魚料理が美味しいおもてなしの宿
五浦から10分ほどで磯原へ戻り、この日宿泊する海沿いの「二つ島観光ホテル」へ着きました。
2階の部屋から手が届きそうに見えるこれが二つ島。
東日本大震災で1つが沈み、2つだった島が1つになったのだそうです。
震災前は上部に草木が繁っていたものの、津波にさらわれ大きさも2/3程度に。
夜間もライトアップされていましたし、窓から見えるものは海とポツンと立つこの島だけ。
夕に朝に見るたびに、夫が「右側が埴輪の横顔に似ている」というので、よ~く見るとホントにそう思えてきました。
おまけにてっぺんにはオバQの毛のような草がペンペンと。
地震と津波にもめげず踏ん張ってきたこの島(岩礁)が愛しくなりました。
この幅10㎝余りの布の巾着袋が透明袋に入れられ、テーブルの上に置いてありました。
「アクセサリー入れにお使いください」という女将さんからのメッセージ入りおみやげです。
うれしいですね、こんな心遣い。
よく、時計をどこに置いたかと探してしまうので大いに役立ちました。
宿泊前日にも「お気をつけていらしてください。ゆかたのサイズはMでよろしいですか」という電話がありましたが、
毛筆のウェルカムメッセージが添えられたゆかた箱にはタビックスとともに、陣羽織(ちゃんちゃんこ)、フリースのガウン風羽織まで。
温泉場はすぐなのですが外の階段を通るので、フリース羽織のおもてなしなのでしょう。
あんこう鍋や魚料理が美味しそうでこのホテルを選んだのですが、やはり正解でした。
前菜 バイ貝、白子の西京漬けが美味しかった。
お造り マグロ、金目鯛、生ダコに生シラス、エビ、全部新鮮でした。
あんこう鍋 合わせみそ仕立て、意外にさっぱりしていました。
25㎝以上ありそうなカサゴの煮つけ。添えられた野菜も美味しい。
カレイとメヒカリのから揚げとフグの天ぷら。から揚げは骨まで食べられます。
この後は撮り忘れましたが、白身魚の蕎麦粥という珍しい蒸し物。
蕎麦の実を使った変わりお粥でした。
あんこう鍋の雑炊はもうお腹いっぱいで味見程度にしました。
デザート フルーツの上にかけられたイチゴ風味のジュレが爽やかでした。
お腹いっぱいでもデザートは別腹です。
こちらは朝食 ブリのしゃぶしゃぶ、3種の海藻の味噌汁など、またまたお腹いっぱいに。
夕食と朝食で何種類の海産物を頂いたことでしょう。
夕食のカサゴの煮付けは余りに大きくて、私の分は丸々残したのですが、チェックアウト時にはそれを真空パックにして持たせてくれました。
おまけに「お気をつけて」のメッセージ入り焼きおにぎり2個を頂きました。
帰りの車中で食べた焼きおにぎりの美味しかったこと!
高級宿のおもてなしは当然のこととして、こういう中規模の古い普通の宿がソフト面で努力しているのは好感が持てます。
サービス過剰は鼻につくものですが、さりげない心のこもったおもてなしは客に伝わるものです。
筆の手書きウェルカムメッセージをポンと屑籠に捨てて帰る訳にはいきません。
海の幸を満喫し、野口雨情と岡倉天心を知るいい旅でした。
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