レポートが遅くなりましたが、11月19日から3泊4日で島根に行ってきました。
羽田から出雲縁結び空港に降り立ったのが4時近く、空港バスで出雲市駅に着いたのが5時前でした。
駅前のホテルに今回は3泊して、出雲大社、松江、足立美術館を巡ることにしました。
ホテルのすぐ近くにのどぐろ料理で人気の店があるのですが、この日は残念ながら定休日。
その近くの「山頭火」という居酒屋で夕食をとりました。
初めての出雲、郷土料理を食べたいとコース料理を希望しましたが、予約でいっぱいとのこと。
そこで、地魚刺身盛り合わせや大山鶏の天ぷら、地元産のナントカいう大根のサラダ、シジミの味噌汁、十六島(うるっぷ)海苔のおにぎりなどをオーダーしました。
どれも小平周辺では味わえないような美味しさに感激しました。
特に大根のサラダはこちらの居酒屋のものとは別物だし、「幻の海苔」とあった十六島海苔のおにぎりも何ともいえない磯の風味がある海苔でした。
十六島は島ではなく出雲の北端、日本海に突き出た岬がある町の名前。
ここで12月から1月までの短期間、極寒の岩場で収穫した希少価値ある高級海苔だとか。
松江の駅で見つけましたが板海苔が1万円以上もしたので、この海苔が20%足らず入った佃煮を買って帰りました。
旅行初日で気持ちが浮き立っていたのか、肝心の料理の写真を撮るのを忘れてしまったのです。
器も素敵だし、とてもおしゃれな居酒屋さんでした。
次の日は足立美術館目指して、山陰本線で安来(やすぎ)駅へ。
出雲市駅から1時間10分位で着きました。
安来はどじょうすくい踊りの安来節で知られた街。
駅構内のテーブルまで安来節一色でした。
まるで絵のような足立美術館の庭園
駅からシャトルバスで約20分で足立美術館へ着きました。
まだ10時前というのに、広い駐車場には観光バスがズラリ。
山陰のツアーといえば、足立美術館が入っていますものね・
入口横にある「歓迎の庭」の紅葉が真っ赤に染まって迎えてくれました。
この方が足立美術館創設者の実業家、足立全康氏です。
「庭園もまた一幅の絵画である」との信念で1970年(昭和45)に開館。
開館からもう53年も経つなんて知りませんでした。
アメリカの日本庭園専門誌で全国約1000か所の候補地の中から、20年連続で庭園日本一に選ばれているというのも頷けます。
ちなみに館内のパンフレットの日本庭園ベスト20の中に、青梅の玉堂美術館が7位にランクインしていましたので、多摩地域に住む者としてニンマリとした次第です。
5万坪もの庭園に枯山水庭、白砂青松庭などが広がっています。
1ミリのゴミもないようなパーフェクトな美しさ。
毎朝開館前に職員総出で1時間かけて掃除をするそうです。
以前、テレビで見たのですが、ここの専属の庭師の方々の徹底した管理に感動したことがあります。
赤松の状態が悪くなった場合はすぐに取り換えられるよう、別の土地にスペアの赤松がたくさん用意されているとか。
借景となっている背後の山の木の高さにも神経を巡らせていました。
生の額絵、窓枠がそのまま額縁になっています。
この前には撮影用のベンチも設置され、ツアー客の長崎弁を耳にして懐かしい思いがしました。
生の掛け軸の仕掛けもあったのですが、人の群れで写真が撮れませんでした。
苔庭です。
この美術館は横山大観コレクションで知られ、120点もの作品を収蔵しているそうです。
大作「紅葉」には圧倒させられました。
絢爛豪華、大胆な構図と紅葉の濃淡がダイナミックでした。
大展示室では橋本関雪と榊原紫峰の日本画秋季特別展が開催されていました。
繊細な筆遣いの動物たちや花や鳥が美しく、日本画の素晴らしさに浸ることができました。
魯山人館でも楽しめました。
陶芸、篆刻、書画、自由で独創的かつモダンな作品は見て飽きることがありませんでした。
喫茶室「大観」で出雲ぜんざいを食べてひと休みしました。
庭に面した席は順番待ちでしたが、内側の席にはすぐ入れました。
庭を見ながら優雅にといきたいところでしたが、私たち夫婦は食欲の方が先にたつのでしょう。
お昼近くになるとツアーの皆さんがいなくなったのか、急に人の姿が減りました、
日本画と日本庭園に対する創設者の深い思いを伝える美術館に、改めて日本人の美意識の凄さを感じた次第です。
また、シャトルバスに乗り松江に向かいました。