多い。確たる証拠はないが、国民から、そう思われては、国家の指導者としては失格だ。
 加計・森友問題では、安倍首相の妻の昭恵さんと親しい関係にあった森友学園の籠池泰典理事長(容疑者)が国会の証人喚問を受けた。一方、加計学園の親友、加計孝太郎理事長は証人喚問されなかった。妻の昭恵氏の証人喚問も拒否された。
 安部夫人が昨日まで親しかった籠池夫妻を切った。一方、安倍首相は加計氏をかばった。カジノ法案にしても働き方改革にしても、野党と十分に議論もせずに成立させた。
 外交においても、米国史上最低のトランプ大統領の片棒を担ぎ、「イエスマン」に徹した。拉致問題でもトランプ大統領に頼る。しかし北朝鮮の独裁者、金正恩に相手にもされない。
 安倍政権は戦略を立てることができず、目の前のことばかりに目をやる。長期的戦略を立て、目の前のことに執着する傾向が強い国民を説得し、それでもだめなら、自らの信念を貫いて前進する政治家ではない。何よりも政権の堅持ばかりに汲々となり、支持者の顔色をうかがい、国民に迎合する。本当の意味では、国民のことは二の次にしていることになる。
 安倍首相に数度会った同志社大学のオフェル・フェルドマンさんは「日本の典型的な政治家と同じです。安倍さんは今も、どんな自己イメージを周囲が持っているのか、メディアが自分についてどう報道するのかに特に敏感なのでは。・・・特定のメディアを名指した首相は、今まではほとんどいません」(21日付朝日新聞から引用)。自分を守るために、有権者やメディアを気にし、取り巻き連中の「イエス」に満足する。
 時事芸人のプチ鹿島さんは言う。「安倍さんの最近の発言には、ご本人の性格が表れています。安倍さんが何に手応えを感じているかと言えば、野党自民党時代に始めたフェイスブック(FB)でしょう。FBはツイッターと違い、互いを友達承認しなければならず、自分への応援がパーッと並ぶ。・・・そうだ、そうだ、という賛同を得やすい空間を手に入れる」(21日付朝日新聞から引用)と語る。
    安倍氏は子どもと同じで、「よい子」だと言われることに精神的な安寧を得るのだ。安倍首相は、SNS時代の寵児かもしれない。人気を求め、感情のままに投稿する。安倍首相の中に、劣化していく政治家と、彼らを国会へ送り出す有権者の民度の劣化を垣間見いる。