5月の終わり、人生初のお伊勢参りに行ってきました。
「一生に一度はお伊勢参り」と昔から言われていますのに、このトシになるまで何故だか行く機会がありませんでした。
沖縄や北海道には10回以上行っていますのに・・・
新幹線のぞみを名古屋で降りて、この参宮線快速みえに乗り換えました。
ディーゼルカーのエンジン音が懐かしく、「ガンバって走ってるぞ」そう言っているようでした。
ローカル線はいいですね。
名古屋から約2時間、新幹線に乗っている時間よりも長いです。
夫婦岩で有名な二見浦のホテルに泊まったのですが、その駅も夫婦岩をイメージしたもの。
駅前に鳥居があり,夫婦岩の二見興玉神社への参道が続いています。
ホテルの前は伊勢湾の海が広がり、静かでいい所です。
人影も見えない松林が清々しい。
通りには文化財になりそうな古い旅館が並んでいます。
格式高い旅館もある中で、もう廃業したような旅館も見かけられました。
ホテル近くのガイドブックにも載っていた老舗の店で夕食をしようと楽しみにしていたのですが、
何と看板が下ろされていて、定休日ではなく閉店したようでガッカリ。
飲食店も平日夜は休みなのかどこも閉まっている状況。
コロナの影響なのか、これが地方の街の現況なのか、歩きながら哀しくなりました。
でも駅の近くの「扇屋」という店に入って気分を持ち直しました。
お客さんが数組いて、店内にはジャズが流れ外観とは違う趣でした。
注文したのは「扇屋定食」、伊勢えび(小さいですが)のウニソース焼き、松坂牛のハンバーグ、地元ブランド豚の煮豚、
エビフライにエビマヨなど、ワクワクする献立です。
全部美味しかった、ここに来てよかったと夫ともども満足の味でした。
さて翌朝は6時過ぎに、夫婦岩のある二見興玉神社へ出かけました。
ホテルから海岸沿いに行くと、すぐに「賓日館(ひんじつかん)」というりっぱな建物がありました。
伊勢神宮に参拝する皇族や各界の要人の宿として、明治20年に建てられたものだとか。
現在は国指定重要文化財として資料館になり、季節の催しなどが開かれています。
松林の中にこのような歴史的な建物がいくつもみられるのですから、二見浦って凄いところです。
誰一人見かけない、海を眺めながらのウオーキングは小平では決して味わえないものです。
海へせり出した突堤の先で、モーニングコーヒー(?)を楽しむ人たちが遠くに見えました。
ホテルから歩いて10分程で、有名な夫婦岩に着きます。
意外にに岸から近いところにあるのですね。
5月、6月、7月はこの2つの岩の間から日の出が見られます。
天気がいいと富士山が見えることもあるとか。
5月5日に張り替えられたばかりの大注連縄は「結界の縄」と称されているそうです。
猿田彦大神を祀る二見興玉神社は伊勢神宮にお参りする前に、ここで穢れを落とし浄化した心身で臨むのが正式な参拝とされています。
そのために二見浦に泊まったといいたいところですが、海を見たかったのが本心でしょうか?
ネコのお守り付きのおみくじをひいたら、「大吉」。
うれしくて、神社の写真を撮り忘れてしまいました。
夫婦岩の写真を撮っていると、背後から「撮りましょか?」と語尾が上がる地元の言葉が聞こえました。
えんじ色の上下を着た女性でしたので、神社の方かなと思ったのですが、何と伊勢神宮の外宮近くに住んでいて、
ここまで走って来たとのこと。
片道7キロ位はあるのではないでしょうか。
元ビーチバレーの選手だったそうで、ランニングが日課のようでした。
逆光だからと場所を変えながら、恐縮する位親切に私たちを撮ってくれました。
地元の人に人気の伊勢の美味しい店や居酒屋なども教えてくれたり、しばし話に花を咲かせました。
早朝からのこんな出会いは何より旅先でうれしいことです。
境内にも店先にもあちこちにカエルがたくさん!
「無事帰る」、旅の安全と航海の安穏を祈念されているといいます。
現在は「貸したものがかえる」「若かえる」も付け加えられているようです。
夫婦円満、縁結び、大変ご利益のある神社に早朝、お参りできたことは幸いでした。
これで伊勢神宮正式参拝の真似事がスタートできました。