以前から毎年、行きたいと思っていた「染の小道」イベントに友人と行ってきました。
西武新宿線中井駅を降りるとすぐに目に入ったのが、妙正寺川の川面に揺れるカラフルな反物でした。
300mにわたって続く「川のギャラリー」。
幼稚園児や小学生がデザインして染めた反物がズラリ。
昔から東京の染色産業の中心地である落合、中井地区。
この川で川筋の染工場の職人さんたちが染め物の水洗いをしていたそうです。
そんな昭和30年代頃の街の記憶を現代に引き継ごうと始まったイベントも12回目。
染色の職人さんと商店と住民が一体となって、3日間(2/21~23)街を丸ごと染め物で飾りました。
まず、作品展示や実演が行われている、落合第五小学校へ。
体育館の中は着物やのれんの展示、作家の実演や風呂敷の使い方などで賑わっていました。
藍染めののれん
型染めの縄のれん
「ジオメトリー」と題された小紋ののれん、おしゃれです。
「オリンピック今昔」古代の競技が描かれた友禅
お琴の演奏もありました。
東京手描友禅の伝統工芸士、熊﨑和人さんが実演をなさっていました。
京友禅、加賀友禅と東京友禅を三大友禅というのだそうです。
東京友禅は京都や加賀のように職人が分業で仕上げるのではなく、1枚の友禅をデザイン、下絵、彩色、仕上げまで
一人でこなすのだとか。
そして特徴は粋な町人文化の影響で、色数を抑え、青みがかった色調をしていること。
江戸名所図が描かれた熊﨑さんの着物が展示してありました。
そのち密さ、これが手描きであると思うと気が遠くなりそう。
一竹辻が花の久保田一竹さんが追求した富士山のように、絵画のように見える着物です。
(写真を撮り忘れてごめんなさい!)
熊谷さんは古典から現代風の創作まで、どんな注文もこなす名人です。
ランチをとった店入口にもこんなのれんが掛けてありました。
魚やさんがやっている和食の店だからでしょうか?
こんな創作のれんが110枚も、街なかのお店に掛けられ「道のギャラリー」となっていました。
ぶらぶら歩きものれんが気になって・・・
不動産屋の入口に掛けてあったり、面白くて楽しい。
店先では可愛い小物が売られ、路地裏には「ねこみちアートフェス」として小さな店だけでなく、
テーブル1台の出店が通りに沿っていくつも。
布や織りの手作り品やアクセサリーなど個性的な雑貨が売られていました。
こんな可愛い着物とブーツの姉妹にも出会いました。
染のイベントですから、さすがに着物姿の女性が多く見かけられました。
年配の女性だけでなく、着物にベレー帽の大正ロマン風や、短い裾丈にズックの若い女性たちも。
自由に着物を楽しんで、和装もいろいろな形で現代風にアレンジされて残っていくのでは?
そう感じた、染の小道 でした。