面白さてんこ盛りの「北斎とジャポニスム展」
雲ひとつない真っ青な空に、世界文化遺産の国立西洋美術館がひときわ映えていました。
葛飾北斎の浮世絵がいかに西洋の画家に影響を与えたか、北斎の作品とそれにインスピレーションを得て創りだされた
西洋美術の名品を対比してみせる「北斎とジャポニスム」展。
会場入り口には写真OKの看板と同じ、エドガー・ドガの《踊り子たち、ピンクと緑》と『北斎漫画』十一編の力士の絵がありました。
バレリーナとお相撲さん、まるで違う世界の人たちですがポーズがそっくり。
北斎は人体の骨格や筋肉の付き具合を接骨の専門から熱心に学んだのだそうです。
北斎が追及した人体の日常性や人の作る形の面白さはドガをはじめ、多くの画家に衝撃を与えました。
風景画にしても《富嶽三十六景》の構図から着想を得たモネやセザンヌ、ピサロ。
スーラは北斎の海の波の構図をそのまま岬に置き換えて描いていたのにはビックリ。
西洋の静物画はそれまで花瓶に活けた花が描かれていたものが、北斎の描くクローズアップした野生の花々にヒントを得て、
ゴッホやモネはその視点からカンヴァスいっぱいのバラや菊の絵を描いています。素晴らしかったです。
絵だけではなく、ガレのガラス器やランプ、キャビネット、ロイヤルコペンハーゲンの花器などに至るまで、
北斎が描いた植物や動物、昆虫にそっくりの意匠が取り入れられています。
森羅万象をダイナミックに描いた北斎の作品がいかに多大な影響を与えたかが分かる貴重な展覧会です。
北斎さんすご~いと痛快な気分になりました。
今、世界が注目する日本文化を誇りに思いますが、150年も前からヨーロッパに受け入れられていたのですね。
北斎の作品が小さいので、人並みをかき分けようやく見られる状態のため最後はクタクタ。
でもショップの人が「今日は少ない方ですよ」と。
ミニ版のはがきサイズより幅が大きい位の図録がありましたので買いました。
それを開いてはユニークだった展覧会の余韻に浸っています。
「北斎とジャポニスム」国立西洋美術館 1月28日(日)まで
上野公園は嵐の前の静けさ?
国立西洋美術館を出て歩いていると、何やら長い行列が・・・
プラカードを見ると「100分待ち」と書いてあり、上野の森美術館で開催中の「怖い絵展」入館待ちの人々でした。
話題を呼んだ人気の展覧会ですが、それにしても100分も待てるなんて真似できませ~ん。
公園の通りを楽しませてくれるヘブンアーティストの人々。
マリンバがクリスマスソングを奏でて、師走ムードを感じさせました。
行くたびに近くを通っているのですが、これまで気づかなかった有名人の手形を発見しました。
美空ひばりの手は小さかったのですね。
渥美清のサインは寅さんの手紙の字を思い起こさせました。
公園を出たところの交差点に、トピアリーの2頭のパンダ像が設置されていますが、
シンシンの肩の上に真新しい赤ちゃんパンダがちょこんと乗っています。
シャンシャンの誕生を祝って作られたものなのでしょうね。
信号機前のカフェPRONTOではラテやパンケーキもパンダ、パンダ。
来週19日からのシャンシャン公開で上野動物園は子どもたちの歓声で賑わうことでしょう。
おまけに師走のアメ横、上野周辺はどうなることやら。
お寿司とみはしのあんみつ食べて、上野駅を後にしました。