「いちゃりばーちょーでー」忘れえぬ沖縄の人々
那覇大綱挽保存会副会長 比嘉晃さん
旗頭「西一番」のメンバーの方たち
11月20日夜、ホテル近くの島唄が聞ける居酒屋で出会った方々。
男性ばかり40人位の宴会中でした。
その中には、その日陶器市で見た旗頭(その2で紹介)の黒装束の人たちも。
(あとで、陶器市の旗頭とは別の組の旗頭とわかりましたが)
お祭りの打ち上げのようでした。
私たちが帰ろうとする頃、声をかけてくださったのが比嘉晃さんでした。
ギネス認定の世界一巨大な綱をひく、那覇大綱挽保存会副会長という偉い方でした。
ところがダジャレ連発の、それはそれは面白い方。
地元の方の話を聞きたいと思っていた私にとって、うれしい出会いでした。
ましてや、その日に勇壮な旗頭を見たばかりだったので、こんな偶然に感謝です。
比嘉さんは、ジョークを交えつつ大綱挽きや旗頭について熱っぽく語ってくださいました。
毎年10月、体育の日の前日に開催される那覇大綱挽は観衆28万人、挽き手が1万5千人以上という超ビッグな綱挽き。
観光客も挽き手として参加OKだそうです。
毎年藁でつくられる綱は、男綱100メートル、女綱100メートル、総重量は43トン、直径は1.5メートル。
男綱と女綱を合わせ、かぬち棒というものを入れ、東西に分かれ2百本以上の手綱を挽き合い勝負する。
その中心となるのが東西14の旗頭のようです。
17世紀の琉球王朝から続く伝統行事ですが、1935年から35年間は途絶えていました。
それが本土復帰の前年、1971年市制50周年記念事業として、10月10日に復活したのだそうです。
「いかに伝統を守り、引き継いでいくか」「旗頭の若い人たちをいかに育てていくか」
笑顔の裏に、常に全体を見渡し、重責を担う方の厳しさも垣間見えました。
若い人から聞くと、比嘉さんは70歳になられた現在も「旗持ちができる、スゴイ方」だとか。
皆からリスペクトされていらっしゃいます。
「40年前、花小金井に住んだことがある」と伺いビックリ!
縁は異なものですね。
「来年はぜひ、見に来てください」と何度もおっしゃいました。
大綱挽き見物とともに、比嘉さんのダジャレを聞きたくて、会いにいきますよ。
希望が丘公園に設置されている大綱のレプリカ
那覇市街角ガイドの眞喜志修さん
(その2)で訪れた壺屋陶器まつりでボランティアガイドのテントにいらした眞喜志さん。
陶器まつりに来た人々にやちむん通りなどをガイドするサービスをしていらっしゃいました。
このNPO法人那覇市街角ガイドには91名が登録していて、最高齢者は88歳だそうです。
眞喜志さんは米軍キャンプに30年余勤務していたので、英語対応もできる方。
那覇の歴史や習慣から、首里のまんじゅうのことまで1時間近く立ち話しました。
所々、沖縄方言が入るので、わからない言葉もありましたが・・・
沖縄愛に満ちた、本当に那覇に詳しい方です。
今度、訪ねた時はガイドしてほしいです。
公設牧志市場、大城商店のおばぁ
「沖縄のおばぁ」という言葉にはどこかおおらかで、はじけて可愛いイメージがします。
「沖縄のおばぁ」の本で読んだ、牧志市場内の大城商店を訪ねると、かのおばぁがいらっしゃいました。
お土産を買うと、何も言わず袋におまけの黒砂糖を入れてくださる。
その手つきとさりげなさに年季が入っていて感心しました。
それもそのはず、牧志市場開設以来50年この地で商売し、
その前も出店で売っていたとか。
御年82歳、筋金入りの商い人です。
「写真を撮っていいですか」と尋ねたところ、「いゃ~ナントカ(沖縄弁)」
拒否されたと思ったら途端に、手前の商品を取ってホーズ。
さすが、取材慣れ?カワイイ!
今度行く時も、絶対元気でいてくださいね。
那覇の人々との出会いが、今回の旅を一層思い出深いものにしてくれました。
沖縄弁で「いちゃりばーちょーでー」とは、いちゃりば(一度出会えば)ちょーでー(兄弟さ)という意味。
いい言葉ですね。だから沖縄が好きです。